チャットボットはユーザーからの問い合わせ対応を自動化するツールです。カスタマーセンターやECサイト、社内ヘルプデスク、新卒採用サイトなど、業種・業態を問わず幅広く使われています。
自社でチャットボット導入を検討する際、使ったことがなければイメージが湧きにくいでしょう。そんなときに他社の導入事例があれば、導入後のメリットがイメージしやすくなるかもしれません。
本記事では、チャットボットを導入するメリットを解説し、実際のチャットボット導入事例を目的や利用シーン別に一挙紹介します。チャットボット導入を成功させるポイントもあわせて解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
また、弊社サンソウシステムズでは月額1万円から利用できる「さっとFAQ」というチャットボットツールを提供しています。Excelから会話データを作成できるため、専門的なプログラミングスキルは必要ありません。誰でも簡単にさっと導入・運用が可能なところが特徴です。
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チャットボットとは?
チャットボットとは、ユーザーと会話形式でコミュニケーションを行うプログラムやシステムのことで、テキストまたは音声での対話を通じて質問に答えたり、情報を提供したりするプログラムです。人工知能(AI)や自然言語処理(NLP)技術を活用することでより人間らしい応答が可能となり、カスタマーサポート、業務自動化、オンラインショッピングのガイド、教育や医療の補助など、幅広い分野で活用されています。
チャットボットを利用することで24時間稼働し続けるサポート体制を実現し、人の負担を軽減しつつ効率化を促します。シンプルなルールベースのものから機械学習を駆使した複雑なものまであり、ユーザー体験を向上させるだけでなく、運用コスト削減や顧客満足度の向上に寄与しているのです。近年では、ChatGPTのような高度なAIを活用したボットが登場し、複雑な質問への対応も可能になったため、広範な応用が進んでいます。
文字だけのやり取りをイメージする人も多いかもしれませんが、音声によるやり取りができるチャットボットもあります。例えば、Appleが提供するSiriもチャットボットの仕組みを活用したものです。

チャットボットを導入するメリット
チャットボットを導入することで24時間365日対応が可能になり、いつでもアクセスできるサポート体制の実現が可能です。これにより、好きなタイミングで疑問を解決できるため顧客満足度が向上します。チャットボットは一度構築されれば複数のユーザーに同時対応が可能で、コールセンターやサポートスタッフの負担を軽減し、運用コストや人件費を削減できます。
さらに、チャットボットは即時応答ができ、待ち時間を大幅な短縮が可能です。一貫した対応をおこなうことで、情報のばらつきや誤解が生まれにくくなり、顧客満足度の向上が期待できます。業務自動化にも貢献し、反復的な質問への回答や定型業務の処理を任せることで、多言語対応のチャットボットにも対応でき、海外顧客のニーズにもスムーズに応えることが可能です。
チャットボットを活用することで、問い合わせに対する社内負担が減り業務効率化ができるだけでなく、顧客満足度も向上するのです。

チャットボットが効果的であるケース・場面の一例
チャットボットの導入が効果的に機能するのは、「問い合わせ対応の負担を減らしたい」「顧客サービスを向上したい」などのケースです。導入によって自社の課題解決が見込める場合には、本格的に運用を検討してもよいでしょう。
ここでは、チャットボットが効果的と考えられるケースや場面の一例を紹介します。自社で抱えている課題とチャットボットの強みを照らし合わせながら、有効であるかを検討してみてください。
問い合わせの工数を減らしたい
チャットボットを使用することで、問い合わせ対応の工数を大幅に削減できます。
チャットボットは24時間稼働し、瞬時に問い合わせに対応できるため、オペレーターが対応する問い合わせ数そのものが大きく減少します。特に、よくある質問(FAQ)や定型的な問い合わせに対しては、事前に設定された回答を迅速に返すことができるため、オペレーターが手作業で対応する時間の削減が可能です。
また、チャットボットは同時に複数のユーザーに対応できるため、ピーク時の問い合わせ対応も効率的におこなえます。結果として、問い合わせ対応のスピードが向上し、顧客満足度が上がるだけでなく、業務全体の負担を軽減することで運用コストの削減にもつながります。
問い合わせの自動化によってカスタマーセンターの業務が減少し、オペレーターの負担が減り、人件費が抑えられます。空いたリソースやコストを別の事業に回すこともできるでしょう。
問い合わせの工数を減らしたいなら、チャットボットの導入を検討してみましょう。

顧客に対するサポートやサービスを向上させたい
顧客に対するサポートやサービスを向上させたい場合も、チャットボットの活用がおすすめです。
チャットボットの導入は、顧客にとっても以下のようなメリットがあります。
- テキストを入力するだけで問い合わせできる
- 即時にトラブルシューティングできる
- 電話料金がかからない
- オペレーターに電話が繋がるまでの待ち時間がなくなる
チャットボットを設置することで、顧客はより素早く疑問や課題を解決できるようになります。サポートやサービスの利便性が向上することは、顧客にとっても大きな利点です。
また、チャットボットは一貫性のある対応を提供し、オペレーター間の回答のばらつきを避けることができます。さらに、多言語対応のチャットボットを導入することで、異なる言語を話す顧客にもスムーズに対応でき、グローバルな顧客層へのサービス強化が可能です。高度なAIを搭載したチャットボットは、学習を通じてより自然な会話や複雑な対応ができるようになり、顧客の要望を正確に把握し最適な解決策を提供することで、顧客体験の向上にもつながります。
最終的にはサービス・商品の購入や顧客満足度の向上につながる部分もあるでしょう。
採用活動を効率化したい
チャットボットを採用活動に導入することで、求職者からの質問に24時間、即座に回答することができます。そのため、採用担当者の業務負担を軽減し、求職者への迅速な対応が可能です。
採用活動において、企業は学生側の疑問にできるだけ回答することが大切です。社会経験がない学生にとって、企業や業務内容など疑問に思うことはたくさんあるでしょう。
とはいえ、企業担当者相手に電話をかけたり説明会で挙手したりするのは、心理的ハードルが高いと感じる人もいます。疑問を解決できずに結局エントリーしなかったり、採用フローから離脱したりするケースもあるかもしれません。
チャットボットがあれば、相手は人間ではなく機械であるため、気負わずに質問できます。多くの学生の不安を払拭し、より多くの応募獲得が期待できるでしょう。
さらに、チャットボットは応募者情報を自動で収集し、面接のスケジューリングやリマインダーの送信といった業務のサポートがおこなえます。これにより管理業務が軽減され、採用までの流れをスムーズに進行できます。高度なチャットボットはAIによる学習機能を持つため、応募者からのさまざまな質問に対応し、よりパーソナライズされた体験を提供することができるため、業務の効率化と求職者の満足度向上の両立が可能です。

