チャットボットは、ECサイトやWebサイト上でユーザーの質問や疑問に会話形式で回答するシステムです。チャットボットの導入により顧客満足度の向上や業務効率化を見込めることから、近年多くの企業で導入が進んでいます。
チャットボットの効果を測定するにはKPIを用い、その項目は企業のCV(コンバージョン)によって異なるのが一般的です。
今回の記事では、チャットボットの導入効果がわかりやすくなる効果測定の指数やその測定方法について紹介します。
弊社サンソウシステムズが運営するチャットボット「さっとFAQ」は、会話履歴からデータを分析できるため、効果検証と改善活動がしやすい設計です。会話データはExcelで作成できるため、ノーコードで導入できます。
月額1万円からのコストパフォーマンスの高さも魅力的です。30日間の無料トライアルもありますので、ぜひこの機会に導入をご検討ください。
チャットボット導入で得られる効果
チャットボットにはさまざまな活用方法があります。ユーザーの問題に回答するカスタマーサポートツールや、ユーザーとのコミュニケーションから動向を見るためのマーケティングツールなどがあり、それぞれ期待できる効果が異なります。
以下では、チャットボットの導入で得られる効果を見ていきましょう。
顧客満足度向上
チャットボットに最も期待できる効果は顧客満足度の向上です。ユーザーは、休日や早朝・深夜など企業の営業時間を気にせずに質問できるため、電話やメールよりも気軽に扱えます。
チャットボットでは、これまでの問い合わせ方法のように電話口で何分も待ったり、メールでの返信に数日を要したりせず、すぐに問題を解決できます。そのため、顧客のストレスを大幅に軽減できるのです。
また、チャットボットはコールセンターの品質の均一化にも効果的です。有人対応の場合、オペレーターの経験や知識の差で回答内容が変わってしまうこともあるでしょう。チャットボットはあらかじめ作成してあるシナリオをもとに回答をするため、偏りがなく、対応品質が安定します。
業務効率化
チャットボット導入で得られる効果は顧客に対してだけではなく、企業側に対しても発揮されます。
例えばカスタマーサービスでは、FAQなどの簡単な質問をチャットボットに回答させ、チャットボットが回答できない複雑な質問を有人対応にするなどの活用が考えられます。これにより、人員削減を実現し、業務効率化につなげられるのです。
また、チャットボットは残業代や研修費の削減にも効果が期待できます。新たに捻出した時間で業務改善に取り組むことも可能になるでしょう。
オペレーターの負担軽減
コールセンターでチャットボットを活用する場合、オペレーターによる有人対応とチャットボットの自動対応を併用することで、オペレーターの負担を軽減できます。今まで、すべての問い合わせにオペレーターが対応していたのを、チャットボットの自動対応に任せることで入電数を減らせば、オペレーター稼働率の適正化が可能です。
オペレーターは人間ですので、業務によって少なからず疲れやストレスなどを感じてしまいます。問い合わせに追われて業務がひっ迫している企業もあるでしょう。
簡単な質問はチャットボットに対応させ、チャットボットで応えられない質問にのみオペレーターで対応する仕組みを構築すれば、オペレーターも余裕を持った対応ができます。負担を軽減することで、応対品質の向上や生産性改善などの効果も期待できます。
CVR改善
チャットボットを導入すると、マーケティングやCV率向上の観点からも効果を実感できます。チャットボットはユーザーの疑問だけではなく、ニーズや希望をヒアリングして顧客一人ひとりに最適な回答の提案が可能です。
チャットボットがあれば、ユーザーは気になる点や疑問を解決しながらサイト上を回遊できます。「電話がつながらない」「メールの返信が遅い」といったトラブルもなく、顧客体験を向上できるのです。顧客体験の向上は、満足度や信頼度の向上にもつながり、その結果CVRを改善できると考えられています。
問い合わせのほかにも、資料請求、商品やサービスの購入なども期待できるでしょう。
チャットボットの効果測定の重要性
チャットボットを導入する目的は企業によりさまざまですが、導入するだけで終わりではありません。目的を達成するためには、目標を数値化し定期的に効果測定をおこない、改善・実践のPDCAを回していくことが重要です。
効果測定をおこなわなければ、チャットボットを導入して効果があったのかわからないため、導入する価値があったのか判断できません。費用対効果が得られたのか、得られていない場合はどのような改善が必要なのか考えるためにも、必ずおこないましょう。
弊社サンソウシステムズが運営する「さっとFAQ」には専用ダッシュボードがあり、分析も簡単におこなえます。チャットボットで応えられていない質問を素早くキャッチし、PDCAサイクルを回して運用するのに役立てられるでしょう。
