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FAQの作り方とは?作成するメリットや手順・ポイントを解説

基礎知識

社内外からの問い合わせの対応に時間と手間がかかるとお悩みではありませんか?FAQをホームページに設置することで、24時間365日ユーザーの悩みを解消することが可能です。また、ユーザーからのお問合せ数減少による業務の効率化や、CVRの向上といった効果も見込めます。

本記事ではFAQの導入における作成手順やポイントを解説します。

また弊社サンソウシステムズでは月額1万円から導入できるチャットボットツール「さっとFAQ」を提供中です。Excelを使用して会話データを作成でき、FAQとしても運用が可能です。

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FAQとは

FAQとは、頻繁に尋ねられる質問のことです。正式名称である「Frequently Asked Questions」の頭文字を取って、”エフエーキュー”と呼ばれています。

ホームページなどに設置することで、ユーザーは有人窓口に問い合わせることなく、いつでも疑問を解消できます。ユーザーの利用満足度を向上させられるだけではなく、対応工数が削減されることで、スタッフの業務効率を改善することが可能です。

ここではFAQの概要について解説します。

FAQとQ&Aの違い

FAQとしばしば混同されるものに、Q&Aがあります。FAQとQ&Aは質問と回答をまとめる点で共通していますが、提供情報の内容や量に違いがあります。

FAQの特徴は下記の通りです。

  • 頻繁に尋ねられる質問を厳選して回答している
  • 実際に顧客から寄せられた質問を集めている
  • よく尋ねられる質問に焦点を当てている

一方でQ&Aの特徴は下記の通りです。

  • 多くの質問と回答を網羅している
  • ユーザーが疑問を持つと推測される質問も含めた広範な情報提供を目指している
  • 多くの情報量を扱っている

FAQとQ&Aはどちらも質問と回答を提供するものですが、FAQは「頻繁に尋ねられる質問」に焦点を当て、Q&Aはより広範な情報提供を目指しています

企業やサービスによっては、両者の違いがあまり明確でないこともありますが、ユーザーのニーズに応える情報を提供することが最も重要であるため、両者の違いにこだわりすぎず、効果的に活用していくことが求められます。

FAQを構築する要素

効果的なFAQコンテンツを作成するためには、ユーザーのニーズに応えることが重要です。

FAQは、ユーザーが疑問を自己解決できるようサポートすることが目的であるため、FAQには以下の要素を含めましょう。

  • 質問文:簡潔かつ端的に表現し、検索キーワードを含める。
  • 回答文:結論ファーストで作成し、箇条書きや図表を活用して分かりやすく提示する。
  • 参考ページのURL:情報のソースやエビデンスを示すためにリンクを設置する。
  • 関連FAQ:関連性の高いFAQやセットで参照したいFAQへのリンクを設置する。

ユーザーのニーズを満たすFAQを作ることで、FAQの利用が促進されて問題解決までの時間を短縮できます。必要な要素を満たしたFAQは、ユーザーの満足度を高めてくれるだけでなく、回答を探すストレスも軽減できるのです。

FAQの種類

FAQは、顧客向け、社内向け、コールセンター向けの3種類があり、それぞれ異なる目的で効果的に活用されています。

顧客向けFAQは、サービスや製品のトラブルシューティングを目的に公開されます。顧客はFAQを閲覧するだけで問題を解決でき、企業も早期にサポートが提供できるのです。

一方、社内向けFAQは、従業員が業務上の疑問を解決するために設置されます。ツールやシステムの使い方、業務手順、指揮系統や連絡先などが盛り込まれることで、従業員の自己解決能力が向上し、業務効率が高まります

また、コールセンター向けFAQは、オペレーターが顧客対応を円滑におこなうために活用されるものです。返答テンプレート、対応マニュアル、情報入力手順、ツールの使い方、トークスクリプトなどが整理され、対応品質の向上が期待できます

これらの3種類のFAQは、それぞれの目的に応じて効果的に利用され、企業の業務効率や顧客満足度の向上に貢献しているのです。適切なFAQ活用で、企業は競争力を高めることができるでしょう。

FAQを作成するメリット

FAQを作成するとリソースを削ったり、顧客に適切なサポートを提供したりする上で役立つのはもちろん、企業自体の発展にも貢献します。

ここでは、FAQを作成するメリットを紹介しますので参考にしてください。

顧客への対応を標準化できる

FAQを作成する最大のメリットは、顧客への対応を標準化できる点にあります。特に顧客対応では、「スタッフによって対応内容が変わる」という状況が起こりがちです。しかし、そのままだと以下のような問題が発生する恐れがあります。