ニーズを把握したい
顧客ニーズを把握する目的でも、チャットボットが役立ちます。あまり目立たない点かもしれませんが、企業にとっては大きなメリットです。
多くのチャットボットは、問い合わせ内容や時間、頻度について「ダッシュボード」「アナリティクス」などといった機能で統計がとれます。
このデータを参照すれば、「ユーザーが何に疑問を抱いているか」「どれくらいの人数に興味を持たれているか」をチェックすることが可能です。
データを分析しチャットボット上の返答パターンを追加・改善していけば、顧客へのサポートを高められます。さらに、チャットボットで得られたデータを参考に、今後の営業活動や製品開発に活かすことも可能です。
ナレッジを共有したい
社内のナレッジ共有にもチャットボットは有効です。ナレッジ共有をチャットボットでおこなうようにすれば、社員は会話形式で気軽にナレッジを確認でき、生産性の向上が期待できるでしょう。
少なからずITツールに触れたことがある人であれば、チャットボットの扱いは難しいものではないはずです。社内ヘルプデスクはもちろん、部署間での問い合わせ数の削減も期待できるため、企業全体の業務効率・生産性アップにつなげられます。
導入してすぐに効果が出るとは限りませんが、一度仕組みを構築してしまえば、あとは定着させていくだけです。効果検証をしながら精度を高めていけば、より有効に活用できるでしょう。

官公庁・自治体サポートを向上させたい
チャットボットは民間企業だけではなく、官公庁や自治体でも導入が可能です。実際に利用している事例も多数存在します。
チャットボットは「一般企業や、先進的なIT企業でのみ使われているもの」と誤解しがちですが、実際はそうではありません。
官公庁や自治体は、国民ないし市区町村民から膨大な問い合わせを受けます。カスタマーサポートだけでは十分に対応しきれず、批判を浴びることも少なくありません。
チャットボットを設置することで、問い合わせに対してよりスムーズに返答できる仕組みを作れます。担当者は複雑な質問のみ対応すればよくなり、負担を大きく減らせるでしょう。
公的機関が扱う内容は、一般的には難解なものや複雑な内容であることが多く、問い合わせ件数も多い傾向にあります。簡単な質問への回答をチャットボットで自動化することで、本来対応すべき問い合わせに時間を割けるようになるでしょう。

問い合わせ回数を大幅に改善したチャットボット活用事例
チャットボットの最大のメリットは、オペレーターが対応する問い合わせ件数を減らせることです。入電が多いとオペレーターは疲弊し、サポート品質の低下や離職率向上につながります。
チャットボットを導入すれば、初歩的な質問にはテキストベースで対応し、本当に有人対応が必要な問い合わせだけにオペレーターを割り当てることが可能です。
以下では、チャットボットの導入によって問い合わせ数を削減した事例を紹介します。
【株式会社テンダ】問い合わせ数を2割削減
マニュアル自動作成ソフト「Dojo」を提供する株式会社テンダでは、複数あるビジネスプロダクトへのヘルプデスクの一部として、チャットボットを活用しています。
同社では、ヘルプデスクの人員不足や受付時間が平日昼間に限られていることが理由で、リアルタイムでの対応が難しいという課題がありました。
顧客対応用にチャットボットを導入したところ、半年後には平均4割程度の質問数をチャットボットで解決できるようになりました。これは問い合わせ数全体の2割に相当し、社内の負担軽減につながっています。
今後はチャットボットで解決できる質問数を、段階的に増加させる予定だそうです。
【株式会社フォトクリエイト】簡単な問い合わせを大きく削減
引用:https://www.photocreate.co.jp/
日本で初めてインターネットを介して写真販売を開始した株式会社フォトクリエイトでは、全国の幼稚園や保育園・小中高校などでおこわれる運動会などの行事を撮影した写真を閲覧・購入できるサービスを展開しています。
サポートチームでは顧客に対してできるだけ丁寧に時間をかけて対応をしたいと考えていました。そのため、簡単な質問は自己解決してもらいたくサイト上にFAQを設置していたものの、活用されていなかったそうです。
そこでチャットボットの導入が必要だと考え、比較検討した上で導入しました。
回答となるデータは「伝えること」を意識し端的に作成したそうです。さらに、類義語辞書にワードを追加していくことで着々と精度を上げていきました。
導入後は簡単な質問が明らかに減ったそうで、サポートチームの負担も大きく軽減したと言います。
参照:導入直後から調べればわかるような簡単な質問が明らかに減少。営業時間外の問い合わせにも対応できる体制を構築できた。
【株式会社別川製作所】問い合わせを2割削減・従業員満足度も向上
引用:https://www.betsukawa.co.jp/
株式会社別川製作所は、電気設備・配線・エネルギーシステムを取り扱うインフラ系企業です。
同社の取り扱う製品は、官公庁や鉄道会社、病院などで活用されています。専門性が高いこともあり、顧客から届く数多くの問い合わせを受けなければいけない状況でした。
従来は各部門の担当者が適宜電話で対応するスタイルを取っていましたが、問い合わせ数が多いほか、分類が難しい質問内容が大量に総務部へと流れる、などの問題に悩まされていたそうです。
同社はこのような問い合わせに対応するためにチャットボットを導入しました。また、その存在を社内クラウドツールで周知し、会社全体で運用しました。
成果としては、問い合わせ件数が従来よりも20%減少したと言います。管理部の残業負担が減ったり、総務部から「重複する質問が減った」というフィードバックがあったりと、会社全体でチャットボットのメリットが感じられている様子です。
参照:社員からの問い合わせを約20%削減し、管理部の残業も減少!自社キャラクターを採用するなどの工夫により、従業員満足度調査では “職場活性度”の数値が向上!

