チャットボットはユーザーからのお問い合わせを自動化するツールです。カスタマーセンター、ECサイト、社内ヘルプデスク、新卒採用サイトなど業種・業態を問わず幅広く使われています。
自社でチャットボット導入を検討するときは、導入事例を参考にすることで導入後のメリットがイメージしやすくなります。
今回の記事では、チャットボットを導入するメリットを解説した後、チャットボットの導入事例を目的や利用シーン別に紹介します。チャットボット導入を成功させるポイントも合わせて解説しているのでぜひ最後までご覧ください。
また、弊社サンソウシステムズでは月額1万円から利用できる「さっとFAQ」というチャットボットツールを提供しています。エクセルから会話データを作成でき、プログラミングスキルは必要ありません。誰でも簡単にさっと導入・運用が可能なところが特徴になります。
今なら30日間の無料トライアルも可能です。「まずは使って試してみたい」という方はぜひこの機械に導入をご検討ください。
チャットボットとは?
チャットボット(Chatbot)とは、端的に言うと「チャットをするボット(=ロボット)」という意味で、リアルタイムでの短文のやり取りを自動で行うプログラムを指します。
WEBサイトを訪問した際に「何かお困りのことはありませんか?」とチャット画面が表示されることがありますが、これもチャットボットの一種です。
チャットボットは文字だけのやり取りをイメージする人も多いかもしれませんが、音声によるやり取りができるチャットボットもあります。たとえばAppleのSiriも、チャットボットの仕組みを活用しています。

チャットボットを導入するメリット
ユーザーから問い合わせが多い内容をチャットボットで自動対応すれば、スタッフが対応する件数を減らすことができます。
ユーザーにとっては、24時間・365日いつでも好きなタイミングで疑問を解決できるため、電話やメールでの問い合わせと比べて、待ち時間が少なくなるというメリットもあるでしょう。
さらに、カスタマーセンターでの対応はスタッフの経験やスキルに差がありますが、チャットボットでは対応品質が均一化されるため、顧客満足度アップにも繋がります。
チャットボットを使用することで、お問い合わせに対する社内負担が減り業務効率化ができるだけでなく、顧客満足度も向上できるのです。

チャットボットが効果的であるケース・場面の一例
チャットボットの導入が、効果的に機能するケースがあります。導入によって自社の課題解決が見込める場合には、本格的にチャットボットの運用を検討してもよいでしょう。
自社で抱えている課題と、チャットボットの強みを照らし合わせながら、有効であるかを検討してみましょう。
問い合わせの工数を減らしたい
問い合わせの工数を減らしたいと考えているなら、チャットボットの導入はかなり効果的だと言えるでしょう。
チャットボットがあれば、オペレーターが対応する問い合わせの数そのものが大きく減少します。オペレーターが対応する前に、テキストベースでユーザーによる自己解決を促せるからです。
そうすることでカスタマーセンターの業務が減少し、オペレーターの負担が減ったり、人件費がおさえられたりするようになります。空いたリソースやコストを別の事業に回す余裕が持てるかもしれません。
問い合わせの工数を減らしたいならチャットボットの導入を検討しましょう。

顧客に対するサポートやサービスを向上させたい
顧客に対するサポートやサービスを向上させる上でも、もちろんチャットボットは役立ちます。
顧客側の視点に立てば以下のようなメリットがあります。
- テキストを打ち込むだけで問い合わせできる
- 即時にトラブルシューティングできる
- 電話料金がかからない
- オペレーターに電話が繋がるまでの待ち時間がなくなる
つまりチャットボットが存在することで、顧客はより素早く疑問や課題を解決できるようになります。このようにサポートやサービスが向上することは、顧客にとっても大きな利点です。
もちろん最終的にはサービス・商品の購入や顧客満足度の向上に繋がる部分もあるでしょう。

採用活動を効率化したい
採用活動を効率化したい場合も、チャットボットの導入が効果的です。これについてもすでに成功事例が多数あります。
採用活動では学生側の疑問にできるだけ回答することが大切です。まだ社会経験がない彼らにとって、企業や業務内容など、分からないことはたくさんあります。
とはいえ企業担当者相手に電話をかけることも、説明会で挙手することも、心理的なハードルが高いと感じる人もいます。そのことがきっかけでエントリーしなかったり、採用フローから離脱したりするケースもあるかもしれません。
しかしチャットボットがあれば、相手は機械であるため気楽に質問することが可能です。そうすることで多くの学生の不安を払拭し、より多くの募集獲得に繋がるでしょう。