  • 顧客から対応の違いを指摘される
  • 必要以上のサポートを提供してしまう
  • 課題が多岐に渡り、教育が複雑化する
  • 電話口での印象が不安定になる

社員向けのFAQがあれば、ある程度顧客への対応を標準化できます。そうすれば常に一定の品質で顧客とコミュニケーションを取ることができ、多くのトラブルを予防できるようになるでしょう。

また教育課程にも良い影響が生じます。FAQで業務内容が標準化されていると、社員が抱える課題やトラブルもまた定型化されます。つまり教育内容もある程度固定されるため、そこにかかるコストやリソースもおさえられると言えるでしょう。

サービスの品質を改善できる

FAQがあれば、サービスの品質も大きく改善します。具体的に改善効果として挙げられるのは以下の点です。

  • すぐにトラブルシューティングを提供できる
  • より分かりやすく、正しい案内ができる
  • ユーザーの課題を見える化して、サービス内容を改善できる

FAQがあれば、すぐにトラブルシューティングを検索して、問題を解決できます。また、FAQに回答を登録しておけば間違った回答をしないため、誤った案内をするミスも防げます。社内外いずれの場合でも、これは大きなメリットとなるでしょう。

運用開始後は、閲覧数を参照するなどしてFAQをブラッシュアップすれば、よりユーザーにとって役立つ内容に向上させられます。ただしサービス品質の何が改善するのかは、FAQに書かれている内容に依存します。課題点は、優先的にFAQへ記載してデータを取りましょう。

問い合わせ件数を減少させられる

FAQの設置により、コールセンターやヘルプデスクへの問い合わせ件数が減少し、業務効率化とコスト削減が実現できます。

問い合わせ対応の件数に悩まされている企業も多いのではないでしょうか?問い合わせ件数の多さや内容の煩雑さからスタッフが疲弊していたり、人員が不足していたりするケースもあるでしょう。また回答をするまでにユーザーを待たせてしまい、購買意欲が失われたり、クレームを入れられたりするかもしれません。

FAQがあれば、下記のような効果が期待できます。

  • 待ち時間の減少
  • 顧客対応コストの削減
  • クレームの減少

よくある質問によって回答が即座に提供されるため、少ない待ち時間で問題が解決されます。また、FAQの活用でカスタマーサポートの負担が軽減され、人件費などのコスト削減も図れるでしょう。さらに顧客満足度が向上し、クレームの減少にもつながります。

いわゆる「よくある質問」はFAQによってすぐに解決されて、問い合わせ件数が少なくなります。その結果コールセンターやヘルプデスクの負担を大きく減らせるでしょう。

業務の属人化を防止できる

FAQの設置により、業務の属人化を防止し、組織力の向上が期待できます。社員全員がFAQにナレッジとしてアクセスできるため、特定の社員に依存しない情報共有が可能になり、「ある業務や顧客に関して、特定の社員しか知らない状態」を避けられます

また高い検索精度やコメント機能により、適切なナレッジが容易に共有され、コミュニケーションが円滑におこなわれるでしょう。

ただし社員全員が積極的にナレッジを共有するように工夫しなければ、業務の属人化は防げません。共有に対するインセンティブを設定するなどして、ナレッジが集まりやすくなるような仕組みを作りましょう。

業務の属人化を防ぐことで、社内FAQやヘルプデスクシステムは、ナレッジマネジメントツールとしても効果的に機能し、企業の業務効率化に大きく貢献できるでしょう。

ナレッジが蓄積される

FAQの作成により、組織内でのナレッジ蓄積が促進されます。FAQ作成には、整理された情報(ナレッジ)が必要です。また、顧客対応や社内業務のノウハウがFAQとして共有されることで、情報を探す手間が省け、普段の業務だけでなく新人教育や引き継ぎが効率化されます。

例えば、顧客から寄せられた問い合わせや社内のノウハウをFAQにまとめ、社員全員で共有する取り組みをおこなうとしましょう。この場合ツールの使い方や作業手順、ノウハウや労務上の知識を記入することとなります。結果として業務の属人化が防止されて、社員なら誰でも欲しい情報を効率良く手に入れられるのです。

これらがFAQとなるためには、整理された情報として分かりやすくアウトプットされなければなりません。FAQを設置することで、社内外への対応が向上するだけでなく、自社の業務のさらなる成長へつながる貴重なナレッジを獲得できるでしょう。

