「顧客からの問い合わせが増えたので、チャットボットの導入を考えている」そんなときにおすすめなのが、FAQチャットボットです。
そもそもチャットボットとは、「チャット(会話)」と「ロボット」が組み合わさってできた単語です。
チャットボットを使えば、ユーザーとの会話が自動化されて、問い合わせ対応の工数が削減できるメリットがあるため、多くの企業や自治体で導入されています。特に最近では、AI(人工知能)の発達によりチャットボットで自然に会話できるようになりました。
今回の記事では、FAQチャットボットの役割やメリット・デメリット、シナリオ作成のコツをお伝えするのでぜひ参考にしてください。
また、弊社サンソウシステムズでは月額1万円から導入できる「さっとFAQ」というチャットボットツールを提供しています。エクセルから会話データを簡単に作成でき、プログラミングスキルは必要はありません。
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FAQチャットボットとは
FAQとは英語でFrequently Asked Questionsの略称で、「よくある質問」と訳されます。
FAQチャットボットでは、社内スタッフや社外のユーザーから頻繁に尋ねられる質問を集め、自分で回答を見つけられるよう誘導します。
FAQチャットボットは、問い合わせ対応を得意とし、ユーザーの質問や課題を解決することが主な使用目的です。
収集した大量の情報をチャットボットで回答できるように用意して、製品の使い方や返品・故障対応、社内マニュアルや規約の確認などの情報を提供します。
チャットボットの中には、資料ダウンロードやメルマガ登録などに誘導し、コンバージョン率をアップさせるといった、マーケティング目的で使われるタイプもあります。

FAQチャットボットの種類
チャットボットは「シナリオ型」「AI搭載型」の2種類に大きく分けられます。
自社に合った種類のチャットボットを導入しなければ、効果を存分に発揮できません。種類ごとに特徴が異なるため、目的に合った種類のチャットボットを選ぶ必要があります。
それではここから、「シナリオ型」「AI搭載型」それぞれの特徴を見ていきましょう。
シナリオ型:選択肢から選ぶ
シナリオ型は、画面内の選択肢から該当する項目を選んで進めていく形式のチャットボットです。
事前によくある質問とその回答を登録しておくことで、選んだ質問に回答していく仕組みです。ルールに沿って会話を進める形式であることから、「ルールベース型」とも呼ばれます。
シナリオ型はAIを搭載しているわけではないため、あくまでもあらかじめ登録している質問への回答しかできません。
そのため、シナリオ型は「よくある質問の内容がパターン化している場合」や「簡易的なトラブルへの対応」に適しているチャットボットであると言えるでしょう。よくある質問がチャットボットで解決されることで、サポートセンターや社内ヘルプデスクなどの業務削減に繋げられます。
ただし、あらかじめ登録されている質問への回答しかできないという性質上、ユーザーが求めている答えを得られなければ、オペレーターに問い合わせる必要が出てきます。
AI搭載型:学習しながら自然に回答する
AI搭載型は、文章で入力された質問にAIで回答するチャットボットです。あらかじめ登録した質問への回答にのみ対応できるシナリオ型と比べると、対応範囲は広いと言えます。
質問はフリーテキストで入力できるものが多く、ユーザーは質問したいことをストレートに聞くことができます。単語からだけでなく文章から意味を解釈するため、人間との会話に近い自然な対応が可能です。
AI搭載型の強みは、機械学習を重ねて回答の精度が上がっていく点、登録されていない言葉でも揺らぎを自動で学習してくれる点です。最近では、ECサイトでの接客対応やカスタマーサポートでよく導入されています。
質問の内容に偏りがない場合は、AI搭載型のチャットボットが適していると言えるでしょう。

FAQチャットボットの役割
ここからは、FAQチャットボットの役割を、社内向けと社外向けに分けて解説します。
FAQチャットボットは、顧客に向けて使用されることが多いと考えられがちです。しかし実際には、社内向けのツールも充実しており、社内問い合わせ対応として活用している企業も多く存在します。
社内向け
