近年多くの企業で導入されて注目を集めつつあるチャットボットですが、「チャットボットは導入しても失敗する」という声があるのも事実です。
チャットボットの導入には月々のランニングコストだけでなく初期費用や運用の手間がかかるので、なるべくなら失敗を避けたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
今回はチャットボットのよくある失敗事例とチャットボット導入を成功させるための方法をお伝えします。
また、弊社サンソウシステムズで提供している月額1万円から導入できるチャットボットツール「さっとFAQ」は、30日間の無料トライアルがあるため、「まずは使ってチャットボットの効果を体感したい」という方にもおすすめです。
ぜひ、この機会に導入をご検討ください。

チャットボットとは
チャットボットとは「チャット」と「ボット」を組み合わせた言葉で、人工知能を活用してユーザーからの質問に自動で返答するプログラムのことを指します。
「チャット」はインターネットを活用した、リアルタイムコミュニケーションのことで、主にテキストを双方向でやり取りする仕組みを指します。「ボット」はロボットの略で、人間に代わって一定のタスクや処理を自動化するためのプログラムのことです。
チャットボットは「シナリオ型」と「AI搭載型」の2種類が存在しています。シナリオ型はカスタマーサポート業務を代行させるのに向いているシステムです。ルール通りの動きしかできないデメリットがありますが、導入費用やランニングコストがAI搭載型と比べて安く、データベースが用意されていれば簡単に構築できます。
一方AI搭載型はECサイトにおける接客や予約代行サービスなどに利用されることの多いシステムです。
回答精度を上げるために大量のデータが必要であるといったデメリットもありますが、シナリオ型と比較するとより複雑で幅広い質問にも回答できます。24時間365日稼働できるメリットもあるので、営業機会の損失も減らせるのです。

チャットボットのよくある失敗事例
チャットボットを導入したものの「期待していたような効果が得られなかった」とお悩みではありませんか?ここではチャットボットによくある失敗事例を紹介します。

チャットボットの学習期間を失念している
AI搭載型のチャットボットには導入後しばらくの間、会話の精度を上げるための「学習期間」が必要です。チャットボットを導入しても学習期間のうちは高い効果が得られないことを念頭に置いておきましょう。
そのため、チャットボットの学習やメンテナンスにかかる時間や人材を用意できない企業はチャットボットを有効活用できない可能性があります。
ただし、学習時間を十分に確保していても効果が実感できない場合は、チャットボットが合っていない可能性もあるので、設定の再検討やチャットボットシステム自体の見直しをおすすめします。
使いづらいチャットボットを導入している
ユーザーや社員が使いづらいチャットボットを導入した場合も失敗に繋がる可能性が高まります。チャットボットを使うのが初めての人でも難なく使えるものでなくては利用頻度が低くなるでしょう。
また自社のニーズを満たせていないチャットボットも導入の失敗につながります。チャットボットを導入する前に、チャットボットで解決したい問題やチャットボット導入後の全体像を把握し、複数社を見比べて選定しましょう。
チャットボットでは解決できない課題がある
チャットボットは便利なツールですが万能ではありません。チャットボットでは解決できない問題に取り組む場合は失敗する可能性があります。
問い合わせが少ない場合はチャットボットを導入するより、コスト的に人間のオペレーターが対応した方が費用対効果が高いと言えます。またFAQが大量な場合や質問が複雑な場合もチャットボットのみでの対応が難しいため、有人対応に引き継いだ方が良いでしょう。
またチャットボットの種類によっても得手不得手があります。チャットボットの種類と得意分野は下記の通りです。
- AI非搭載型:問い合わせの種類が少ない場合や定型のFAQ対応に有効
- AI搭載型:さまざまな種類の質問に答える場合やフリーテキストに対応する場合に有効
ツールによって備わっている機能も異なるので、チャットボット導入の目的や自社の課題の把握が重要になります。
チャットボットが利用されていない
チャットボットを導入しても、社員やユーザーに利用されないようでは意味がありません。チャットボットが利用されない場合には、原因や理由があるでしょう。
【チャットボットが利用されない理由の例】
- チャットボットが期待する回答をできていない
- 試しに利用してみたものの使い物にならなかった
- チャットボットに聞くより人に聞いた方が早いと感じた
- チャットボットがどこにあるかわからなかった
チャットボットの回答精度の低さや使いにくさを感じる場合は、チャットボットの選定に問題があったり、学習量が足りていなかったりすることが原因と考えられます。
またチャットボットを導入したことが周知されていなくて使用されていない場合は、チャットボットをわかりやすい場所に設置する、使いやすいコミュニケーションツールと連携させる、社内周知や告知を徹底することで利用率の向上を期待できます。
チャットボットの費用が高すぎる
チャットボットの初期費用やランニングコストが高額な場合は、費用対効果が合わないと感じる可能性があります。特にAI搭載型のチャットボットは費用が高額なため導入前の検討が重要です。
また導入後も月額利用料のほかに設定費、サポート支援費用、拡張機能にかかる費用などさまざまなコストがかかることも念頭に置いておきましょう。
初期費用やランニングコストを考慮することはもちろん、運用後に削減が見込まれる人件費や業務時間などもコストと照らし合わせて、費用対効果を検証しながらツールを選定することがおすすめです。

