FAQの作り方完全ガイド|Excelからツール活用まで7ステップで徹底解説

基礎知識

「顧客から同じような問い合わせが何度も来て、対応に追われている」
「社内の情報がバラバラで、特定の人に質問が集中してしまう」

このようなお悩みからFAQの作成を任されたものの、何から手をつければ良いかわからず困っている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、専門知識がない方でもすぐ実践できるよう、FAQの具体的な作り方を7つのステップで徹底解説します。Excelなど身近なツールを使った始め方から、効果を最大化するためのポイントまで網羅しました。本記事を読めば、業務効率化と顧客・従業員満足度の向上を実現するFAQを作成できます。

また弊社サンソウシステムズでは月額1万円から導入できるチャットボットツール「さっとFAQ」を提供中です。Excelを使用して会話データを作成でき、FAQとしても運用が可能です。

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FAQとは

FAQ作成に取り掛かる前に、FAQの本質的な役割と目的を理解しておくことが大切です。FAQを正しく理解することで、より効果的なコンテンツ作成につながります。

対象者で分かれる3つのFAQタイプ

FAQは、誰を対象に作成するかによって、大きく3つの種類に分けられます。それぞれの目的と特徴を理解し、自社の状況に合わせてどのFAQを作成すべきか明確にしましょう。目的に合ったタイプを選ぶことが、FAQ作成における成功の第一歩です。

FAQのタイプ 主な対象者 目的・メリット
顧客向けFAQ ・商品やサービスの利用者

・購入検討者

・サービスや製品のトラブルシューティングを目的に活用される

・顧客が自己解決することで満足度を向上させ、問い合わせ件数を削減する

・顧客満足度向上につながる

コールセンター向けFAQ ・オペレーター

・カスタマーサポート担当者

・オペレーターが顧客対応を円滑におこなうために活用される

・オペレーターの負担を軽減し、対応時間の短縮に貢献する

・回答品質を均一化し、新人オペレーターの早期戦力化を支援する

・返答テンプレート、対応マニュアル、情報入力手順、ツールの使い方、トークスクリプトなどが整理されている

社内向けFAQ 従業員全般 ・従業員が業務上の疑問を解決するために設置される

・従業員が迅速に情報を得られるため、生産性向上につながる

・総務・経理・IT部門などへの問い合わせを減らし、組織全体の業務効率を上げる

FAQ作成を始める前に、どのタイプのFAQがあなたの抱える課題を最も効果的に解決できるかを検討することが重要です。

FAQに必要な4つの要素

効果的なFAQは、いくつかの基本的な要素で構成されています。以下の要素を漏れなく含めることで、ユーザーにとってわかりやすく、問題解決に直結するFAQを作成できます。

要素 説明 記載例
質問文(タイトル) ・ユーザーが疑問に思うことを具体的かつ簡潔に表現する

・検索キーワードを含める

「商品の返品はできますか?」
回答文 ・質問に対して、正確でわかりやすい情報を提供する

・結論ファーストを意識する

はい、商品到着後8日以内であれば未使用品に限り返品を承ります。
参考ページのURL ・より詳細な情報が記載されたマニュアルや関連ページのリンクを設置する

・情報のソースやエビデンスを示す

返品手続きの詳細はこちら(URL)
関連FAQ ユーザーが次に関心を持つ可能性のある、別のFAQへのリンクを設置する 「返金はいつ頃されますか?」へのリンク

必要な要素を満たしたFAQは、ユーザーの満足度を高めながら回答を探すストレスを軽減できます。

「Q&A」との違い

FAQと似た言葉にQ&Aがありますが、両者は目的と役割が異なります。両者の違いを理解することで、なぜよくある質問をまとめることが戦略的に重要なのかが見えてきます。

FAQは、単なる質問と回答のリストではなく、ユーザーの自己解決を促すための洗練されたツールです。Q&Aは、想定されるすべての質問とその回答を網羅的に提供することを目的とした情報リストです。