社内向けでFAQチャットボットを使用する場合、以下の部署での活用が想定できます。
- 総務部…出張申請、年末調整対応などに関する問い合わせ
- 人事部…勤怠関係、休暇についての規定などに関する問い合わせ
- ITヘルプデスク…営業が開発チームへおこなう技術に関する問い合わせ
中小企業や大企業など従業員数を多く抱えている会社では、総務部や人事部、ITヘルプデスクの担当者は同じ質問を何度も聞かれます。
特に年末調整の時期や、システムの不具合が発生したタイミングで、問い合わせ数が急増するケースが考えられます。
そこで、あらかじめ社内向けチャットボットを設置しておけば、社員は自分で問題を解決することが可能です。担当者の業務負担が軽減されるだけでなく、膨大な数の情報を整理し、ナレッジを蓄積できるようになるでしょう。

社外向け
社外向けFAQチャットボットは、主にお客様対応で使用されます。例として、以下の場所へ設置されることがよくあります。
- コールセンター
- ECサイト
- 自社ホームページ
FAQチャットボットを顧客が見つけやすい場所に設置しておけば、好きなタイミングで問い合わせできます。電話やメールでは待ち時間が発生しますが、FAQチャットボットなら24時間365日いつでも迅速な対応が可能です。
特にLINEにチャットボットを設置すれば、普段から使い慣れているツールであるため、ユーザーも気軽に利用しやすいという大きなメリットがあります。
FAQチャットボットは、複数の選択肢から選んでいくだけで回答を導き出せるため、名前や連絡先の入力が必要なお問い合わせフォームよりも使用率の向上が見込めるでしょう。
利便性を高めるために、誰でも使いやすいデザインや操作方法を設定することがポイントです。

FAQチャットボットのメリット
次に、FAQチャットボットのメリットを解説します。
問い合わせ業務が効率化されることはもちろん、さまざまなメリットがあります。うまく活用することで、社内の業務効率化やナレッジ共有に貢献してくれるでしょう。
顧客満足度が向上する
FAQチャットボットを設置すると、顧客は待たされることなく迅速に正確な回答を得られます。電話で話すことが苦手な顧客も気軽に使用でき、顧客満足度アップが期待できるでしょう。
さらに、チャットボットは年中無休で稼働するため、お問い合わせ窓口が営業時間外でも、顧客の問題解決ができるという点もメリットの1つです。オペレーターによる問い合わせ対応の場合、夜間や土日などは人手を集めることが難しく、クローズせざるを得ません。
しかし業種や商材によっては、夜間や土日に多くの顧客がWebサイトに訪問することもあります。その場合、顧客は疑問があっても窓口が閉まっているために問い合わせできず、ストレスを抱えてしまいます。
チャットボットを導入すれば、24時間・365日問い合わせ対応ができ、顧客はすぐに回答を得られるのです。顧客満足度が向上すれば、初回購入やリピーター獲得にも繋がり、売上への好影響が期待できます。
オペレーターの業務負担が軽くなる
1日の問い合わせ件数が数百件にも及ぶECサイトやコールセンターのお問い合わせ窓口などにFAQチャットボットを設置すると、オペレーターの対応件数が減り、業務負担が軽くなります。
FAQチャットボットでは、顧客の問い合わせに自動で回答してくれるため、オペレーターの手間が省けます。チャットボットで答えきれなかったものは有人対応となりますが、それでも問い合わせ件数は激減するでしょう。
FAQチャットボットでよく尋ねられる質問を掲載しておけば、同じような質問に何度も回答する必要がなくなるため、精神的な負担も軽減されます。
コア業務にリソースを集中できる
チャットボットを導入することで、問い合わせ対応の自動化が実現します。従来のように多数のオペレーターを確保する必要がなくなるため、人材リソースを適切に配分できるようになります。
また、オペレーター用の機器やスペースも不要になるため、あらゆるリソースにも余裕が生まれるでしょう。
そのため、企業の根幹となるコア業務にリソースを集中投下できます。コア業務に人材やコストを集中することで、企業の利益向上にも繋がります。
対応品質のバラつきをなくせる
チャットボットの導入により、対応品質のバラつきをなくして標準化・最適化できます。オペレーターによる問い合わせ対応は、一人ひとりのスキルや経験によって対応品質にバラつきが生じる場合があります。