ニーズを把握したい
顧客ニーズを把握する目的でも、チャットボットが役立ちます。これは目立たない点かもしれませんが、実は大きなメリットです。
多くのチャットボットは問い合わせ内容や時間、頻度について「ダッシュボード」「アナリティクス」などといった機能で統計を取っています。
つまりこれを参照すれば、「ユーザーが何に疑問を抱いているか」「どれくらいの人数に興味を持たれているか」をチェックすることが可能です。
このようなデータを把握しておけば、チャットボット上に返答パターンを追加し、顧客へのサポートを向上させられます。またチャットボットから得られたデータを参照に、今後の営業活動や製品開発に活かすことも可能です。
官公庁・自治体サポートを向上させたい
チャットボットは、官公庁や自治体でも導入することが可能で、実際に利用している事例も多数存在します。「一般企業や先進的なIT企業でのみ使われているもの」と誤解しがちですが、実際はそうではありません。
官公庁や自治体は、国民ないし市区町村民から膨大な問い合わせを受けます。これに対してカスタマーサポートだけでは対応しきれず、批判を浴びることも少なくありません。
しかしチャットボットを設置することで、問い合わせに対してよりスムーズに返答することが可能です。
公的機関が取り扱う内容は、一般的には難解なものや複雑な内容であることが多く、問い合わせ件数も多い傾向にあります。よりわかりやすく早急に回答することを目指すなら、チャットボットは大いに役立つでしょう。
チャットボットで問い合わせ回数などを改善した導入事例
チャットボットの最大のメリットといえば、オペレーターが対応する問い合わせ件数を減らせることが挙げられます。数多くの入電があるとオペレーターは疲弊し、サポート品質の低下や離職率向上に繋がってしまいます。
しかしチャットボットを導入することで初歩的な質問はテキストベースで対応し、本当に有人対応が必要な問い合わせだけにオペレーターを割り当てることが可能です。
下記ではチャットボットの導入によって問い合わせ数を削減したケースについて解説します。
【株式会社テンダ】お問い合わせ数を2割削減
(引用:Dojoユーザーサポートサイト)
マニュアル自動作成ソフト「Dojo」を提供する株式会社テンダでは、複数あるビジネスプロダクトへのヘルプデスクの一部として、チャットボットを活用しています。
テンダでは、ヘルプデスクの人員不足や、受付時間が平日昼間に限られていることが理由で、リアルタイムでの対応が難しいという課題がありました。
そこで顧客対応用にチャットボットを導入したところ、半年後には平均4割程度の質問数をチャットボットで解決できるようになりました。
これは問い合わせ数全体の2割に相当し、社内の負担軽減に繋がっています。今後はチャットボットで解決できる質問数を、段階的に増加させる予定だと言います。
参照:さっとFAQ:株式会社テンダ 様 導入後半年で2割のお問合せを削減
【東急ハンズ】お問い合わせ数を5割削減
(引用:東急ハンズ)
多彩な商品でユーザーを楽しませてくれる東急ハンズでは、アプリユーザーからの問い合わせが増えたことを受け、チャットボットの活用を始めました。
会員限定クーポンやキャンペーンなどについて、1か月で1600件も問い合わせがありましたが、チャットボットを導入したところ約400件にまで激減しています。前年と比べ半分以上の削減率で、業務効率化に大きく繋がりました。
Q&Aの精度を上げるどんどん取り組みをおこなっており、導入後は数週間で回答率が99%以上となっています。
参照:SupportChatbot:導入直後からお問い合わせ数が50%以上削減!労力のかかっていた仮パスワード発行業務も大幅に効率化!
【株式会社別川製作所】問い合わせ2割減して従業員満足度も向上
(引用:株式会社別川製作所)
株式会社別川製作所は、電気設備・配線・エネルギーシステムを取り扱うインフラ系企業です。
同社の取り扱う製品は官公庁や鉄道会社、あるいは病院などで活用されています。専門性が高いことから顧客からの数多くの問い合わせを受けなければいけません。
従来は各部門の担当者が適宜電話対応するスタイルを取っていました。しかし問い合わせ数が多く、また分類が難しい質問内容が大量に総務部へと流れる、などの問題に悩まされてたと言います。
同社はこのような問い合わせに対応するためチャットボットを導入。またその存在を社内クラウドツールで周知して、会社全体で運用しました。
成果として問い合わせ件数が従来よりも20%減少。管理部の残業負担が減ったり、総務部から「重複する質問が減った」というフィードバックがあったり、会社全体でチャットボットのメリットが感じられている様子です。
参照:チャットプラス:社員からの問い合わせを約20%削減し、管理部の残業も減少!