ノーコードで導入できるため、専門的な知識は不要です。30日間の無料トライアルも利用できますので、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
チャットボットの効果測定の方法
チャットボットは導入して終わりではなく、導入後の運用も重要です。導入効果を測定・検証し、定期的に改善していく仕組みを構築しましょう。
ユーザーからの質問に正しく回答できているのか、どの程度の回答ができているのかなど、さまざまな観点からデータを集めて検証します。効果測定の手順は以下の通りです。
- チャットボットのゴール(目標数値)の設定
- KPI・検証期間の設定
- データ収集・測定
- チャットボット導入前後の比較
まずは、チャットボットの導入で何を達成したいのかを決定します。ゴールは、具体的かつ適切な値で設定しておくことが大切です。定性的な項目だけではなく、あらゆる指標で定量的かつ客観的に測定することが重要になってきます。
測定項目はチャットボットの効果を客観的に測定するため、KPIの指数をもとに決定していきます。KPI(Key Performance Indicator)とは重要業績評価指標のことで、目標の達成度合いを測定するための指数です。達成度合いを指標で明確にすることで、目標に対してどの程度近づいているのかが一目でわかります。
検証するKPIや検証期間、目標数値を設定したら、データ収集と測定を実施します。データはチャットボット導入前と導入後両方のものを収集して比較・検証しましょう。改善された箇所・悪化した箇所に着目して、要因を探し、改善方法を検討します。
定期的に効果測定を実施することで、チャットボットをさらに効果的に活用できるようになるでしょう。
チャットボットの効果測定(KPI設定)のポイント
チャットボット導入のKPIには具体的にどのような項目があるのでしょうか。ここでは、チャットボットのKPIの意味や測定方法について詳しく説明していきます。
チャットボット使用率
まずはチャットボットの使用率について測定します。必要な項目は以下の通りです。
- チャットボットの起動数
- アクション数
- 使用開始率
チャットボットの起動数は、ユーザーの画面にチャットボットが表示された回数です。極端に数値が少ない場合、チャットボットの設定やUIに問題のある可能性が考えられます。チャットボットの起動数は、チャットボット自体が適切な場所に設置されて利用されているのかを判断する材料となります。
チャットボットのアクション数は、ユーザーがチャットボット上でアクションを起こした回数です。メッセージを送信した回数や何かしらの選択肢を選んだ行動の回数を指します。数値が少ない場合は、チャットボットを出現させるタイミングやチャット欄が表示されたときのメッセージなど、ユーザーへのアプローチ方法に問題があるかもしれません。
チャットボットの使用開始率は、起動率に対するアクション数の割合です。数値が大きいほどチャットボットを使用したユーザーが多く、良好な結果であると言えます。
チャットボットでのお問い合わせ件数
次にチャットボットの回答に焦点を置いた数値を測定します。必要な項目は以下の通りです。
- チャットボットでの対応数
- チャットボットの回答数
- 解決数
チャットボットでの対応数は、前の項で紹介したチャットボットの起動数の中で、チャットボットが実際に対応した回数です。対応数が低い場合は、チャットボットを表示させるタイミングや表示したときの初期メッセージを見直すことで、改善できる可能性があります。
チャットボットは、あらかじめ用意された質問と回答のシナリオに沿って回答します。回答率は、ユーザーの質問に対してシナリオ通りに正しい回答ができているかを表す数値です。
チャットボットはシナリオにない質問は想定していないため、回答ができません。そのため、回答率が低い場合はシナリオの見直しが必要です。
解決数は、チャットボットの回答にユーザーがどのくらい満足したのかを測る数値です。チャットボットの有用性や、顧客満足度を測るための重要な数値なので、解決できなかった問題を一つずつ抽出して精査しましょう。
チャットボットの回答の最後に、「この回答は役に立ちましたか?」など、「はい/いいえ」で答えられる問いかけを組み込むと、解決数を割り出すのに役立ちます。
有人対応率
有人対応率は、チャットボットの導入で業務効率化の効果の測定に役立つ指数です。
有人対応率を測ることで、チャットボット導入により、問い合わせ窓口に変化が合ったかどうかを見極められます。チャットボット導入前よりも有人対応率が下がっていれば、導入効果を実証できるでしょう。
期待した効果を得られているか確かめるには、ある程度の期間を設け、有人対応をした件数と時間帯を測定するのが有効です。
