シナリオ型チャットボットとは|作り方のステップや注意点も説明

基礎知識

「シナリオ型チャットボットとはどういったものか」と気になってはいませんか。

ホームページなどに導入することで、ユーザーの満足度向上が期待できるチャットボット。導入してみたいと考えているものの、シナリオ型チャットボットとはどういったものかわからずに躊躇している方も多くいます。

そこで、本記事ではシナリオ型チャットボットとはどういったものかを解説します。また、シナリオの作り方も説明するため、シナリオ型チャットボットの導入を検討している方は参考にしてください。

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そもそもチャットボットとは何か?

チャットボット シナリオ

チャットボットとは、事前に入力・設定した内容に基づき、自動でチャットによる会話をおこなうサービス・システムのことです。

Webサイトを閲覧したとき、画面の隅から「何かお困りのことはありますか」と、ポップアップが出てくるのを見たことはないでしょうか。

それがまさにチャットボットです。ポップアップ内には文字を入力するセクションがあり、必要であればチャットボットに対して質問も可能です。実際に質問したことがある人もいるかもしれません。

チャットボットがあれば、人員がいなくともユーザーの問い合わせに自動で応対できます。さらに商品をおすすめすることや、必要なページへの遷移を提示など、さまざまなアクションを実行できます。

Web上でのビジネスが活発化したり、人員数の削減や確保が課題になったりする中で、チャットボットは重要な役割を果たすと言えるでしょう。

チャットボットの特徴や機能について詳しく知りたい方は、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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シナリオ型チャットボットとは

チャットボット シナリオ

シナリオ型チャットボットとは、想定される質問や回答をあらかじめ用意しているチャットボットです。

ただ質問と回答を用意するのではなく、ユーザーとの会話になるように複数の選択肢をフローチャート形式で用意します。選択肢をフローチャート形式で用意したものを「シナリオ」と呼びます。

シナリオ型チャットボットの導入効果を得るためには、良質なシナリオ作りが必要です。シナリオの質が低い場合、ユーザーの求める情報を提供できず、満足度を向上させられません。

そのため、シナリオ型チャットボットを導入する際は、シナリオ設計に力を入れましょう。

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AI型チャットボットとの違い

チャットボット シナリオ

AI型チャットボットとは、AIが会話履歴などの蓄積データを解析して、ユーザーの質問にふさわしい回答を提供するチャットボットです。ユーザーの質問からキーワードを拾うことで、質問の意図を理解して回答します。

ユーザーは自由に質問できるため、シナリオ型チャットボットのように複数の選択肢を選ぶ必要はなく、知りたい情報をすぐに得ることが可能です。

しかし、シナリオ型チャットボットよりもシステム構築に費用がかかることや、AIの専門的な知識が必要なことなど、導入ハードルが高いことがデメリットと言えます。

また、回答の精度を向上させるためには膨大な量のデータを学習させる必要があります。学習量が足りないと、質問に回答できないだけではなく、間違った回答を返す場合もあるため注意が必要です。

AI搭載型とシナリオ型チャットボットの違いについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

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チャットボットで使用するシナリオ作成の基本的なステップ

チャットボット シナリオ

これまで、シナリオ型チャットボットの特徴を説明しました。AI型チャットボットとは異なる特徴があることを理解してもらえたでしょう。

シナリオ型チャットボットの性能を発揮するには、いわば「脳機能」となるシナリオを高度に作成することが重要です。

これが高度であればチャットボットとしてのパフォーマンスは向上します。一方でシナリオの完成度が低ければ、むしろユーザーの混乱を招く可能性すらあります。

ここではより完成度の高いシナリオを作成するための手順を解説します。シナリオ型チャットボットの導入を考えている方はぜひ参考にしてください。

導入目的とペルソナを明確にする

まず、チャットボットツールの導入目的を明確にしてください。導入目的によっては、どのようなシナリオを作成すれば良いのかが変わるからです。

導入目的には以下のようなものが挙げられます。

【チャットボットツールの導入目的】

  • コンバージョンの向上
  • 人件費の削減
  • 顧客満足度の向上
  • サービスへの興味を喚起

また、導入目的だけではなく、ペルソナを明確にすることも重要です。ペルソナを決めないと、ユーザーの抱える悩みを想定できないため、シナリオの流れがブレてしまいます。

せっかくシナリオを作成するのであれば、導入目的をしっかり達成するように方向づけなければ価値が薄れます。導入目的やペルソナを明確にして、シナリオの方向性を決めてください。

ペルソナについては下記の記事で解説していますので、設定に悩んだ場合にはぜひ活用してください。

ペルソナとは?設定するメリットやステップ・注意点を解説します
ペルソナの定義について解説し、設定するメリットや具体的な項目などについてまとめています。ペルソナとは、商品やサービスを購入する「典型的なユーザー像」のことです。ペルソナの重要性について正しく理解し、自社の利益拡大に役立てましょう。 

ユーザーからの質問を洗い出し回答を用意する

次は、ペルソナとなっているユーザーからの質問内容を想定して洗い出します。

ユーザーがどのようなことに疑問を持つか、どのような情報を知りたいか、といった視点で考えて質問内容をリストアップしましょう。

今までにユーザーから実際に寄せられた問い合わせ内容を参考にする方法も一つの手です。また、すでにFAQがある場合は、そこから質問内容を抽出しても良いでしょう。

想定できる質問内容を洗い出したら、次は回答内容を用意します。チャットボットは短文で簡潔にやり取りができる点がメリットです。回答内容を考えるときも端的な文章を心がけましょう。

既存のFAQを参考にしている場合は、FAQページのような長文ではユーザーの離脱を招きかねません。要点をまとめて短文にするか、FAQページへの遷移を促すといった方法を取りましょう。FAQページを作成したい場合には、下記の記事も参考にしてください。

FAQ作成のテンプレートサイトと例文を紹介|注意点や事例も解説
FAQやQ&Aを作成するときにはテンプレートが役立ちます。本記事を読めば有効なテンプレートサイトを知り、スムーズにFAQを作成できます。ぜひテンプレートを使って、顧客あるいは社員にとって便利なFAQページを作りましょう。

シナリオの骨組みを作る

用意した質問と回答を基に、シナリオの骨組みを作りましょう。

いきなりチャットボットツールでシナリオを作成すると、情報を整理しきれずに内容を間違う可能性があります。そのため、まずはExcelやPowerPoint、紙などで骨組みを設計しておくと、スムーズに設計できるでしょう。