某ECサイト運営企業でオペレーターの業務負担を軽減
ECサイトを運営する某企業は、利用者から毎日50件を超える電話問い合わせに対応していました。同じような内容の問い合わせも多く、都度回答をしなければいけない状況が課題になっていたと言います。
そこで、オペレーターによくある問い合わせをメモしておいてもらい、チャットボットを導入してまとめた内容に自動で対応するようにしました。
鳴り止むことのなかった電話が鳴らなくなり、オペレーターの業務負担が大きく減ったそうです。空いたリソースはカスタマーセンターのサポート向上やアップセルに費やせるようになり、施策を担える部署へと変わっていったと言います。
某ゲームコンテンツ業でよくある質問への対応を削減
NFTゲームコンテンツのサイトを運営するある企業では、多くのプレイヤーから毎日同じ質問が寄せられることに悩みを抱えていました。問い合わせはフォームやメールから寄せられ、対応による業務負荷は大きいものだったと言います。
新規加入者のことも考え、ランディングページに「よくある質問」を設置して探してもらうのではなく、チャットボットで自己解決してもらおうと導入を決定しました。
運用後しばらくしてチャットボットのログを見てみると、よくある質問に対しては一定の自己解決率が見られたと言います。その根拠として、フォームやメールでの問い合わせ数も減ったそうです。
さらに、チャットの履歴から新規加入者やプレイヤーの興味関心や不満などの汲み取りができ、今後はプレイヤーの満足度向上にも活用していきたいと考えていると言います。
顧客・社内対応の効率化に貢献したチャットボット活用事例
チャットボットを導入することで、顧客対応のスピードや品質の向上が可能です。
チャットボットに入力されたテキストに対して的確な返答を返せれば、顧客側は電話をかけることなく必要な情報を獲得できます。
顧客対応がスピードアップして品質も向上すれば、サービスに対する顧客の満足度や商品の購入意思にも良い影響を与えるでしょう。
ここでは、上記のような課題の解決が達成されたいくつかの事例を紹介します。
【宇津救命丸株式会社】電話による問い合わせを削減
引用:https://www.uzukyumeigan.co.jp/
宇津救命丸株式会社は、風邪薬やスキンケアなど多岐にわたる医薬品を開発し販売している会社です。同社は消費者からの問い合わせ対応における、電話に代わるツールとしてチャットボットを活用しています。
毎月50件以上ある消費者からの問い合わせに対し、限られた社員数で効率的に対応する必要がありました。しかし、問い合わせ内容のほとんどは、特定の商品に関することや定型的な内容の問い合わせであったため、このような「よくある質問」に効率的に対応し、複雑な問い合わせに注力する方法を模索していたと言います。
テレワークの導入をきっかけに、効率的な問い合わせ対応のための新たな取り組みとして、同社はチャットボットの導入を決定しました。
お客様相談室用にもともと用意してあったExcelをそのまま活用できることや、簡単にチャットボットを作れるという点が決め手となり、「さっとFAQ」を導入しています。週2,3時間の作業時間を取り、約2ヵ月でリリースできました。
リリース後もメンテナンスを重ね、現在ではリリース当初よりもチャット開始率を20%向上させることに成功しています。さらに、同社はチャットボットを導入したことで電話での問い合わせが2割ほど減少しました。
問い合わせが減った分、複雑な問い合わせに対応するための時間をより多く作り出せ、従業員の業務範囲の拡大にも成功しています。
【株式会社医療産業研究所】カウンセリングの利用促進に成功
株式会社医療産業研究所は、ヘルスケア分野に特化した調査会社です。同社は製品やサービスの問い合わせと、不調を抱えるクライアント先の従業員への健康相談の2つの目的にチャットボットを活用しています。
カウンセリングに興味がある人でも、実際に直接相談することは多くの人にとってはハードルが高いです。同社は、「カウンセリングに相談するほどでもないが、何かアドバイスが欲しい」という人に向けて抵抗感なく使ってもらえるツールがあればと考えていました。
また、同社が提供するストレスチェックサービスを受ける人に対し、楽しいコンテンツを見てもらいたいという想いもありました。そこで、ITの知識がなくても直感的にチャットボットを作れる「さっとFAQ」の導入を決定したそうです。
製品やサービスの案内だけではなく、問い合わせについてもチャットボットで対応が可能なため、新規顧客のサービス導入検討に使用されています。
チャットボットでの健康相談を通じて、実際にカウンセリングの申込に至ったケースもありました。事前にチャットボットで相談し、自分の状態にあったアドバイスが得られることで、カウンセリング利用への抵抗感を下げることに成功しています。
参照:わずか2週間で2つのチャットボットを公開 メンタルヘルス事業でDXを実現
【花キューピット株式会社】回答精度を工夫して顧客満足度が向上
フラワーギフトの受注事業を展開する花キューピット株式会社は、カスタマーセンターを取り巻く環境の改善のためにチャットボットを導入しました。
同社のカスタマーセンターは、外的要因として人材の採用難やロケーション確保、内的要因として商品の特性上、繁閑の差が激しいという課題があったそうです。特に、母の日などの繁忙期には問い合わせに対応しきれない状況が発生していました。
業務を効率化するだけでは限界があると感じ、顧客に自己解決を促すツールとしてチャットボット「さっとFAQ」を導入したそうです。導入後、利用者数やチャット回数を見ると、母の日の前後は平均の約2.5倍も利用されていることがわかりました。
最初は問い合わせの内容にほとんど回答できていなかったそうですが、データを分析しさまざまな問い合わせに対応できるように回答を工夫し精度を上げていきました。基本的な質問はチャットボットで自己解決できているデータが取れており、顧客満足度の向上にも直結していると考えているそうです。
参照:「お花を贈りたい」という思いに寄り添って お客様の手間をチャットボットで軽減
【e-Janネットワークス株式会社】海外ユーザーとのコミュニケーションを強化
テレワークプラットフォームサービスやリモートアクセスサービスなどの業務インフラを提供するe-Janネットワークス株式会社では、海外顧客に向けて英語や中国語のチャットボットを設置しています。
同社は日本語サイトだけではなく、英語や中国語サイトも公開しており、各サイトに合った言語のチャットボットで海外ユーザーとコミュニケーションを試みています。
海外からの問い合わせに有人で対応するには人件費がかさんでしまいますが、チャットボットで対応することで人件費を抑えることが可能です。
また、時差のある海外からの問い合わせにも素早く対応でき、ビジネスチャンスも広げやすくなるでしょう。
トップページや製品紹介ページごとに表示するチャットボットの選択肢を変更し、精度の高い情報を提供できている点も同社の導入事例の特徴です。
参照:アジアセールスに多言語対応したチャットボットを活用。世の中の変化に対応するリモート営業体制への挑戦。
【のぞみ社会保険労務士事務所】700人以上の潜在顧客を獲得
のぞみ社会保険労務士事務所は、各種保険業務や給与計算などを実施する組織です。系列である合同会社のぞみプランニングは、企業に対する労務面でのコンサルティングを実施しています。
同事務所は、新規顧客を獲得するためにLINEのチャットボットシステムを活用しました。FAQやテキストベースでの応答をチャットボットで実施し、700人の友だち(潜在顧客)を獲得するに至ったそうです。
これにより同事務所は新しい顧客獲得の経路を樹立できました。生存競争が厳しい社会保険労務士業界で、大きなアドバンテージを確立しています。
社会保険労務士がLINEで何かしらのサービスを展開している他のケースを知っている人は少ないでしょう。同事務所のチャットボット活用は革新的なやり方だと言えます。
同事務所は「士業はマーケティングが遅れている」という見立てを述べています。この意見を参考にしてチャットボットの導入などに積極的に取り組めば、同事務所と同じく業界内でも強いポジションを獲得できるかもしれません。
参照:チャットボットでユーザーの悩みにお応え!士業がはじめるデジタルマーケティング
【株式会社モバオク】リモートワーク下でのチャットボット活用
CtoCのオークションをおこなう株式会社モバオクは、以前からメールや電話、有人チャットの窓口を提供していました。1日数百件の問い合わせが寄せられ、混雑時や夜間など、スピーディーに対応ができないことに課題を抱えていたそうです。
常に即時回答できる問い合わせ窓口を開くために、チャットボットを導入しました。提供元担当者のアドバイスを基にシナリオを精査したそうです。
チャットボット公開後も都度シナリオを見直し、ユーザーがどこで躓いているのかを整理して、チャットボットの選択肢で疑問を拾っていけるように調整を進めていきました。
チャットボットの公開がリモートワークの導入とほぼ同じ時期であったこともあり、非常に役に立ったと言います。在宅からもカスタマーサポートが継続でき、電話窓口を休止しても非常に助かったと同時に、リモートワーク下でも生産性が上がっていると実感しているそうです。
参照:チャットボットでスピーディーな顧客対応を実現し、問い合わせ数も半減!!ユーザー目線で日々改善し、マスク関連の問い合わせにも臨時対応
【ヤマト運輸】日本全国どこからでも荷物の問い合わせを可能に
引用:https://www.kuronekoyamato.co.jp/
ヤマト運輸では、LINE上のチャットボットで日本全国の顧客を対象に自動チャットサービスの提供を2020年5月より開始しています。
集荷や受取日時・場所の変更、配送状況の確認などがLINEのチャットで完了するため、ユーザーの利便性が高まりました。選択肢から選ぶだけでなく、フリーワード検索にも対応しています。
また、LINEだけでなくWebブラウザからも問い合わせができる体制を整え、幅広いユーザーの利便性を向上させています。
電話で問い合わせをしてもチャットサービスの利用は可能です。音声ガイダンスで自動チャットサービスを選択すればSMSが送られ、URLをタップすることでチャットサービスを利用できます。
参照:お客さまの声からの改善事例-ヤマト運輸:チャットボットによるご依頼やお問い合わせを、日本全国どこでもご利用いただけるようにしました。
【SBI損害保険株式会社】顧客サポート体制を支援
引用:https://www.sbisonpo.co.jp/
SBI損害保険株式会社は、各種保険商品を取り扱う企業としては日本最大級の企業です。当然ながら、大規模な顧客対応を展開しなければなりません。
同社はスマートフォンアプリ「ビジュアルIVR」を利用し、顧客対応を実施しています。Q&Aに始まり、電話やメールでの問い合わせ窓口も設置しました。この顧客サービスの一環としてチャットボットも用意しており、顧客サポートの向上に活用されています。
例えば、「車の入れ替えはどうすればいいのか」「見積もりサイトで画面が固まってしまった」「人身傷害と搭乗者傷害のどちらが必要か」といった具体的な疑問の解決が可能です。アプリケーションの操作方法そのものについても回答してくれます。
SBI損害保険株式会社は「保険」という詳細な確認が必要な商品を取り扱っており、会社規模から考えても問い合わせ数は膨大な数です。だからこそ、同社にとって保険商品に対する問い合わせをどのように処理するのかは、死活問題と言っても過言ではありません。
同じように数多くの問い合わせを受けるケースでは、できるだけチャットボットで応答できる状態を検討しても良いでしょう。もしくは同社の「ビジュアルIVR」のようなアプリケーション構築を考えても良いかもしれません。
【株式会社ウィルオブ・ワーク】顧客対応品質を大幅に向上
株式会社ウィルオブ・ワークは、人材派遣や業務請負、コンサルティングなど人材に関わるさまざまな事業を手掛ける会社です。同社は事業多角化を進める中で、チャットボットを活用しています。
主業である人材派遣では、派遣先就労者の問い合わせ対応がポイントとなっていました。その問い合わせ内容は初歩的なものが多く、またその頻度も高いという問題を抱えていたと言います。
Q&Aなども用意していましたが、確認せずに架電する派遣先就労者が大勢いた状況も課題の一つでした。折り返しでの連絡や待ち時間なども生じており、派遣先就労者からしてもストレスの溜まる状態が続いていたと言います。
同社はこの問題を解決するためにチャットボットの導入を決定しました。その後、およそ7,000人ものユーザーに利用されるようになったそうです。
現時点では相当な数の質疑応答をチャットボットが対応しています。初歩的な質問については、オペレーターが対応する前に一定数解決できていることでしょう。
また、同社は「チャットボットを導入したことで、オペレーターの対応品質が向上した」と語ります。また、「入電数が減ったことで余裕ができ、丁寧に対応できるようになった」とも推測しています。
チャットボットがうまく機能し、顧客対応のみならず社内での負担を軽減、最終的にはサービス品質向上へ繋げた好事例です。
参照:簡単な質問が減少したことで、スピーディーで洗練された対応が可能に!事業領域拡大を期に問い合わせ対応品質の標準化と効率化を実現することができた。
【古野電気株式会社】社内サポート体制を自動化
古野電気株式会社は、チャットボットの導入で社内のサポート体制を充実させました。古野電気株式会社は船舶や産業機器、通信機器などの事業を多面的に展開しています。
同社は社内にて、新しい経費精算システムの導入を決定しました。これに合わせ、そのシステムの運用に社員からの問い合わせが殺到すると予想してチャットボットの導入に至ったそうです。
初歩的な質問はできる限りチャットボットに担当させ、有人対応が必要な場合のみヘルプデスクで対応する仕組みを整えました。これにより「テキストベースでも、遅滞なく問題を解決できた」という社内の意見も聞かれています。
顧客相手だけではなく、社内サポートとしてチャットボットを活用した好事例です。
参照:チャットディーラーの導入で、社内問い合わせ対応の自動化を実現!

