私たちの日常生活やビジネスの場で、ますます頻繁に遭遇するようになったチャットボット。しかし、その実体や種類、導入に当たっての注意点など、詳しく知る人はまだまだ少ないかもしれません。
チャットボット導入を検討している方のなかには、「チャットボットの種類が多すぎて何を選んだら良いのかわからない」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。チャットボットの種類を一通り把握しておくことで、自社に適切なツールを選択できるため、課題の早期解決につながるでしょう。
本記事では、チャットボットの種類を紹介します。AIの有無・仕組み・機能別に分けてその特徴や活用シーンを詳しく解説していますので、チャットボット導入をご検討の方は、ぜひ参考にしてみてください。
株式会社サンソウシステムズでは、月額1万円から導入できるチャットボット『さっとFAQ』を提供しています。チャットボットを導入したことがない企業でも手軽に始められます。
30日間の無料トライアルも用意していますので、ぜひこの機会に導入をご検討ください。
チャットボットの概要
まずは、チャットボットとは何かについて解説します。どのように動作して、それがなぜ重要なのか、そしてチャットボットが直面する課題は何かについて深く掘り下げていきます。
これらを理解することで、この革新的な技術がビジネスや日常生活にどのように影響を与え、価値を提供しているかが明らかになるでしょう。
チャットボットとは
チャットボットは、人工知能(AI)を搭載したコンピュータープログラムの一種であり、インターネット上でユーザーと対話形式で情報の提供や質問への回答をおこないます。対話はテキストによるものが主流で、種類によっては音声を用いた対話も可能です。
企業の顧客サポートやヘルプデスク、eコマースなど、幅広い分野で利用されています。
以下の記事では、チャットボットとは何かについて詳しく解説しています。チャットボットについてより深く知りたい方は、ぜひご覧ください。
チャットボットの仕組み
チャットボットは、ユーザーの入力を解析し、内容に応じて適切な回答を生成します。これは事前にプログラムされたルールやアルゴリズムに基づいておこなわれます。
一部のチャットボットは、機械学習や自然言語処理の技術を利用して対話を理解し、より高度な回答も可能です。これにより、ユーザーが異なる表現や言い回しを使用した場合でもそのニーズを理解し、適切な対応ができるでしょう。
チャットボットを活用するメリット
チャットボットは、問い合わせ対応などの一部業務を人間の代わりにおこなうため、さまざまなメリットをもたらします。チャットボットを活用するメリットを詳しく見ていきましょう。
24時間対応が可能
チャットボットは、自動で問い合わせに対応できるため、24時間365日対応できる環境の構築が可能です。顧客は、時間帯・休日問わずチャットボットを利用して悩みや疑問をすぐに解決できます。
もちろん人間でも24時間の問い合わせ対応が可能ですが、人員の確保が必要です。加えて深夜の時間帯は人件費が多く発生するデメリットもあり、常に問い合わせ対応が可能な環境を構築する実現度は低いでしょう。
また、チャットボットは質問に対して即時に返答できます。しかし、人間が問い合わせ対応する場合、返答に時間を要する場合も少なくありません。
このように、コストを抑えつつ、24時間いつでも即時に悩みを解決できる点が代表的なメリットです。
問い合わせの負担が少ない
チャットボットは、問い合わせに対する負担が少なく、気軽に質問が可能です。
些細な疑問を解決したい場合にユーザーは、「わざわざ問い合わせするのはちょっと」などと人間に問い合わせることに対して心理的なハードルが生じます。なかには、電話が苦手なユーザーも少なくありません。
そこでチャットボットが設置されていれば気軽に質問でき、サービス・商品についての疑問を解消できるため、購入するきっかけにつながります。
特に社内における問い合わせでは、「同じ質問を何度もするのは申し訳ない」と躊躇する場合もあり、業務の遂行を妨げている場合もあります。チャットボットで質問に対する負担を軽減できれば、業務の遂行を円滑にできるでしょう。
品質の偏りがなくなる
チャットボットで問い合わせ対応をおこなうと返答内容が統一され、品質を一定にできます。