顧客対応のスピードと品質向上にチャットボットを活用した事例
チャットボットを導入することで顧客対応のスピードや品質を向上させることが可能です。
チャットボットに入力されたテキストに対して、的確な返答を返せれば、顧客側は電話をかけることなく必要な情報を獲得できます。
顧客対応がスピードアップして品質も向上するなら、顧客のサービスに対する満足度や商品の購入意思にも良い影響が与えられるでしょう。
上記が達成されたパターンについていくつかの実例を解説します。
【e-Janネットワークス株式会社】外国語のチャットボットを設置
(引用:e-Jan)
テレワークプラットフォームサービスやリモートアクセスサービスといった、業務インフラを提供するe-Janネットワークス株式会社では、海外顧客に向けて英語や中国語のチャットボットを設置しています。
同社は日本語サイトだけでなく、英語や中国語サイトも公開しており、各サイトに合った言語のチャットボットで海外ユーザーとコミュニケーションを試みています。
海外からの問い合わせ対応に有人で対応するには人件費がかさんでしまいますが、チャットボットで対応することで人件費を抑えることができます。
また、時差のある海外からの問い合わせにも素早く対応することが可能になり、ビジネスチャンスを広げやすくなるでしょう。
トップページや製品紹介ページごとに、表示するチャットボットの選択肢を変更しているため、精度の高い情報を提供できた点も同社の導入事例の特徴です。
参照:チャットプラス:アジアセールスに多言語対応したチャットボットを活用。世の中の変化に対応するリモート営業体制への挑戦。
700人以上の友達(潜在顧客)を獲得|のぞみ社会保険労務士事務所
(引用:のぞみ社会保険労務士事務所)
のぞみ社会保険労務士事務所は、各種保険業務や給与計算などを実施する組織です。系列である合同会社のぞみプランニングは企業に対する労務面でのコンサルティングを実施しています。
同事務所は新規顧客を獲得するためにLINEのチャットボットシステムを活用。ここでFAQやテキストベースでの応答を実施し、700人の友だち(潜在顧客)を獲得するに至りました。
これにより同事務所は新しい顧客獲得の経路を樹立。生存競争が厳しい社会保険労務士業界にて大きなアドバンデージを確立しています。
社会保険労務士がLINEで何かしらのサービスを展開している他のケースを知っている人は少ないでしょう。同事務所のチャットボット活用はかなり革新的なやり方だと言えそうです。
ちなみにのぞみ社会保険労務士事務所は「士業はマーケティングが遅れている」という見立てを述べています。この意見を参考にしてチャットボットを導入するなどすれば、同事務所と同じく業界内でも強いポジションを獲得できるかもしれません。
参照:LINE for Business:チャットボットでユーザーの悩みにお応え!士業がはじめるデジタルマーケティング
【株式会社ECC】オンラインレッスンの回答率99%以上達成
(引用:ECCオンラインレッスン)
語学教育を展開するECCでは、オンラインレッスンの会員と非会員ページのどちらにもチャットボットを設置しています。
従来は1か月で500件ほどあった問い合わせに対し、3名の従業員が対応していました。しかしそれでは時間がかかりすぎてしまい、ユーザーの離脱を防ぎきれなかったため、チャットボットを導入しました。
シナリオ形式と一問一答形式で、チャットボットの回答率が99%以上になっただけでなく、2割の問い合わせ数減少に繋がり、従業員の業務効率化に貢献しています。
参照:受講生SupportChatbot:受講生が増加するなか、問い合わせ数20%削減に成功!サイト直帰率が12%低下、平均セッション時間が約2分も増加し、Webサイトのユーザビリティ向上に大きく貢献。
【ヤマト運輸】日本全国どこからでも荷物の問い合わせが可能
(引用:ヤマト運輸)
ヤマト運輸では、LINE上のチャットボットで、日本全国の顧客を対象に自動チャットサービスの提供を2020年5月より開始しています。
集荷、受取日時や場所の変更、配送状況の確認、再配達の連絡がLINEのチャットで完了するため、利便性が高まりました。選択肢から選ぶだけでなく、フリーワード検索にも対応しています。
また、LINEだけでなく、ウェブブラウザからも問い合わせができる体制を整え、多くのユーザーの利便性を向上させています。
参照:お客さまの声からの改善事例-ヤマト運輸:チャットボットによるご依頼やお問い合わせを、日本全国どこでもご利用いただけるようにしました。
【SBI損害保険株式会社】新しいサポート体制で顧客のアプリ操作を支援
(引用:SBI損害保険株式会社)
SBI損害保険株式会社は、各種保険商品を取り扱う企業としては日本最大級。当然ながら大規模に顧客対応を展開しなければなりません。
同社はスマートフォンアプリ「ビジュアルIVR」を利用し、顧客対応を実施しています。QandAに始まり、電話やメールでの問い合わせ窓口も設置。そしてこの顧客サービスの一環としてチャットボットも用意しており、顧客サポートの向上に活用されています。