どのような流れでチャットを進めるか考え、どこで分岐させるか、どのような選択肢を用意するのか、といった細かい内容で骨組みを設計します。

分岐点や選択肢が多すぎるとユーザーの離脱につながりやすくなるため、ユーザーがストレスを感じない程度の分岐回数や選択肢を心がけましょう。

できあがった骨組みは自分で確認するだけでなく、社内メンバーにも確認してもらうことで改善点が見つかり、さらにブラッシュアップできます。

シナリオを作成する

骨組みが完成したら、その流れに沿ってチャットボットツールにシナリオを設定していきます。

自然な会話になるよう意識し、ユーザーが求めている情報までたどり着けるようシナリオを作成しましょう。長すぎる文章や多すぎる選択肢は離脱の原因です。できる限り短文を心がけ、リンクの遷移やファイル添付なども駆使しながら、明瞭なシナリオ作りを意識しましょう。

なお、作成時の具体的なコツについては、次の章で詳しく解説いたします。

動作テストをおこなう

シナリオが完成したら、動作テストをおこないましょう。動作テストでシナリオの流れを確認しなければ、質問同士がつながっていないケースや、質問に適切な回答ができていないケースに気づけないからです。

そのため、シナリオが完成したら、当初に想定したペルソナや導入目的を満たせるフローチャートになっているか確認してください。

なお、動作テストをおこなう際は、社内の複数の人間でおこなうことがポイントです。シナリオを設計した人が一人で動作テストをおこなう場合、自分では気づかないミスを残してしまう可能性もあり得ます。複数人で動作テストをおこなって、不具合がないか確認しましょう。

実際に運用してPDCAサイクルを回す

動作テストが完了したら、運用を開始します。社内もしくは社外に対して、サービスとしてリリースしましょう。運用後も利用状況を確認しながらPDCAサイクルを回すことがさらに重要です。

シナリオ型チャットボットを導入した場合、想定していなかったユーザーからの問い合わせが入ることもあります。また思ったよりも使用されない、離脱率やCV数などの指標に反映されないなどの課題も出てきます。

このような状況を受け、なぜ対応できなかったのか、期待される効果が得られなかったのかを考え、シナリオを加筆・修正する「チューニング」作業が必要です。

なおパフォーマンスの分析には、ほとんどのシナリオ型チャットボットに搭載されているダッシュボードが役立ちます。ダッシュボードでは、使用回数や質問内容などが統計としてまとめられ、これを参照すれば必要なチューニング内容を割り出すことが可能です。

チャットボットで使用するシナリオを作成する際のコツと注意点

チャットボット シナリオ

この章では、チャットボットで使用するシナリオを作成する際のコツと注意点を説明します。

シナリオ型チャットボットはカスタマイズできる範囲が広く、自由自在に設計が可能です。一方で自由度が高すぎるがゆえ、シナリオの複雑化やユーザビリティの低下につながるケースがあります。

このような問題を避けて、自社とユーザー双方のメリットが最大化されるように、以下のポイントをおさえておきましょう。

チャットボットのメリット・デメリットは?効果的な活用シーンや成功事例も解説
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選択肢は5つまでに抑える

シナリオの選択肢は1つの質問で5つまでに抑えましょう。ユーザーの求める情報を正確に提供したいがゆえに、選択肢を多くしてしまうと、ユーザーのページ離脱を引き起こす可能性があるからです。

1つの質問に選択肢を10個ほど用意した場合、ユーザーはどの選択肢を選べば良いのかわからなくなってしまいます。また選択肢を選ぶことを面倒に感じて、諦めてしまう恐れもあります。

そのため、1つの質問では選択肢を5つ程度までに抑えましょう。どうしても5つ以上の選択肢になりそうな場合は、選択肢とは別に問い合わせするための項目を設置することがおすすめです。

シナリオ型チャットボットは、チャットボットの中でもシンプルな作りであり、ユーザーにとっても利用しやすいものであると言えます。選択肢を増やすことで使いやすさを失わないためにも、どのような選択肢がベストであるかを検討しましょう。

会話のステップ数を増やしぎない

シナリオを作成する際、会話のステップ数を増やしすぎないことも重要です。なぜなら、ステップ数が多すぎるとユーザーが判断した場合、ユーザーがページを離脱する可能性があるからです。

ステップ数とは、ユーザーが欲しい情報を得るまでに必要な選択肢の数を指します。ステップ数が多いほど、ユーザーが何について困っているのか細分化して把握できるため、求める情報を正確に与えやすい傾向があります。

しかし、ユーザーは回答を得たい目的の下、チャットボットを利用しているため、ステップ数が多くて回答になかなか到達できなければ、イライラして操作を途中でやめてしまうかもしれません。

そのため、シナリオを作成する際は、ステップ数は4つ程度に抑えることがおすすめです。せっかくのユーザーとの接点を失わないためにも、ステップ数を増やしすぎないように注意しましょう。

運用するサイトにトンマナを合わせる

チャットボットの質問は、運用するサイトのトンマナに合わせるようにしてください。運用サイトの雰囲気と離れた口調でテキストを提示した場合、企業イメージやブランドイメージを壊してしまう可能性があるからです。

例えば、運用するサイトが柔らかい口調で書かれているとします。しかし、チャットボットの質問が柔らかい口調とかけ離れた堅苦しい口調である場合、ユーザーがサイトに感じていた親近感を失いかねません。

シナリオ型チャットボットはAIのように、キーワードを拾って回答するものではありません。ユーザーがリアルの人間と会話しているような自由なやり取りはおこなえませんが、運用サイトにトンマナを合わせるだけで、企業の人間と話しているかのような印象を与えられます。

質問や回答をおこなう者として、キャラクターを設定することもおすすめです。可愛らしいキャラクターを設定することで、ユーザーはキャラクターに親近感を得られる上に、質問する操作を面倒に感じづらくなるでしょう。

さらに詳しい設計方法については、以下の記事もご参照ください。

シナリオ型チャットボットのメリット・デメリットと設計方法を解説します
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簡潔で理解しやすい会話内容を意識する

チャットのメリットは、手短にやり取りができる点です。長文の内容だとユーザーがチャットから離脱しやすいと言われているため、簡潔な文章を心がけることが必要です。

ただし、短すぎて内容が伝わらなければ意味がありません。そのため、ユーザーが理解しやすいよう、要点はしっかりと抑えることがポイントです。

理解しやすい短文にするためには、文章を削るだけでなく箇条書きも活用すると良いでしょう。箇条書きで重要なポイントを提示すると、ユーザーが要点を理解しやすくなります。

もし長文でなければ伝えるのが難しい場合は、FAQページやマニュアルなどへの遷移を促す方法も一案です。「詳しい説明はこちらからご確認いただけます」などの文章と共に遷移先のURLを貼り付けておけば、ユーザーにとって利便性が高くなるでしょう。