チャットボット満足度
前項で紹介した回答とは別に、チャットボットのサービスそのものに満足してもらえているかを測定します。
問い合わせの回答が一通り完了したところで、「今回の対応に満足していただけましたか?」というアンケートを表示させ、回答を集計して測定する方法が一般的です。
これらの結果をもとに、回答の分かりやすさや親しみやすさ、使い勝手など、サービス全体で改善できる点がないか確認してみましょう。
サイト誘導数
サイト誘導数は、チャットボットの提案後に、ユーザーが想定したサイトへ移行しているかどうかを表す数値です。チャットボットから商品・サービスサイトへの移行を目的とする場合は、この数値を測定することも重要であると言えます。
チャットボットの対応がユーザーの意図を得ていれば、スムーズに目的のページに誘導でき、商品の購入率や問い合わせ件数も向上します。そのためには、チャットボットの適切なシナリオが大切です。思うようにサイト誘導数が伸びない場合は、シナリオの見直しやコンテンツの最適化を検討してみてください。
CVR
チャットボット経由で、いかにユーザーの購買行動を引き出せたかを測定します。数値が高いほど、チャットボットを導入した効果が現れています。あわせて、チャットボットを通さずに獲得したWebサイトでのCV率、Webサイト以外の電話やメールなど、他のチャネルからのCV率にも着目しましょう。
チャットボット導入前後に加え、他チャネルからのCV率も計ると、チャットボットの導入効果をより正確に調べられるでしょう。
何をコンバージョンとするかはサイトによって異なります。チャットボットに関係するコンバージョンとして考えられるのは以下のようなものです。
- 商品やサービスの購入
- 商品やサービスについての問い合わせ
- 資料請求やダウンロード
- サンプル申し込み
- プロモーション動画の再生
自社のコンバージョンは何なのか検討した上で、データを抽出・測定しましょう。
社員の勤務時間
チャットボット導入前後における、オペレーターの対応件数・時間の変化も重要なKPIの一つです。電話対応やメール対応など、有人対応の件数が減っている場合は、チャットボットの効果が実証されていると言えるでしょう。
特に、チャットボットの導入目的を「有人の応対件数削減」と掲げている場合は、目的を達成できているかを定期的に確認することが重要です。
また、オペレーターの勤務時間を測定することは、「コストが削減できているか?」の指標にもなります。ユーザーの問題の多くをチャットボットで対応できれば効率よく問題を解決できるため、社員・オペレーターの勤務時間は自ずと減っていくはずです。
チャットボットの効果測定で得られる効果
ここでは、チャットボットの効果測定をおこなうことで得られる効果を解説します。
チャットボットの効果測定をおこなうことは問題点の把握だけではなく、今後の企業の方向性を定めるのにも効果的です。
チャットボットの利用率向上
チャットボットの効果測定をおこない、改善・実践を重ねることで、チャットボットの利用率が向上します。
チャットボットは導入するだけで効果が表れるものではなく、使ってもらわなければ意味がありません。効果測定をおこなわなければ、より使ってもらえるように改善もできないのです。
効果測定を定期的におこない、問題点を解決しながらチャットボットのブラッシュアップを続けることで、よりチャットボットを使ってもらえるようになります。
問い合わせ数の減少
チャットボットの効果測定をおこなうことで、オペレーターが対応する電話やメールの問い合わせ数減少が期待できます。これを目的にチャットボットを導入する企業も多いのではないでしょうか。
電話やメールでの問い合わせ対応に追われてしまうと、オペレーターの業務はひっ迫します。よくある問い合わせの見直しや追加をおこない、効果測定をもとに改善を繰り返すことで、有人で対応すべき問い合わせの数を減らすことが可能です。
オペレーターの勤務時間減少
チャットボット導入後に電話やメールでの有人対応数が、どれほど変わったかの効果を測定することで、オペレーターの勤務時間減少につながります。よくある問い合わせにチャットボットで自動対応できれば、本来有人対応をおこなうべき問い合わせにのみオペレーターが対応すればよくなるのです。
問い合わせ数の減少を目的としてチャットボットを導入する場合は、有人対応数をKPIに組み込むことを忘れないようにしましょう。
チャットボット「さっとFAQ」を活用した成功事例
ここでは、弊社サンソウシステムズが提供している、月額1万円からスタートできるハイブリッド型チャットボットツール「さっとFAQ」を活用した事例について紹介します。
実際の企業の事例ですので、活用イメージがわかない場合の参考にしてみてください。
カスタマーセンターの負担を軽減|花キューピット株式会社
