チャットボットの導入は、すでに多くの企業で浸透してきています。しかし、まだ導入していない企業担当者の中には、チャットボットを「問い合わせ対応の自動化ツール」だと思っている方もいるのではないでしょうか。
あまりなじみがないかもしれませんが、チャットボットは営業活動においても活用ができます。
今回は、営業活動におけるチャットボットの活用方法や事例を紹介します。チャットボットをすでに導入している企業担当者の方も参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください。
また、弊社サンソウシステムズでは月額1万円から利用できる「さっとFAQ」というチャットボットツールを提供しています。Excelから会話データを作成できるため、専門的なプログラミングスキルは必要ありません。誰でも簡単にさっと導入・運用できるところが特徴です。
今なら30日間の無料トライアルも利用可能です。「まずは使って試してみたい」という方はぜひこの機会に導入をご検討ください。
営業にチャットボットを活用するようになった背景
営業活動にチャットボットが必要であることを理解するためにも、そもそもなぜ営業活動にチャットボットが活用されるようになったのか、その背景について説明します。
主な背景としては、営業体制の変化や働き方改革の効果、DXの促進、営業活動の効率化などが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

営業体制の変化
近年、働き方改革が進む中でリモートワークを採用する企業も増えてきました。会社には出社をせず、基本的に在宅で仕事をしている人も多くなってきています。
このような働き方改革の効果により、今までのように企業への飛び込み営業やテレアポなど、従来の営業手法ができなくなってきました。商談は対面ではなくオンラインを中心におこなわれるようになっています。
さらにインターネットの普及により、商品やサービスを検討する際はインターネット上で情報を収集し、その情報を基に精査をした上で問い合わせをするケースも増えてきています。
顧客の獲得が従来の営業手法からWebによるマーケティングにシフトしてきたことにより、リードを増やす施策としてチャットボットが利用されるようになってきたのです。
働き方改革の効果
前述のとおり、働き方改革の推進によって、営業活動を隙間時間におこなう人も増えています。リモートワークの導入も影響し、多くの企業でこれまで以上に効率的な業務遂行が求められるようになりました。
このような状況下において、営業部門の人たちは、従来のよう対面での営業活動後に会社に戻って事務作業をおこなう働き方が難しくなっています。つまり、限られた時間と手段の中で営業目標を達成できる仕組みを構築する必要があるのです。
チャットボットは、外出先からでも自宅からでも気軽にアクセスできる点が特徴です。働き方改革の効果もあり、チャットボットの活用は今後さらに進むと予想されます。
DXの推進
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は、近年、ビジネスパーソンの間でも広く認知されています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)のトランスフォーメーションとは、英語で「変化・変形・変容」を表します。つまり、デジタル化によって社会や生活の形・スタイルが変化することが、DXの辞書的な意味です。
経済産業省による定義では、DXは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」を指します。このようなDXを推進するデジタル技術の一つに、チャットボットがあります。
DXの推進はあらゆる企業にとって、市場における競争優位性を高めるための必須テーマとなってきています。もちろんそれは営業部門においても同じことです。
生成AI技術の発展
近年、ChatGPTをはじめとする生成AIの登場により、チャットボットに期待する役割が大きく変化しました。
かつてのチャットボットは、あらかじめ設定されたキーワードやシナリオに基づいて対応する「決められた会話」をこなすものが主流でした。
しかし、ChatGPT誕生以降、急速な生成AI技術の発展により、より柔軟な会話や高度な問い合わせ対応が可能になったことで、営業の現場でも新たな活用方法が生まれています。
従来のチャットボットは、FAQの自動回答や簡単な問い合わせ対応に限られていました。
しかし、現代のチャットボットは、より自然な会話を通じて顧客の曖昧な質問にも対応できるよう進化しました。
例えば、「おすすめのサービスを知りたい」といった漠然とした質問に対しても、顧客の意図を推測しながら、自然な日本語で適切な情報を提供できます。
また、AIが会話の流れを自動で学習し、適切な回答を生成できるようになったことで、専門知識がなくても導入しやすくなっています。
これまでチャットボットの運用には技術的な知識が必要でしたが、現在ではITに詳しくない営業担当でも手軽に活用できる環境が整ってきました。
生成AIの発展と結びついたチャットボットは、単なる問い合わせ対応ツールではなく、「営業を支援するパートナー」としての役割を担い始めています。
営業活動の効率化