分析やメンテナンスができていない
チャットボット導入当初は、チャットボットに入力した問い合わせに対して適切な回答が返せなかったり、回答を返すものの的外れな回答であったりといったことが原因で、ユーザーの満足度が低いケースがあります。チャットボットは導入したら終わりではなく、導入後に分析やメンテナンスを繰り返しおこなうことで、期待されている回答が返せるようになるのです。
チャットボットのメンテナンスとは、チャットボットのレベルを上げるための調整やチューニングのことを指します。
【メンテナンスの例】
- 回答できなかった質問に回答できるように調整する
- ユーザーからよく質問されている内容を補完・拡充する
- 満足度が低かった回答の精度を上げる
- 図・画像・リンクなどのコンテンツも使いながら回答する
以上の作業を重ねることが、チャットボットの効果を最大化させるためにも重要です。分析やメンテナンスを怠ると離脱の原因となり、最終的には利用されなくなってしまう恐れがあります。

チャットボットの導入を成功させる方法
チャットボットの導入を成功させるためにはさまざまな対策が必要です。ここではチャットボットの導入を成功させる方法をお伝えします。

課題と目的を明確にする
チャットボットを導入する際には、自社の課題とチャットボットを導入する目的を明確にしましょう。課題と目的が曖昧なままチャットボットを導入すると、自社に必要な機能が備わっていないチャットボットを選んでしまう可能性があります。
機能が足りないとうまく課題を解消できないことはもちろん、機能が過多で使いこなせない場合にも余計な費用がかさむ原因になります。チャットボットの機能性は、自社の課題に合わせたレベルを見極めることが重要です。
チャットボット導入前に課題や目的を明確にしておくことで、目的に合ったツールが選定できるだけでなくFAQをスムーズに準備できます。
運用体制を構築する
シナリオ型でもAI搭載型でも共通して、導入準備や運用中の分析をする担当者が必要です。導入準備や分析を怠ると回答精度が上がらず、ユーザーや社員に利用されないチャットボットになりかねません。
運用体制を事前に整えておくことで、継続的にチャットボットの精度を上げて磨き上げていくことができます。チャットボットの精度を向上させることで、結果的に対応人員を減らしたり、業務時間を削減できたりといった効果も期待でき、費用削減にも繋がるでしょう。
KPIを設定する
KPIとは「Key Performance Indicator」の頭文字を取った言葉で、企業や組織の目標達成に向けたプロセスや行動を評価するための具体的な指標のことを指します。例えば問い合わせ対応にチャットボットを導入する際は「回答率」「正答率」「解決率」など、問い合わせ数の削減に繋がる数値をKPIとして設定するのが一般的です。
このような数値目標を具体的に決めておくことで、チャットボットの導入効果を客観的に測ることが可能です。またこうした具体的な目標設定は、従業員の統率にも効果的であり、目標達成に向けた一貫性のある業務をチーム全体に促すことができます。