新卒採用にも大活躍!チャットボット活用事例
チャットボットは新卒採用の場面でも活用されています。新卒採用では学生側が企業に対して多様な疑問を持っているものです。
しかしながら、学生から企業担当者へ直接問い合わせることも、彼らの心理面を考えれば現実的ではありません。
チャットボットがあれば、学生も気を遣わずに問い合わせられ、多くの募集獲得や優秀な人材の確保につなげられるでしょう。
以下では、新卒採用でチャットボットを活用した事例を紹介します。
【昭和鉄工株式会社】新卒採用サイトにチャットボットを活用
130年以上の歴史を持つ昭和鉄工株式会社の新卒リクルートサイトでは、チャットボットを導入し、学生からの就職活動の疑問に答えました。
社内の若手社員の意見を取り入れながらチャットボットのQ&Aを作成したところ、公開後1か月で1,000件もの質問と回答がチャットボット上でおこなわれたと言います。歴史ある会社でありながら、最新技術を使っているという点を学生にPRでき、会社のイメージアップ効果も生まれました。
また、社員がチャットボットへの関心が高まっていることも効果があった理由の一つです。ツールの理解につながり、新卒採用以外の社内効率化への応用も計画していると言います。
今後は新卒採用サイトだけでなく、営業から設計チームへ技術的な質問を投げかける社内ヘルプデスクとして活用する予定とのことです。
【株式会社セプテーニ・ホールディングス】導入2ヵ月で3,400以上の問い合わせを実現
引用:https://www.septeni-holdings.co.jp/
ネットマーケティングやメディアコンテンツ事業などを手がける株式会社セプテーニ・ホールディングスは、新卒採用サイトでチャットボットを導入しました。
採用サイト上とマイページと呼ばれる個人ページに設置し、チャットボットを通じて学生とのコミュニケーションを強固なものにしています。
導入後たった2カ月で3,400件もの会話が発生し、学生に有益な情報を提供できるようになりました。採用サイトとのデザインの親和性や回答の内容、操作性が優れていることが利用につながっていると感じているそうです。
今後は、説明会の参加案内や離脱を防ぐ工夫をしながら、チャットボット上の会話を洗練させる準備も進めています。
【株式会社ティービーケー・システムエンジニアリング】学生とのタッチポイントを増加
福島県に本社を構える株式会社ティービーケー・システムエンジニアリングは、アプリケーションシステムサービスの開発・運用・保守などをおこなうIT企業です。
同社は企業としての魅力はあるにもかかわらず、知名度が低いためになかなか採用が進まないという課題を抱えていました。また、地元の大学以外の学生に、どのようにアプローチしたらよいかについて模索していたと言います。
従業員が人材系のセミナーに参加した際にチャットボットの情報を知り、採用に活用できたらおもしろいのではないかと考え、導入を決めました。
運用開始後は早い段階から問い合わせが来るようになりました。内容は直接聞きづらいような給与に関することや福利厚生などの待遇面に関するものが多く、どのような情報が学生から求められているかをキャッチアップできたそうです。
また、直接話すことが苦手な学生にとっても気兼ねなくコミュニケーションをとれるツールとして学生とのタッチポイントを増やすことにも成功しています。
採用活動にチャットボットを活用することで、今までは見えてこなかった求職者が求めている情報も明らかになり、より効果的な採用活動につながっています。
参照:チャットボット導入で採用ブランディング強化に挑戦。「RICOH Chatbot Service」が学生との新たなタッチポイントに
【ソニーグループ株式会社】LINEを使って学生の情報収集を効率化
引用:https://www.sony.com/ja/SonyInfo/CorporateInfo/data/
ソニーグループ株式会社は、電気機器製品などの製品販売を中心におこなう世界的にも有名な企業です。
同社は、社会情勢の変化により就職活動の形が大きく変わり、就活生が会社の生の情報を得る機会が減ったと感じていました。
そこで、気軽に正しい情報を伝えられる手段を模索し、LINEアプリと連携できるチャットボットを導入しています。LINEは就活生の生活にも密着していることから、就活性の課題の解決にもマッチし、気軽なコミュニケーションができると考え、導入を決めました。
導入後の利用者アンケートでは、「LINEで就活の情報収集をすることが今までなかったので、ソニーという会社が身近に感じられた」という意見を得られたと言います。そのほか、LINEという身近なツールが使えることで、普段は聞けないような質問を聞くことも可能になりました。
さらに、同社はソニー製品の名前を入れると製品コンセプトや詳細URLを返してくれるという機能をチャットボットに搭載しました。その機能を作成するにあたり、社内では他部署との交流も生まれ、部署を超えた連携を実現することもできたと言います。
就活生に向けて用意したチャットボットですが、機能の生成にあたり他部署との連携も生まれ、社内での交流の強化にも役立った事例です。
参照:採用チャットボットでソニーグループをもっと身近な企業に【goo AI x DESIGN導入事例】
【ダイキン工業株式会社】24時間体制を構築し学生とのコミュニケーションを促進
ダイキン工業株式会社は、空調機や化学製品の製造と販売をおこなう会社です。同社では、就活生からの質問に24時間いつでも応えられるチャットボットを導入しています。
就職活動をおこなう上での疑問をいつでも気軽に知りたいというニーズが増えていると考え、チャットボットの導入を決めました。
LINEと連携したチャットボットで、時間を気にせずいつでも質問ができるようになったと言います。これによって学生とのコミュニケーションを増やし、同時に同社への理解を深めてもらうことにも効果があったそうです。
今後同社は、チャットボットを通じて得られる情報を活かして会話の精度向上を図り、学生のニーズの汲み取り機能や採用施策の拡充につなげていく予定です。
24時間いつでも対応可能なチャットボットだからこそ、学生が求めるタイムリーな情報収集のニーズにも対応できることを示した事例です。会話の情報を活かすことで質が上がり、より的確な回答ができるようになるため、就活生の満足度向上も期待できるでしょう。
参照:新卒採用で24時間いつでも質問に答えるAIチャットボットを試験導入
【株式会社武蔵野】担当者の負担を軽減し採用を効率化
引用:https://www.musashino.co.jp/
株式会社武蔵野は、経営コンサルティング事業と環境衛生事業の2つの事業を手がける会社です。
新卒採用において就活生はさまざまな不安や疑問を抱いていますが、採用担当者に直接質問することはなかなか難しいです。一方で採用担当者も採用活動に割ける時間は限られており、すべての質問に答えられるわけではありません。そのほか、担当者による回答内容のばらつきに対しても課題を感じていたと言います。
そこで同社は、就活生からのどんな質問にも24時間対応できるよう、AIを搭載したチャットボットを導入しました。AIが質問データを分析・学習することで的確な回答が可能となり、採用課題の解決に成功しています。
チャットボットを導入したことにより、24時間いつでも的確な回答ができるようになったことで、就活生の負担も減り、採用力の強化と向上につながった事例です。
大学・地方自治体・公共サービスでのチャットボット活用事例
一般企業で使うものだと誤解されがちなチャットボット。しかし実際には、大学や地方自治体、公共サービスなどでも活用されています。
また近年はチャットボットの正確性・セキュリティが向上し、公的機関でも問題なく使えるレベルに発展しました。
実際に数々の公的機関でチャットボットが活用されています。以下ではその事例について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