つまり、FAQが頻出する質問に絞り込まれているのに対し、Q&Aはより包括的な情報を提供します。Q&AはFAQで解決できない質問を補完する役割も担い、知識提供を重視する詳細な情報を求めるユーザーに適しています。2つの違いを理解していれば、より使われるFAQを作成できるはずです。

項目 FAQ(Frequently Asked Questions) Q&A(Question and Answer)
目的 ユーザーの迅速な自己解決を促す 情報を網羅的に提供する
質問の範囲 頻出する質問に絞り込まれている 想定されるすべての質問を含む
役割 問い合わせ削減や満足度向上を目指す戦略的ツール 疑問に対する答えを網羅した情報リスト
視点 ユーザーが見つけやすいように最適化されている 提供者が伝えたい情報を整理している

FAQ作成で得られる4つのメリット

FAQを作成すると、さまざまなメリットを得られます。ここからは、業務効率化や顧客満足度の向上といった、FAQ導入がもたらす具体的な4つの効果を紹介します。

メリット1:問い合わせ対応工数の削減と業務効率化

FAQを整備すると、ユーザーが自分で疑問を解決できるようになります。その結果、電話やメールでの定型的な問い合わせ件数が大幅に減少し、担当者の負担を軽減できます。空いた時間をより付加価値の高いコア業務に充てれば、組織全体の生産性向上が期待できるでしょう。

さらにFAQは、顧客満足度向上にも貢献します。自己解決を求めるユーザーにとって、24時間365日アクセス可能なFAQは非常に便利です。また、FAQの分析を通じて顧客のニーズを把握し、サービスや製品の改善につなげることも可能です。

したがってFAQは単なる問い合わせ対応の効率化だけでなく、顧客体験の向上と事業成長にも貢献する重要なツールといえるでしょう。

メリット2:顧客満足度・従業員満足度の向上

FAQは、現代のユーザーが疑問を迅速に解決したいというニーズに応えます。24時間365日利用可能なため、顧客はいつでもどこでも問題を解決でき、ストレスフリーな体験は顧客満足度を高めます。

社内FAQも同様に、従業員の業務効率と満足度向上に貢献します。FAQを充実させると従業員対応にかかるコストを削減し、担当者の負担を軽減することも可能です。

メリット3:ナレッジの蓄積と業務の属人化防止

FAQ作成は、業務の属人化解消と知識の標準化に不可欠です。個人の経験や勘を、誰でも理解できる言葉や形にすることで、担当者不在時の業務停滞リスクを軽減し、組織全体の対応力を高めます。ベテラン従業員の知識をFAQとして蓄積すれば、退職時のノウハウ喪失を防ぎながら組織の財産として活用できます。

さらに、FAQは新人の教育にも役立ち、均質な知識習得を促進することが可能です。FAQを定期的に見直し、最新の情報に更新することで、組織全体の知識レベルを維持・向上できます。

メリット4:SEO効果によるサイト認知度の向上

質の高いFAQは、ユーザーが実際に検索する言葉で質問と回答が作られているため、検索エンジンからの評価が高まりやすいです。

これにより、自社サイトへの自然なアクセスが増加し、ブランドの認知度向上や新たな顧客獲得に貢献する可能性があります。つまり、FAQはカスタマーサポートだけでなく、マーケティングの観点からも価値のある資産となり得るのです。

さらに、FAQは営業活動をサポートするツールとしても活用できます。顧客が抱える疑問を事前に解消することで、営業担当者はより高度な提案に集中でき、成約率の向上に役立てられます。FAQは顧客満足度を高めるだけでなく、企業全体の成長に貢献する多面的な価値を持つといえるでしょう。