FAQの作成手順【準備】

FAQの導入を成功させるためには事前準備が必要です。ここではFAQを作成する上で必要な準備について解説します。

FAQの導入の目的を明確にする

FAQを導入する際には、目的や利用対象者を明確にし、それに合った内容を提供することが重要です。

FAQが解決すべき課題や期待する効果が分からないまま導入すると、効果が得られない可能性があります。また、利用対象者によっても適切な質問や情報の難易度が変わります。

FAQの対象がユーザー向けで、オペレーター不足が社内の課題であれば、ユーザーにFAQを利用して自己解決を促し、コールセンターへの問い合わせ数を減らすことが目的となります。この場合、情報はユーザーが理解できるレベルに落とし込む必要があります。

FAQを導入する際には、どのような目的で利用するのか、利用対象者は誰なのかを明確にしましょう。その上で、適切な質問や情報の難易度を調整することで、より効果的なFAQが作成できます。

FAQの構築方法や公開方法を決定する

FAQシステムを導入し、適切な表示方法を選択することで、効率的にFAQの作成・公開・管理が可能となります。

FAQシステムは、FAQを効率的に運用するための以下のような機能が搭載されています。これらを活用することで、スムーズにFAQの運用がおこなえるのです。

  • 情報の一元管理
  • FAQ構築・作成
  • 自己解決機能(検索・タグ)
  • レポート・分析機能

FAQの表示方法は、「Webサイトに掲載する方法」と「チャットボットを使う方法」があります。Webサイトに掲載する場合は、充実した情報量の多い回答の用意や、検索性の向上が重要です。チャットボットを使う場合は、対話型で気軽に質問できる点が魅力です。

検索からの流入や企業の信頼性の向上を狙っているのであればWebサイトへの掲載、FAQの気軽な利用やスピーディーな問題解決を狙っているのであればチャットボットと、自社の目的に合わせて公開方法を選びましょう

運用体制を決定する

FAQシステムの運用体制を整えると、FAQが活用され続け、効果的な情報共有が実現されます。

運用体制が整うと、FAQの更新や追加がスムーズにおこなわれ、ユーザーにとって使いやすく、有益な情報が提供されるFAQになるでしょう。FAQの活用が定着すると、効率的な問い合わせ対応が可能となります。また運用チームを構築して役割分担を明確化することで、スムーズな運用が実現されるでしょう。

例えば顧客問い合わせ型のFAQでは、営業担当者が情報提供者として参加する、社内問い合わせ型のFAQでは、影響力のある社内発信力のある人材が運用チームに加入するなど、適任な人材も異なることが考えられます。

運用チームを構築し、役割分担を明確にすることで、スムーズな運用が実現するでしょう。社内の習慣作りも重要であるため、定着させるためには適切な社内ルールを設定しましょう。

FAQの作成手順【構築】

適切なFAQを作成するには、長いフローを経る必要があります。最初にFAQ作成に必要な情報を集めましょう。

その後少しずつ作成や調整を実施し、最終的には分析とブラッシュアップを繰り返すPDCAを行います。

FAQ作成に必要な情報を集める

FAQを作成するにあたって、どのような情報をユーザーが求めているのかを知りましょう。日頃、顧客などとやり取りしている連絡手段のログを確認して、FAQに使用できる情報を集めていきます。

FAQに使用する情報を集める手段には、以下のようなものがあります。

  • お問合せボックス
  • メール
  • 電話
  • チャット

FAQ作成時に問い合わせ履歴を参考にすると、ユーザーの実際の悩みや疑問を把握できます。そして、予想できる質問を集めることで、未然に問題を解決できる可能性が高まるのです。

また、ログだけでは情報が少ない場合は、担当者へヒアリングを実施しましょう。どのような問い合わせが多いのか尋ねたり、メモなどを確認してもらったりすることで、FAQに記載すべき質問の情報が集まります。

情報に優先順位をつける

FAQに使用できそうな質問を集められたら、その中から実際に使用する質問を選びます。優先順位をつけずに質問を記載すると、多くの人が気になっている質問でも後回しになってしまう可能性があり、導入効果があまり得られないことが考えられるので注意が必要です。

質問に優先順位をつけるためには、ABC分析といったフレームワークを活用しましょう。ABC分析とは、指標の中から重視する評価軸を決めてA・B・Cの順に分類し、優先度を決めて管理する手法です。