【愛知県春日井市】市のキャラクターが住民からの質問を解決
引用:https://www.city.kasugai.lg.jp/
愛知県春日井市の自動応答サービス「教えて!道風くん」では、市のマスコットキャラクターである道風くんが、チャットボットで住民の質問に答えています。
子育て・児童支援や住民票、マイナンバーといったよくある質問に対し、24時間365日いつでも対応しています。
チャットボットに表示された選択肢から気になる質問を選ぶ形式だけでなく、文字の入力スペースがあり、知りたい内容を直接入力することも可能です。最近はごみや資源物の分別方法についても答えられるようになっており、利便性が大きく向上しています。
【JR西日本】忘れ物の問い合わせをチャットで効率化
引用:https://www.jr-odekake.net/
JR西日本では、忘れ物の問い合わせをチャットからおこなえる便利なサービスを提供しています。パソコンやスマートフォンから24時間いつでも問い合わせが可能で、チャットボットが尋ねる質問にいくつかの選択肢から適切な項目を選ぶだけで操作も簡単です。
落とし物の品名、時間、場所といった具体的な項目を選択して進めていくと、最終的にオペレーターにつながり、実際に落とし物が届いていないかを教えてくれます。
仕事の移動中など電話をかける時間がなくても、自分のタイミングで操作できる点がチャットボットの魅力の一つです。
【獨協大学】学生からの問い合わせを1/3まで削減
埼玉県に位置する獨協大学は語学学習を強みとしており、関東圏では第二言語を学べる大学として強い存在感を発揮しています。
大学の場合は学生や受験生、学生の保護者、果ては企業や所轄の警察署からも入電があります。もともとは対面や電話、メールで対応していたのですが、社会情勢の変化によって対面接触が困難になってしまいました。
落ちた対応力を補うためには、何らかの施策が必要でした。同大学は、チャットボットを導入したことで、有人対応が求められる問い合わせ件数が1/3まで減少したと言います。
また、チャットボットの提供元の別製品であるメール共有管理システムも活用し、問い合わせ対応と情報のシェアを独自に効率化しています。
参照:大学にチャットボットを導入!問い合わせ対応件数を30%以上の削減に成功