例えば、「車の入れ替えはどうすればいい?」「見積もりサイトで画面が固まってしまった」「人身傷害と搭乗者傷害のどちらが必要?」といった、具体的な質問を解決できます。またアプリケーションの操作方法そのものについても回答してくれます。
SBI損害保険株式会社は「保険」という詳細な確認が必要な商品を取り扱っており、会社規模から考えても問い合わせ数は膨大な数です。だからこそ同社にとって保険商品に対する問い合わせを、どのように処理するのかは死活問題と言っても過言ではありません。
同じように数多くの問い合わせを受けるケースでは、チャットボットでできるだけ応答できる状態を検討してもよいでしょう。もしくは同社の「ビジュアルIVR」のようなアプリケーション構築を考えてもよいかもしれません。
【株式会社ウィルオブ・ワーク】質問数を絞り対応品質の大幅な向上を実現
(引用:株式会社ウィルオブ・ワーク)
株式会社ウィルオブワークは、人材派遣や業務請負、コンサルティングなど人材に関わる様々な事業を手掛ける会社です。同社は事業多角化を進める中で、チャットボットを活用しています。
主業である人材派遣では派遣先就労者の問い合わせ対応がポイントとなっていました。しかしその問い合わせ内容は初歩的なものが多く、またその頻度も高いという問題を抱えていました。
QandAなども用意していましたが、それを確認せず架電する派遣先就労者が大勢いた状況も課題のひとつです。また折り返しでの連絡や待ち時間なども生じており、派遣先就労者からしてもストレスの溜まる状態が続いていました。
同社はこの問題を解決するためにチャットボットの導入を決定。その後およそ7,000人ものユーザーに利用されるようになりました。
つまり相当な数の質疑応答をチャットボットが対応していると言えます。少なくとも初歩的な質問についてはオペレーターが対応する前に解決できていることでしょう。
また同社は「チャットボットを導入したことで、オペレーターの対応品質が向上した」とも語ります。「入電数が減ったことで余裕ができ、丁寧に対応できるようになった」とも推測しています。
チャットボットがうまく機能して顧客対応のみならず、社内での負担を軽減し、最終的にはサービス品質向上へ繋げた好例です。
参照:SupportChatBot:簡単な質問が減少したことで、スピーディーで洗練された対応が可能に!事業領域拡大を期に問い合わせ対応品質の標準化と効率化を実現することができた。
【古野電気株式会社】チャットボット導入により社内サポート体制を自動化
(引用:古野電気株式会社)
チャットボット導入で、社内のサポート体制を充実させた事例です。古野電気株式会社は船舶や産業機器、通信機器などの事業を多面的に展開しています。
同社は社内にて、新しい精算システムの導入を決定。これに合わせ、そのシステムの運用に社員からの問い合わせが殺到すると予見してチャットボットを導入しました。
初歩的な質問はできる限りチャットボットに担当させ、有人対応が必要な場合のみヘルプデスクで対応する仕組みを整えました。これにより「テキストベースでも、遅滞なく問題を解決できた」という社内の意見も聞かれています。
顧客相手だけではなく、社内サポートとしてチャットボットを活用した好事例です。
参照:ChatDealerAI:チャットディーラーの導入で、社内問い合わせ対応の自動化を実現!

【宇津救命丸株式会社】電話対応が減り人にしかできない仕事に注力
(引用:宇津救命丸株式会社)
宇津救命丸株式会社は、風邪薬やスキンケアなど多岐にわたる医薬品を開発し販売している会社です。同社は、消費者からの問い合わせにおける、電話に代わるツールとしてチャットボットを活用しています。
毎月50件以上ある消費者からの問い合わせに対し、限られた社員数で効率的に対応する必要がありました。しかし、問い合わせ内容のほとんどは、特定の商品に関することや定型的な内容の問い合わせであったため、このような「よくある質問」を効率的に対応し、複雑な問い合わせに注力する方法を模索していました。
テレワークの導入をきっかけに、効率的な問い合わせ対応のための新たな取り組みとして、同社はチャットボットの導入を決定しました。
お客様相談室用にもともと用意してあったExcelをそのまま活用できることや、簡単にチャットボットを作れるという点が決め手となり、「さっとFAQ」を導入しています。週2、3時間の作業時間を取り、約2カ月でリリースできました。
リリース後もメンテナンスを重ね、現在ではリリース当初よりもチャット開始率を20%向上させることに成功しています。さらに、同社はチャットボットを導入したことで電話での問い合わせが2割ほど減少しました。
問い合わせが減った分、複雑な問い合わせに対応するための時間をより多く作り出すことができました。また、従業員の業務範囲の拡大にも成功しています。
【株式会社医療産業研究所】カウンセリング利用の促進に成功
(引用:株式会社医療産業研究所)
株式会社医療産業研究所は、ヘルスケア分野に特化した調査会社です。同社は、製品やサービスの問い合わせと、不調を抱えるクライアント先の従業員への健康相談の2つの目的にチャットボットを活用しています。
