自社の顧客や社内からの問い合わせへ、電話やメールで臨機応変に対応するのがヘルプデスクの仕事です。業務を運営していると、
- ヘルプデスク入電・メールの問い合わせが多くて困っている
- 問い合わせを減らす方法が知りたい
- より効率化されたヘルプデスクを構築したい
などと感じる担当者は多いでしょう。ヘルプデスクは、問い合わせユーザーの増加に連動して、必ず業務負荷が大きくなるセクションです。したがって、継続的に問い合わせを減らす施策を打ち出す必要があります。
本記事では、こうした問題点の改善に取り組むにあたって、以下の点を解説します。
- ヘルプデスクの問い合わせを減らす6つの方法と施策
- 問い合わせを減らすメリット
- もっとも有力な施策であるチャットボットの運用方法と成功事例
本記事を読めば、問い合わせの数を減らす新しい施策が見つかるはずです。ヘルプデスクの問い合わせを減らし、効率化したいと考えている担当者はぜひ参考にしてください。
ヘルプデスクの問い合わせを減らす6つの方法と施策
ヘルプデスクの問い合わせを減らす方法と施策は、大きく分けて6つ考えられます。
- チャットボットの導入でヘルプデスクを自動化する
- インターフェースの再構築
- 商品紹介を充実させる
- FAQの内容を強化する
- サポートできる範囲を限定する
- テンプレートでの対応を増やす
状況に応じた方法を選択することでヘルプデスクは効率化されるでしょう。下記でそれぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
チャットボットの導入でヘルプデスクを自動化する
ヘルプデスクの問い合わせを減らす、あるいは効率化するうえでは、チャットボットの導入が非常に効果的です。
なんらかのWEBサイトを閲覧したとき、右下からチャットウィンドウが出てきたのを目にしたことはないでしょうか?
それこそチャットボットであり「想定した質問に対してあらかじめ設定した内容を自動で回答する」という機能を持っています。つまりオペレーターと接触する前段階で顧客対応できるわけです。
もちろんチャットボットだけに応対を丸投げするわけではありません。有人対応が必要な問い合わせだけはオペレーターにつなぐなど、合理的に分担することも可能です。
チャットボットはプロダクトを選べば操作は簡単で、なおかつ低予算から導入できます。問い合わせに基づくデータも集積されるので、今後の施策を検討するうえでも有用です。

インターフェースの再構築
ヘルプデスクの問い合わせを減らすには、インターフェースの再構築も有効です。インターフェースとは、
- ホームページ
- マニュアル
- 商品説明書
などを指します。
インターフェースが不十分だった場合、問い合わせが増えるわけです。つまり問い合わせを減らすには再構築するのが有効だと言えるでしょう。
たとえば以下のような方法が考えられます。
- ホームページのUIを向上させる
- FAQページやサポートガイドへの導線を見直す
- 自動的にサポートできるシステムを構築する
インターフェースが改善すれば、ヘルプデスクへの問い合わせを減らすことは可能です。
しかし自社の都合で、顧客が不便を感じるような再構築は避けましょう。たとえば「問い合わせページを隠すように配置する」という手法はNGです。問い合わせ件数が削減される一方で、顧客の満足度を落としかねません。
インターフェースの改善に取り組む場合は、顧客の満足度が最優先であることを前提として実施することが重要です。
商品紹介を充実させる
実態のある商品がある場合は、やはり商品紹介を充実させるべきでしょう。たとえば自社ホームページで販売しているのであれば、仕様などを詳細に解説します。
これまでの問い合わせ内容を統合して、何が顧客の疑問になっているのか把握しましょう。それを商品紹介に反映させれば、問い合わせを減らすことが可能です。
ただし商品紹介を書き込みすぎるあまり、ページそのものの可読性を損なう場合もあります。充実した商品紹介が書いてあれば問い合わせを減らすことは可能でしょうが、一方で一般ユーザーの利便性にも配慮しなければいけません。
FAQの内容を強化する
問い合わせを減らすには、いわゆる「よくある質問」の内容を強化することは重要です。ここで悩みを解消できれば、顧客は問い合わせを出す必要がなくなります。
優秀なFAQがあれば、顧客はただちにトラブルシューティングすることが可能です。自社は問い合わせ件数を削減できるので、たいへん合理的な施策だと言えるでしょう。
FAQの内容を強化するなら、これまでの多く発生した問い合わせについては、優先して追加していきましょう。この繰り返しでFAQが強化されて、しだいに問い合わせが減らせるはずです。
ただし「そもそもFAQを読まない」という顧客も少なくありません。そういった場合はヘルプデスクで対応する必要があります。