定期的にシナリオの内容をメンテナンスする

シナリオを設定したら、定期的に内容を見直してメンテナンスすることが必要です

よくあるのが、回答内容の間違いや変更忘れです。例えばECサイトで送料が変更になった場合や製品規格が変わった場合、チャットボットのシナリオの内容も変更しておかなければ、ユーザーに間違った情報を提供し続けることになります。

また、シナリオを見直してみると回答内容がわかりにくい場合や、選択肢が多すぎるなどの課題が見つかる場合もあるでしょう。設計当時は気づかなかった部分も、運用を続けていくうちに発見できます。

このように、ユーザビリティを向上させるようブラッシュアップするため、定期的にシナリオの内容をメンテナンスする必要があります。チャットボット導入後における効果測定の方法については、下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

チャットボットの効果測定の方法とは?ポイントや事例を徹底解説
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自社サイトやサービス・商品への流れを意識する

より高いレベルでシナリオ型チャットボットを活用するなら、自社サイトやサービス・商品への流れを意識することが重要です。

チャットボットは多くの場合、問い合わせ対応として利用されますが、自社サイトの別記事へのリンクや、サービス・商品のサジェストも得意としています。

つまり使い方次第では、問い合わせに答えるだけでなく、ビジネスの新しい購買にも貢献すると言えます。例えば以下のようなシナリオを盛り込めないか、検討してみましょう。

  • 回答したあとでFAQや記事コンテンツなどへのリンクを掲載し、回遊率を高める
  • ユーザーの入力内容に応じて、商品やサービスをおすすめする
  • 回答したあとで、資料請求ページへ遷移するボタンを掲載する

こういったことに対応したシナリオであれば、シナリオ型チャットボットをより効果的に活用できている状態です。

同じ費用を払うなら、できることの範囲は広いほうが良いはずです。上記のような目的でシナリオを追加できないか検討してみましょう。

チャットボットで使用するシナリオのサンプル例

チャットボット シナリオ

チャットボットを効果的に活用するためには、目的に応じた適切なシナリオ設計が重要です。ここでは、実際のビジネスシーンでよく使われる代表的なチャットボットシナリオの構成要素と作成ポイントについて解説します。

価格の問い合わせ

価格の問い合わせによるシナリオのサンプル例は次の通りです。

ステップシナリオ例
1. 冒頭のあいさつこんにちは!〇〇サービスのチャットボットです。どのようなレッスンをご検討でしょうか?
2. 顧客からの問い合わせピアノのレッスン料金を知りたいです
3. サービス内容によって価格が異なることを提示ピアノレッスンをご希望ですね。どちらのプランについて詳しくお知りになりたいでしょうか?
4. 選択肢を提示個人レッスン(マンツーマン)

グループレッスン(2-4名)

オンラインレッスン

など

5. サービスによって分岐顧客が「個人レッスン」を選択
6. 価格内容の提示個人レッスンの料金プランをご案内いたします:

【月4回コース】

・料金:12,000円/月 など

サービス選択の段階がフローの重要な分岐点となり、そこから各プランに応じた具体的な料金情報を提示します。価格表示用のシナリオを組み込むことで、顧客は他のページを探し回ることなく、チャット内で即座に必要な料金情報を入手できるため、ユーザビリティが向上します。

トラブル受け付け

トラブル受け付けのシナリオのサンプル例は次の通りです。

ステップシナリオ例
1. 冒頭のあいさつこんにちは!〇〇サポートチャットボットです。お困りの状況について、お聞かせください。
2. 質問の入力を促しつつ、担当者へ直接つなぐ方法も提示する以下の方法でサポートいたします:

・このままチャットで詳細をお聞かせください

・お急ぎの場合は、専門スタッフに直接おつなぎすることも可能です

3. 顧客が担当者へつなぐことを選択した場合、必要な情報を入力してもらう承知いたしました。専門スタッフへおつなぎする前に、以下の情報をご入力ください

・お名前:

・ご連絡先電話番号:

・トラブルの概要(簡単で結構です):

など

4. 担当者へ直接連絡を入れる専門スタッフへ自動転送いたします。

転送完了まで少々お待ちください。

※転送には1-2分程度お時間をいただく場合がございます。

顧客にチャットボット対応と有人サポートの両方の選択肢を明示することで、緊急性の高いトラブルにも柔軟に対応できるサービスを提供します。

事前に基本情報と問題の概要を収集することで、担当者が効率的に対応準備をおこなえるようにしていることも特徴です。自動転送システムにより、顧客は画面を移動せずにそのまま待機でき、シームレスな引き継ぎが実現できます。

予約の確認やキャンセル

予約の確認やキャンセル受け付けのシナリオのサンプル例は次の通りです。

ステップシナリオ例
1. 冒頭のあいさつこんにちは!〇〇サポートチャットボットです。どのようなご用件でしょうか?
2. 顧客から予約キャンセルの旨の通知明日の予約をキャンセルしたいのですが
3. 予約内容を確認するために、情報を顧客に要求承知いたしました。予約内容を確認しますので、以下の情報をお教えください:

・お名前(フルネーム):

・ご登録の電話番号:

・予約番号(お持ちの場合):

4. 情報から予約を検索し、予約の状況をあらためて確認ありがとうございます。お客様の予約を確認いたします。

【予約内容】

・日時:2025年9月2日(火)14:00-15:00

・サービス:ヘアカット

など

5.内容を確認し、予約をキャンセルして良いかどうかの最終確認確認いたしました。上記の予約をキャンセルしてよろしいでしょうか?

※キャンセル料は発生いたしません

6.予約キャンセルの通知と、次回に向けてのあいさつ予約のキャンセルが完了いたしました。

【キャンセル完了】

・日時:2025年9月2日(火)14:00-15:00

・キャンセル日時:2025年9月1日 16:30

またのご利用をお待ちしております。新しいご予約をご希望の際は、いつでもお気軽にお声かけください。

チャットボットが予約受付だけでなくキャンセル処理まで一貫して対応することで、予約関連業務を完全に自動化し、顧客の利便性を向上させられます。顧客は24時間いつでも自分のタイミングで予約変更が可能となり、電話での受付時間に縛られることがありません。

新入社員向け

新入社員向けのシナリオのサンプル例は次の通りです。

ステップシナリオ例
1. 冒頭のあいさつご入社おめでとうございます!社員向けサポートチャットボットです。業務に関すること、社内システムの使い方、福利厚生についてなど、何でもサポートいたします。

何かご質問はございますか?

2. 新入社員からの質問を受け付ける勤怠管理の方法について教えてください
3. 具体的な質問の抽出勤怠管理についてのご質問ですね。弊社では専用のシステムを使用して出退勤を管理しております。

具体的にどの部分について知りたいでしょうか?