【福岡教育大学】160時間あった学生への電話応対が0時間に
引用:https://www.fukuoka-edu.ac.jp/
福岡教育大学は九州内で代表的な教育系大学として知られています。令和2年度には、教員の採用者数で全国トップになるなどの実績もあるほどです。
同大学はポータルサイトに学生向けのFAQを設置したり、対面でのサポートを実施したりしていました。しかし、FAQでは学生の持つ疑問に対応しきれず、実際に会って話をすることも、社会情勢の変化によりかなり制限されるようになります。
この問題を乗り越えるためにチャットボットを導入を決めたそうです。これによりFAQで取りこぼしていた疑問を解決できるようになりました。
さらに、対面しなくてもテキストベースで回答し、学生・受験生・保護者などの各方面に対して適切なトラブルシューティングを提供できるように改善しています。
参照:RICOH Chatbot Serviceで在学生や受験生に対する利便性の向上と大学業務の効率化を実現!

【駒澤大学】1日1,000件以上利用され窓口対応の負担軽減
引用:https://www.komazawa-u.ac.jp/
東京にある駒澤大学は、私立大学の中でも知名度が高く、好立地であることや就職実績が良いことで有名です。同大学では、学生からの履修や成績に関する問い合わせについてチャットボットを活用しています。
チャットボットを導入する前は、窓口への問い合わせ内容の8割が資料やホームページにすでに記載してある情報であったため、窓口業務の負担軽減方法について模索していました。また、窓口が閉まっている夜間の問い合わせ対応にも課題がありました。
社会情勢の変化により、2020年3月に大学が全面閉鎖され窓口対応ができなくなったことから、同大学は急遽チャットボットの導入を進めます。
チャットボット導入後、2ヵ月で学生全体の25%が友達追加をおこない、利用回数は18,000件以上にものぼりました。さらに、チャットボットを導入したことで相談するハードルが下がり、学生が抱える悩みや潜在的な疑問を知ることもできたと言います。
窓口業務の削減だけではなく、夜間の質問への対応も可能となり、学生のニーズにも十分応えられた好事例です。
参照:コロナ禍で1日平均1,000件の利用!LINE公式アカウントが駒澤大学の窓口対応の負担を軽減
【福島県会津若松市】自治体の証明書発行にチャットボットを運用
引用:https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/
チャットボットは市役所などの自治体でも導入実績があります。これは公的機関の担当者には参考となる事例でしょう。福島県会津若松市は、公式ホームページにAI型チャットボットを導入して運用しています。
同市は市民から「ホームページが見にくい」「電話がつながらない」といった厳しい意見を受け取っていました。また「土日・夜間でも対応できればよいのに」といったリクエストもあったと言います。
同市は市民の声を受け、AIチャットボットで行政サービスを展開するに至ったそうです。ゴミ出しルールや公的機関案内、税金に対する連絡など、暮らしに必要な情報をチャットで提供するように整備しました。さらに、戸籍謄本などの各種証明書もチャットボットを通して発行手続きできるようになりました。
結果として会津若松市民のうち80%が、同チャットボットの行政サービスについて好意的な意見を述べているそうです。
参照:データを活用したAIチャットボット 「LINE de ちゃチャット問い合わせサービス」の取組