人間が問い合わせ対応をおこなう場合、人によって回答内容が違っていたり、すぐに答えられなかったりする場合があります。また、オペレーターの体調によって品質が低下する可能性も少なくありません。
品質の偏りは、離脱や顧客満足度の低下につながる原因の一つです。チャットボットが問い合わせに対応することで品質が安定し、顧客満足度の向上や離脱を防げるでしょう。
さらに、チャットボットの回答精度を高めれば、より満足度の高い問い合わせ対応が可能です。品質の偏りをなくし、より高い品質に上げられます。
問い合わせ担当の業務負担を軽減できる
チャットボットは人間に代わって問い合わせに対応するため、業務負担を軽減できます。
問い合わせ担当者は、問い合わせに追われたり、同じような質問に何度も答えたりするストレスに悩まされていることも少なくありません。よくある質問などはチャットボットで対応することで、業務負担やストレスを解消できます。
そのためコストも削減でき、空いた時間をより重要な業務に当てられるため、会社全体の生産性が向上できるでしょう。
顧客満足度の向上につながる
チャットボットでは、疑問や悩みを待つことなく、いつでも解消できるため、顧客満足度が向上します。コールセンターでは、夜間に稼働していなかったり、混雑していて待たなければいけなかったりと、疑問の解消までに時間がかかる場合があります。
チャットボットを導入すると、ユーザーがすぐに疑問を解消できる環境整備が可能です。結果的に顧客満足度が向上し、製品の購入やサービスの利用につながるでしょう。
また以下の記事では、チャットボットのメリットやデメリットについて、より詳しく解説しています。詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
チャットボットを活用する注意点
チャットボットを導入する際、いくつかのポイントに注意が必要です。導入を失敗しないためにも、あらかじめ押さえておきましょう。
すべてのユーザーに対応できない
特にシナリオ型のチャットボットでは、提示された選択肢の中から知りたい情報を選択して会話を進めていきます。そのため、知りたい情報が選択肢にない場合は、チャットボットで解決できません。
とはいえ、選択肢の量を増やせば良いわけではありません。選択肢が多いとユーザーの負担になり、チャットボットの利用率をかえって下げる可能性があります。
よくある質問を中心に選択肢を用意し、その他の質問は、有人対応できるよう環境整備が大切です。
費用や手間がかかる
チャットボットの導入する際、ユーザーからの想定される問い合わせ内容と、その回答をセットにしたFAQの作成が必要不可欠です。もちろん、すでに「よくある問い合わせ」を自社サイト内でまとめている場合は、それほど手間をかけずに導入が可能です。
しかし、ほとんどの場合はFAQの作成から必要になるため、運用開始までに手間と人件費がかかります。
また多くの場合、チャットボットは月額で費用が発生します。使いたい機能や規模によっては、追加で料金が発生する可能性もあります。そのため、チャットボットの導入を検討する場合は、導入・運用コストや人件費、手間がかかることを押さえておきましょう。
正答率を上げるためのメンテナンスが必要
実際に運用を開始しても、チャットボットの起動率やユーザーからのフィードバックによって、FAQのメンテナンスをおこなう必要があります。顧客満足度の向上には、正答率の向上が大切です。
運用開始後に定期的なメンテナンスを実施し、正答率を高められれば、製品の購入やサービスの利用を促進できるでしょう。
メンテナンスは担当者を選定しておこなうため、人件費が発生します。導入する前に、メンテナンスとそれに伴う人件費が発生することを把握しておきましょう。
【機能別】チャットボットの種類
チャットボットはその特性により、顧客サービスの向上や業務の効率化、エンターテイメントの提供など、さまざまな異なる目的で使用されています。以下では、これらの目的で使用される代表的なチャットボットの種類と詳細について、詳しく解説します。
FAQ型チャットボット
FAQ型チャットボットは、よくある質問(FAQ)データベースを活用して、一般的な質問に関する回答を提供します。基本的な疑問や困りごとに対する回答を素早く提供し、カスタマーサポートの負荷軽減が可能です。例えば、営業時間、価格、製品の仕様などの一般的な質問に即座に答えます。