カウンセリングに興味がある人でも、実際に直接相談することは多くの人にとってはハードルが高いことです。同社は、「カウンセリングに相談するほどでもないが、何かアドバイスが欲しい」という人に向けて抵抗感なく使ってもらえるツールがあればと考えていました。
また、同社が提供するストレスチェックサービスを受ける人に対し、楽しいコンテンツを見てもらいたいという想いもありました。そこで、ITの知識がなくても直感的にチャットボットを作ることができる「さっとFAQ」を導入しています。
製品やサービスの案内だけでなく、問い合わせについてもチャットボットで対応が可能なため、新規顧客のサービス導入検討に使用されています。
また、チャットボットでの健康相談を通じて、実際にカウンセリングの申込に至ったケースもありました。事前にチャットボットで相談し、自分の状態にあったアドバイスが得られることで、カウンセリング利用への抵抗感を下げることに成功しています。
参照:わずか2週間で2つのチャットボットを公開 メンタルヘルス事業でDXを実現
新卒採用でチャットボットを活用した事例
チャットボットは新卒採用の場面でも活用されています。先述した通り、新卒採用では、学生側が企業に対して多様な疑問を持っているもの。しかしながら学生から企業担当者へ直接問い合わせることも、彼らの心理面を考えれば現実的ではありません。
しかしチャットボットがあれば学生も気を遣わずに問い合わせることが可能になり、これは多くの募集獲得や優秀な人材の確保へ繋がっていくでしょう。
下記では新卒採用にてチャットボットを活用した事例について解説します。
【昭和鉄工株式会社】新卒採用サイトでチャットボットを活用
(引用:新卒リクルートサイト-昭和鉄工株式会社)
130年以上の歴史を持つ昭和鉄工株式会社の新卒リクルートサイトでチャットボットを導入し、学生からの就職活動の疑問に答えました。
社内の若手社員の意見を取り入れながらチャットボットのQ&Aを作成したところ、公開後1か月で1,000件もの質問と回答がチャットボット上でおこなわれたと言います。歴史ある会社でありながら、最新技術を使っているという点を学生にPRでき、会社のイメージアップ効果も生まれました。
今後は新卒採用サイトだけでなく、営業から設計チームへ技術的な質問を投げかける社内ヘルプデスクとして活用する予定とのことです。
参照:さっとFAQ:明治からの挑戦の姿勢は、令和の今にも受け継がれる
【株式会社セプテーニ・ホールディングス】導入2か月で3,400以上の問い合わせ
(引用:セプテーニホールディングス)
ネットマーケティングやメディアコンテンツ事業などを手がける株式会社セプテーニ・ホールディングスは、新卒採用サイトでチャットボットを導入しました。
採用サイト上と、マイページと呼ばれる個人ページに設置し、チャットボットを通じて学生とのコミュニケーションを強固なものにしています。
導入後、たった2ヶ月で3,400件もの会話が発生し、学生に有益な情報を提供できるようになりました。今後は、説明会の参加案内や離脱を防ぐ工夫を取りながら、チャットボット上の会話を洗練させる準備も進めているそうです。
【株式会社ティービーケー・システムエンジニアリング】学生からの良好な反応
株式会社ティービーケー・システムエンジニアリングは、福島県に本社を構え、アプリケーションシステムサービスの開発・運用・保守などをおこなうIT企業です。
同社は、企業としての魅力はあるにもかかわらず、知名度が低いためになかなか採用が進まないという課題を抱えていました。また、地元の大学以外の学生に、どのようにアプローチしたらよいかについて模索していました。
従業員が人材系のセミナーに参加した際に、チャットボットの情報を知り、採用に活用できたら面白いのではないかと考え、導入を決めています。
チャットボットの運用開始後、早い段階から問い合わせが来るようになりました。問い合わせ内容は、直接聞きづらいような給与に関することや、福利厚生などの待遇面に関するものが多く、どのような情報が学生から求められているかをキャッチアップすることができました。
また、直接話すことが苦手な学生にとっても気兼ねなくコミュニケーションをとることができるツールとして学生とのタッチポイントを増やすことにも成功しています。
採用活動にチャットボットを活用することで、今までは見えてこなかった求職者が求めている情報も明らかになり、より効果的な採用活動をおこなうことにも繋がっています。
参照:チャットボット導入で採用ブランディング強化に挑戦。「RICOH Chatbot Service」が学生との新たなタッチポイントに
【ソニーグループ株式会社】就職活動を楽しくする効果
(引用:ソニーグループ株式会社)
ソニーグループ株式会社は、電気機器製品などの製品販売を中心におこなう世界的にも有名な企業です。
社会情勢の変化により就職活動の形が大きく変わってしまい、同社は就活生が会社の生の情報を得る機会が減ったと感じていました。気軽に正しい情報を伝えられる手段を模索し、LINEアプリと連携できるチャットボットを導入しています。
