「チャットボットでどのようなことができるのかわからない」
「チャットボットでできないことも知りたい」
チャットボットの導入を検討している方の中には、このように感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、チャットボットのメリットや、チャットボットでできることを5つご紹介します。また、チャットボットで対応できないことや、その対策方法についてもあわせて解説します。
チャットボットでできること・できないことを理解し、導入や検討の際の参考にしてください。
また、弊社が提供しているチャットボット「さっとFAQ」は、質問と回答の会話データをExcelに貼り付けるだけで、簡単に登録できます。使いやすさにもこだわっており、初心者の方にもおすすめです。
30日間の無料トライアルもありますので、「まずは使って試してみたい」という方は、これを機会にご検討ください。
チャットボットとは
チャットボットとは、簡単に言えば「チャットをするボット(=ロボット)」という意味で、リアルタイムで短い文章のやり取りを自動でおこなうプログラムのことです。
Webサイトを訪問した際に「何かお困りのことはありませんか」といったチャット画面が表示されることがありますが、これもチャットボットの一種です。
チャットボットは文字だけのやり取りをイメージされる方も多いかもしれませんが、音声でやり取りできるチャットボットも存在します。例えば、AppleのSiriもチャットボットの仕組みを活用しています。

チャットボットの種類
チャットボットは、会話する仕組みによって大きく2種類に分けられます。
1つめが「シナリオ型」です。
シナリオ型チャットボットは、あらかじめ設定されたシナリオ(筋書き)に沿って回答を返します。ユーザーが選択肢から項目を選び、単語を入力することで、回答が提示されます。
シナリオ型チャットボットは、シナリオにない内容には対応できないため、複雑な質問には向いていません。ただし、決められた回答を確実に提示できるため、誤った情報を伝えてはいけない場面では有効です。
もう1つのチャットボットの種類が「AI型」です。
近年発達しているAI(人工知能)を搭載したチャットボットは、過去の回答データを基に機械学習し、最適な回答を返します。
複雑な質問にも対応できますが、精度を高めるためには膨大なデータを学習させる必要があり、多くのリソースが必要となります。

チャットボットのメリット
チャットボットを活用することで、企業にはさまざまなメリットがあります。CVRや顧客満足度の向上だけでなく、採用活動や新人教育など、さまざまな場面で活用できます。
ここでは、チャットボットのメリットを紹介します。
複数の問い合わせに対して同時に対応できる
チャットボットのメリットの一つは、複数の顧客からの問い合わせを同時に処理できることです。従来の電話対応では、1件の問い合わせごとに必ず1名の担当者が必要となり、複数の顧客が同時に連絡してきた場合、回線の混雑や待ち時間が発生してしまいます。
チャットボットを導入すれば、複数の顧客が同時に質問しても、システムが自動的かつ迅速に応答できます。企業側は人的リソースを大幅に節約でき、従業員をより付加価値の高い業務に集中させることが可能です。
一方、顧客側にとっても、電話の順番待ちや営業時間外の制約を気にせず、いつでもすぐに回答を得られる点がメリットです。双方にメリットがあることで、顧客満足度の向上と業務効率化の両立が可能となります。
CVRの向上
チャットボットの導入は、企業のCVR向上に貢献します。なぜなら、Webサイトにチャットボット機能を配置することで、訪問者が疑問や不安を感じた瞬間に、手軽に質問できる環境を提供できるためです。
電話での問い合わせと比べると、チャットは心理的な負担が少なく、気軽に利用しやすいという特徴があります。従来は疑問を抱えたまま離脱していた潜在顧客とも接点を持てる点もメリットです。
購入や登録の途中で迷った際も、チャットを通じてすぐにサポートを受けられるため、フォーム記入の途中で離脱するのを防げます。顧客の購買意欲を維持し、最終的なコンバージョンにつなげる可能性が高まります。
顧客満足度の向上
チャットボットの導入は、顧客満足度の向上にも寄与します。従来のサポート体制では営業時間外の問い合わせに対応できませんでしたが、チャットボットを活用することで、深夜や休日でも即座に回答を提供できる点が大きなメリットです。
また、よくある質問や基本的な問い合わせをチャットボットが処理することで、サポートスタッフの負担が軽減されます。スタッフはより複雑で専門的な案件に集中できるようになり、1件あたりの対応品質が向上することもメリットの1つです。丁寧で適切なサポートを提供する余裕が生まれることで顧客満足度向上につながります。
さらに、即座に正確な情報を提供できるチャットボットの特性により、顧客の待ち時間が解消されることも特徴です。迅速な問題解決が実現される高品質なサービス提供により、企業への信頼度が高まり、長期的な顧客関係の構築に寄与します。