処理代行型チャットボット
処理代行型チャットボットは、ユーザーの要求に応じて特定の処理やタスクを代行します。主に予約システムやフードデリバリーサービス、請求書の支払いなど、特定の業務を自動化するために使用されます。
処理代行型はユーザーの体験を改善し、人間の手間を省くことで業務効率の向上が可能です。
配信型チャットボット
配信型チャットボットは、最新の情報やニュースを配信するために、ブログやオンラインマガジンなど、お気に入りのWebサイトの最新情報と特定の情報を取得できる「RSSフィード」や「Webスクレイピング」などを活用します。ユーザーにリアルタイムの情報を提供するため、ニュースサイト、ブログ、金融市場の更新情報などに特に役立ちます。
雑談型チャットボット
雑談型チャットボットは、ユーザーとの対話を楽しむことが目的です。人間らしい会話を模倣する能力に重点を置いており、ゲームやエンターテイメントアプリケーションなどでよく見られます。
顧客サポート型チャットボット
顧客サポート型チャットボットは、顧客問い合わせへの対応や製品やサービスの情報提供をおこないます。主に顧客からの問い合わせの初回対応を自動化し、顧客体験を向上させるために使用されます。
顧客サポート型を導入することで、オペレーターによる初回対応が不要になるため、業務の効率化やコスト削減に役立つでしょう。
営業アシスト型チャットボット
営業アシスト型チャットボットは、営業活動をサポートします。主にリードの収集や質問への返答、アポイントメントのスケジュール調整などが可能です。
営業アシスト型は、営業チームがより生産的に働くためのツールとして使用されます。
【AIの有無別】チャットボットの種類
チャットボットの機能は、搭載しているAIの有無や、どの程度高度なAIが使用されているかにより大きく変わります。ここでは、AIの有無によるチャットボットの種類とその詳細を解説します。
AI非搭載:シナリオ型チャットボット
AI非搭載のシナリオ型チャットボットは、あらかじめ設定されたシナリオに基づいて応答をおこないます。主に、特定の質問や指示に対して事前に定義された応答をおこないます。
簡単なユーザーの要求には対応できますが、複雑な要求や未知の質問に対応する回答能力は限られているため、オペレーターによるサポートと併用しての使用が一般的です。
AI搭載:機械学習型チャットボット
機械学習型チャットボットは、大量のデータを学習し、自己学習をおこないながら会話を進めます。自然言語処理(NLP)や深層学習などの技術を用いて、人間のように学習・理解し、応答する能力が大きな特徴です。
しかし機械学習型は、今までに学習したデータを基に回答を生成するため、運用を開始する前にデータを用意して、ある程度学習させる必要があります。
独自AI型チャットボット
独自AI型チャットボットは、企業独自のAI技術を応用して会話を展開します。独自のAIアルゴリズムやデータセットを使用して、特定の業務や業界に特化した対話能力を持っています。
ハイブリッド型チャットボット
ハイブリッド型は、「シナリオ型」と後述する「辞書型」の両方の性質をあわせ持つチャットボットです。
シナリオ型のようにあらかじめ設定された選択肢に沿って会話を進められるだけでなく、事前にキーワードとそれに対する回答の組み合わせを登録でき、ユーザーからの質問に適切な回答を提示できます。
また、人間と連携しての対話も可能です。基本的な問い合わせはAIが対応し、複雑な問い合わせや判断が必要な場合は人間が介入すると効率よく顧客対応ができるでしょう。
弊社サンソウシステムズが提供するチャットボット「さっとFAQ」はハイブリッド型チャットボットです。低コストかつ、プログラミングの知識が不要なため、手軽に導入できます。
顧客満足度の向上や業務効率の改善を目指している方は、ぜひ試してみてください。
【仕組み別】チャットボットの種類
チャットボットはユーザーのニーズに対応するためにさまざまな種類が生まれました。これらの仕組みを理解することで、ビジネスやユーザーニーズに合ったチャットボットを選択できます。それではそれぞれの特徴を見てみましょう。
選択肢型チャットボット