・出退勤の打刻方法

・有給休暇の申請方法

など

4. 提示された質問に対するチュートリアルのページを案内退勤の打刻方法について詳しくご案内いたします。

【勤怠システム操作ガイド】へのリンクをお送りします

チャットボットは外部だけでなく社内の従業員への対応もおこない、組織全体のサポート体制を強化します。能動的に声かけをおこない、困りごとを早期に発見・解決する仕組みを構築しています。

入社手続きから日常業務まで幅広い情報提供を自動化することで、人事部門の負担軽減と新入社員の職場適応促進を同時に実現し、全体的な従業員満足度向上に貢献できることがメリットです。

配送状況確認

配送状況確認のシナリオのサンプル例は次の通りです。

ステップシナリオ例
1. 冒頭のあいさつこんにちは!〇〇サービスのチャットボットです。どのようなご用件でしょうか?
2. 顧客から注文した商品の状況確認の問い合わせ昨日注文した商品がいつ届くか知りたいです
3. 状況を確認するために、注文IDを顧客に要求承知いたしました。配送状況を確認いたします。

以下の情報をご入力ください:

・注文ID(注文確認メールに記載されています)

※注文IDがご不明の場合は、ご登録のお名前とお電話番号でも検索可能です

4. 情報から検索し、配送状況を確認商品は発送済みです

・発送日:2025年9月1日 10:30

・配送業者:ヤマト運輸

注文処理の状況が確認できるシナリオの導入により、顧客は営業時間に関係なく、思い立ったときにいつでも自分で配送状況の確認が可能です。電話やメールでの問い合わせ対応にかかるスタッフの工数を削減しつつ、顧客満足度を向上させられます。

シナリオ型チャットボットの特徴

チャットボット シナリオ

シナリオ型チャットボットには、数多くのメリットがあります。コストやパフォーマンスなど、あらゆる面で自社を助けてくれます。

主だったメリットを、以下で解説しますので、自社にとってフィットする部分があるか確認してみましょう。

低コストで導入できる

シナリオ型チャットボットは、AI型チャットボットよりも低コストで導入できます。導入費用や月額費用が安いため、気軽に取り入れられる点が魅力です。

シナリオ型チャットボットには導入費用が無料のものも多くあります。月額費用が5万円以下のものもあり、チャットボットを初めて利用する企業にとっても導入ハードルは低いことが特徴です。

一方で、高度な技術が搭載されているAI型チャットボットには導入費用が50万円を超えるものもあります。月額費用も10万円を超えるものが多く、カスタマイズ性が高くなるチャットボットはさらに費用が高くなるため、導入ハードルも高い傾向です。

そのため、できるだけ費用を抑えてチャットボットを導入したい企業であれば、シナリオ型チャットボットの導入がおすすめです。チャットボットの導入相場や無料で導入できるチャットボットについては、下記の記事で詳しく説明していますので、併せてお読みください。

チャットボット導入の費用相場はどれくらい?料金別にサービスも紹介
「チャットボットの費用相場はどのくらい?」と気になってはいませんか。導入することで、問い合わせ工数の大幅削減が期待できるチャットボット。気になってはいるものの、費用相場がわからず躊躇している方もいるでしょう。本記事では、チャットボットの費用相場とおすすめのチャットボット5つ紹介します。
無料で利用できるチャットボット15選!お試しのメリットや注意点も紹介
チャットボットの導入検討において初期コストを抑えたいですよね?本記事では無料プランやトライアルが可能なチャットボットを紹介しております。無料のチャットボットツールを使うメリット・デメリットや注意点なども解説しております。弊社が提供しているチャットボット「さっとFAQ」も無料トライアルプランがあります。ぜひ、この機会にご検討ください。

FAQがあれば簡単に導入できる

シナリオ型チャットボットを導入する際、FAQがあれば簡単に導入できます。シナリオを設計する際に活用でき、ゼロから作成する必要がないからです。

良質なシナリオを作成するためには、多くの質問と回答を集めなければなりません。既存のFAQがあれば、質問や回答を用意する手間を大幅に削減可能です。

一方で、AI型チャットボットはAIに学習させるための膨大なデータが必要となり、ユーザーが使用できる状態になるまでに多くの時間がかかります。ユーザーの質問に自由に答えられるといったメリットがある反面、導入までに膨大な手間と時間がかかるため、運用したいタイミングですぐに開始することが難しい場合があります。

ユーザーの操作性が簡単である

シナリオ型チャットボットツールは、インターフェースがわかりやすく操作性に優れているものが多く存在します。そのため、初めてチャットボットを導入する企業でも安心して運用できることが特徴です。

また、チャットボットのシナリオは「Aを選択したらBに進んで、CとDの選択肢を出す」といったように、非常にシンプルでわかりやすく作られています。

「シナリオの設定」と聞くと難しそうなイメージを持つかもしれませんが、構造自体はシンプルなので、誰でも簡単に設定できる点もメリットです。

さらに、複雑なシナリオではなく一問一答形式の会話内容であれば、Excelで設定できるチャットボットツールもあります。Excelに質問内容と回答内容を入力してアップロードするだけなので、簡単にチャットボットの設定を完了できます。

誤った情報が提供されにくい

シナリオ型チャットボットはシナリオに設定された会話内容に沿って、決められた回答を返すため、ユーザーに誤った情報を提供するリスクを軽減できます。

AI型チャットボットの場合、学習内容によってはAIの解釈に誤りが生じ、求めているものと違う回答が提示されてしまう場合があります。ユーザビリティを損ねるだけでなく、企業の信頼を落としかねません。

しかしシナリオ型チャットボットであれば、あらかじめ設定された内容以外の回答は返さないため、誤った情報を提供するリスクを軽減できます。

ただし、そもそも設定内容を間違えている場合もまれにあるため、回答内容は定期的にメンテナンスする必要があります。

対応品質を均一化できる

シナリオ型チャットボットを活用すると、対応品質の均一化も図れます。

オペレーターによる有人チャットでは、オペレーターの経験やスキル、態度などによって、対応品質にばらつきが生じやすくなります。対応品質がバラバラだと、ユーザーの満足度低下にもつながり、顧客離れを引き起こしかねません。

一方、シナリオ型チャットボットは設定されている内容に沿ってユーザーと会話を展開するため、誰にでも同じ対応が可能です。対応品質が安定し、何か問題があったときにも、たった一点を修正するだけで改善を実施できます。