採用活動にも活用できる
チャットボットは顧客サポートだけでなく、人材採用の分野でも大きな効果を発揮します。採用専用ページやリクルートサイトにチャットボット機能を組み込み、採用プロセスの効率化を図ることができます。
採用シーズンの人事部門は、応募者対応や面接調整、書類選考など膨大な業務に追われがちです。採用時期に寄せられる「応募方法について」「選考スケジュール」「福利厚生の詳細」など、基本的な質問への対応だけでも相当な時間を要します。
チャットボットを活用することで、定型的な問い合わせに自動で応答できるため、人事担当者はより戦略的な業務に集中できます。候補者との面談準備や選考基準の検討など、本来注力すべき業務に十分な時間を割くことが可能です。
また、求職者側も時間を問わず疑問を解決できるため、応募意欲の維持にもつながり、優秀な人材の確保にも貢献します。
コスト削減が見込める
チャットボットの導入メリットとして、コスト削減効果も挙げられます。最も直接的な影響は人件費の圧縮です。従来、顧客対応や問い合わせ処理に多くの時間を費やしていた従業員が、より付加価値の高い業務に集中できることで、残業時間の短縮や業務効率化が実現し、人件費の削減につながります。
特にコールセンターを運営している企業では、チャットボットによる自動応答によって電話での問い合わせ件数が大幅に減少します。その結果、必要なオペレーター数を削減でき、外部委託費用の節約も可能です。電話対応よりも低コストで多くの顧客に対応できるため、運営費用の最適化が図れます。
一方で、システム構築費用やメンテナンス費用を含めて、長期的な視点で本当にコスト削減効果があるかを事前に慎重に検討することが重要です。適切な計画により、持続可能な経営改善を実現できます。
新人オペレーターの教育に活用できる
チャットボットは、新人教育の分野でも革新的な活用方法をもたらします。特にコールセンター業務においては、新人オペレーターの研修プロセスで大きな効果を発揮します。
従来の教育体制では、新人が疑問を抱いた際、先輩スタッフに質問する必要があり、そのたびに先輩の業務が中断されるという課題がありました。しかし、教育専用のチャットボットを導入することで、新人は24時間いつでも疑問点を解決できます。
業務マニュアルの内容から具体的な対応方法まで、幅広い質問に瞬時に回答を得られるため、学習効率が大幅に向上する点も大きなメリットです。
チャットボット導入により、先輩オペレーターは指導業務に時間を取られることなく、本来の顧客対応業務に専念できます。結果として、チーム全体の生産性向上と、新人の早期戦力化の両方を同時に実現可能です。また、一貫した教育内容を提供できるため、教育品質の標準化も図れます。
多言語の問い合わせに対応できる
チャットボット導入のメリットの一つは、多言語での顧客対応を効率的に実現できる点です。多くの企業では外国語に精通したスタッフが限られているため、海外からの問い合わせ1件に対しても多くの時間と労力を要するという課題を抱えています。
さらに、英語以外の言語、例えば中国語やベトナム語、タイ語などでの問い合わせとなると、対応できる人材が極めて少なく、翻訳ツールを使いながら手探りで対応せざるを得ないケースも多く見られます。このような状況では、適切な回答を提供するまでに長時間を要し、顧客満足度の低下につながりかねません。
多言語対応のチャットボットを活用することで、海外顧客や訪日観光客、在住外国人の方々が、母国語で自然に質問し、即座に適切な回答を得られる環境が整います。言語の壁を取り払うことで、グローバルな顧客基盤の拡大や、より包括的なサービスの提供が可能となります。
チャットボットでできること
チャットボットは自動でユーザーに回答するため、導入によって大きなメリットが得られます。ここでは、チャットボットで実現できることを5つにまとめ、それぞれ詳しくご紹介します。

問い合わせ対応の自動化
チャットボットを活用すれば、ユーザーからの問い合わせに自動で対応できます。シナリオ型・AI型いずれの場合も、簡単な問い合わせであれば十分に対応可能です。
ユーザーからの問い合わせ対応のために、大規模なコールセンターを整備し、多くの人員を雇用する必要もありません。限られたコストやリソースでもユーザーからの問い合わせに対応できる点がメリットです。

業務の効率化
チャットボットを導入すると、社内の業務も効率化します。
ユーザーからの一次応対をチャットボットがおこない、チャットボットでは難しい問い合わせにはスタッフが対応することで、スタッフの負担を軽減できます。その分のリソースを、重要な顧客へのサポートや緊急対応などに充てることが可能です。
また、簡単な問い合わせにはチャットボットが回答してくれるので、スタッフの問い合わせ対応に関わる工数が減少します。そのため残業の軽減や、ほかの業務を兼任できるメリットもあります。
24時間365日の問い合わせ対応