LINEは就活生の生活にも密着していることから、就活性の課題の解決にもマッチし、気軽なコミュニケーションができると考え、導入を決めました。
チャットボット導入後の利用者アンケートでは、「LINEで就活の情報収集をすることが今までなかったので、ソニーという会社が身近に感じられた」という意見を得ることができたと言います。また、LINEという身近なツールが使えることで、普段は聞けないような質問をLINEで聞くこともできます。
さらに、同社はソニー製品の名前を入れると、製品コンセプトや詳細URLを返してくれるという機能もチャットボットに搭載しました。その機能を作成するにあたり、社内では他部署との交流も生まれ、部署を超えた連携を実現することもできました。
就活生に向けて用意したチャットボットですが、機能の生成にあたり他部署との連携も生み出すことができ、社内での交流の強化にも役に立った事例です。
参照:採用チャットボットでソニーグループをもっと身近な企業に【goo AI x DESIGN導入事例】
【ダイキン工業株式会社】24時間いつでも質問回答
(引用:ダイキン工業株式会社)
ダイキン工業株式会社は、空調機や化学製品の製造と販売をおこなっている会社です。同社では、就活生からの質問に24時間いつでも答えられるチャットボットを導入しています。
同社は、就職活動をおこなう上で自分の知りたいことや疑問をいつでも気軽に知りたいというニーズが増えていると考え、チャットボットの導入を決めました。
LINEと連携したチャットボットで、時間を気にせずいつでも質問ができるようになっています。これにより、学生とのコミュニケーションを増やし、同時に同社への理解を深めてもらうことにも効果があります。
同社は、チャットボットを通じて得られる情報を活かして会話の精度向上を図り、学生のニーズを汲み取り機能や採用施策の拡充に繋げていく予定です。
24時間いつでも対応可能なチャットボットだからこそ、学生が求めるタイムリーな情報収集のニーズにも対応できることを示した事例です。また、会話の情報を活かすことで質も上がり、より的確な回答ができるようになるため、さらに就活生の満足度も高まっていくでしょう。
参照:新卒採用で24時間いつでも質問に答えるAIチャットボットを試験導入
【株式会社武蔵野】新卒採用の効率化に貢献
(引用:株式会社武蔵野)
株式会社武蔵野は、経営コンサルティング事業と環境衛生事業の2つの事業を手がける会社です。
新卒採用において、就活生はさまざまな不安や疑問を抱いていますが、直接採用担当者に質問することはなかなか難しいことです。また、採用担当者も採用活動に割ける時間は限られており、全ての質問に答えられるわけではありません。さらに、担当者による回答内容のばらつきに対し、同社は課題を感じていました。
そこで、同社は就活生からのどんな質問にも24時間対応できるよう、AI(人工知能)を搭載したチャットボットを導入しました。AIが質問データを分析・学習することで的確な回答が可能となり、採用課題の解決に成功しています。
チャットボットを導入したことにより、24時間いつでも的確な回答ができるようになったことで、就活生の負担も減り、採用力の強化と向上に繋がった事例です。
大学・地方自治体・公共サービスでのチャットボット運用事例
一般企業で使うものだと誤解されがちなチャットボット。しかし実際には、大学や地方自治体、公共サービスなどでも活用されています。
また近年はチャットボットも正確性・セキュリティが向上し、公的機関でも問題なく使えるレベルに発展しました。
実際に数々の公的機関がチャットボットを活用しています。下記ではその事例について解説しますので、参考にしてください。

【愛知県春日井市】市のキャラクターが住民からの質問を解決
(引用:教えて!道風くん)
愛知県春日井市の自動応答サービス「教えて!道風くん」では、市のマスコットキャラクターである道風くんが、チャットボットで住民の質問に答えています。
子育て支援や児童支援、住民票や戸籍、マイナンバーといったよくある質問に対し、24時間いつでも対応しています。
チャットボットに表示された選択肢から、気になる質問を選ぶ形式だけでなく、チャットボットの下には文字の入力スペースがあり、知りたい内容の直接入力することでも利用が可能です。
【JR西日本】お忘れ物チャットサービス
(引用:お忘れ物をしたら-JRおでかけネット)
JR西日本では、忘れ物の問い合わせをチャットからおこなえる便利なサービスを提供しています。いつでも問い合わせが可能で、いくつかの選択肢から適切な項目を選ぶだけの操作しやすいチャットボットです。
落とし物の品名、時間、場所といった具体的な内容を選択して進めていくと、最終的にオペレーターに繋がり、実際に落とし物が届いていないかを教えてくれます。
仕事の移動中など電話をかける時間がなくても、自分のタイミングで操作できる点がチャットボットの魅力の1つです。
【獨協大学】学生からの問い合わせを1/3まで削減することに成功
(引用:獨協大学)
埼玉県に位置する獨協大学。語学学習を強みとしており、関東圏では第二言語を学べる大学として強い存在感を発揮しています。