品質を統一するためにはオペレーターを教育する必要がありますが、コストも時間もかかる上に、オペレーターが退職したら、また一から教育を始めなければいけません。
しかしチャットボットで問い合わせ対応を自動化すると、常に一定の答えを提供できるため、オペレーターによる対応品質のバラつきを解消できます。丁寧な回答を設定しておけば、顧客はチャットボットの対応に満足感を感じてくれるでしょう。
新規顧客を獲得しやすくなる
ECサイトやLP(ランディグページ)にFAQチャットボットを設置すれば、顧客からの問い合わせ数を増加させ、新規顧客の獲得に繋げられます。
お問い合わせ窓口がクローズしている時間帯でも、顧客の疑問を解消し、資料ダウンロードなどコンバージョン率の向上にも貢献してくれるでしょう。平日の夜や週末など、これまでは接点を持つことが難しかった顧客層へアプローチできる点もメリットの1つです。
サイトのコンバージョン率を改善したいと考えている企業は、チャットボットによりアプローチできる顧客層が広がるため、導入を検討してみるのも良いでしょう。

問い合わせ状況を把握できる
FAQチャットボットを設置すると、どの項目に問い合わせが最も多いのかなど、閲覧数や傾向を把握できます。
例えば「製品の使い方」について質問が多ければ、製品ページにもっとわかりやすく使い方を載せる必要があると判断できるでしょう。このように、顧客と直接会話をしなくても相手の疑問やニーズを可視化できるため、改善策を考えやすくなるのです。
また、疑問解消にまで至らない質問を集計し、FAQのシナリオ作成や製品そのものの改善にデータを活用できるでしょう。もしくは、「難しい質問はオペレーターに引き継ぐ」など、有人対応との併用も一案です。
顧客が気軽に問い合わせできる
チャットボットは、顧客側にもメリットがあります。
電話による問い合わせは、窓口が開いている時間しか対応してもらえません。営業時間内に電話をかけても混雑していると待たされる場合もあります。
また、メールによる問い合わせは返信が遅くなることもあり、すぐに回答が欲しい顧客にとっては非常に不便です。
一方、チャットボットは顧客が問い合わせたいと思ったらすぐに利用できます。いつでも手軽に利用できるため、問い合わせに対するハードルが下がり、顧客にとっての利便性が向上するでしょう。
商品・サービスの改善についてのヒントを得られる
チャットボットを通じて、商品・サービスの改善に繋がるヒントを得ることもできます。
例えば、特定の機能に関するお問い合わせが多い場合、機能自体を使いやすくしたり、その機能についてのマニュアルを充実させたりするなどの対策を講じられます。
また、顧客が商品・サービスについての意見を書き込める自由入力欄を設けることも一案です。チャットボットをうまく活用し、商品・サービスのブラッシュアップに繋げましょう。
社内業務が効率よく回り生産性が高まる
チャットボットは、社内問い合わせの対応にも向いています。
例えば、経費や交通費の申請について質問がある場合、社内の経理担当者に問い合わせることが多いでしょう。しかし担当者が不在の場合は質問ができず、回答を得られるまで申請業務がストップしてしまいます。
また、社内で利用しているシステムについて質問がある場合も同様です。情報システム部の担当者が不在だと質問できないため、業務が停滞してプロジェクトの遅延を引き起こすリスクもあるでしょう。
しかし、チャットボットにこのような社内向け問い合わせに対する答えを設定しておけば、従業員は自ら回答を探すことができます。そのため業務をスムーズに進められ、生産性向上が期待できるのです。
業務ナレッジを共有できる
チャットボットに業務に関するナレッジを蓄積しておけば、簡単にナレッジ共有が可能です。
業務ナレッジは、なかなか共有の機会や方法がなく、属人化しやすい傾向にあります。それでは、従業員一人ひとりの成果に差が出てしまい、企業全体の成果を底上げできません。
チャットボットに個々のナレッジを蓄積しておけば簡単に全体共有ができ、社内の生産性向上に繋がります。
例えば「初めて営業で訪問する場合に持っていくべき資料」「契約締結まであと一歩の商談での営業トーク」など、さまざまな場面のナレッジを蓄積しておきましょう。従業員の知識の幅が広がり、スキルアップも見込めます。