Aに該当する重要な質問は最優先に作成して、その後、B・Cに該当する質問を順に作成しましょう。また、作成した質問に関連する質問も入れることで、ユーザーにとって使いやすいFAQが構築できます。

ABC分析を活用すると、現状を可視化して把握できたり、時系列でFAQの効果を測定できたりといったメリットがあります。

回答を用意する

FAQに採用する質問を選んだら、次はカタログやマニュアルなどから正しい回答を用意しましょう。また、FAQの回答を用意する際には、分かりやすく簡潔な文章を心がけます。関連情報がある場合は、リンクで提供するとユーザーにとって満足度の高いFAQが構築できるでしょう。

ただし、カタログやマニュアルなど参考元の情報をすべて転記すれば良いというものではありません。ユーザーが回答を見てストレスを感じない文章を心がけ、参考元の情報よりもわかりやすい説明はできないか考えながら、回答となる文章を考えます。

専門性の高い回答が必要な場合は、回答に関する業務を担当している部署に資料提供を求めるのもよいでしょう。

カテゴリー分けをする

ユーザーにとって使いやすいFAQサイトを作るためには、FAQを整理し、カテゴリー分けをおこないましょう。

FAQが増えると、ユーザーが目的の情報を見つけにくくなる可能性があります。そこで階層的な構造にすることで、ユーザーは効率的に情報に到達できるのです。

カテゴリー分けは、商品別やユーザーのステータスごとに分けます。ユーザーがどのような状況でFAQを見ているかしっかりと分析をして、カテゴリー分けをおこないましょう。

例えば、商品が増えるにつれてFAQも増加し、ユーザーが情報を見つけにくい状況となった場合について考えていきましょう。FAQを「注文方法について」「ラッピングについて」などのカテゴリーに分け、さらに詳細な分類をおこなうことで、顧客が目的の情報に効率的にたどり着けるようになり、FAQサイトの利用率の向上へとつながります。

レギュレーションを設定して作成する

レギュレーションを設定し、顧客にとって使いやすいFAQサイトを作成しましょう。具体的には、以下の点を定義すると良いでしょう。

  • レイアウト
  • 細かい表現のルール、トンマナ
  • リンクの貼り方
  • 画像のサイズ
  • フォント

これらを決定することで、統一感もあり、理解しやすいFAQが作成できます。またFAQを作成する上で注意すべきポイントは、以下の3つです。

  • レギュレーションの遵守
  • 分かりやすさと見やすさの意識
  • 誤字脱字や誤情報の確認

まず、決めたレギュレーションは徹底して遵守しましょう。また、視覚的な分かりやすさや見やすさを意識することも大切です。ユーザーの意見を参考にしながら進めることがおすすめです。

最後に、誤字脱字や誤情報を記載しないように注意しましょう。ユーザーは「FAQは正しい」と考えて利用するため、誤情報は間違った対応や操作につながる危険があります。公開前に念入りに確認することが重要です。

社内で承認を得る

FAQの品質を担保するためには、社内承認プロセスとワークフローを整備しましょう。

社内で承認を得ることで、複数人のチェックが入り、正確で理解しやすいFAQが作成できます。承認ワークフローの一例として、以下のプロセスが考えられます。

  • 作成者がFAQコンテンツを作成・修正する
  • レビュー担当者にFAQコンテンツの承認を依頼する
  • レビュー担当者がFAQコンテンツをチェックし、「承認」「却下」などのラベルを追加する
  • 公開担当者がFAQコンテンツのラベルを確認し、「承認」されたFAQを公開する

FAQの完成後、社内関係者による確認と承認を経て公開することで、顧客に適切な情報提供ができます。専門用語の多用や分かりにくい回答を避け、承認プロセスをワークフローで管理することで、品質の高いFAQを制作しましょう。

FAQの作成手順【運用・改善】

FAQは公開したら終わりではなく、継続的な分析と更新が必要です。ここでは分析改善のためのプロセスを紹介します。

データを収集してFAQの内容を見直す

FAQの公開後、効果を最大限に引き出すためにはユーザーのニーズに合った内容を提供しましょう。そして、定期的に改善とメンテナンスをおこなうことが重要です。

FAQページはユーザーの問題解決を助けるだけでなく、企業の業務効率化にも寄与します。業務効率化を達成するためには、以下のデータを分析してFAQの内容や構成を整えましょう。

  • 0件ヒット率
  • クリックスルー率
  • 閲覧後の問い合わせ件数
  • コンタクトセンターのVOC(顧客の声)