サポートできる範囲を限定する
ヘルプデスクの対応範囲が広すぎて、問い合わせ数が多くなっていることもあります。こうなると業務効率化を考案する間もないほど多忙な状態になるでしょう。
ヘルプデスクが有用なことは重要ですが、サポート範囲を限定するという施策も考える必要があります。ややリスクはありますが、たとえば「FAQの参照をうながす」「対応時間を短くする」といった方向が考えられるでしょう。
ただしサポートできる範囲が縮小すると、顧客の満足度に影響する部分もあります。そのリスクを避けるなら、サポート範囲を維持しつつ外注する、といった方向も検討しなければいけません。
できるだけ顧客の不満を増やさないような形でまとめたいところです。
テンプレートでの対応を増やす
問い合わせ数を減らす、あるいは問い合わせ時間を短縮するには、テンプレートでの対応を増やすことが重要です。これはさほどハードルが高い施策ではないので、積極的に取り組みたいところ。
たとえばチャットボットを使うことで、回答をテンプレート化することが可能です。あらかじめ想定した質問に対して、用意した内容を自動的に回答させられます。
問い合わせ時間の短縮を狙うなら、やはり応答内容のテンプレート化が重要です。オペレーターが迷うことなく、効率的に対応できるようになります。いかに応答内容のテンプレートを充実させるかがポイントとなるでしょう。
ヘルプデスクの問い合わせを減らす4つのメリット
ヘルプデスクの問い合わせを減らすことには、以下のようなメリットがあります。
- コストが下がりリソースも温存される
- 顧客の満足度が向上する
- オペレーターの負担が軽減される
- 対応品質が向上する
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
コストが下がりリソースが温存される
ヘルプデスクへの問い合わせを減らすことができれば、コストとリソースが温存されます。対応する入電の数が減らせるので、まずオペレーターにかかる人件費が圧縮されるでしょう。また教育や設備にかかる費用をおさえることも可能です。
さらにオペレーターの手が空きリソースも温存できます。つまり問い合わせ以外の業務に注力でき、ヘルプデスクはより業務効率化され、さらに高い機能を有するようになります。
顧客の満足度が向上する
ヘルプデスクの問い合わせを減らすことは、顧客の満足度にも寄与します。基本的に電話やメールで問い合わせが必要な状況は、顧客にとってもストレスです。
できれば問い合わせの前段階で、すばやく問題を解決したいと考えています。たとえばFAQやチャットで解決できれば、顧客はさほどストレスを感じません。それが達成できれば顧客の満足度は大きく向上するでしょう。
問い合わせがあったとしても、件数が少ないなら応答速度も速くなります。またオペレーターにも余裕があり、よりていねいな対応が期待できるでしょう。
ヘルプデスクの業務を効率化するなら、オペレーター、そして顧客に対するメリットまで意識して施策を打ち出したいところです。
オペレーターの負担が軽減される
問い合わせを減らすことができたなら、オペレーターの負担も軽減されるでしょう。これは非常に大きなメリットだと言えます。
問い合わせ対応が多すぎると、オペレーターには相当な負荷がかかるはずです。むずかしい対応が連続したり、そもそも対応件数が多かったりすると、心身ともに疲弊します。
最終的には離職率の向上につながり兼ねません。そうするとベテランのオペレーターを育成できない、という悪循環が起こります。
しかしヘルプデスクが効率化されれば、オペレーターの負担が軽減されて、ある程度は無理なく勤務できるようになるはずです。そうすれば離職率が改善し、自社も人事面において安定すると予測できます。
さらに社員教育などでスキルアップをはかる余地もじゅうぶんに得られるでしょう。
対応品質が向上する
問い合わせ件数が低減されれば対応品質も向上するでしょう。多くの入電に追われると、オペレーターのパフォーマンスも落ちていきます。人為的なミスが増えて、クレームなどにつながるリスクも大きくなるでしょう。
しかし問い合わせ件数が少なければ、オペレーターは一つひとつ丁寧に対応できるようになります。したがって対応品質も向上すると期待できるわけです。
問い合わせ件数を減らすというと、「顧客へのサポートが手薄になる」と感じるかもしれません。しかし実際のところ対応品質が向上し、よりよいサービスが提供できる、という部分にもつながるのです。
チャットボットの導入により問い合わせを大きく減らす方法
ヘルプデスクの業務効率化において、問い合わせを減らすのはたいへん重要です。しかしそれを達成する施策には限りがあり、また何らかのデメリットを持っている部分もあります。