選択肢型チャットボットは、ユーザーにあらかじめ設定された選択肢から選ぶ形式で応答をおこないます。選択肢を提示することで、ユーザーが質問を容易に選択できるため、迅速に回答が得られます。
チャットボット登場前は、質問を一つずつ電話で確認するのが一般的でした。しかし、選択肢型の登場によって聞き漏れの防止やユーザーの手間を省けるようになりました。
とはいえ選択肢が限られているため、ユーザーの独自の問い合わせへの対応が難しい点には注意が必要です。
辞書型チャットボット
辞書型チャットボットは、事前に用意した辞書データを基に応答します。ユーザーからの入力を解析し、それに対応する最適な応答を辞書データから探し出します。
これにより、ユーザーに対して一貫した情報の提供が可能です。
選択肢型&辞書型チャットボット
選択肢型&辞書型チャットボットは、選択肢と辞書の組み合わせを使用します。
選択肢を提供することで、ユーザーが欲しい情報を簡単に選択可能です。それに加えて辞書データによって、より詳細な情報を提供します。この二つの組み合わせにより、ユーザーは自分のニーズに適した情報を効率的に得られるのです。
ログ型(蓄積型)チャットボット
ログ型(蓄積型)チャットボットは、ユーザーの会話ログを蓄積し、それを基に応答をおこないます。ユーザーの過去の会話を分析し、それに基づいて回答するため、会話データが多いほど回答の精度が向上します。
これにより、ユーザーの好みや行動を理解してのサービス提供が可能です。また、ユーザーは選択肢から選ぶわけではなく質問を自由入力できるため、自然な会話ができるのも魅力の一つです。
AIドリブン型チャットボット
AIドリブン型チャットボットは、AI技術を活用してユーザーとの会話を進めます。自然言語処理(NLP)や機械学習、深層学習などの先進的なAI技術を使用してユーザーの言葉を理解し、適切な応答を生成します。
これにより、ユーザーは自然な会話体験ができるでしょう。
チャットボットを選ぶポイント
チャットボットの導入に失敗しないためには、ツール選びが重要です。ツールの選定を間違えると、使われなかったり、費用対効果が悪かったりする可能があります。
いくつかのポイントを押さえ、自社に最適なツールを選択しましょう。
目的に合った種類を選択する
自社の導入目的を明確にし、目的達成に最適な種類のチャットボットを選定します。
目的 | 種類 |
問い合わせ対応の効率化 | FAQ型チャットボット |
予約受付の自動化 | 処理代行型チャットボット |
顧客とのコミュニケーションを増やす | 雑談型チャットボット |
情報発信を増やして購入につなげる | 配信型チャットボット |
また、AI搭載の有無も重要です。AI搭載の有無は、どこまでの範囲をチャットボットに任せるかで判断します。例えば以下の指標を参考にしましょう。
- 問い合わせの種類が50未満:AI非搭載
- 問い合わせの種類が50以上:AI搭載
ただしAI型は、学習データの蓄積が必要で導入に時間がかかったり、AI非搭載に比べて費用が高かったりする可能性もあります。「すぐに導入して運用を開始したい」「なるべく低コストで導入したい」場合は、導入が簡単なツールやコストパフォーマンスに優れたツールを選ぶなど、導入時期や費用面も考慮して、ツールを選定しましょう。
サポートは充実しているかを確認する
チャットボットの導入から運用までサポートしてくれるツールがおすすめです。初めてチャットボットを導入する企業にとっては、導入・運用していると多くの疑問が出てくることでしょう。
そのため、導入サポートに加えて、自社の課題や目的に対して成果が出るよう運用をサポ―トするツールを選定します。例えば、利用状況から分析リポートを作成してくれたり、利用率向上のためのアドバイスをしてくれたりするツールを選ぶと、導入効果を高められるでしょう。
トライアル期間があるか
初めてチャットボットを導入する際は、トライアル期間があるツールを選びましょう。トライアル期間を活用し、自社の課題や目的に対してどのチャットボットが最適かの判断が可能です。
チャットボットの導入には、導入・ランニングコストや人件費など、決して安くないコストが発生します。トライアル期間を活用せず、自社に合わないツールを導入してしまっては、それらのコストや手間を無駄にしてしまいます。