0件ヒット率とは、ユーザーがキーワードを検索したときに、回答が1件もヒットしなかった回数の割合のことです。0件ヒット率が低いほど、FAQがユーザーの疑問に答えられている状態であると考えられます。

クリックスルー率は、ユーザーが実際にクリックしてリンク先を見た割合のことです。クリックスルー率が高いほど、FAQがユーザーのニーズに合致していると考えられます。

定期的にデータを見直して内容を改善していくことで、質の良いFAQができあがるでしょう。

必要なFAQを追加する

FAQの追加は、顧客ニーズに対応し続けるために重要なプロセスです。効果測定や社内メンバーからのフィードバックを活用して、ユーザーのニーズに応えるために必要な項目を追加しましょう。

定量的データで把握しきれないニーズは、社内メンバーからのアンケート調査や聞き取り調査を活用して、現場のリアルな声を反映させましょう。また情報が古くなると、ユーザーの信頼を損ないかねません。FAQの内容は、最新の情報に更新し続けることが重要です。

例えば、新製品のリリースに合わせてあらかじめ必要なFAQを用意しておけば、ユーザーがその商品について抱いた疑問を即解決できます。疑問を感じてから解決にいたるまでの時間が短ければ短いほど、ユーザーのストレスが軽減され、営業機会の損失を防ぐ効果も期待できるでしょう。

FAQを作成する際のポイント

これまでFAQの作成方法や作成手順について説明しました。この章では、FAQを作成する際のポイントを解説します。

顧客が利用したときの利便性を意識する

FAQを作成する場合は、顧客やユーザーの利便性を意識しましょう。FAQの役割は、発生した問題に素早くトラブルシューティングを提供することです。役割を果たすためには、やはり利便性を高く保たなければいけません。

「使いづらい」「見づらい」といったFAQはユーザーのストレス要因となり、自社に対する印象が落ちたり、製品やサービスの解約につながったりします。

以下のような手法で、FAQの利便性が高くなるように工夫しましょう。

  • 見やすいレイアウトを意識する
  • 画像や図解を入れる
  • 関連した項目へのリンクを掲載する
  • 文字を装飾し、どこが重要か分かりやすく表現する

このような工夫を凝らせば、利便性の高いFAQを作成できます。そうすればユーザーも速やかに問題を解決できるでしょう。

利便性の高いFAQは、自社への印象や製品・サービスの売上にもつながります。またコールセンターや社内向けのFAQの場合であっても、業務効率を高める効果が期待できるでしょう。

専門用語を使用しない

FAQの回答文は、専門用語を避けて、誰にとっても理解しやすい言葉で書くことが重要です。わかりやすい回答によって、顧客満足度の向上や業務効率化を実現できます。

例え社内で当たり前に使用されている言葉であっても、顧客など社外の人間にとっては理解できないものもあるのです。説明をする上で、どうしても専門用語を使わなくてはならない場合は、必ず注釈を付けるなどの配慮をしましょう

FAQをリリースする前に、誰が読んでもわかる回答かどうか複数人でチェックすることが重要です。これにより、ユーザーが手軽に問題を解決できるFAQを作成できます。

質問を見つける方法を工夫する

FAQの数が多くなると、ユーザーは数多くの質問から知りたい情報を探さなければなりません。ユーザーが知りたい情報に辿り着くためにおすすめの方法は下記の通りです。

  • FAQのリンクを目立つ場所に設置する
  • カテゴリー分けをする
  • キーワード検索に対応する

FAQが利用されない原因の一つに「そもそもFAQがどこにあるのかわからない」という問題があります。FAQページへの導線はサイトの目立つ場所に設置し、ユーザーがFAQに気付きやすくなる工夫をしましょう。

またFAQが大量にある場合はカテゴリー分けが有効です。内容によってカテゴリーに分けておけば、ユーザーは特定のカテゴリーの中から知りたい情報を探しやすくなります。

また、キーワード検索は、該当のキーワードを含む質問を一覧で表示できるため、一回の検索で知りたい質問と回答に辿りつきやすくなります。

これらの対策をおこなうことで、顧客満足度の向上や問い合わせの減少につながるでしょう。

別の窓口への導線も準備する

FAQを設置する場合、コールセンターやメールフォームなど、別の窓口への導線も用意しておきましょう。FAQによって、初歩的な問題や簡単に解決できる疑問は、すぐに解消できるようになります。しかし、FAQにすべての解決方法を記載できるわけではありません。