【7ステップで実践】失敗しない効果的なFAQの作り方

ここからは、FAQの具体的な作り方を7つのステップに分けて解説します。以下の手順に沿って進めれば、専門知識がない方でも役立つFAQを作成できます。

ステップ1:FAQの目的と対象者を明確にする

FAQ作成の第一歩は、目的を明確に定義することです。誰のために、どのような問題を解決したいのかを具体的にする必要があります。「顧客からの返品に関する問い合わせを30%削減する」のように、数値目標を盛り込むと効果測定が容易です。

さらに、FAQのターゲット層を具体的に定めると、より効果的なコンテンツ作成が可能です。例えば、初めてオンラインストアを利用する顧客のように、具体的なペルソナを設定すればFAQの内容や表現方法を最適化できます。

ステップ2:元となる問い合わせ内容(質問)を収集する

次に、目的を達成するための材料となる質問を集めましょう。過去の問い合わせ履歴は、まさに情報の宝庫です。コールセンターの応対ログやメールの受信履歴、社内チャットの記録など、あらゆるチャネルから情報を収集します。

もし記録がない場合は、問い合わせを多く受けている担当者へのヒアリングが不可欠です。さらに、FAQサイトやナレッジベースも有効な情報源です。ユーザーがどのような情報にアクセスしているのかを分析すると、ニーズを把握することができます。

収集した質問は分類・整理し、優先順位をつけることで、効率的にコンテンツを作成することが可能です。

ステップ3:収集した質問を分析して優先順位を決める

集めた質問のすべてをFAQにする必要はありません。重要なのは、ユーザーが本当に知りたい情報、つまりよくある質問に絞り込むことです。ABC分析などの手法を用いて、問い合わせ件数が多く、かつFAQで回答可能な質問を特定して優先順位をつけましょう。

要望やクレームなど、個別対応が必要な内容はFAQには不向きです。FAQ作成においては、ユーザーが本当に必要としている情報を厳選し、効率的な情報提供を目指します。

不要な情報を掲載するとユーザーの混乱を招きやすく、FAQの利用率低下につながる可能性があります。FAQはユーザー自身で問題を解決できるよう、簡潔かつわかりやすい内容にすることが重要です。

ステップ4:質問に対する正確な回答を用意する

回答作成では、信頼できる情報源に基づいた正確でわかりやすい内容を準備します。業務マニュアルや製品カタログ、過去の解決事例などを参照し、正しい答えを探しましょう。

不明な点は部署内の専門家や関係部署に確認して、情報の正確性を担保します。FAQの信頼性を高めるために、根拠に基づいた情報提供を心がけることが大切です。

ステップ5:ユーザー目線でFAQを作成・編集する

質問と回答の材料が揃ったら、ユーザーが理解しやすいようにコンテンツを編集します。専門用語や社内用語は避け、誰が読んでもわかる簡単な言葉で記述することを心がけましょう。箇条書きや図、スクリーンショットなどを効果的に使うと、視覚的に理解しやすくなります。

また、表記揺れ(例:「Webサイト」「ウェブサイト」)がないように、事前に簡単なルールを決めておくと品質が安定します。

ステップ6:FAQを公開して社内に周知する

完成したFAQは、対象となるユーザーがアクセスしやすい場所に公開します。社内FAQであれば、全社ポータルサイトや部署内の共有フォルダなどが挙げられます。

顧客向けFAQであれば、Webサイトのヘッダーやフッターなど、目立つ場所に設置しましょう。公開後はメールやチャットなどで存在を周知し、利用を促すことも重要です。

ステップ7:効果を分析して継続的に改善する

FAQは、公開したら終わりではありません。むしろ、完成後の育てるフェーズが大切です。公開後はFAQがどれくらい見られているか、疑問解決に役立っているかなどの効果を測定します。

もし効果が出ていない場合は、内容がわかりにくい、情報が足りないなどの原因を分析し、改善を繰り返しましょう。公開後のPDCAサイクルを回し続けることが、活用されるFAQにするための最も重要なポイントです。