チャットボットは、眠らず体調を崩さず稼働できるため、24時間365日問い合わせに対応できます。スタッフの確保が難しい夜間や土日、年末年始などでも、問い合わせ対応が可能です。
特に、ECサイトや動画サービスなど、夜間や土日に多く利用されるWebサービスでは、これらの時間帯に問い合わせ対応ができないと、ユーザーからの問い合わせに応えられず、機会損失が発生する恐れがあります。
チャットボットを導入すればさまざまな時間帯のユーザーに対応できるため、ユーザーの満足度向上や機会損失減少につながります。
データ活用によるサービスの質向上
チャットボットとユーザーのやり取り履歴は、システム上に蓄積されます。チャットボットのデータを分析することで、ユーザーのニーズを把握することが可能です。
例えば「商品の購入方法がわからない」という質問が多い場合は、購入までの導線をわかりやすくしたり、購入ボタンを目立たせたりするなどの対策が考えられます。
また、蓄積されたデータを活用することで、サービスの改良や新商品の開発時にユーザーのニーズを反映させることができます。
チャットボットを通して収集したデータは、企業にとって大きな財産です。
社内ヘルプデスクとしての代替活用
チャットボットの活用方法は、ユーザーとのやり取りに限りません。社内のヘルプデスクとしても利用できます。
例えば、経理部や人事部などは、社内から「経費の精算方法を知りたい」「転勤するから手続き方法を教えて」などの問い合わせが多く寄せられます。このような質問に一つひとつ答えていては、自身の業務が進みません。
しかし、このようなよくある質問にチャットボットで対応できるように設定すれば、問い合わせ対応にかかる工数を削減でき、業務の効率化につながります。
その他、コールセンターや情報システム部などでも、チャットボットをヘルプデスクとして活用できます。
チャットボットは顧客対応するだけのものではなく、社内の生産性を向上させるためのツールとしても活用できるのです。
チャットボットでできないこと
チャットボットを活用するとさまざまなことが実現できる一方で、チャットボットの技術では対応できないこともいくつかあります。チャットボットを導入する際には、できないことも理解して対策を練っておきましょう。
クレームやトラブルの対応
チャットボットは、クレームやトラブルなど臨機応変な対応が求められる内容には十分に対応できません。あくまで、あらかじめ設定されたシナリオや機械学習によって学習した内容に基づく質問への対応を目的としているため、それ以上の柔軟な対応は現時点では難しいのが実情です。
迅速な判断が求められるトラブルや、心のこもった謝罪が必要となるクレームの場面では、実際に人が対応する必要があります。
「クレーム対応をしたくないからチャットボットに任せたい」といった理由でチャットボットを導入する場合、十分な効果は期待できないことを理解しておきましょう。
パーソナライズした対応
チャットボットは一人ひとりのユーザーにパーソナライズした対応にも不向きです。
例えば、ユーザーの相談を聞くことや、ユーザーに合わせてアドバイスすることは難しいので、人間のほうが適しています。
ツールによっては、Webの閲覧履歴や過去の問い合わせ履歴などから、簡単にパーソナライズできるものもあります。必要に応じて検討しましょう。
複雑で専門性の高い質問への回答
チャットボットは、あらかじめ用意されたシナリオや機械学習によって学習した内容に基づいて回答するため、複雑で専門性の高い質問への対応はあまり得意ではありません。
シナリオ型チャットボットで複雑な質問に対応できるようにするには、多様なシナリオを設定する必要があるため、多くの工数がかかります。また、AI型チャットボットの場合は、専門性の高い内容を学習させるために膨大なデータを読み込ませる必要があります。
複雑で専門性の高い質問への対応が必ずしも不可能というわけではありません。ただし、実現するためには多くのリソースが必要となる点に注意が必要です。
チャットボットの懸念点を解消する方法
チャットボットにはできないことがいくつかありますが、以下の対策を講じることで解消できる場合もあります。
有人対応と組み合わせる
チャットボットだけでユーザー対応をするのではなく、必要に応じて人間による有人対応も組み合わせる方法が効果的です。
チャットボットだけでは回答できる質問に限りがあるので、ユーザーの満足度は低下してしまいます。電話やメールなどで改めて問い合わせる必要もあるので、離脱を招くことも考えられます。
しかしチャットボットで一次対応をおこない、質問の内容によって有人対応に切り替えることでスムーズな顧客対応の実現が可能です。
「チャットボットと有人対応を連携するから」と言って膨大な人員を用意する必要はありません。すべての問い合わせに有人対応するよりもコストを抑えられるため、限られたリソースでも効率的に運用できます。
さまざまなパターンの回答や会話を設定しておく
なるべく人的リソースを削減したい場合は、あらかじめさまざまなパターンのシナリオを設定しておくのも1つの手です。