自社の目的に合ったチャットボットを導入する
チャットボットの導入を成功させるためには自社の目的に合ったチャットボットの選定が重要です。ツールを選定する際には「種類」「機能」「費用」「サポートの有無」「無料トライアルの有無」などを確認しておきましょう。
特に無料トライアルの有無は、自社に合うチャットボットを探る上で非常に重要です。実際にツールを試すことで、そのツールが本当に自社の課題解決に有効であるかを見極められます。導入後のギャップを少なくし、期待する運用効果を得るためにも有効です。

テスト運用で必要なFAQを整備する
チャットボットはいきなり本格的な公開をするのではなく、利用者と期間を限定してテスト運用をおこないましょう。時間をかけてFAQを準備しても、稼働後に「不足しているFAQ」や「わかりにくい回答」が見つかります。そのためテスト運用中にFAQを追加したり回答の修正をしたりする作業が必須です。
チャットボットの完成度を高めてから本格リリースをすることで、クオリティの低いチャットボットになる可能性を減らせます。
費用対効果を高めるチャットボットの種類別KPI
チャットボットのKPIは「回答率」「正答率」「解決率」で設定することが有効です。回答率はユーザーからの質問にチャットボットが答えられた割合を指します。
正答率の定義は上記の図の通りです。ユーザーからの質問に対して何らかの回答がされ、かつその回答に対する満足度についてのアンケートに答えた件数を分母とします。「はい(満足)」と回答した件数と「いいえ(不満)」かつ回答内容が正当だった件数の合計を分子として出た割合を正答率とします。
解決率はユーザーからの質問にチャットボットが回答し、その回答に対する満足度についてのアンケートに「はい(満足)」と答えた割合です。
チャットボットが答えられる割合(回答率)を増やし、正答率やユーザーが満足する割合(解決率)の向上を目指しましょう。
問い合わせ対応型チャットボットのKPI例
問い合わせ対応型のチャットボットの主な目的は、業務の効率化やユーザー満足度の向上です。
【問い合わせ対応型のKPI例】
- チャットボットの起動回数・起動率
- 問い合わせへの回答数・回答率
- ユーザーの満足度
問い合わせ対応型のチャットボットではまず「そもそもチャットボットが使われようとしたのか」を測定しましょう。この数値がPV数に対して極端に低い場合は、チャットボットがあること自体が認知されていない、起動の方法が伝わっていないなどの可能性があります。
起動数をクリアできたら、チャットボットが起動に対して実際どれくらいの問い合わせに対応できているか、また問い合わせの数に対してチャットボット内で完結できている割合を確認しましょう。問い合わせ対応数は費用対効果に直結する重要なポイントなので特にチェックが必要です。
問い合わせ数に対してチャットボット内で完結できている割合が低く、有人対応への切り替えが多い場合は、チャットボットの精度を上げることで改善できます。
業務の効率化やコスト削減の度合いは、定量化しにくい側面があります。そのためユーザーの満足度を測定してデータを可視化することで、チャットボットの貢献度を測定しましょう。
マーティング支援型チャットボットのKPI例
マーケティング支援型のチャットボットの主な目的は、CVRやLTVなどの向上による売り上げのアップです。
【マーケティング支援型のKPI例】
- CVR(コンバージョン率)
- 購入単価・継続率
- ユーザーの離脱箇所
チャットボットの導入により、ユーザーの資料請求率や購入率がどれくらい向上したか測定しましょう。資料請求や商品サービスを購入する際には「ユーザーが情報を入力する」ストレスがあります。マーケティング支援型のチャットボットでは、ユーザーとコミュニケーションを取ることで入力へのストレスを軽減し、売上のアップを目指します。
また、購入単価や継続率を高めるとLTVの向上にも直結します。チャットボットではシナリオ内でユーザーに合う別商材をサジェストすることで購入単価の増加や、ユーザーの商品知識を高め、納得して購入してもらうことで継続率を高める効果が期待できます。
チャットボットではユーザーが最後まで利用せず、離脱するケースもあります。ユーザーの離脱が多い箇所を測定することで、項目の改善をし、CVRやLTVの向上に繋げましょう。チャットボットの運用では、継続的な改善が必要不可欠です。