大学の場合は学生や受験生、学生の保護者、果ては企業や所轄の警察署からも入電があります。もともとは対面や電話、メールで対応していたのですが、社会情勢の変化によって対面接触が困難に。
落ちた対応力を補うために、何らかの施策が必要でした。同大学はチャットボットを導入したことで、有人対応が求められる問い合わせ件数は1/3まで減少したと言います。
またチャットボットの提供元の別製品であるメール共有管理システムも活用し、問い合わせ対応と情報のシェアを独自に効率化しています。
参照:ChatDealerAI:大学にチャットボットを導入!問い合わせ対応件数を30%以上の削減に成功

【福岡教育大学】160時間の電話応対が0時間に
(引用:福岡教育大学)
福岡教育大学は九州内で代表的な教育系大学として知られています。令和2年度には教員の採用者数で全国トップになるなどの実績も。
同大学はポータルサイトで学生へのFAQや、対面でのサポートを実施していました。しかしFAQでは学生の持つ疑問に対応しきれず、また実際に会って話をすることも、社会情勢の変化によりかなり制限されるように。
同大学はこの問題を乗り越えるためにチャットボットを導入。これによりFAQで取りこぼしていた疑問を解決できるようになりました。さらに対面しなくてもテキストベースで回答し、学生・受験生・保護者などの各方面に対して適切なトラブルシューティングを提供できるように改善しています。
参照:RICOH Chatbot Service:在学生や受験生に対する利便性の向上と大学業務の効率化を実現!

【駒澤大学】1日1,000件以上利用され窓口対応の負担軽減に成功
(引用:駒澤大学)
駒澤大学は東京にある私立大学で、知名度が高く、好立地であることや就職実績が良いことで有名です。同大学では学生からの履修や成績に関する問い合わせについて、チャットボットを活用しています。
チャットボットを導入する前は、窓口への問い合わせ内容の8割が資料やホームページに既に記載してある情報であったため、窓口業務の負担軽減方法について模索していました。また、窓口が閉まっている夜間の問い合わせ対応も課題でした。
社会情勢の変化により、2020年3月に大学が全面閉鎖され窓口対応ができなくなったことから、同大学は急遽チャットボットの導入を進めます。
チャットボット導入後、2か月で学生全体の25%が友達追加をおこない、利用回数は18,000件以上にも上りました。また、チャットボットを導入したことで相談するハードルが下がり、学生が抱える悩みや潜在的な疑問を知ることもできました。
窓口業務の削減だけではなく、夜間の質問への対応も可能となり、学生のニーズにも十分応えることができた好事例です。
参照:コロナ禍で1日平均1,000件の利用!LINE公式アカウントが駒澤大学の窓口対応の負担を軽減
【会津若松市AI】自治体の証明書発行にチャットボットを運用
(引用:会津若松市)
チャットボットは市役所などでも導入実績があります。これは公的機関の担当者には参考となる事例でしょう。福島県会津若松市は、公式ホームページにAI型チャットボットを導入して運用しています。
同市は市民から「ホームページが見づらい」「電話が繋がらない」といった厳しい意見を受け取っていました。また「土日・夜間でも対応できればよいのに」といったリクエストも受けていたと言います。
同市はこういった声を受け、AIチャットボットで行政サービスを展開。暮らしに必要な情報をチャットで提供するように整備しました。ゴミ出しルールや公的機関案内、税金に対する連絡なども実施しています。さらに戸籍謄本などの各種証明書もチャットボットを通して発行手続きできるようになりました。
結果として会津若松市民のうち80%が、同チャットボットの行政サービスについて好意的な意見を述べるに至りました。
参照:データを活用したAIチャットボット 「LINE de ちゃチャット問い合わせサービス」の取組

チャットボットの活用によくある失敗事例
業務効率化をおこなうために、チャットボットを導入するケースが増えています。
チャットボットサービスは、機能やコスト面で幅広い選択肢があり、さまざまな企業や事業での導入が検討されています。
しかし、具体的にどのように活用したらよいかよく分からないということや、費用をかけるからには失敗したくないと考えている企業も多いでしょう。実際に、「導入してもうまく活用できず失敗した」という事例もあります。
ここでは、チャットボットを導入し、活用していく中で失敗しやすいポイントをお伝えします。
この記事を参考に、自社でチャットボットの活用ができているかをもう一度確かめ、よりよく活用するためのヒントを見つけてみてください。
チャットボットが適切な返答をしていない
ユーザーに的確な返答をおこなうことが、チャットボットの運用において最も重要です。しかし、チャットボットをうまく運用できず、ユーザーとの会話が成立しないというケースもあります。
チャットボットに適切な返答をさせるためにも、会話のパターンやシナリオを日々ブラッシュアップすることが重要です。
