「シナリオ型チャットボットを導入したいけれど、どんなことができるの?」
「シナリオ設計って難しそう」
シナリオ型チャットボットの導入を検討している人のなかには、上記のように感じている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、シナリオ型チャットボットのメリット・デメリットをふまえ、シナリオ設計の方法やポイントについて解説します。シナリオ型チャットボットの導入を検討している人はぜひ参考にしてください。
また、弊社サンソウシステムズでは月額1万円から利用できる「さっとFAQ」というチャットボットツールを提供しています。エクセルから会話データが作成でき、ノーコードでシナリオ作成やアンケート機能の実装ができます。
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シナリオ型チャットボットとは
シナリオ型チャットボットとは、あらかじめ設定したシナリオ(台本)通りにユーザーへ回答を返すチャットボットです。ルールに従って返答するため「ルールベース型チャットボット」と言われることもあります。
シナリオ型チャットボットでは、チャットボット側がユーザー側に選択肢を提示し、ユーザーが選んだ項目に合わせてチャットボットが回答を返すタイプが一般的です。
その仕組みは、あらかじめユーザーの質問・選択肢とチャットボットの回答を設定しておき、チャットボットはその設定に沿って会話をします。つまり決められた回答を返しているのであり、自ら考えて回答をしているわけではありません。
一方、蓄積された会話データから回答パターンを導き出し、自分で回答を返せるチャットボットは「AI型チャットボット」と言います。AI型チャットボットは蓄積された会話データから最適な回答を返すことができますが、精度の高い回答をするためには膨大なデータを読み込ませる必要があります。
シナリオとは
そもそもチャットボットの「シナリオ」とはどのようなものなのでしょうか。
シナリオとは「台本」や「筋道」といった意味で、チャットボットのシナリオとはユーザーが求めている回答を得るための導線のことを指します。ユーザーが選択肢の中から自分の知りたい情報に当てはまる項目を選択していくことで、ほしい回答にたどりつけるのです。
チャットボット運営者はフローチャート構造のシナリオを作成し、ユーザーの選択によって次の回答を分岐させていきます。
ユーザーが求めている情報を正確に得られるようにするためには、精度の高いシナリオ設計が重要です。運営者側はユーザーが求めている情報を分析し、その情報に対応する回答を提示できるようシナリオを組まなければいけません。
シナリオ型チャットボットのメリット
シナリオ型チャットボットにはどのような特徴があるのでしょうか。メリットとデメリットについて、それぞれ2つずつ紹介します。
メリット1:サービスの均質化
シナリオ型チャットボットのメリットは、ユーザーに提供するサービスの質を一定に保てる点です。
人間のオペレーターによる問い合わせ対応は、人によって接客の質に差が出てしまうため、ユーザーの満足度低下を引き起こすリスクがあります。またサービスを均質化させるためには、教育・育成のリソースもかかります。
しかしシナリオ型チャットボットであれば、常に一定のレベルでの問い合わせ対応が実現するでしょう。運営者が設定した内容に沿って動くため、予期せぬ行動もせずに稼働してくれます。
メリット2:FAQデータが用意されていれば簡単に構築できる
シナリオ型チャットボットの2つめのメリットは、比較的簡単に構築できる点です。
AI型チャットボットであれば、回答の精度を高めるために膨大なデータを機械学習させる必要があり、安心して運用できるようになるまでに時間がかかります。
しかしシナリオ型チャットボットは、FAQデータがあればすぐにシナリオを作成できるため、構築の手間がかかりません。
また、簡単にシナリオを設定できる質問のみをチャットボットで対応し、それ以外の難しい問い合わせには人間のオペレーターによる有人対応をするという運用方法もできます。
シナリオ型チャットボットのデメリット
デメリット1:定期的なメンテナンスが必要
シナリオ型チャットボットのデメリットとして、定期的なメンテナンスが必要だという点が挙げられます。
実際に運用してみると予想以上に問い合わせの種類が多く、設定したシナリオだけでは対応できないこともあります。また、分岐が足りないという事態もあるでしょう。
このような場合、ユーザーはほしい回答にたどりつけずに不満を抱いてしまいます。
そのため、運営者は定期的にシナリオを見直し、ユーザーが求めている回答を提示できているかをチェックする必要があります。また必要があれば、新しいシナリオを作成したり既存のシナリオを修正したりしなければなりません。
効果的に運用するためには、定期的なメンテナンスの工数がかかることを頭に入れておきましょう。