FAQチャットボットのデメリット
多くのメリットがある一方で、FAQチャットボットにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
チャットボットの設置における注意点やデメリットを把握しておくことで、より適切で効果的な運用ができるようになります。チャットボットの得意・不得意を理解し、うまく自社のビジネスに活かしましょう。
複数の回答からの選択が難しいことがある
FAQチャットボットでは、ユーザーに複数の選択肢を提示し、そこから選んでもらうよう誘導します。
選択肢が多すぎると、ユーザーにとって選択が難しく、ストレスになってしまうことがあるため、注意が必要です。したがって、なるべくFAQシナリオをシンプルに設計し、ユーザーを迷わせないよう配慮しましょう。
また、解決できない問題に対しては有人オペレーターを案内できるよう準備し、問題解決ができないまま終わらないようにする対策が大切です。
ユーザーは自由に質問できない
シナリオ型のチャットボットでは、会話フローにルールがあり、ユーザーは自由に質問できないというデメリットがあります。
複雑な製品を取り扱う医療系やIT系など、ユーザーからの問い合わせが毎回異なる場合には、AIの対話形式を導入した方がよいでしょう。
もしシナリオ型チャットボットで解決できない問い合わせが多く発生している場合は、AI搭載型のチャットボットの導入を検討してみましょう。
質問数が多いとメンテナンスが大変になる
FAQチャットボットを採用する企業の中には、数百個から数千個もの質問を設定しているところもあります。
多くの質問に対し自動回答できるため、スタッフの業務負担が軽減されますが、チャットボット運用担当者の管理業務が煩雑になる可能性があるでしょう。
チャットボットは運用開始と同時に、回答率を確認しながら質を上げていく必要があります。
また、製品の入れ替えや料金改定などがあれば、回答内容のメンテナンスを続けなければいけません。そのため、導入前に適切に運用できるようチーム体制を整備する必要があるでしょう。
コストと手間がかかる
チャットボットの導入には、一定のコストと手間がかかります。
例えば、シナリオ型の場合はロジックの設定、AI搭載型の場合はFAQデータの精査や蓄積といった事前設定や準備が必要です。また、チャットボットは導入したらそれで終わりではなく、回答の精度を上げるためのメンテナンスが必要です。
さらに、企業によってはチャットボット専任の担当者をつけたり、外部にコンサルを依頼したりする必要がある場合もあるでしょう。そういった場合は、チャットボットの導入費用だけでなく、採用などの人材費用やコンサル費用がかかってきます。
費用対効果をしっかりと吟味した上で、チャットボットを導入し、マイナスになることがないよう十分検討する必要があります。
利用しづらい人がいる可能性がある
チャットボットは、すべてのユーザーが使いやすいツールであるとは限りません。導入前に、利用しづらい人がいる可能性がある点も考慮するべきでしょう。
例えば、最も分かりやすいケースでは、高年齢のユーザーが挙げられます。チャットやITツールにあまり馴染みのない高齢のユーザーは、心理的にもハードルが高いかもしれません。
その他にも、単なる質問回答してほしいだけでなく、ユーザーが「経緯を聞いてほしい」「共感してほしい」などといった感情を持っている場合は、一定の返答しかできないチャットボットはあまり向かないかもしれません。
チャットボットは、必ずしもユーザーにとってメリットばかりではないことを認識しておく必要があるでしょう。
FAQチャットボットを導入する際に気をつけるポイント
チャットボットを導入して後悔しないためには、どのようなポイントに気をつければ良いのでしょうか。
ここでは、チャットボットを導入する際に気をつけたいポイントを紹介します。チャットボットの効果を最大限発揮させるために、導入前に必ずチェックしておきましょう。
導入目的を明確にする
まずは、チャットボットを導入する目的を明確にしておく必要があります。
チャットボットにはシナリオ型とAI搭載型の2種類があるほか、有料版や無料版、搭載されている機能などに違いがあります。さらに、多くのツールが普及しているため、どれを選べば良いか分からないこともあるでしょう。