丁寧な回答や親しみやすい文章を意識すると、よりユーザーの満足度向上にもつながるでしょう。

社内の問い合わせ対応やヘルプデスクとしても活用できる

シナリオ型チャットボットは、顧客対応だけでなく社内の問い合わせ対応やヘルプデスクとしても活用できます。

経理や人事、情報システムなど、社内からの問い合わせが多い部署が活用するケースも多く見られます。例えば「経費精算の方法」「出張の申請方法」「社内システムの使い方」など、社内で多く寄せられる質問内容とその回答を設定しておけば、従業員自ら知りたい情報を探し、自己解決が可能です。

また、社内の成功事例やノウハウをチャットボットに蓄積しておき、社内で共有する活用方法を実施している企業もあります。

このように、シナリオ型チャットボットは社外だけでなく社内でも活用できるツールです。社内用に特化しているチャットボットツールもあるので、社内問い合わせの工数削減やノウハウの共有などに課題を抱えている方は、検討してみると良いでしょう。

社内でのチャットボット活用に興味のある方は、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

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シナリオ型チャットボットが向いている用途

チャットボット シナリオ

シナリオ型チャットボットは汎用性が高く、あらゆる場面や目的で活用できます

最も得意とするのは、ユーザーからの問い合わせ対応です。しかし、その他にも多様な活用方法があります。

問い合わせ対応

シナリオ型チャットボットは、ユーザーからの問い合わせ対応が特に得意です。ユーザーの質問内容に応じた回答を返すため、問い合わせ対応が自動化し、有人対応すべき問い合わせの件数を軽減できます。

メールや電話による問い合わせ対応に苦慮している担当者は多くいます。また、メールや電話による回答が遅延するのは、ユーザーにとっても大きなストレスです。

しかしシナリオ型チャットボットがあれば、有人でなくともユーザーの問い合わせに対応できます。また問い合わせ内容を打ち込んだ瞬間に回答が表示されるため、ユーザーは、回答が得られるまで待つ必要もありません。

一方、シナリオに設定されていない質問内容があった場合には、シナリオ型チャットボットでは対応できません。複雑な質問や専門的な質問への回答には向いていないので、AI型チャットボットもしくは有人チャットなどで対応する必要があります。

社内サポート・ヘルプデスク

シナリオ型チャットボットは、社内サポートおよびヘルプデスクとしても活用されています。ユーザーの問い合わせ同様、社員からの質問に対してトラブルシューティングを提供できます。

シナリオ型チャットボットが社内サポートやヘルプデスクとして活用されると、当該部門の業務負荷を軽減できます。すでに人員不足やリソース枯渇に悩んでいる企業も少なくありません。しかしシナリオ型チャットボットがひとつあれば、初歩的な内容の問い合わせの大部分を担当させられます。

また、問い合わせた社員はただちにトラブルシューティングやナレッジを得られるため、作業効率を高められます。

シナリオ型チャットボットに搭載される分析機能によっては、問い合わせ内容の蓄積も可能です。回答できなかった部分を参照するなどすれば、重要度が高い質問や求められている情報も簡単に理解できます。

社内でシナリオ型チャットボットを活用すれば、企業内のパフォーマンスは大きく高まります。チャットボットを社内サポート・ヘルプデスクとして活用したい方は、下記の記事もご覧ください。

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商品などのサジェスト・案内

シナリオ型チャットボットは、商品などのサジェストや案内までも得意とします。例えば、以下のようなシナリオ設定が考えられます。

  • ユーザーに対してボットから質問して、それぞれに合った商品を表示する
  • 問い合わせを終えたあとで、資料請求のボタンを表示する
  • 関連したFAQを表示して、さらなるトラブルシューティングを提案する
  • 自社サイト内で閲覧してほしいページへのリンクを提示する

このように工夫すれば、シナリオ型チャットボットを用いて商品購入や資料請求など、新しいアクションへと誘導できます。

特に商品購入や資料請求の可能性を高めることは売上増加においても重要です。CV率などを高め、ビジネス自体の成長に貢献します。

商品などのおすすめや案内は、通常の問い合わせ対応を設定するよりもやや難しいかもしれません。しかし、高い確率でビジネスに貢献する点を考えれば、ぜひともシナリオ型チャットボットのシナリオに盛り込みたいところです。

アンケートの実施

シナリオ型チャットボットの場合、アンケートを取る目的でも利用されます。例えば、以下のような使い方が考えられるでしょう。

  • 問い合わせ時に「どこで当社を知ったか」などの調査を実施する
  • サービスが解約された際に「なぜ解約に至ったか」を聞き、解約率低減のヒントを探る
  • サービスに対して「満足しているか」「改善点はないか」を聞き出す
  • チャットボットそのものに対する感想や評価を聞く
  • 記述式で自社およびサービスに対する意見や要望を聞き出す

シナリオ型チャットボットは、アンケートツールよりも回答されやすい可能性があります。

例えばアンケートフォームを利用するなら、わざわざそのページへジャンプさせなければいけません。Googleフォームを利用するならば、ユーザーがGoogleアカウントにログインしている必要すら求められます。

しかし、ユーザーのアクションが終了した直後にシナリオ型チャットボットを表示させれば、そのままの流れで回答を得やすいでしょう。

とはいえアンケートに対する回答率は、常に企業の課題ではあります。PDCAサイクルを回して、パフォーマンスが向上するように管理することが重要です。チャットボットをアンケートに活用する方法は、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

チャットボット×アンケートで効果アップ!おすすめツールを紹介
チャットボット導入に合わせてアンケート調査を実施することをおすすめします。本記事ではチャットボットでアンケート調査を実施すべき理由を説明します。後半では、アンケートの取得機能が搭載されているチャットボットツールを5つ紹介するため、チャットボットの運用効果を高めたい方は必見です。

診断ゲームなどへの流用

シナリオ型チャットボットは、診断ゲームなどにも適しています。問い合わせ対応などとは違った新しい価値を提供できる点が魅力です。

シナリオ型チャットボットに質問をさせ、ユーザーが回答し最終的に何らかの診断結果を提示します。これによりユーザーの自己理解の促進だけではなく、コンテンツを楽しんでもらうことが可能です。またその診断結果に応じて、サービスや商品の提案もできます。

また、謎解きゲームのような形で活用されることもあります。ボット側からの発信からストーリーや選択肢を提示し、ユーザーが選択することでゲームがクリアへと進んでいく仕組みです。

シナリオ型チャットボットを利用すれば、ゲーム形式で新しい価値をユーザーに提供できます

シナリオ型チャットボットのメリット

チャットボット シナリオ

シナリオ型のチャットボットには、導入時や運用面でさまざまなメリットがあります。ここからは、シナリオ型のチャットボットのメリットについて解説します。

コストパフォーマンスが高い

シナリオ型のチャットボットはAI型に比べ、導入費用や月額料金が少なくて済む点がメリットです。高機能なチャットボットを導入する場合、初期費用だけで50万円以上かかり、月額料金も10万円以上に設定されています。