チャットボットの活用によくある失敗事例
近年、業務効率化をおこなうためにチャットボットを導入するケースが増えています。
チャットボットは機能面やコスト面で幅広い選択肢があり、さまざまな企業や事業での導入が検討されています。
しかし、「具体的にどのように活用すれば良いか分からない」「費用をかけるからには失敗したくない」と考えている企業も多いでしょう。実際に、導入してもうまく活用できず失敗した事例もあります。
ここでは、チャットボットを導入し活用していく中で失敗しやすいポイントをお伝えします。
自社でチャットボットの活用ができているかを確かめ、より効率良く活用するためのヒントを見つけてください。より詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

チャットボットが適切な返答をしていない
ユーザーに的確な返答をおこなうことが、チャットボットの運用において最も重要です。しかし、ユーザーの質問や要求に適切に対応できない場合があります。例えば、ユーザーが具体的な問題解決を求めて詳細な質問をした際、チャットボットが表面的な答えや予想外の情報を返答するケースです。これはチャットボットの自然言語処理能力が十分に発達していない、あるいは学習データの偏りや量が不十分であることが原因です。
チャットボットに適切な返答をさせるためには、会話のパターンやシナリオを日々ブラッシュアップすることが重要です。
シナリオ型でもAI搭載型でも、日々の運用とあわせて定期的なデータ分析が必要になります。ユーザーの疑問を解決できた割合や質問された内容、回答できなかった質問などを随時観察し、適宜調整をおこなうことが大切なのです。
情報が変更された場合や追加された場合は、チャットボット内の情報更新を忘れずにおこないましょう。
回避策を準備していない
簡単な質問はチャットボットで解決できますが、専門的な質問や複雑な質問、さらには個別に対応が必要な質問であった場合は、チャットボット以外で回答できる回避策を準備しておく必要があります。
もし回避策を準備していなければ、ユーザーは疑問を解決できずに離脱してしまい、商品やサービスを利用しなくなってしまう可能性があります。
チャットボットで対応できない質問はオペレーターにつなぐなど、あらかじめ回避策を準備しておくことが大切です。
チャットボットの運用にリソースを割けていない
チャットボットを長期的に運用するにあたって、運用のためのリソースが割けていないことが原因の失敗事例もあります。
チャットボットを運用していくには、下記の工程を定期的におこなう必要があります。
- 会話のパターンを分析しブラッシュアップする
- システムにバグが発生していないかメンテナンスする
- 応答の精度や利用率を分析し、改善する
定期的な分析やメンテナンスが必要になるため、そのためのリソースを割けずにいると、チャットボットの性能を高められず、運用に失敗してしまいます。チャットボットの導入を検討する場合は、あらかじめこのような作業にリソースを割ける状態にしておく必要があると言えるのです。
担当者やチームを編成し、チャットボットの運営を十分にフォローできる体制を整えておきましょう。
データの分析・活用ができていない
継続的にチャットボットを運用してユーザーのニーズを集め、そのデータを分析・活用することも、チャットボットの運用においては重要なことです。このデータの分析や活用ができていないことによる失敗事例も多くあります。
企業がチャットボットを導入しても、蓄積されるデータを活かさずに運用することはチャットボットの有用性を低下させます。チャットボットはユーザーの質問内容や会話履歴、問題解決までの過程など、多くの貴重なデータを収集します。しかし、そのデータを適切に分析して改善策を導入しない場合、チャットボットは同じエラーを繰り返し、ユーザーの期待に応えられません。
例えば、頻繁に同じ質問が寄せられている場合に、そのパターンを特定し、応答精度を向上させるためのチューニングをおこなわなければ、ユーザーの不満は増加します。また、データからユーザーのニーズやトレンドを読み取ってサービスに反映させる取り組みがなければ、競争力も低下するでしょう。このように、データの分析と活用が不十分であると、チャットボットの持つ潜在的な価値を大きく損なう結果につながります。
チャットボットは導入して終わりではありません。定期的に質問や回答の修正・追加などをおこない、ユーザーが使いやすいチャットボットに改善していくサイクルを回すことが重要です。

費用対効果があっていない
チャットボットサービスの中には、高度な機能を搭載しているために利用料金が高額なものもあります。しかし、自社の使用目的以上の機能が搭載されていると、機能を十分に使いこなせない場合もあります。
導入時には顧客対応の効率化やコスト削減を期待するものの、開発や維持管理にかかるコストに見合った効果が得られないケースがあります。
例えば、複雑な質問や専門的な内容に対応するために高度なAI技術を採用した結果、開発費や運用コストが膨大になり、期待された効果が得られないこともあります。初期導入後に改善やアップデートが行われず、機能が限定的なままではユーザーの満足度が下がるでしょう。
さらに、従業員のトレーニングや運用の教育が必要な場合、コスト削減どころか運用負担が増える恐れがあります。このような状況により、導入目的である「自動化による効率向上」に反して予想以上の支出が発生し、想定以上のコストが生じます。こうした場合には、費用対効果の見直しや戦略の再検討が必要です。
チャットボットを導入するにあたり、どのような目的で何を実現したいのかをあらかじめ明確にし、自社の目的を果たすための機能を持ったチャットボットサービスを事前に検討した上で導入することが重要です。
無料トライアルがあるチャットボットで一度試してみるのも手ではあります。