その中でもっとも効果的な施策としては、やはりチャットボットの導入が考えられるでしょう。チャットボットはあらかじめ想定した質問に対して、事前設定した内容を自動的に回答します。ここにはオペレーターのリソースは必要ありません。
またチャットボットであれば24時間体制で問い合わせに対応することが可能です。さらにオペレーターと話すことなくトラブルシューティングできるので、顧客側の手間も省けます。
加えてプロダクトによっては、問い合わせ内容をデータとして蓄積することが可能です。そうすれば次の施策を考案するうえでも、有効なヒントが得られるでしょう。
費用については、低予算のものであれば10,000円から50,000円程度で導入することが可能です。たとえば「さっとFAQ」であれば、月額10,000円から利用できます。
人員増加やインターフェースの再構築を実施する場合と比較して、コストもかかりづらいでしょう。
実際の事例
出典:株式会社TENDA
実際にチャットボットの導入で、ヘルプデスクへの問い合わせ数を減らした事例を見てみましょう。株式会社TENDAは、マニュアルの自動制作ツールをはじめ、さまざまなプロダクトをリリースしている企業です。
同社はサービス拡充し、多くのユーザーを獲得していました。その一方でヘルプデスクへの負担も大きくなっていることに課題を感じるようになります。
同社は問い合わせを減らすためにチャットボット「さっとFAQ」の導入を決定。すると、全質問における4割を、チャットボットが回答するようになりました。
さらに導入からわずか半年でヘルプデスクへの問い合わせを2割減らすことに成功します。ここでは電話によるサポート品質を落とすなどの施策は特段取られていません。
ヘルプデスクの機能は維持しつつも、チャットボットによって顧客へすみやかな問い合わせ対応を提供する体制が整備されています。
関連記事:株式会社テンダ 様 – さっとFAQ
チャットボットの導入によりヘルプデスクを効率化するポイントは?
しかしチャットボットを設置しただけでは、問い合わせ数を減らすのはむずかしいでしょう。ヘルプデスクの効率化という点を目指すなら、適切な導入と運用が必要です。
チャットボットを利用する際は、以下の点について考えておく必要があるでしょう。
- 「問い合わせ数の2割削減」など、明確な数値を持つ目標
- 費用面、技術面で無理なく運用できるチャットボットを導入する
- 定期的なメンテナンスが必要なので、運用担当者をアサインする
- チャットボットの問い合わせから得られた情報を総合して、常にPDCAサイクルが回るように計画する
注意したいのは、チャットボットは長期的に運用する必要がある、ということです。チャットボットは24時間体制で自動応答しますが、そのためにはあらかじめ応答内容を設定しておく必要があります。
また、その後も問い合わせ内容に合わせて応答内容を追加・調整する「チューニング」という作業も必要です。ですから、運用担当者はアサインしておかなければいけません。
チューニングを繰り返すことで、チャットボットはより顧客に合ったサポートを提供するようになります。そして明確な数値目標を達成するように効果測定しながら、PDCAサイクルを回し続けることが大切です。
長期運用することが前提なら、費用面も重要となるでしょう。チャットボットの中には、月額数十万円の費用がかかるプロダクトもあります。それを長期的に運用する場合、莫大な予算が必要なわけです。
したがって無理のない費用感で使えるチャットボットを使う必要があるでしょう。

まとめ:ヘルプデスクの効率化は全企業に共通の課題
ヘルプデスクは、サービス拡充やユーザーの増加と連動して業務負荷が大きくなるセクションです。企業が発展を続ける限り、ヘルプデスクは常に効率化されるべきだと言えるでしょう。
つまり問い合わせを減らし、より安定した応対ができるように、常時コントロールする必要があります。
すでにヘルプデスクの負担が大きいなら、できるだけ何らかの施策を打ち出すことが大切です。インターフェースの再構築やFAQの充実などで、問い合わせを減らすことができれば、少しずつヘルプデスクは効率化されるでしょう。
チャットボットの導入を考えている担当者は、ぜひ一度「さっとFAQ」をご検討ください。月額10,000円というリーズナブルな費用感で、充実したチャットボットサービスを提供しています。運用方法は非常にシンプルで、エクセルを使って回答内容をチューニングすることが可能です。
これにより比較的小さな負担で、ヘルプデスクを効率化する施策を実施できます。さらに問い合わせ内容に基づいた各種データや情報を自動で集計し、新しい施策へつながるヒントを提供します。
30日間の無料トライアルもありますので、「まずは使ってみたい」という方はぜひこの機会に導入をご検討ください。