過去の問い合わせ履歴を参考にして想定できる質問をすべて洗い出し、対応する回答を設定しておきましょう。
最初は、シナリオ設定や機械学習のためのデータ読み込みなど、初期工数が非常にかかります。しかし一度設定すれば、チャットボットがさまざまな問い合わせパターンに対応できるため、人的リソースをほとんど割くことなく運用していけます。
チャットボットの導入に成功した事例
弊社が提供している月額1万円からスタートできるハイブリッド型チャットボットツール「さっとFAQ」を活用した事例を紹介します。

カスタマーセンターの負担を軽減|花キューピット株式会社
花キューピット株式会社は、遠方への配送を行わず、お届け先の近くにある花屋さんが直接商品を届けるサービスを展開しています。
同社ではカスタマーセンターを設置していましたが、人材の採用が難しいことや、適切な場所を確保するのが困難であることに加え、時期によって問い合わせの数に大きな差がありました。特に繁忙期には、対応しきれないほど多くの問い合わせが寄せられることもあったそうです。こうした状況から業務効率化にも限界を感じ、お客様自身で疑問を解決できるようにチャットボットの導入を決めました。
チャットボット「さっとFAQ」を導入した結果、注文内容の変更や領収書の発行方法など、基本的な質問については多くのお客様がチャットボットを使って自己解決していることがデータから明らかになっています。これにより、お客様の満足度が向上していると考えられます。
また、今後はカスタマーセンターのオペレーター向けに、ナレッジ共有ツールとしてもチャットボットの活用を検討しているとのことです。
参考:「お花を贈りたい」という思いに寄り添ってお客様の手間をチャットボットで軽減
ユーザーサポートの業務効率化 | 株式会社テンダ
株式会社テンダは「ホワイトカラーの業務効率化」を目指し、製品・サービスの開発をおこなうIT系企業です。数あるビジネスプロダクトは自社開発製品のため、製造販売からサービスなどのアフターフォローまですべて自社で展開しています。
今までは製品ごとにヘルプデスクを設置していましたが、製品やサービスの増加に伴い、問い合わせに対応する人員の不足が課題でした。
ユーザーサポートサイト内にチャットボット「さっとFAQ」を設置して質問の一部を対応させるようにしたところ、導入後半年でお問い合わせ全体の約2割をチャットボットに対応させることに成功しています。
休日夜間を問わず稼働できるチャットボットの働きにより、ユーザー満足度を向上させるだけでなく、社内の業務効率の改善に役立ちました。
参照:さっとFAQ:株式会社テンダ 様 導入後半年で2割のお問い合せを削減
業務効率を大幅に向上 | 株式会社学研メディカルサポート
株式会社学研メディカルサポートの事例は、チャットボット導入により社内業務の大幅な効率化を実現した成功事例です。学研メディカルサポートは医療従事者向けの教育支援サービスを展開しており、管理部門では人事から経理まで幅広い業務を担当していました。
導入前の課題として、社内からの問い合わせが集中し、特に同じ内容の質問が繰り返されることで、担当者の負担が増大していたことが挙げられます。また、膨大な社内マニュアルや資料の所在がわからず、情報共有に時間がかかる問題もありました。
チャットボット「さっとFAQ」導入後は、社員の行動に大きな変化があり、困った時にまず人に聞くのではなく、チャットボットで確認してから質問する文化が根付いています。基本的な問い合わせは自動で解決され、管理部門は本来注力すべき業務に集中できます。
さらに、マニュアルや資料の検索機能により、必要な情報への迅速なアクセスが可能となり、社内の情報共有体制も格段に向上しました。
参照:さっとFAQ:株式会社学研メディカルサポート 様 医療従事者に心とコンテンツの両面で寄り添うためにさっとFAQで業務効率を大幅に向上
チャットボットでできることを理解して活用しよう
チャットボットは問い合わせ対応だけのツールというイメージがあるかもしれませんが、実は業務効率化や顧客満足度向上などの効果も期待できます。チャットボットは使い方次第でさまざまなことができます。
ただしチャットボットは導入しただけで効果が出る「魔法のツール」ではありません。チャットボットができることだけでなく、できないことも理解し、自社に合わせた運用方法を見つけて活用しましょう。
「チャットボットはいろいろな種類があって、どれが良いかわからない」という人は、まずは簡単に利用できるものから始めてみることをおすすめします。

弊社サンソウシステムズが提供するチャットボット「さっとFAQ」は、質問と回答の会話データをExcelに貼り付けるだけで簡単に登録できます。また複雑な会話の流れも、シナリオ設定機能を活用すれば対応可能。
使いやすさを重視した「さっとFAQ」はチャットボット初心者にもおすすめ。30日間の無料トライアルもご用意しましたので、「まずは使ってみたい」という方はぜひお申し込みください。