FAQで疑問を解決できなかった場合、他の導線がないとユーザーが疑問を解決する術はありません。疑問が解決できなければ、離脱の原因となり、貴重な営業機会を失う可能性もあります。

FAQ以外の別の窓口は、末尾部分に電話番号やメールフォームへのリンクを設置して誘導するのが良いでしょう。FAQで解決できないような複雑な問題は、コールセンターやメールフォームなどに誘導して手厚いサポートを提供しましょう。

また状況次第ではありますが、コンバージョンへの導線を設置するケースもあります。チャンスがあればコンバージョンへ導き、FAQから直接の売上を狙ってみることも良いでしょう。

定期的にメンテナンスをおこなう

FAQは、作成して終わりではありません。FAQを作成した後も、定期的なメンテナンスが必要であり、内容の更新や質問の追加・改善をおこなうことで、利用率と顧客満足度を向上させられます。

FAQによってユーザーの自己解決を促すのであれば、FAQの内容は常に最新情報でなくてはなりません。また、FAQに必要な情報が記載されていない、FAQに重複や矛盾が多いなどの問題があると、FAQの利用率は下がっていくでしょう。FAQがほとんど利用されないような状況では、問い合わせが減らず、FAQを作成した意味がなくなってしまいます。

そのため、FAQを導入した後でも、有人窓口に問い合わせの多い質問があれば、FAQに追加しなければなりません。FAQツールやチャットボットツールでFAQを作成すれば、更新も簡単にできるので、おすすめです。

最適なチャットボットの選び方!比較のポイントや目的別ツールを紹介
この記事では、チャットボットを選ぶ前に確認したいこと、チャットボットの選び方、ジャンル別におすすめのチャットボットツールを紹介しています。近年、IT人材の不足も相まって、チャットボットを導入する企業は増えてきています。

FAQの作成に役立つツール

FAQの作成では多くの場合、ツールが活用されます。その種類は多様であり、各ツールの特徴や強みを理解した上で利用することが重要です。

無料で利用できるものもありますが、有料ツールの場合は、より高度な操作や美しいレイアウトをおこなえるのが特徴です。ここではFAQ作成に使われることの多いツールを紹介します。

Excel・スプレッドシート

FAQ作成には専用ツールを使うと考えられがちですが、実は多くの人が利用したことのあるExcelやスプレッドシートでもFAQを作成できます。セルに質問と回答を対で入力するだけで、作成方法は非常に簡単です。

Excel・スプレッドシートのメリット

Excelやスプレッドシートのメリットは、手軽かつ低コストで導入・運用できることです。Excelやスプレッドシートは多くの企業や個人が既に使用しているため、導入費用や学習コストが最小限に抑えられます。

FAQにExcelやスプレッドシートを使うメリットは下記の通りです。

  • 誰でも扱いやすい
  • 社員が利用者としても制作者としても受け入れやすい
  • ほぼ無料で始められる

小規模の企業や質問数が少ない場合、Excelを使ったFAQでも管理が可能です。特に社内FAQなど、使用する人が限られている場合におすすめです。

Excel・スプレッドシートのデメリット

比較的簡単に利用できるExcelやスプレッドシートで作成したFAQですが、一方で以下のようなデメリットがあります。

  • 情報の検索性が低い
  • 情報の共有性が低い
  • データ管理が難しい

ExcelでのFAQは、ファイル数や情報量が増えると検索が難しくなり、業務効率が低下します。また、情報が更新される度に最新ファイルを共有する手間があり、更新が滞る恐れも考えられます。

さらに、大量の情報を扱うとExcelの動作が重くなり、エラーやファイルの破損リスクもあるでしょう。同時編集もできないため、管理者が運用ルールを策定する必要があります。

Excelを活用した社内FAQの作り方3ステップ|テンプレートも紹介
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FAQ作成ツール

FAQ作成ツールとは、FAQをデータベース化して、簡単に質問を検索できるツールです。FAQ作成に特化したツールであるため、作成・運用ともに操作しやすく、必要な機能が網羅されている点が特徴です。

FAQ作成ツールのメリット

FAQ作成ツールはFAQの作成や運用に特化したツールです。そのため、FAQの数が多い、FAQの管理に手間をかけられない企業におすすめです。FAQ作成ツールの具体的なメリットは下記の通りです。

  • プログラミング知識がなくても簡単にデータベース化が可能
  • 解析機能を持つツールでよく検索される質問を把握できる
  • 顧客対応の質が向上し、社内での回答の均質化が可能
  • 更新や共有が容易で鮮度の高いFAQの維持が可能