自社が必要としている機能が搭載されていないツールを選んでしまい、うまく運用できず、結局使わなくなってしまう事態は大変もったいないことです。
チャットボット導入の目的は、企業によって異なります。自社の目的を明確にすることで、最適なチャットボットを選ぶことが可能になります。
ユーザーのメリットを考える
ユーザーの満足度を上げるためにも、ユーザー側のメリットを理解しておくことも重要です。
例えば、以下のようなメリットが考えられます。
- 24時間365日問い合わせができる
- 待ち時間がない
- 記録として文字で残せる
- 気軽に問い合わせできる
これらのメリットを運用側が理解しておくことで、ユーザー目線に立ってデザインや見やすさ・使いやすさを改善していくことができます。
パソコンとスマホのどちらもで使いやすいようにしておくなど、ユーザーの使いやすさを意識してメンテナンスをしていくことで、ユーザーの満足度も自ずとアップしていきます。
運用体制を整える
導入後、チャットボットを効果的に運用していくために、運用体制を整えておくことが大切です。
チャットボットは、導入後も定期的なメンテナンスや運用の分析が欠かせません。そのため、運用を専任でおこなう担当者やチームをあらかじめ決めておく必要があるでしょう。
運用体制が整っていないと、回答の精度が上がらず、ユーザーからの苦情やクレームにも繋がりかねません。チャットボットを導入したことによって、逆にユーザーの満足度が下がってしまえば、元も子もないでしょう。
回答精度を向上させるためにも、ユーザー満足度を上げるためにも、あらかじめ運用体制を整えておくことは重要です。
有人体制も準備しておく
チャットボットは非常に有効なツールではあるものの、対応には限度があります。そのため、有人対応ができる体制も準備しておく必要があります。
チャットボットで対応できないような質問は複雑な内容であることが多いです。そのため、対応する担当者には、専門的な知識やコミュニケーション能力が求められます。
一定の水準以上の質問には、どうしても人間が対応する必要があると言えるでしょう。ユーザーの疑問を放置することのないよう、有人体制も準備しておくことが重要です。
また、有人対応に移行する場合、「チャットボット内で担当者がチャットで対応するのか」「電話に切り替えて担当者が対応するのか」など、体制に合ったシステムを構築しておく必要もあります。

効果を測定する
チャットボット導入後、運用効果を上げていくためには、効果測定が欠かせません。導入するツールでどのような効果測定ができるのかを事前に把握しておきましょう。
チャットボットの効果測定でよく使われる指標は、「回答率」「解決率」「CV数」の3つです。これらはそれぞれ下記のような数値を表します。
- 回答率:ユーザーの質問に回答できた割合
- 解決率:ユーザーの質問を解決できた割合
- CV数:チャットボットから運営側が目標とする行動に移行させられた数
回答率はユーザーの質問に「回答」できた割合であるのに対し、解決率はユーザーの質問を「解決」できた割合を指します。
この解決率は、チャットの最後に「解決されましたか?」という質問を設置しておき、その解答の「はい」の割合を計測することで把握できます。
またCV数からは、チャットボットの対応から資料請求や申し込みなどといった、こちらがゴールとして設定したアクションを起こした数が分かります。
これらの指標を知ることは、シナリオの見直しなどのメンテナンスに活かすことができるでしょう。
FAQチャットボットの活用方法
チャットボットは、ECサイトにおけるカスタマーサポートや、社内ヘルプデスクにおけるFAQ用など、さまざまな使い道があります。
ここでは、ビジネスシーンでどのようにチャットボットを活用できるのか、具体的にその方法を見ていきましょう。

カスタマーサポートとして
営業時間外でも問い合わせに24時間対応できるチャットボットは、カスタマーサポートとして活用できます。
有人対応をおこなうカスタマーサポートは属人化に陥りやすく、対応品質にも差が出てしまうことが多くあります。チャットボットを活用すれば、電話のようにユーザーを待機させることもなく、24時間365日問い合わせが可能です。
ただし、カスタマーサポートとして活用する場合、すべての対応をチャットボットに任せてしまうのは、顧客満足度の観点からもあまりおすすめできません。あくまでも「よくある質問」の解決にとどめておくと良いでしょう。