チャットボットを試しに導入してみようと考えた場合、初期費用や月額料金が高いと気軽に始められません。その点、シナリオ型のチャットボットは、初期費用がかからない場合も多く、月額料金も5万円以下に設定されているものが多いため、導入に際してのハードルが低いのが特徴です。

ユーザーが質問しやすい

シナリオ型のチャットボットは、あらかじめユーザーが質問する項目が選択肢として提示されています。AI型チャットボットの場合には、質問をユーザーが考えて入力する必要がありますが、シナリオ型のチャットボットの場合は選択肢を選ぶだけで済むため、質問しやすい点がメリットです。

メールや電話など、チャットボット以外でも、ユーザーは問い合わせしたい内容を自分の言葉でまとめて伝える手間がかかります。うまく質問がまとまらない場合、問い合わせ自体を断念しかねません。気軽に質問しやすいシナリオ型のチャットボットを選ぶと、ユーザーが離脱せずに問い合わせする可能性が上がります。

導入のハードルが低い

シナリオ型のチャットボットは、AI型に比べ導入のハードルが低いのも特徴です。AI型は利用開始するまでにベースとなるデータを学習させる必要があります。シナリオ型はあらかじめ用意したデータを設定するだけで利用開始できるため、早ければ1週間以内に運用まで進められます。

データの追加も簡単にできるため、メンテナンスしやすいのも特徴です。

間違った回答をしない

シナリオ型チャットボットは決められたシナリオ通りに回答するため、間違った回答をしない点もメリットです。有人での問い合わせ対応の場合、人によってスキルにばらつきがあり、回答の精度が左右されます。AI型チャットボットの場合にも、会話の精度が低いと誤った情報を提供してしまう可能性が否定できません。

シナリオ型のチャットボットの場合、設定したデータに誤りがなければ間違えずに回答できるため、回答精度にばらつきがないのが特徴です。

回答までの時間が早い

シナリオ型のチャットボットは、回答までの時間が早い点もメリットと言えます。メールや電話に比べ、あらかじめ用意された回答を返答するシナリオ型チャットボットは、質問すると即座に回答が可能です。担当者が調べる手間や、文章を考える時間の削減もできるため、効率化に役立ちます。

回答を待つ間にユーザーの興味が薄れて、販売チャンスを逃す可能性が下がる点もメリットです。

シナリオ型チャットボットのデメリット

チャットボット シナリオ

シナリオ型チャットボットを使えば問い合わせ対応が自動化し、担当者の負担軽減やユーザーの満足度向上にもつながります。

しかし良いことばかりではなく、性能的な限界やシナリオ型だからこそのデメリットがある点は否めません。シナリオ型チャットボットが優秀な施策であることは踏まえつつ、以下のようなデメリットがある点は理解しておく必要があります。

シナリオにない回答はできない

シナリオ型チャットボットはシナリオに沿った対応しかできないため、想定外の内容の問い合わせが来ても対応できません。簡単なFAQや単純なやり取りには向いていますが、問い合わせ内容が複雑化すると対応できなくなるため、注意が必要です。

そのため、自社ユーザーの問い合わせが定型的な場合はシナリオ型チャットボットが向いていますが、複雑な質問が多い場合はシナリオ型チャットボット以外の方法も検討する必要があります。シナリオにない質問が来た場合は、有人チャットに引き継ぐなどの方法も一案です。

ただしシナリオは、あとから追加することも可能です。統計を参照し、対応できなかった部分に対して、継続的に新しいシナリオを加えていくことで、シナリオ型チャットボットの対応能力を高められます。

フリーテキスト入力に対応できない

シナリオ型チャットボットは選択肢から項目を選んで回答まで導くため、フリーテキスト入力には対応していません

例えばECサイトのユーザーが北海道への送料を知りたい場合、シナリオ型チャットボットであれば、

  1. 問い合わせ内容を選ぶ
  2. 地域を選択する
  3. 北海道までの送料がわかる

というステップが必要です。

一方、フリーテキスト入力に対応しているAI型チャットボットでは「北海道への送料が知りたい」とユーザーが入力すればすぐに回答が表示されるため、シナリオ型チャットボットよりも短いステップで求めている情報を得られるのです。

このようにシナリオ型チャットボットはフリーテキストに対応ができないため、やり取りの自由度が低く、情報提供に時間がかかるといった面があります。

ユーザーの真のニーズを把握しにくい

ユーザーはあらかじめ設定されている項目しか選択できないため、ユーザーが本当に求めている情報やニーズの把握が難しい点もデメリットです。

シナリオ型チャットボットでは、製品に対する満足度を「良い」「普通」「悪い」などの項目から選んでもらうくらいしかできません。そのため、ユーザーがどの点に満足しているか・不満を抱いているか、といった細かい部分を把握しにくいことが特徴です。

また、聞きたいと思っている内容が選択肢にない場合、そこでユーザーは離脱してしまうので、結局何を求めていたのかを把握できないまま終わってしまいます。

一方、AI型チャットボットのようにフリーテキスト入力に対応していると、ユーザーは自分の言葉で質問や意見を入力できるため、ユーザーの真のニーズを把握しやすいと言えます。

仮にうまく回答ができなかった場合でも、ユーザーの入力はログとして蓄積されるため、会話ログを分析することで、ニーズを理解し、チャットボットの改善やマーケティングに活かすことも可能です。

チャットボットを選ぶポイント

チャットボット シナリオ

チャットボットツールは多くの種類があるため、自社にとって最適なツールをどのように選べば良いのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

より良い選択をするためには、以下のような判断基準を設けることがおすすめです。下記と照らし合わせながらチャットボットを選択すれば、自社に合ったサービスを見つけられます。

シナリオ型かAI型か

自社の課題解決には、シナリオ型とAI型どちらが合っているのかの検討が必要です。

ユーザーからの質問内容が定型的な場合や、簡単なやり取りでユーザーを回答まで導ける場合は、シナリオ型チャットボットが向いています。一方、広範囲の質問や複雑な質問、フリーテキスト入力が必要な場合は、AI型チャットボットのほうが適しています。

したがって、まずは自社の業種や商材を分析し、今までに寄せられたユーザーからの問い合わせ内容を洗い出すことで、シナリオ型・AI型どちらが適しているか判断しなければなりません。シナリオ型とAI型のチャットボットについては、下記の記事でも解説していますので参考にしてください。