「営業活動中に同じような質問をもらうことが多い」「よく使う営業資料が散財していて、探すのに時間がかかる」と悩んでいる営業担当者は多いのではないでしょうか。事前にチャットボットのデータによくある質問や営業資料を登録しておけば、スムーズな営業活動が可能です。
またオンラインでの営業活動は、対応可能な顧客が増えるほか、必要に応じて顧客の方から問い合わせをしてもらうこともできます。つまり、チャットボットを営業活動に導入すれば、24時間顧客と出会うチャンスを設けられるのです。
チャットボットをうまく活用すれば、機会を逃すことなく、オンライン上で円滑に営業活動を進められるでしょう。
営業部門でチャットボットを活用するメリット
営業活動を効率的にするなら、チャットボットの活用は欠かせません。営業部門でチャットボットを利用するメリットは多々ありますが、ここでは代表的なメリットをご紹介します。

機会損失を防止できる
従来の営業方法では、営業担当者が稼働できる時間に限りがありました。メルマガやDMなど、直接ユーザーと接触しない営業手法を活用しても、すべてのユーザーに対して十分なアプローチをおこなうのは困難です。
また、ユーザーが問い合わせをしたいタイミングと営業担当者の稼働時間が合わず、営業機会の損失が発生していました。
チャットボットは、あらかじめ設定したシナリオに基づいて自動で応答できるため、ユーザーは自身の都合の良いタイミングで問い合わせが可能です。24時間365日稼働できるため、これまで逃していた営業機会を捉えることができます。
いつでも問い合わせに対応できる体制を構築することで、顧客満足度の向上や顧客離れの防止につながることが期待されます。
顧客を待たさずに対応できる
営業活動では、迅速かつ正確な対応が求められます。しかし、どの業界も人手不足が問題となっており、ユーザーの問い合わせに迅速に対応するのは困難です。
チャットボットはシナリオさえ設定しておけば、迅速かつ正確な対応ができます。人の手を介さず自動で回答ができるので、人手不足の現場にもおすすめです。
また、従来の営業活動では、平日日中など対応可能な時間帯に制限がありました。一方チャットボットは24時間365日対応ができます。
ユーザーが自身の都合の良いタイミングで問い合わせが可能なため、ユーザーのニーズにいつでも応えられます。
問い合わせの心理的ハードルを下げる
問い合わせを気軽にできることで、顧客との接点を増やすことができるのもチャットボットのメリットです。
そもそも顧客が電話で問い合わせをするのには心理的なハードルがあります。
スマートフォンがITデバイスとして主流となった現代社会において、チャットボットは企業とユーザーをつなぐ気軽な窓口です。
人間と違って気を使う必要がなく、24時間いつでも手軽に問い合わせが可能です。
例えば、料金プランや契約の詳細についても、チャットボットならば「営業に連絡すると売り込まれそう」といった心配もなく、気兼ねなく質問できます。
また、「営業時間内は忙しくて問い合わせできない」といったミスマッチも解消でき、より多くの顧客が問い合わせしやすくなります。
最近では、より自然な対話が可能な生成AIが登場し、チャットボットでも顧客の意図をくみ取りながら、自然な会話で対応可能です。
問い合わせの心理的ハードルを下げつつ、ある程度手厚いフォローが行えるため、これまで接点を持てなかった見込み客の獲得にもつながることが期待できます。
データを営業に活かせる
チャットボットは、ユーザーとのやり取りの中で膨大な情報を蓄積できます。蓄積された問い合わせ履歴を分析すれば、悩みや課題などの潜在的なユーザーのニーズに気付けるでしょう。
例えば商品を購入したユーザーと購入しなかったユーザーに分けて、それぞれの特徴を分析した場合、購入者がよく使うワードや購入までの行動傾向がわかります。実際にどのような人が購入したのかがデータでわかるので、営業の勝ちパターンにつながる提案の仕方や営業の進め方の戦略を立てられます。
ユーザーの行動を分析するには、大量のデータが必要です。チャットボットなら自動でデータの蓄積ができます。分析用のダッシュボードが充実しているツールを選べば、分析にかかる手間も軽減できるでしょう。
教育に活用できる
チャットボットはユーザー向けだけでなく、社内の教育用としても活用が可能です。企業の人材育成の現場では、知識や経験のある社員が情報提供やトレーニングをおこなう場面が多くあります。しかし教育には多くの時間や手間が必要でした。
チャットボットを活用すれば、社員はチャットボットに質問するだけで必要な情報を引き出せます。そのため、社内で蓄積した営業のノウハウをチャットボットに設定しておけば、経験の浅い社員にもベテランの営業担当が持つ知識の共有が可能です。社員が自発的に学習できるようにすることで、人材育成の手間も減らせます。
またツールによっては、テキストデータだけでなく、画像や動画などの共有も可能です。テキストでは説明が難しい高度な知識や技術は、画像や動画で説明をすれば理解しやすくなるでしょう。
営業でチャットボットを導入する際の注意点
チャットボットを営業に導入することで、業務自動化やより幅広い顧客への対応が可能です。
とはいえ、導入時に適切な計画を立てないと、期待した効果が得られません。
そこで、導入時に押さえておくべき3つのポイントを紹介します。