社内ヘルプデスクとして
社内ヘルプデスクにチャットボットを導入すると、担当部門の負担を減らすことができ、業務効率化が実現できます。
例えば、年末に向けて増える年末調整に関する質問、新入社員入社時に多く寄せられる質問など、時期的に増えるような定型的な質問に対しての対策をとれます。
質問のパターンや内容がある程度決まっている場合や、同じような質問が寄せられることが想定される場合は、シナリオも準備しやすく、チャットボットに対応を任せることで業務効率化が図れるでしょう。
チャットボットに基本的な対応を任せてしまえば、担当者の負担や人手不足が解消され、コア業務に取り組むリソースを確保できます。

接客ツールとして
現代ではコミュニケーションツールとしてLINEが普及し、企業も公式アカウントを所有していることが多くあります。
公式LINEアカウントと連携してトーク上にチャットボットを設置し、接客ツールとして使うのも一つの方法です。
アクティブユーザーの多いLINEとの連携は、顧客の利用ハードルを下げ、アプリ上で予約や購入が完結できるよう促せます。そのため、ECサイトなどとの親和性も高いと言えるでしょう。
多言語ツールとして
自動翻訳機能付きのチャットボットを導入すれば、多言語ツールとしても活用できます。
例えばインバウンド向け観光情報や、日本在住の外国人への生活情報の提供など、多言語対応が必要な場面は意外と多くあるものです。
多言語対応には、精通した社員を確保したり、翻訳を外部委託したりと何かとコストがかさむものです。自動翻訳機能付きのチャットボットを導入すれば、コストを抑えつつ、適切なコミュニケーションが可能になります。
FAQチャットボットのシナリオ作成のコツ
FAQチャットボットを利用するには、シナリオを作成する必要があります。シナリオとは、ユーザーとの会話内容のことで、これまで蓄積したFAQを整理して作ります。
ここでは、FAQチャットボットに欠かせないシナリオ作成のコツを解説しましょう。
目的を決める
まずは、FAQチャットボットを導入する目的を決定します。
- ユーザーからの問い合わせ数を減らす
- カスタマーサービスの負担を軽減する
- 社内向けに設置して総務部の対応数を減らす
このような目的が考えられます。目的が明確になると、複数のベンダーから適切なサービスを絞りやすくなるでしょう。
課題を抽出する
次に解決したい課題を抽出します。このとき、ユーザー目線でどのような点に疑問が持たれやすいか検討することが重要です。
課題を洗い出すとき、過去に多く寄せられたFAQを検討したり、現場担当者の温度感も確認したりしましょう。
また、複数の課題が見つかったとしても、すべてFAQチャットボットでカバーするのではなく、優先順位をつけることも大切です。ユーザーの不満や疑問が特に多い課題に集中し、その他の課題は運用後に随時追加を検討していくとよいでしょう。
シナリオを作成する
目的や課題がわかり、ベンダーへの依頼が決まったら、いよいよシナリオ作成です。
質問に対して表示する選択肢の数は、なるべく5つまでに抑えて、階層も5段階以内に設定しましょう。なかなか回答にたどり着けなければ、ユーザーが途中で離脱する恐れがあるからです。
シンプルで見やすいデザインで整え、選択肢は単語で提示するなど、わかりやすい表示を意識しましょう。シナリオを作成できたら、社内でテストを実施して、不具合がないか確認する必要があります。
チャットボットのメリットを活かしてサービス向上・業務効率化を目指そう
FAQチャットボットは、よく尋ねられる質問に対して自動で回答できるため、ユーザーと社内スタッフの双方にとって便利なツールです。
チャットボットは顧客に対してだけでなく、社内の従業員に対しても活用できるツールであり、さまざまな用途・目的で活躍してくれるでしょう。
株式会社サンソウシステムズが提供するチャットボットシステム「さっとFAQ」は、Excelでシナリオを作成してすぐに運用できるツールです。さっとFAQを使えば、ユーザーの疑問をチャットボットが解消し、お問い合わせ数を減らすことが可能です。
30日間の無料トライアルもご用意しておりますので、「まずは使って試してみたい」という方はぜひこの機会に導入をご検討ください。