有人対応との線引きができていない
チャットボットで質問が解決されずに離脱してしまっているユーザーが多く、運用に失敗している事例も多々あります。
チャットボットを活用する上で押さえておきたいのが、チャットボットで対応する範囲を明確に決めておくことです。回答精度を上げていくことで、さまざまなケースに対応できるようになりますが、それでもチャットボットで対応できる範囲には限度があり、複雑な問題やイレギュラーな質問には対応しきれない場合があります。この際に、有人対応との切り替えがスムーズにおこなわれないと、ユーザーは不便さを感じ、満足度が低下します。
例えば、対応できない内容に対してチャットボットが無理に応答を続けると、ユーザーは適切な解決策が得られず、ストレスを感じます。さらに、チャットボットが自動的に有人対応に切り替えるトリガーがないと複雑な問い合わせに対応できず、ビジネス機会の損失につながる恐れもあります。
トラブルを招かないためには、チャットボットで解決できる範囲をあらかじめ明示しておくことも大事でしょう。どこまで対応できて、どのような質問なら応えられるのかといった線引きを、あらかじめアナウンスしておくことも有効です。
対応範囲を明確にしておかなかったがゆえに、トラブルやユーザーの混乱を招いてしまうこともあり得ます。有人対応とチャットボットの線引きはあらかじめ明確にしておきましょう。

チャットボット導入を成功させるポイント
チャットボットは、ただ運営しているだけではあまり効果を感じられない可能性があります。チャットボットを導入して運用を成功させるためにはいくつかのポイントを押さえておくことが必要です。チャットボットの機能やメリットを最大限に生かすためにも、運用を成功させるポイントについて紹介します。
導入目的を明確にする
まずは、自社が何のためにチャットボットを導入するのか、目的を明確にします。
- 社内ヘルプデスクで総務部の負担を減らしたい
- ECサイトに設置して24時間いつでも顧客からの問い合わせ対応をしたい
- 新卒採用サイトで学生の疑問を解消したい
- 企業LPでコンバージョン率を向上させたい
主な導入目的としては上記のようなものが考えられるでしょう。目的がはっきりすると、シナリオ型やAI搭載型といったチャットボットの種類を決めやすくなります。また、「どのような機能が必要か」も明確になってくるはずです。
目的と必要なチャットボットの種類・機能を押さえられたら、製品も自ずと絞れるようになるでしょう。
回避策を用意しておく
失敗事例でも述べたように、チャットボットで対応できない質問への対応として回避策を用意しておくことは非常に重要です。回避策があれば、ユーザーの機会損失を防げます。
すべての問い合わせ対応をチャット ボットに任せることは、現時点では不可能に近いでしょう。しかし、疑問が解決できず 回避策も提示されなければ、ユーザーはチャットボットに価値を見いだせず、企業の商品やサービスを利用する意欲も薄れてしまう可能性があります。
チャットボットで解決できない質問は、オペレーターにつないだり、文章を言い換えてもう一度入力してもらったりするなど、何かしらの起動修正が必要です。
運用担当者を決める
チャットボットは自動でユーザーと対話してくれますが、運用担当者はあらかじめ決めておく必要があります。運用開始後も回答の精度を高めるために、チューニングやアップデートなどの適切な管理を継続して実施することが大切なのです。
誰かが責任を持って担当しなければ、この業務は正常に続けられないため、必ずチューニングやアップデートを一定の頻度で実施できる運用担当者を決めておきましょう。ただし、問い合わせ数や会社規模によっては、一人では手が回らないケースも多々あります。その場合は、運用担当者だけでなく部門を設置したり兼任を促したりするなどの社内体制も整備する必要があると言えるでしょう。
チャットボットの導入は、問い合わせ対応を効率化し、リソースやコストに余裕を生み出すものです。チャットボットの運用にも一定のマネジメントが必要となり、「放っておくだけ」では有効に運用できない点を理解しておきましょう。
定期的な分析・改善をおこなう
前述のとおり、チャットボットは導入すれば必ず目的が達成できるわけではありません。改善や対策・実行を繰り返すことで、効果的なチャットボットに育っていきます。
そのためには、チャットボットで解決できた質問と解決できなかった質問を抽出し、それぞれ分析をおこないましょう。解決できなかった質問に対しては、解決するための改善策を練り、チャットボットに反映させていくことで回答精度を上げられます。
運用担当者を筆頭にデータの分析・改善を繰り返しおこない、より効果を感じられるチャットボットへと成長させていきましょう。
予算に合った製品を導入する
ほとんどのチャットボットには、一定の費用がかかります。運用コストだけではなく導入費用がかかる場合もあるため、費用対効果を重視する企業も多くあるでしょう。
高性能で高価なチャットボットを導入しても、自社の目的に合っていなければ機能を使いこなせないかもしれません。業務の効率化やコストの削減につなげられず、費用対効果を十分に発揮しない可能性もあるでしょう。
チャットボットは、シナリオ型かAI搭載型かによっても費用は大きく異なります。また、同じタイプであっても製品によって費用が異なりますため、機能と予算を鑑みて、自社に合った製品を導入することが大切です。
有人オペレーターを配置する
チャットボットがユーザーの質問に回答しきれないケースもあるため、有人オペレーターも忘れずに配置しておきましょう。
解決できない問題に対しては、電話番号と営業時間を表示するか、こちらからお客様に電話をかけられるように電話番号や希望日時を記入できるフォーマットを準備しておく必要があります。
疑問が解決されないままだとユーザーはサイトから離脱してしまい、商品やサービスの購入機会を損失してしまうでしょう。最後まで疑問を解決する姿勢を見せることは、顧客満足度アップにもつながります。
チャットボットの導入事例を参考に導入を検討しよう

チャットボットを適切に運用するには、他社の導入事例を見てあらゆるケースを想定しておくことが大切です。チャットボットを活用するメリットを踏まえたうえで、導入目的や課題を明確にし、運用担当者や体制を整えましょう。
弊社サンソウシステムズでは月額1万円から利用できる「さっとFAQ」というチャットボットツールを提供しています。
Excelから会話データを作成でき、そのデータを登録・設定するだけで簡単に導入できるため、専門的なプログラミングスキルは必要ありません。誰でも簡単にさっと導入・運用が可能な点が特徴です。
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