FAQツールを利用すると、過去のFAQが参照できます。そのため、聞かれる頻度の高い質問には、迅速な回答が可能になります。

また、FAQ作成ツールを利用すると、文字以外の画像や動画を挿入しやすい点もメリットです。そのため、視覚的に伝わりやすいFAQが作成できます。

FAQ作成ツールのデメリット

FAQ作成ツールは質の高いFAQを作成できるメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。FAQ作成ツールのデメリットは下記の通りです。

  • コストがかかる
  • ツール提供のサービスが終了したらFAQが使用できなくなる
  • コストをかけて設置しても利用されない可能性がある

FAQ作成ツールには導入コストや運用コストがかかります。コストには、クラウド型FAQシステムの初期費用・月額費用や、オンプレミス型システムのサーバー構築費用が含まれます。事前に予算・機能要件を明確にし、複数システムを比較することが重要です。

また、サービスの提供が終了したら利用できなくなる可能性があります。そのため、コストや機能だけで使うツールを決定せず、サービス提供企業自体の口コミまでチェックしましょう。

また、社内でFAQシステムを活用するなら、利用方法や仕組みを周知し、社員の意見を集めて改善することが効果的です。

無料で使えるおすすめ社内FAQツール10選!選ぶポイントや注意点も解説
この記事では、無料で使えるおすすめ社内FAQツール10選と、社内FAQツールを選ぶポイントや注意点などを解説していきます。この記事を読むことで、あなたの会社に最適な無料社内FAQツールに出会えるはずです。

チャットボットツール

さっとFAQ

チャットボットツールとは、チャット形式での質疑応答が自動でおこなえるツールです。短文でやりとりをするため、長くても2〜3文で回答できるような質疑応答に向いています。

ちなみに、弊社サンソウシステムズでは月額1万円から導入できるチャットボットツール「さっとFAQ」を提供中です。Excelを使用して会話データを作成でき、FAQとしても運用が可能です。

今なら30日間のトライアルも実施中なので「まずは使って試してみたい」という方は、ぜひこの機会に導入をご検討ください。

チャットボットツールのメリット

チャットボットツールのメリットは下記の通りです。

  • 会話をするように回答できる
  • AI搭載型は学習をするため複雑な質問にも回答できる
  • 回答スピードが速い
  • 質問からユーザー情報を収集できる

チャットボットとFAQを組み合わせたツールは、ユーザーが効率的に疑問を解消できるため、企業にとって有益です。また、チャットボットは回答スピードが速く、ユーザーがすぐに疑問を解決できます。さらに質問からユーザー情報を収集しやすく、より適切な回答を提供することが可能です。

チャットボットツールのデメリット

チャットボットには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。そのため、企業は導入前にデメリットを理解し、効果的な運用方法を検討する必要があります。

  • 運用難易度が高い
  • 一度に多くの情報を表示できない
  • シナリオ型チャットボットは自由度が低い
  • コストと手間がかかる
  • 利用しづらいユーザーがいる

例えば、高齢者などのチャットボットに馴染みのないユーザは、「チャットボットは利用しづらい」と感じる可能性があります。また、チャットボットは短文で回答をするため、回答が長文になったり複雑になったりするケースには向いていません

チャットボットは企業にとって便利なツールですが、運用難易度が高く、一部のユーザーには利用しづらい側面もあります。導入前にデメリットを十分に理解し、自社の課題に合っているか見極めることが重要です。

無料で利用できるチャットボット15選!お試しのメリットや注意点も紹介
初めてチャットボットを導入する際は、使い方や効果を検証するために無料で使えるものがあれば試してみたいですよね。本記事では、無料で利用できるチャットボットツールを8つ紹介します。また、無料でチャットボットツールを利用するメリットも紹介しているため、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

FAQの導入事例

せっかくFAQを導入しても、効果が得られなかったら意味がありません。ここでは、実際にFAQを導入して業務効率化に成功した事例を紹介します。

導入事例:株式会社テンダ

(引用:Dojoユーザーサポートサイト

株式会社テンダは「ホワイトカラーの業務効率化」を目指し、製品・サービスの開発をおこなうIT系企業です。数あるビジネスプロダクトは自社開発製品のため、製造販売からサービスなどのアフターフォローまで全て自社で展開しています。