FAQを導入する際の注意点

FAQの導入は多くのメリットをもたらしますが、計画なく進めると予期せぬ課題に直面することもあります。ここでは、FAQを導入する際に留意すべき3つの注意点を解説します。以下の課題を事前に理解しておくことで、よりスムーズな導入と運用が可能になるはずです。

本格的な導入までに時間がかかる

質の高いFAQをゼロから作成するには、相応の時間と労力が必要です。質問の収集や回答の作成、関係部署との調整など、多くのプロセスが関わります。特に、通常業務と並行して進める場合は、担当者の負担が大きくなる可能性があります。導入を成功させるためには、現実的なスケジュールを立て、関係者の協力を得ることが大切です。

また、FAQの導入効果を最大化するためには、公開後の定期的な見直しと改善も重要です。ユーザーからのフィードバックを収集し、FAQの内容を常に最新の状態に保つことで、FAQの利用率と満足度を高められます。

さらに、FAQの利用状況を分析し、改善点を見つけることでより効果的なFAQへと進化させることができます。したがってFAQを公開した後も、一定のリソースを確保する必要があるといえるでしょう。

情報量が増えるとデータが重くなる

ファイルベースでFAQを管理する際、情報量が増加するとExcelの動作が遅延する問題が発生します。数百件規模になると、ファイルの開封や必要な情報の検索だけでも時間がかかり、結果として業務効率が大きく低下する恐れがあります。

将来的なFAQの増加を見越して、よりスケーラブルな管理方法への移行を検討することが望ましいでしょう。例えば、FAQ管理システムやデータベースを活用した管理などが考えられます。

これらのシステムは大量の情報を効率よく管理し、高速な検索を実現できるため、FAQの規模が拡大しても快適な運用を続けることが可能です。初期投資が必要となる場合もありますが、長期的に見れば業務効率の向上や情報へのアクセス改善によって、十分な費用対効果が見込めるでしょう。

ツールの導入や管理に費用が発生する

初期費用や月額利用料が発生するFAQシステムやチャットボット導入は、Excelなどの既存ツールからの脱却を目指す上で有効ですが、コストの増加は避けられません。高機能なツールは魅力的ですが、予算との兼ね合いが重要です。

自社の課題解決に本当に必要な機能を見極め、費用対効果を最大化できるツールを選びましょう。無料トライアルなどを活用し、導入前に十分な検証をおこなうこともおすすめです。

FAQを作成する際に役立つツール

FAQは、さまざまなツールを使って作成できます。ここでは、多くの企業で導入されている身近なツールから専門的なツールまで、3つの選択肢をメリット・デメリットと共に紹介します。それぞれの特徴を理解し、自社の規模や目的に合った最適なツールを選びましょう。

ツール メリット デメリット こんな場合におすすめ
Excel/スプレッドシート ・追加コストが不要
・多くの人が操作に慣れている
・すぐに始められる
・検索性が低い
・データが増えると重くなる
・同時編集や版管理が難しい
・まずはコストをかけずに試したい
・FAQの件数が少ない
・個人のナレッジ整理
SharePoint/Teams ・Microsoft 365導入済みなら追加コストが少ない
・アクセス権限の管理が容易
・他のOfficeアプリと連携しやすい
・設定やカスタマイズに専門知識が必要
・デザインの自由度が低い
・検索機能が直感的でない場合がある
・すでにMicrosoft 365を全社で利用している
・部署やチーム単位でFAQを管理したい
チャットボットツール ・24時間365日の自動応答が可能
・会話形式でユーザーの疑問を解決できる
・問い合わせデータを分析しやすい
・導入・運用にコストがかかる
・AIの回答精度を維持するメンテナンスが必要
・シナリオ設計に手間がかかる場合がある
・問い合わせ件数が非常に多い
・顧客接点を増やし満足度を向上させたい
・人的リソースをコア業務に集中させたい

ExcelやGoogleスプレッドシート

最も手軽に始められるのが、ExcelやGoogleスプレッドシートを使った方法です。追加コストが不要で、多くの人が使い慣れた操作感でFAQを作成できます。フィルタ機能を使えば簡単な検索も可能で、ハイパーリンクで関連情報に飛ばすこともできます。