花キューピット株式会社は、遠距離の配送をおこなうことなく、お届け先の近くの花屋さんが直接商品を届ける受注サービスを展開しています。
同社はカスタマーセンターを設置していたものの、人材採用が困難であったりロケーションの確保が難しかったりといった課題がありました。ほかにも、時期によって繁閑の差が激しく、繁忙期にはオペレーターが受けきれないほどの問い合わせが寄せられてしまう状況も多発。業務効率化にも限界を感じ、お客様に疑問を自己解決してもらうためにチャットボット「さっとFAQ」を導入しました。
導入した結果、注文の変更や領収書の発行方法など、基本的な質問はチャットボットでお客様自身で解決していることがデータからわかっているそうです。最初はお客様からの質問に正確に回答ができていなかったようですが、効果測定と改善を繰り返すことで、多くの問い合わせに対応できるようになりました。まさに、お客様の満足度向上に直結していると考えられるでしょう。
さらに、今後はカスタマーセンターでオペレーター向けのナレッジ共有ツールとして、チャットボットの活動を検討しているとのことです。
参考:「お花を贈りたい」という思いに寄り添ってお客様の手間をチャットボットで軽減
ユーザーサポートの業務効率化 | 株式会社テンダ
株式会社テンダは「ホワイトカラーの業務効率化」を目指し、製品・サービスの開発をおこなうIT系企業です。数あるビジネスプロダクトは自社開発製品のため、製造販売からサービスなどのアフターフォローまですべて自社で展開しています。
これまでは製品ごとにヘルプデスクを設置していたそうですが、製品やサービスの増加に伴い、問い合わせに対応する人員の不足が課題だったと言います。
ユーザーサポートサイト内にチャットボット「さっとFAQ」を設置して質問の一部を対応させるようにしたところ、導入後半年でお問い合わせ全体の約2割をチャットボットに対応させることに成功しました。
休日・夜間を問わず稼働できるチャットボットの働きにより、ユーザー満足度を向上させるだけではなく、社内の業務効率の改善に役立った事例です。
運用開始後2ヶ月で3,400コール|株式会社セプテーニ・ホールディングス
ネットマーケティングやメディアコンテンツ事業などを手がける株式会社セプテーニ・ホールディングスは、新卒採用において、学生への情報提供とコミュニケーションの手法に課題があると考えていたそうです。
そこで、新卒採用サイトでチャットボット「さっとFAQ」を導入。採用サイト上と「マイページ」と呼ばれる個人ページに設置し、チャットボットを通じて学生とのコミュニケーションを密に取れる体制を構築しました。
導入後はたった2ヵ月で3,400件もの会話(質問と回答の対が1会話)が発生し、学生に有益な情報を提供できるようになったと言います。採用サイトとのデザインの親和性や回答内容、操作性が優れていることが利用につながっていると感じているそうです。
今後は説明会の参加案内や離脱防止について工夫をしながら、チャットボット上の会話を洗練させる準備も進めています。
某動病院グループで問い合わせ数減少
某動物病院グループは、利用者からの問い合わせ対応の工数に課題を持っていました。日本国内に同グループの病院が多くあり、それぞれの病院に共通的な質問が寄せられる傾向にありました。
そこで同グループは、問い合わせ対応の一次受けとしてWebサイトにチャットボットを設置します。数値としての効果測定はまだ正確にはできていないものの、よくある問い合わせ数の減少については一定の効果がみられたと言います。
さらに、チャットボットの履歴に残された利用者の質問傾向から、Web予約システムが必要だと判断し、開発にも着手し始めました。
チャットボットの効果測定をおこなう過程で、新たなニーズを発掘できた好事例だと言えるでしょう。
チャットボットの効果測定を日常業務に
今回の記事では、チャットボットの導入効果を測定する方法について詳しく紹介しました。
チャットボットの効果を測定するには、自社で設置したKPIを測定します。チャットボット導入前後のKPIを計ることで、効果が現れているのかを判断できるでしょう。
導入後も日常業務として定期的にKPIを測定することで、数値の変化を敏感に察知し、チャットボットがうまく運用できているのかが分かるようになります。
弊社サンソウシステムズが運営する「さっとFAQ」では、会話履歴からデータを分析できる、問い合わせに特化したFAQチャットボットを提供しています。
Excelから簡単に会話データを作成でき、チャットボット初心者にもやさしい設計です。直感的に操作できる専用ダッシュボードを備えているため、効果測定も簡単におこなえます。月額1万円から利用できるコストパフォーマンスも魅力的です。
30日間の無料トライアルもありますので、ぜひこの機会に導入をご検討ください。