今までは製品ごとにヘルプデスクを設置していましたが、製品やサービスの増加に伴い、問い合わせに対応する人員の不足が課題でした。

ユーザーサポートサイト内にチャットボット「さっとFAQ」を設置して質問の一部を対応させるようにしたところ、導入後半年でお問い合わせ全体の約2割をチャットボットに対応させることに成功

休日夜間を問わず稼働できるチャットボットの働きにより、ユーザー満足度を向上させるだけでなく、社内の業務効率の改善に役立ちました。

参照:さっとFAQ:株式会社テンダ 様 導入後半年で2割のお問合せを削減

導入事例:サッポロホールディングス株式会社

サッポロホールディングス株式会社は、サッポログループの本社であり、人事・総務・ITなどの間接部門の機能を集約しています。社内問い合わせ対応の多さにより、業務が属人化し、労働生産性が低下していました。

また、担当者の高齢化が進み、ベテラン勢の退職などで会社に必要なナレッジが失われる問題もありました。そのため、「知識・ノウハウ」「マニュアル・Q&A」「引き継ぎ資料」を格納するFAQデータベースの構築が急務となりました。

問い合わせ内容の可視化から始め、よくあるFAQを掲示し、申請手続きをフロー化することで、ユーザーが回答を簡単に見つけられるようにFAQを作成。運用後に分かりづらい回答や未解決の問題に対しては、FAQを直ちに修正するPDCAサイクルを実施し、解決率を向上させたのです。

チャットボットを用いたFAQの導入により、週に100件以上の問い合わせ回答がチャットボットによって代行され、管理部門の業務効率が改善されました。

参照:クラウドWatch 業務の1/3は問い合わせ対応という間接部門の悩み――、社内FAQとAIチャットボットで解決したサッポロの取り組みを見る

導入事例:島村楽器株式会社

島村楽器株式会社は、楽器や音楽書籍の販売、音楽教室の運営などを展開しています。新店舗のオープンや新サービスのリリースに伴い、店舗から本社への問い合わせが増大・多様化し、効率化に課題を抱えていました。

問い合わせ件数は1日あたり電話が5〜6件、メールを併せると10件ほど寄せられています。中でも電話は、回答完了までに長いと20〜40分ほどかかるため、問い合わせの対応に半日以上費やすことも。

チャットボットツールによるFAQを社内に浸透させるために、店舗スタッフが出勤時に必ず開くWebページの目立つところに、チャットボットツールのアイコンを設置。チャットボットの存在を店舗スタッフへアピールするなど工夫を重ねました。

チャットボットによるFAQの利用が社内に浸透したことで、週に50件ほどあった問い合わせが1~2件に減少。土日など本社の営業時間外でも問い合わせ対応が可能になり、顧客に対してもスムーズな対応を実現できました。

参照: OfficeBot 日々利便性を向上させることで拠点からの問い合わせを大幅削減!|島村楽器株式会社

導入事例:阪急電鉄株式会社

阪急電鉄株式会社では、FAQサイトがあるものの、サイトの更新が煩雑であることが課題でした。従来のFAQサイトでは、Web担当者しか更新ができず、各部の担当者への確認作業に手間がかかっていました。また、各種システムの連携が取れておらず、メンテナンスにも多大な時間を費やすことに。

そこで、既存のデータを最大限に活かしつつ、ホームページ・FAQ・チャットボットの管理を統合し、Webコンテンツのリニューアルを決行しました。

データの統合などに時間がかかったため、FAQの作成期間は半年間、開発期間は1年ほどかけてリリースしています。結果として、時間はかかったものの社内外のユーザーにとって利便性の高いFAQツールの作成に成功しました。

実際にFAQサイトのアクセス数は、当初10万2,260件でしたが、FAQを見直しながら改善していくことで、22万7,916件まで上がったと言います。

参照:logmiBiz 顧客満足度13年連続1位の阪急電鉄の悩みは「WEBコンテンツ」FAQサイトのアクセス数を倍増させたリニューアル施策

FAQを作成して業務効率を改善しよう

本記事では、FAQの作成方法について説明しました。作成に使用するツールによってメリットやデメリットがあるため、特徴を理解した上でどの作成方法を採用するか検討しましょう。

ぜひ、本記事で紹介した作成手順を参考にして、FAQを導入してみてください。

また弊社サンソウシステムズでは月額1万円から導入できるチャットボットツール「さっとFAQ」を提供中です。Excelを使用して会話データを作成でき、FAQとしても運用が可能です。

今なら30日間のトライアルも実施中なので「まずは使って試してみたい」という方は、ぜひこの機会に導入をご検討ください。

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