必ずトライアル期間を活用して、自社の目的を達成できるのかを判断しましょう。
チャットボットの活用方法
続いてチャットボットの活用方法について見ていきましょう。
顧客対応が主な活用シーンと思われがちですが、ビジネスのさまざまな場面で応用できます。社内・社外問わず、あらゆる業務の効率化に貢献してくれるでしょう。
顧客の問い合わせ対応の自動化
チャットボットを活用することで、顧客の問い合わせ対応の自動化が可能です。
チャットボットは、顧客からの問い合わせをカスタマーサポートに代わって自動で受け答えします。そのため人件費をカットできるほか、工数の削減も可能です。
また窓口の自動化はコスト面だけでなく、24時間の受付も可能にし、顧客満足度の向上にも寄与するでしょう。
社内ヘルプデスク
チャットボットは、社内システム関連の問い合わせや総務・経理関連の質問を24時間365日、担当者に代わって対応できます。
「よくある問い合わせ内容」と「その回答」をチャットボットに組み込んでおけば、ユーザーの質問に対して自動で回答可能です。そのため、質問者の自己解決を促し、担当者の業務負担を軽減できます。
また、社内からのよくある問い合わせに関してもチャットボットに任せれば、企業の情シス・経理・総務などのバックオフィスの業務負担が解消され、メイン業務に集中する時間を確保できます。
顧客コミュニケーションによるマーケティング活動
チャットボットは、顧客コミュニケーションによるマーケティング活動にも有効活用できます。
チャットボットで問い合わせ対応を自動化すると、顧客対応の工数削減や顧客のストレスを軽減できます。その結果、新規ユーザーの満足度を高め、リピーター獲得につながりやすくなるのです。
また、チャットボットの回答を最適化することで、人間の手を介さずにコンバージョンへの誘導も可能です。チャットボットから資料請求や新規申し込み、商品購入などのコンバージョンに誘導できるよう設計し、新たなコンバージョンを獲得できます。
スケジュールの管理
チャットボットでは、スケジュールの予約も簡単におこなえます。
「今日の予定を教えてほしい」と問いかけると今日のスケジュールを表示してくれ、社外の予定があるのであれば、交通情報や天気情報なども表示してくれます。
また、スケジュール忘れ防止のために予定の5分前にアラートで知らせてくれる機能などもあるため、あらゆるビジネスシーンで有効活用できるでしょう。
勤怠管理
チャットボットを使用し、勤怠管理やシフト管理の一部をチャットボット化できます。これは社員や業務委託、パートの出退勤の打刻報告などで活用できるでしょう。
その他にも、タイムスタンプを送った時刻と位置情報を基に、勤怠管理システムに打刻も可能です。
チャットボットの導入事例
ここからは、チャットボットの導入事例を見ていきましょう。
チャットボットは、業種や業界を問わず、近年ではさまざまな企業に導入されています。利用目的は多岐にわたり、ビジネスにおけるさまざまな業務をサポートしてくれる存在です。
【株式会社テンダ】問い合わせ数を2割削減
マニュアル自動作成ソフト『Dojo』を提供する株式会社テンダでは、複数あるビジネスプロダクトへのヘルプデスクの一部として、チャットボットを活用しています。
同社では、ヘルプデスクの人員不足や受付時間が平日昼間に限られていることが理由で、リアルタイムでの対応が難しいという課題がありました。
顧客対応用にチャットボットを導入したところ、半年後には平均4割程度の質問数をチャットボットで解決できるようになりました。これは問い合わせ数全体の2割に相当し、社内の負担軽減につながっています。
今後はチャットボットで解決できる質問数を、段階的に増加させる予定だそうです。
【宇津救命丸株式会社】電話による問い合わせを削減
宇津救命丸株式会社は、風邪薬やスキンケアなど多岐にわたる医薬品を開発し販売している会社です。同社は消費者からの問い合わせ対応における、電話に代わるツールとしてチャットボットを活用しています。
毎月50件以上ある消費者からの問い合わせに対し、限られた社員数で効率的に対応する必要がありました。しかし、問い合わせ内容のほとんどは、特定の商品に関することや定型的な内容の問い合わせであったため「よくある質問」で効率的に対応し、複雑な問い合わせへの対応に注力する方法を模索していたと言います。