デメリット2:複雑な質問に対応できないことも
シナリオ型チャットボットは決められたシナリオ通りに回答するため、複雑な質問や難易度が高い質問には対応しきれません。
膨大なシナリオを設定すればあらゆる問い合わせにも対応できるようになりますが、分岐が多岐に渡ってしまうと、作成している途中で混乱してしまい、成果につながるシナリオは作成できないでしょう。
複雑な質問や専門的な質問に回答したい場合は、AI型チャットボットの導入、もしくは有人対応との組み合わせがおすすめです。
チャットボットのシナリオ設計方法
シナリオ型チャットボットで成果を出すためには、質の高いシナリオ設計がポイントとなります。ここからは、チャットボットのシナリオを設計する方法について紹介するので、ぜひシナリオ作成の際には参考にしてください。
自社の課題を分析する
まずは自社の現状の課題を分析します。
ユーザーからの問い合わせ対応における課題としては、主に以下の内容が考えられるでしょう。
- 問い合わせ対応のスタッフの人手が不足している
- 送料や住所変更など簡単な問い合わせが多すぎて、クレームやトラブルなど緊急で重要度が高い問い合わせに対応しきれない
- 問い合わせ対応と他の業務と兼任しているから、どちらの仕事も思うように進まない
- 夜間や土日にも問い合わせ対応をしたい
このような課題があれば、チャットボットの導入により解決できる可能性が高いでしょう。
チャットボットの適用範囲を決める
自社の課題が把握できたら、チャットボットで対応する適用範囲を決めます。
たとえば「簡単な問い合わせが多すぎる」という課題であれば、シナリオ型チャットボットで簡単な問い合わせ対応を行うことで解決できます。緊急度や重要度が高い問い合わせには有人対応をすれば、ユーザーの満足度低下を防げるでしょう。
また「夜間や土日にも問い合わせ対応をしたい」という課題であれば、土日や夜間など、スタッフの確保が難しい時間帯のみチャットボットで対応することで解決できます。
このように、チャットボットが対応する質問内容や時間帯などを決めることにより、どのようなシナリオを設計すれば良いのかが把握できます。
過去の対応履歴データを整理する
次は、過去の対応履歴のデータを整理しましょう。
電話やメール、チャットなど、ユーザーとやり取りした内容がわかるものはすべて洗い出します。エクセルなどに、問い合わせの日時や内容などをまとめておくと効率的です。
対応履歴のデータが揃ったら、問い合わせ件数を整理します。問い合わせ件数が多い質問内容は「よくある質問」として区別しましょう。よくある質問はチャットボットでも対応しやすいため、なるべく多く見つけておくと効果的に使えます。
また、先ほど決めたチャットボットの適用範囲内にある問い合わせ内容も見つけておきましょう。
過去データを参考に質問と回答を作成する
過去の対応履歴のデータを整理したら、ユーザーが疑問に思うことや知りたい情報などをまとめて、質問内容を作成します。また、その質問に対応する回答も用意しましょう。一問一答形式で次々と作っていくと効率的です。
質問・回答のセットがある程度できあがったら、それを基にしてシナリオの骨組みとなるフローチャートも作成しておきましょう。回答にたどり着くまでの分岐が多すぎると離脱を招きかねないので、必要最低限にとどめます。
ツール上のシナリオを設定する
骨組みができたら、実際に使用するツール上にシナリオを設定します。
このとき注意すべきポイントは、会話を意識して短文でのやり取りにすることです。長文だとチャットボットの手軽さが損なわれてしまうので、読みやすいよう自然な会話を意識しましょう。
たとえば「送料を知りたい」というユーザーの質問に対して「関東は○円、関西は○円、東北は○円……」と記載されていると、ユーザーにとって読みにくくなります。この場合は「送料を知りたい」のあとに配送先の地域を選択する項目があると、ユーザーは知りたい情報をすぐに得られます。
作成したシナリオをテストする
シナリオが完成したら、必ずテストしましょう。分岐や選択肢が間違っていると、意図しない流れでチャットが進んでしまい、正確な回答を提供できません。
必ず数名でテストするようにし、確実に正しい回答にたどり着くかチェックしてください。想定通りにチャットが進めば完成です。実際にWEBサイトなどでチャットボットを稼働させましょう。
シナリオ型チャットボットで業務効率化!
シナリオ型チャットボットは簡単に設定できるため、チャットボットの構築や運用の手間を省いて運用できます。自社のFAQがあるのであれば、シナリオ設計もそれほど難しくありません。
しかし「シナリオ設計が面倒」「構築にあまりリソースを割けられない」という人も多いのではないでしょうか。
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