シナリオ型でもAI搭載型でも、日々の運用とあわせて定期的な分析をおこないましょう。ユーザーの疑問を解決できた割合や質問された内容、回答できなかった質問などを随時観察し、適宜調整をおこなうことが必要です。
また情報が変更された場合や追加された場合にも、忘れずにチャットボット内の情報更新をおこないましょう。
チャットボットの運用にリソースを割けていない
チャットボットを長期的に運用するにあたって、運用のためのリソースが割けていない、という失敗事例もあります。チャットボットを運用していくには、下記の工程を定期的におこなう必要があります。
- 会話のパターンを分析しブラッシュアップする
- システムにバグが発生していないかメンテナンスする
- 応答の精度や利用率を分析し、改善する
定期的な分析やメンテナンスが必要になるため、そのためのリソースを割けずにいると、チャットボットの性能を高めることができず、運用に失敗してしまいます。そのため、チャットボットの導入を検討する場合は、あらかじめこのような作業にリソースを割ける状態にしておく必要があります。
担当者やチームを編成して、チャットボットの運営を十分にフォローできる体制を整えておきましょう。
費用対効果があっていない
チャットボットサービスの中には、高度な機能を搭載しているために利用料金が高額なものもあります。しかし、実際の使用目的以上の機能が搭載されていると、機能を十分に使いこなせないという場合もあります。
この場合、必要以上の機能に対し費用を支払っていることになるため、費用対効果が合わないといったケースもあります。
チャットボットを導入するにあたり、どのような目的で何を実現したいのかをあらかじめ明確にし、ニーズを満たす機能を持ったチャットボットサービスを事前に検討した上で導入することが重要です。
特にAI搭載型のツールは、費用が高額になりがちです。自社の抱えている課題と照らし合わせながら、シナリオ型で対応できるのか、AIの機能が必要なのかといった部分は、費用対効果のためにも十分に吟味する必要があるでしょう。
チャットボット導入を成功させるポイント
チャットボットを導入して運用を成功させるために、押さえておくべきポイントを紹介します。
ただ運営しているだけでは、あまり効果を感じられないこともあり得ます。チャットボットの機能やメリットを最大限に生かすために、目的意識を持って工夫しながら、運営をおこないましょう。
導入目的を明確にする
まずは何のためにチャットボットを導入するのか、その目的を明確にします。
- 社内ヘルプデスクで総務部の負担を減らしたい
- ECサイトに設置して24時間いつでも顧客からの問い合わせ対応をしたい
- 新卒採用サイトで学生の疑問を解消したい
- 企業LPでコンバージョン率を向上させたい
このように、様々な目的が考えられるでしょう。目的がはっきりすると、シナリオ型やAI型といったチャットボットの種類を決めやすくなります。
目的と必要なチャットボットの種類を押さえられたら、製品も自ずとも絞れるようになるでしょう。
運用担当者を決める
チャットボットは自動でユーザーと対話してくれますが、運用担当者はあらかじめ決めておく必要があります。運用開始後も、回答の精度を高めるためにチューニングやアップデートなど適切な管理を継続して実施することが大切だからです。
誰かが責任を持って担当しなければ、この業務は正常に続けられません。必ずチューニングやアップデートを一定の頻度で実施できる運用担当者を決めておきましょう。
ただし問い合わせ数や会社規模によっては、一人では手が回らないケースも多々あります。その場合は運用担当者だけでなく社内体制も整備する必要があると言えるでしょう。
チャットボットの導入は問い合わせ対応を効率化し、リソースやコストに余裕を生み出すものです。チャットボットにも一定のマネジメントが必要となり、「放っておくだけ」では有効に運用できない点を理解しておきましょう。
有人オペレーターを配置する
チャットボットがユーザーの質問に回答しきれないケースもあるため、有人オペレーターを忘れずに配置しておきましょう。
解決できない問題に対しては、電話番号と営業時間を表示するか、こちらからお客様に電話をかけられるよう電話番号や希望日時を記入できるフォーマットの準備が必要です。
お客様の問題を最後まで解決する姿勢を見せることで、満足度アップにも繋がります。
チャットボットの導入事例を参考に導入を検討しよう
チャットボットを適切に運用するには、他の導入事例を見てあらゆるケースを想定しておくことが大切です。チャットボットを活用するメリットを踏まえた上で、導入目的、課題、運用担当者や体制も整えましょう。
また、弊社サンソウシステムズでは月額1万円から利用できる「さっとFAQ」というチャットボットツールを提供しています。
エクセルから会話データを作成でき、プログラミングスキルは必要ありません。誰でも簡単にさっと導入・運用が可能なところが特徴になります。
今なら30日間の無料トライアルも可能です。「まずは使って試してみたい」という方はぜひこの機械に導入をご検討ください。