同社はテレワークの導入をきっかけに、効率的な問い合わせ対応のための新たな取り組みとして、チャットボットの導入を決定しました。
お客様相談室用に元々用意してあったExcelをそのまま活用できることや、簡単にチャットボットを作れるという点が決め手となり、「さっとFAQ」を導入しています。週2,3時間の作業時間を取り、約2カ月でリリースできました。
リリース後もメンテナンスを重ね、現在ではリリース当初よりもチャット開始率を20%向上させることに成功しています。さらに、同社はチャットボットを導入したことで電話による問い合わせが2割ほど減少しました。
問い合わせが減った分、複雑な問い合わせに対応するための時間をより多く作り出せ、従業員の業務範囲の拡大にも成功しています。
【花キューピット株式会社】回答精度を工夫して顧客満足度が向上
フラワーギフトの受注事業を展開する花キューピット株式会社は、カスタマーセンターを取り巻く環境の改善のためにチャットボットを導入しました。
同社のカスタマーセンターは、外的要因として人材の採用難やロケーション確保、内的要因として商品の特性上、繁閑の差が激しいという課題があったそうです。特に、母の日などの繁忙期には問い合わせに対応しきれない状況が発生していました。
業務を効率化するだけでは限界があると感じ、顧客に自己解決を促すツールとしてチャットボット「さっとFAQ」を導入したそうです。導入後、利用者数やチャット回数を見ると、母の日の前後は平均の約2.5倍も利用されていることが明らかになりました。
最初は問い合わせの内容にほとんど回答できていなかったそうですが、データを分析しさまざまな問い合わせに対応できるように回答を工夫して、精度を上げていきました。基本的な質問はチャットボットで自己解決できているデータが取れており、顧客満足度の向上にも直結していると考えているそうです。
参照:「お花を贈りたい」という思いに寄り添って お客様の手間をチャットボットで軽減
チャットボットの作り方と手順
チャットボットの導入を検討し始めた方は「チャットボットの作り方が知りたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。この章では、チャットボットの作り方を具体的に解説していきます。
チャットボットベンダーが提供するチャットボット作成ツールを使えば、プログラミング知識がない方でも簡単にチャットボットの構築が可能です。
STEP1:チャットボットの導入目的を決める
まずは、チャットボットの導入目的を明確にしましょう。
目的を明確にすることで、チャットボット導入に携わる社員やベンダーの担当者と認識を共有でき、目的に合ったチャットボットを導入できるためです。
例えば、チャットボットの導入目的には以下が挙げられます。
- コールセンターへの入電数を削減したい
- 社員から管理部門に寄せられる問い合わせを減らしたい
- Webサイトでユーザーの離脱率を改善し、顧客満足度を高めたい
上記のような目的を設定することで「目的を達成するためにどのチャットボットを導入すれば良いのか」比較検討しやすくなります。
STEP2:チャットボットのベンダーを決める
チャットボットを自社で開発するのもひとつの手ですが、1から自社でチャットボットを構築するよりも、チャットボットベンダーを選定するほうが費用対効果は高いです。
チャットボットの作成や運用ノウハウがない企業にとって自社開発は非常にハードルが高いため、チャットボットを導入する際はチャットボットベンダーを選ぶと良いでしょう。
STEP3:シナリオのフォーマットを用意
次にシナリオフォーマットを用意しましょう。WebサイトのFAQのデータや社内のマニュアルを基に、フォーマットに沿ったExcelデータを作成すればチャットボットの原型ができ上がります。
FAQのデータやマニュアルが社内にない場合でも、チャットボットベンダーによってはQ&Aデータの作成をサポートしてくれる場合もあります。
STEP4:実際にチャットボットを構築
シナリオ構成が整理されたら、実際にチャットボットを構築していきます。
チャットボットの初期構築は、担当者の高度なノウハウが求められる作業です。良いチャットボットを作る上では非常に重要な工程のため、初期構築はチャットボットに精通した担当者がおこなうべきでしょう。