しかし、情報量が増えると動作が重くなり、複数人での同時編集が難しくなるといったデメリットに注意が必要です。ExcelやGoogleスプレッドシートを活用したFAQの具体的な作り方は以下のとおりです。

手順 説明
1.質問と回答の列分け A列に質問、B列に回答といったように、各列に情報を整理して入力する
2.見出しの作成 1行目に「質問」、「回答」などの見出しを入力する
3.並び替えとフィルタリング 質問内容で並び替え、特定のキーワードでフィルタリングすることで、必要なFAQを効率的に検索できるようにする
4.リンクの設定 回答内で参照するWebサイトやドキュメントへリンクを埋め込む
5.書式設定 フォントの種類やサイズ、背景色などを変更して、FAQを見やすく、かつわかりやすくする
6.関数と数式 質問に含まれるキーワードに基づいて回答を検索するために、VLOOKUP関数やMATCH関数を利用する

SharePointやTeams

Microsoft 365を導入している企業であれば、SharePointやTeamsも有力な選択肢です。SharePointのリスト機能を使えば、Excelより高度なデータベース型のFAQを構築できます。TeamsのWiki機能を使えば、チーム内で手軽にFAQを共有・更新することが可能です。

一方で、上記の機能を使いこなすにはある程度の知識が必要な上、デザインの自由度が低いという側面に注意が必要です。自社内に専門知識を持っている方がいる場合に、有効な選択肢といえるでしょう。

チャットボットツール

問い合わせ対応の自動化をさらに進めたい場合は、チャットボットツールの導入が効果的です。ユーザーが入力した質問に対し、あらかじめ設定されたシナリオやルールにしたがって会話を進めていきます。これにより、24時間365日の問い合わせ対応が実現します。

ただし、導入・運用にはコストがかかり、回答精度を維持するための継続的なメンテナンスが必要です。

使われるFAQにするための5つの重要ポイント

せっかくFAQを作成しても、誰にも使われなければ意味がありません。ここでは、FAQを価値あるものにするための重要な5つのポイントを解説します。

ポイント1:常にユーザー目線でわかりやすい表現を心がける

FAQ作成において最も重要なのは、ユーザー視点に立ったわかりやすさです。専門用語を避け、簡潔な表現を心がけることは基本中の基本といえるでしょう。

さらに、疑問を抱えるユーザーがスムーズに問題解決できるよう、FAQの構成を工夫することも重要です。例えば、検索性を高めるために、キーワードを適切に設定し、関連性の高いFAQ同士をリンクするなどの工夫が挙げられます。視覚的な情報を効果的に活用することも、理解を深める上で非常に有効です。

ポイント2:キーワード検索とカテゴリー分けで探しやすくする

FAQの探しやすさを向上させるには、キーワード設定とカテゴリー分けが不可欠です。ユーザーが検索時に使用するであろう言葉を徹底的に洗い出し、FAQの各項目に適切なキーワードとして付与しましょう。

また、FAQを論理的にグループ分けすると、ユーザーは必要な情報を効率的に見つけ出すことが可能です。例えば、料金に関する質問、操作方法に関する質問など、明確なカテゴリーを設けると探しやすさが向上します。定期的にキーワードとカテゴリーを見直し、ユーザーのニーズに最適化していくことが重要です。

ポイント3:定期的な見直しで情報の鮮度を保つ

FAQの信頼性を維持するためには、定期的な更新が不可欠です。常に最新の情報を提供することでユーザーの混乱を防ぎ、FAQの信頼性を高められます。

例えば、製品仕様や社内ルールに変更があった際には即時更新するのはもちろん、「半年に一度、全項目の妥当性を検証する」といったルールを追加し、より網羅的な情報鮮度維持を目指しましょう。