チャットボット選びでおさえておくべきポイント
チャットボット導入後に分析やメンテナンスに力を入れたとしても、そもそも最初の選定時に失敗していたのでは効果が期待できません。ここではチャットボット選びで失敗しないためにおさえておくべきポイントをお伝えします。
課題解決の可不可
チャットボットにはツールによって得手不得手があります。そのため自社の課題を明確にして、解決可能なチャットボットを導入しましょう。またチャットボット導入前のリサーチが足りず、「チャットボットを導入したらすぐに効果が出る」などチャットボットに対する期待値が大きくなりすぎるのも問題です。
チャットボットを導入するにあたって、下記の真実があることを留意しておきましょう。
- チャットボットは全ての質問に答えられない
- チャットボット導入前に導線設計や回答データの整理が必要
- チャットボットは勝手に賢くならない
上記の真実を踏まえた上でチャットボットで課題を解決できるか不安な場合は、複数社の無料トライアルに申し込んで、実際に手を動かして検討するのもおすすめです。
AI機能搭載の有無
AI搭載をしたチャットボットは高機能ですが、全てのケースに適するツールとは限りません。またAI搭載の有無は「料金(費用)」「チャットボットに期待する役割の範囲」「導入までの期間」に直結します。チャットボット導入に時間やコストがさけない場合はAI機能搭載型の導入は現実的ではないでしょう。
AI搭載型のチャットボットはさまざまな問い合わせに柔軟に対応できるメリットがありますが、費用が高く、導入までに時間がかかります。
「幅広い内容の問い合わせに対応したい」「人的リソースを大幅に削減したい」などの希望がない限りはAI非搭載型も視野に入れてツールを選定しましょう。
またAI機能の搭載・非搭載に関わらず自社に合うツールを良く見極めて導入することが成功の鍵といえます。
契約期間
多くのチャットボットでは契約期間が「半年」または「1年」で設定されていますが、ツールによっては1回の納品で終了する場合もあります。契約更新ごとに更新料がかかったり、更新の度に月額料金が変更になったりするケースもあります。また最低契約期間を設けている場合もあるので、機能や費用だけでなく期間にも注目して選定をしましょう。
もしチャットボットに満足できなくて、契約満了のタイミングで乗り換えを検討している場合は注意が必要です。新しいチャットボットの導入には時間がかかるので契約満了の直前にチャットボットを乗り換えると、新しいチャットボットの導入が間に合わないケースもあります。そのように空白期間ができてしまう可能性があるので、スケジュールに余裕を持って進めましょう。
料金
料金には月々のランニングコストだけでなく、初期費用やオプション、メンテナンス費用も含まれます。ランニングコストだけでチャットボットを選択するのではなく、トータルでかかるコストを算出してチャットボットの比較検討をしましょう。また月額費用も固定型、成果報酬型などバリエーションがあるので注意が必要です。
初期費用の相場はシナリオ型が5~20万円、AI搭載型は20~100万円程度。月々のランニングコストはシナリオ型は月額1,000円台~3万円程度、AI搭載型は10万~50万円程度です。
高度で最先端のAIを搭載したチャットボットの場合は月々50万円以上かかるケースもあります。チャットボットは効果が出るまで時間がかかるツールのため、無理なく継続できる料金のツールを選びましょう。
チャットボットを利用する目的を明確にしてから導入を検討しよう
チャットボットの導入を成功させるためには、チャットボットを利用する目的を明確にしてから導入するツールを選定しましょう。
またチャットボット選びの失敗を防ぐためには、選定したチャットボットが本当に自社に合うチャットボットか、無料トライアルを通して確かめるのも良いでしょう。
弊社サンソウシステムズでは、月額1万円から導入できるFAQチャットボット「さっとFAQ」を提供しています。
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