STEP5:チャットボットのテスト
チャットボットの設定が完了したら、公開前に実際にテストをおこない、正しい回答を返せるか確認してみましょう。
シナリオ型の場合、クリックしながら最終回答までスムーズにたどり着けるかをテストします。AI型の場合は、キーワードを入力し、正しい回答が返ってくるかを実際に確認します。
思うような結果が得られなかった場合には、修正や調整が必要です。あらゆるパターンをチェックし、回答精度を高めていきましょう
STEP6:チャットボットの設置場所を決める
チャットボットの設置場所を決めていきます。
チャットボットで成果を出すためには「チャットボットを設置する場所」が非常に重要です。なぜなら、問い合わせをしたいユーザーがチャットボットの存在に気が付かなければ、チャットボットの利用率が上がらず、目的を達成できないからです。
例えば、Webサイトにチャットボットを設置する場合、対象ページに専用のタグを挿入します。ベンダーによってはチャットツールやグループウエアと連携して設置することも可能です。
ユーザーが疑問を持ったときにすぐチャットボットを利用できるよう、設置場所をしっかりと検討してみましょう。
STEP7:チャットボットを公開する
すべての工程が完了したら、いよいよチャットボットを本番環境で公開します。
社内サポートでの利用の場合には、チャットボットの公開をアナウンスして認知度を向上させましょう。カスタマーサポート利用の場合もサイトにお知らせ投稿をするなど、より多くの人に利用してもらえるような工夫が大切です。
おすすめのチャットボット3選
最後に、おすすめのチャットボットを紹介していきます。自社にマッチしそうなチャットボットが見つかれば、ぜひ導入を検討してみてください。
シナリオ型:さっとFAQ
『さっとFAQ』は、Excelに質問と回答を入力して登録するだけで、すぐに利用できるチャットボットです。Excelで初期設定ができるため、チャットボットを初めて導入する企業でも運用しやすいでしょう。
シナリオ形式の会話に対応しており、一問一答だけでなく複雑な問い合わせにも対応できます。また、月額1万円のプランから利用できるため、リーズナブルに運用できる点もメリットです。
シナリオ型:sinclo
『sinclo(シンクロ)』は、特許取得済のWebチャットボット接客ツールです。Webマーケティングやカスタマーサポートでよく活用されています。
オートメッセージ機能を使い、ユーザーの今のニーズに合わせて話しかけられるため、コンバージョン率の改善が期待できます。さらに有人対応機能も搭載されており、ハイブリッドな顧客対応が可能です。
また、ユーザーファーストで設計されているため、マニュアルなしでも直感的に操作できる管理画面も大きな特徴です。
AI型:hachidori
『hachidori(ハチドリ)』は、マーケティングの支援も可能なAIチャットボットです。
顧客や社員からの質問に回答するだけでなく、LINEを活用し、つながりのあるユーザーにキャンペーン情報やメッセージを配信できます。
商品の購入日から2日後や2週間後など、あらかじめ決めたタイミングでメッセージを配信し、ユーザーごとにプロモーションやリマインドメッセージの送信が可能です。
チャットボットの種類を理解して、自社にあったサービスを選択
今回の記事では、チャットボットの種類について解説しました。
チャットボットは、機械学習型のAIを搭載したものと、AI非搭載でシナリオをベースに会話をするシナリオ(ルールベース)型チャットボットの大きく2つに分けられます。
仕組み別に分けた分類は、ログ型、辞書型、選択肢型、選択肢型&辞書型、AIドリブン型の5種類です。それぞれの分類にはメリットやデメリットがあり、特徴に応じて使い道が分かれます。
自社に合ったチャットボットを見つけるためには、チャットボットの分類や用途を理解し、どのようなシーンで使いたいのかを明確にしましょう。
また、弊社サンソウシステムズでは月額1万円から導入できる『さっとFAQ』というチャットボットツールを提供しています。Excelから会話データを作成でき、ノーコードでシナリオ作成やアンケート機能の実装が可能です。
30日間の無料トライアルもご用意したので、「まずは使って試してみたい」という方は、ぜひこの機会にお申し込みください。