さらに、FAQの更新履歴を明示的に記録することも重要です。更新日や更新内容、担当者を記録すると変更の追跡が可能になり、責任の所在も明確になります。これらの取り組みを通じて、FAQは常に信頼できる情報源としての役割を果たし続けます。

ポイント4:効果測定の指標(KPI)を決めておく

FAQが本当に役立っているかを客観的に判断するために、効果測定の指標(KPI)を設定しましょう。例えば、以下のような指標が挙げられます。

KPI(重要業績評価指標)の例 説明 重要性
アクセス数 FAQページがどれだけ閲覧されたかを示す指標 ユーザーにFAQの存在が認知され、利用されているかを確認できる
0件ヒット率 ユーザーが検索したのに、該当する回答が1件もなかった割合 0件ヒット率が高い場合、ユーザーが求める情報が不足していることを示している
解決率(閲覧後の問い合わせ率) FAQを閲覧したユーザーが、その後問い合わせをしてこなかった割合 解決率が高いほど、FAQがユーザーの自己解決に貢献していると判断できる

上記のKPIを定期的に測定し、FAQの改善に役立てましょう。効果測定を通じて、より活用されるFAQを作成できます。

ポイント5:顧客の声(VOC)を改善に活かす

FAQをさらに良くするための最大のヒントは、ユーザー自身が持っています。問い合わせフォームに寄せられる意見やコールセンターの応対記録、アンケート結果など、さまざまなチャネルから集まる顧客の声を積極的に収集・分析しましょう。

ユーザーの生の声には、FAQに載っていない新たな疑問や、既存の回答をよりわかりやすくするためのヒントが隠されています。顧客の声に耳を傾け、FAQの検索キーワードや閲覧数、解決率などを分析するとFAQの改善点を特定できます。そして、改善点をFAQに反映すれば、ユーザーの満足度向上につながるでしょう。

FAQの作り方に関するよくある質問

最後に、FAQの作り方に関する質問をまとめました。作成時の参考にしてください。

Q.FAQを作成する際はどのようなことに注意すれば良いか

FAQ作成で重要なのは、ユーザー視点です。質問は具体的かつ簡潔に、回答は的確に、専門用語を避け簡単な言葉で記述しましょう。キーワードを盛り込み、検索性を高めることも重要です。

構造化された見やすいレイアウトを心がけ、関連FAQへのリンクを設置すると利便性が向上します。常に最新情報を反映し、定期的な見直しをおこないましょう。

Q.FAQを自動生成することはできるのか

FAQの自動生成は可能です。AI技術を活用すれば既存のドキュメントや顧客からの問い合わせ内容を分析し、頻度の高い質問と回答を自動的に抽出できます。

さらに、自然言語処理技術を用いることで、生成されたFAQの文章をより自然でわかりやすい表現に改善することも可能です。これにより、FAQ作成にかかる時間と労力を大幅に削減し、常に最新の情報を提供できます。

利用されるFAQの作り方をマスターして業務改善を目指そう

本記事では、FAQの作り方を7つのステップに沿って具体的に解説しました。効果的なFAQの構築は、単なる問い合わせ対応の効率化に留まらず、組織の知識を資産として蓄積し、顧客や従業員の満足度を高める戦略的な取り組みです。

最初から完璧なFAQを目指す必要はありません。まずはExcelなど身近なツールを使い、問い合わせの多い質問からスモールスタートしてみましょう。

そして最も重要なのは、公開後にユーザーの利用状況を分析し、継続的に改善していくという視点です。本記事で紹介したステップとポイントを実践し、あなたの組織の業務改善と生産性向上を実現してください。

また弊社サンソウシステムズでは月額1万円から導入できるチャットボットツール「さっとFAQ」を提供中です。Excelを使用して会話データを作成でき、FAQとしても運用が可能です。

今なら30日間のトライアルも実施中なので「まずは使って試してみたい」という方は、ぜひこの機会に導入をご検討ください。