ルールベース(シナリオ)型チャットボットとは?AI型との違いを解説
この記事では、ルールベース(シナリオ)型チャットボットについて、メリットや注意点、AI型との違いなどを解説します。導入方法やハイブリッド型チャットボットについても解説していますので、導入を検討の方はぜひご覧ください。

コストは予算内か

コストも重要な判断材料です。チャットボットツールは毎月の利用料金がかかります。また、ツールによっては初期費用がかかることもあり、導入時に大きな出費が発生します。

特に初期費用では数十万円ほどかかるケースも少なくありません。こうなると予算が破綻してしまう場合もあるため、注意が必要です。

毎月どのくらいのコストをチャットボットツールにかけられるか算出し、ツールの利用料金や初期費用などが予算内におさまるか見極める必要があります。

その際、目下でかかる必要だけでなく、チャットボットの導入によって削減できると思われる費用も考慮しておくことで、費用対効果をある程度算出できます。無料で利用できるチャットボットについては、下記の記事でまとめていますのでご活用ください。

無料で利用できるチャットボット15選!お試しのメリットや注意点も紹介
チャットボットの導入検討において初期コストを抑えたいですよね?本記事では無料プランやトライアルが可能なチャットボットを紹介しております。無料のチャットボットツールを使うメリット・デメリットや注意点なども解説しております。弊社が提供しているチャットボット「さっとFAQ」も無料トライアルプランがあります。ぜひ、この機会にご検討ください。

求めている機能は搭載されているか

チャットボットツールによって搭載されている機能が異なるため、自社で必要としている機能があるかどうか確認することがポイントです。

例えば、一口に「分析機能」と言っても、ツールによって分析できる内容が異なります。ツールに分析機能が搭載されていても、自社で分析したい「問い合わせ件数」や「回答できなかった件数」などが分析できなければ意味がありません。そのため機能の内容についても細かい確認が必要です。

チャットボットの機能としては、主に以下が挙げられます。

  • 分析機能
  • 外部ツール連携機能
  • 有人対応への誘導
  • AIによる自然言語処理
  • 外国語対応

サポートはあるか

導入や運用に不安がある場合、サポートの活用がおすすめです。

チャットボットツールによってサポート内容はさまざまで、メールでのサポートしか受け付けていないツールもあれば、月一回のコンサルティングまで支援してくれるツールもあります。

あるいは導入時にセッティングしてくれる場合や、他のシステムと連動するように構築するサービスを提供している場合もあるでしょう。

手厚いサポートを受けられるツールを選ぶと、スムーズに導入でき、運用定着にもつながります。

セキュリティは脆弱ではないか

チャットボットは社内の重要な情報を取り扱うため、セキュリティ面も注目したいポイントです。

クラウドツールはセキュリティ面が強固なものが多いですが、ツールによってセキュリティ対策の内容が異なるため、十分に確認する必要があります。

不正なアクセスやログインの対策がされているか、通信は暗号化されているか、サーバーの障害対策はできているか、などの視点でセキュリティ面を判断することが重要です。

外部ツールと連携できるか

外部ツールと連携できるチャットボットツールを選ぶと、業務が効率化されます

例えばCRMやSFAなど顧客情報を管理できるツールと連携すると、顧客の過去の購入履歴や問い合わせ履歴に紐づいた問い合わせ対応も可能です。

また、LINEやFacebook Messenger、Slackなどのチャットツールと連携し、Webサイト上だけでなく外部のチャットツールでチャットボットを動かせるツールもあります。普段から利用しているチャットツールから問い合わせができるようになれば、使い勝手もさらに良く、顧客満足度向上にもつながります。

おすすめのシナリオ型チャットボット

チャットボット シナリオ

ここからは、おすすめのシナリオ型チャットボットを紹介します。特徴や機能などを紹介するので、チャットボットツールの選定にお役立てください。

おすすめのチャットボットを紹介|目的や機能ごとに徹底解説
問い合わせ対応やECサイト運営に課題を感じている担当者は多いでしょう。そんなときは、チャットボットの導入がおすすめです。本記事ではおすすめチャットボットを紹介。本記事からフィットするチャットボットを見つけましょう。
【チャットボットの比較】選び方のポイントをわかりやすく解説
昨今では、AI搭載やFAQやマーケティングに特化したものなど、さまざまな種類から自社に合ったチャットボットの選定が可能です。チャットボット導入を検討している方のなかには、「おすすめのチャットボットは?」「どのツールを選んだらよい?」と疑問に...

さっとFAQ

さっとFAQ

さっとFAQ」は、その名の通り誰でも「さっと」導入・運用ができるチャットボットツールです。

シナリオはフローチャート形式で設計できるため、直感的に作業できます。また、一問一答形式の会話であればExcelで設定でき、より簡単にチャットボットでの会話を作ることが可能です。

また、分析機能も優れており、利用頻度が多い質問や答えられなかった質問など細かい分析ができます。分析内容から、シナリオを追加するなどしてブラッシュアップできることも特徴です。

利用料金は月額1万円からなので、コスト面でも手軽に導入できる点も魅力です。設定できる設問数や設置できるチャットボット数に応じて3つの料金プランが用意されているため、自社に合ったプランを選択できます。

利用料金は安いものの、シナリオ型チャットボットとしての完成度は高く、また多機能性も持ち合わせています。数あるサービスの中でもコストパフォーマンスに優れているチャットボットです。

今なら30日間の無料トライアルもご用意しておりますので、「まずは使ってみたい」という方は導入をご検討ください。

sinclo

チャットボット シナリオ

シナリオ型チャットボット「sinclo(シンクロ)」は、チャットボットと有人対応のどちらにも対応しているハイブリッド型ツールです。チャットボットでは回答できない内容をオペレーターに引き渡せるので、ユーザーのストレスを軽減できます。

また「オートメッセージ機能」を使うと、Webサイト訪問者の滞在時間や訪問回数などから、最適なタイミングで最適なメッセージを発信できます。また、ユーザーがチャットの途中で離脱しても、再訪問時に回答済みの内容を復元するため、ユーザーは最初から問い合わせる必要がなく、ユーザビリティも優れているサービスです。

シナリオはドラッグ&ドロップ操作で設定でき、手軽に運用できる点も特徴です。

SYNALIO

チャットボット シナリオ

SYNALIO(シナリオ)」は、チャットボットでの問い合わせ対応だけでなく、ユーザーの行動履歴や会話履歴などからユーザー分析ができ、マーケティングにも活用できるチャットボットツールです。

従来のWeb解析ツールは、ユーザーのWebサイト内での行動データしか分析できませんでした。しかしSYNALIOはチャットボットでの会話データも分析できるため、ユーザーのニーズや状況を詳しく把握でき、次の施策に活かせます。

例えば、ユーザーの属性や見込み度などをグルーピングして、特定のグループに特定のメッセージ配信が可能です。ユーザーの状況に合わせて配信するメッセージを設定できるため、より成果を高められます。

また、チャットボットのシナリオはフローチャート形式で簡単に設定できるので、複雑な操作が必要ありません。操作方法の簡便さも特徴と言えます。

GENIEE CHAT

チャットボット シナリオ

GENIEE CHATはベーシックなシナリオ型チャットボットのひとつです。導入が簡単な上レイアウトも優れており、ユーザーの利便性向上に大きく貢献します。

またオペレーターチャットやチャットEFOなど、より正確かつ効果的なチャットスタイルが搭載されている点もポイントです。

導入実績は4,500社を超えており、信頼できるサービスのひとつです。

TETORI

チャットボット シナリオ

TETORIは、Webサイトのパフォーマンスを高めるために使われる総合支援型のサービスです。その中核として、シナリオ型チャットボットが搭載されています。

目的やタイミングに応じたさまざまなシナリオ・テンプレートが用意されており、自社にフィットしたシナリオ型チャットボットを速やかに構築できます。また細かいデザインやレイアウトも、自由に設定可能です。

さらにWebサイトに訪れたユーザーの分析や、新しい施策がどのような効果を示しているか分析する機能も同時に搭載されています。

TETORIがあれば、チャットでのユーザーサポートと同時に、Webサイト全体のパフォーマンスも底上げできます

シナリオ型チャットボットの活用事例

チャットボット シナリオ

実際にシナリオ型のチャットボットを導入し、活用した会社の事例を知ると、自社にとってどのような活用ができるのか知るヒントが得られます。ここからは、シナリオ型のチャットボットを活用した会社の事例を紹介しますので、参考にしてください。

チャットボットの活用事例・導入事例|メリットや成功に導くポイントも解説
チャットボットはユーザーからのお問い合わせを自動化するツールです。カスタマーセンター、ECサイト、社内ヘルプデスク、新卒採用サイトなど業種・業態を問わず幅広く使われています。本記事では、チャットボットを導入するメリットを解説した後、チャットボットの導入事例を10件紹介します。

株式会社テンダ

チャットボット シナリオ

株式会社テンダは、マニュアル自動作成ソフト「Dojo」シリーズなどを提供するDXソリューションやコンサルティング、ゲームコンテンツを提供する会社です。

株式会社テンダでは、製品のヘルプデスクへのユーザーからの問い合わせが増加しており、人手が足りないことに課題を感じていました。また、夜間や休日など時間外の対応ができない点も改善したい課題でした。

課題を解決するために人の手を介さずに問い合わせ対応ができるシステムを探し、Excelで質問と回答を作成するだけで利用開始できるシナリオ型のチャットボット「さっとFAQを導入します。最初は25問ほどの質問と回答を登録しスモールスタートさせたところ、全質問の2割をチャットボットによる回答で賄えました。

今後は質問と回答を増やし、約8割の問い合わせに対応できるよう進めています。さらにチャットボットの分析機能を使い、顧客のニーズ把握への活用も検討しています。

参考:導入後半年で2割のお問い合わせを削減 株式会社テンダ様 | さっとFAQ

昭和鉄工株式会社

チャットボット シナリオ

昭和鉄工株式会社は、空調機器や環境機器などの製造販売と設置工事をおこなう、137年の歴史を持つ会社です。

最新IT技術を活用した業務の効率化を考えていた際に、展示会で「さっとFAQ」に出会い導入を決めました。AI型のチャットボットも検討候補に入ってはいましたが、専門知識が不要な点と開始直後から高い回答率を見込める点、運用しながら調整できる点に惹かれ、シナリオ型チャットボット「さっとFAQ」に決めた経緯があります。

新卒採用サイトの問い合わせ対応へチャットボットを導入するにあたり、就活生の気持ちがわかる入社1〜2年目の社員を中心としたチームを作り、質問と回答を作成しました。さらにチャットボットのキャラクターとして社名をもじった「フーサ(WHOSA)」も作成し、親しみやすさをプラスしています。

その後、公開したチャットボットは1カ月で1,000を超える利用があり、評判も上々で会社のイメージアップにもつながりました。社内でもチャットボットへの関心が高まり、他部署での活用も期待されます。今後は、社内での問い合わせに活用したり、文書の自動作成に使用したりと業務効率化のためにチャットボットを活用していく予定です。

参考:明治からの挑戦の姿勢は、令和の今にも受け継がれる 昭和鉄工株式会社様 | さっとFAQ

株式会社医療産業研究所

チャットボット シナリオ

株式会社医療産業研究所は、ヘルスケア分野に特化した調査会社で、2003年よりメンタルヘルス事業として「ストレスチェックPRAS」を提供しています。

株式会社医療産業研究所では、メンタルヘルスケアの一環としてストレスチェックをおこなう際、専門家に相談するほどではない些細な悩みを抵抗を感じずに相談できる方法を探していました。

IT知識が不要で気軽に導入できるシナリオ型チャットボット「さっとFAQ」を知り、サポートを受けながら、業務の隙間時間を使い、担当2名により2週間ほどで質問と回答の作成をおこないました。チャットボット導入後、チャットボットを利用したお客様よりカウンセリングの申し込みがあるなど、新しく商品を検討するユーザーにも高評価を得ています。

今後は、株式会社医療産業研究所の顧客である会社の従業員向けに使えるチャットボットの開発や提供を予定しています。

参考:わずか2週間で2つのチャットボットを公開 メンタルヘルス事業でDXを実現 株式会社医療産業研究所様 | さっとFAQ

注意点を理解してシナリオ型チャットボットの導入を成功させよう

チャットボット シナリオ

本記事では、シナリオ型チャットボットとはどういったものかを説明しました。AI型チャットボットよりも低コストでの導入、FAQで簡単に構築できるメリットがあります。

シナリオ型チャットボットは、導入ハードルも低く、高い効果も見込まれるツールですが、場合によってはうまく回答できないなど、あまり効率化できないケースもあります。解決したい課題の内容によっては、AI型チャットボットのほうが向いていることもあるため、導入にあたっては慎重な検討が重要です。

またユーザーを適切に導くシナリオ作りが、導入効果に大きく影響します。ぜひ、本記事で説明した導入のメリットやシナリオの作り方を参考にして、シナリオ型チャットボットの導入を検討してみてください。

サンソウシステムズでは月額1万円からスタートできる「さっとFAQ」というチャットボットを提供しています。Excelから簡単に会話データを作成でき、プログラミングスキルも必要ありません。

30日間の無料トライアルもご用意したので、「まずは使ってみたい」という方はこの機会に導入をご検討ください。

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