AI搭載型とシナリオ型の違いを理解する
チャットボットには「AI搭載型」と「シナリオ型(ルールベース)」があります。
それぞれに特徴があるため、特徴を理解して目的に応じたツールを選びましょう。
以下に、双方の違いや強みをまとめました。
チャットボット | AI搭載型 | シナリオ型 |
対応の違い | 自然言語処理を活用し、より自然に会話可能 | 事前に設定したフローに沿って応答 |
得意業務 | 顧客の質問からニーズを掘り起こす、曖昧な質問への対応 | FAQ対応、予約受付、資料請求など質問内容や回答が定型である業務 |
強み | 広範囲で複雑な質問にも対応可能 | 運用が簡単で導入コストが低い |
課題 | 学習データの準備や継続的なトレーニングが必要 | 想定外の質問には対応できない |
どちらが優れているかではなく、自社のリソースや導入目的、活用方法にあわせて適切なチャットボットツールを選ぶことが重要です。
AI搭載型とシナリオ型の違いや選ぶポイントについては、別の記事で詳しく紹介していますので、ぜひあわせてご参照ください。


段階的に導入を進め、社内の理解を得る
新しいシステムを定着させるには、現場の理解と協力が不可欠です。
特に営業担当者は、日々さまざまな業務に追われているため、負担を増やさずスムーズに導入することが求められます。
そのため、いきなり全業務に適用するのは、混乱を招くリスクがあります。
まずは特定の業務に限定して導入し、試験運用をおこなうことをおすすめします。
例えば、FAQ対応やアポイント管理、営業からの納期問い合わせの自動化など、影響範囲が限定的な業務から導入すれば、現場の負担を最小限に抑えながら効果を検証できます。
また、慣れ親しんだデバイスで利用できるならば、新しいシステムに対する心理的ハードルも低くなりやすいです。
試験導入時から、スマートフォンやタブレットでも利用できるツールを選ぶことで、「従来のやり方のほうが楽だった」といった心理的負担を軽減し、スムーズな導入につながります。
無理に大規模なシステムを導入して現場の反発を招くと、結局従来の手法に戻ってしまい、時間とコストが無駄になりかねません。
チャットボットの適用範囲を限定し、現場のフィードバックを反映しながら徐々に拡大することで初めて、スムーズな導入と定着が実現できます。
事前に必要なデータやFAQを整理する
チャットボットの導入には、適切なデータ整理が不可欠です。
必要な情報が整理されていないと、顧客対応の精度が低下し、期待した効果を得られません。
また、不要なデータが放置されると、業務の非効率化だけでなく、セキュリティリスクを引き起こす可能性もあるため、適切な管理が求められます。
まずは、過去の問い合わせ履歴や業務フローを確認し、よくある質問(FAQ)や対応パターンを整理しましょう。
例えば、価格や納期に関する問い合わせ、契約手続きの流れなど、定型的なやり取りに対するデータを準備することで、各種質問にスムーズに対応できるボットが作成可能です。
また、チャットボットに不要なデータを登録しないことも重要です。
機密情報が誤って登録されると、意図しない情報漏洩につながるリスクがあります。
そのため、チャットボットに登録するデータと、社内向けに管理すべきデータは明確に区別し、適切に管理しましょう。
さらに、導入後もチャットボットを定期的に確認し、データ更新を行いましょう。
FAQや対応フローが古いままでは、誤った情報を提供してしまい、顧客満足度の低下を招きます。
定期的にデータを見直し、最新の情報を反映させることで、継続的に運用精度を向上させましょう。
営業部門でのチャットボット活用方法
続いて、営業部門でのチャットボット活用方法を紹介します。
主な活用方法としては、見込み客の獲得や顧客への情報提供、予約・会員登録支援、データ分析などが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
見込み客の獲得
チャットボットを使えば、24時間365日対応できるほか、日本だけではなく世界まで対応できるようになるため、従来の営業活動で取りこぼしていた見込み客の増加が期待できます。
チャットボットを自社のWebサイトやイベントページに設置していれば、顧客からの問い合わせに自動で受け答えをし、商談前に接点を作ることが可能です。さらに、チャットボットを通じて連絡先などの顧客情報を獲得できれば、事前に電話やメールなどを使って顧客に情報提供をおこない、商談で効率的に集客するチャンスを生み出せます。
このように、チャットボットを活用すれば、自動的に見込み客を獲得できる仕組みの構築ができるのです。
顧客に合わせた情報提供
チャットボットの仕組みを活用して、蓄積された会話の履歴と顧客データを分析しチャットボットの内容を調整していくことで、顧客に合わせた情報提供ができます。企業側から情報提供をおこなえば、顧客自ら収集できなかった新しい情報を把握でき、商品やサービスの購入を検討するのに利用できます。
その他、チャットボットをキャラクター化することで自社の魅力をアピールすることも可能です。 問い合わせという形でなくても、気軽に商品やサービスのアピールなどに利用できます。
チャットボットを営業活動に使うなら、有人対応との連携の有無も視野に入れましょう。チャットボットで対応できない問い合わせがきたときは、有人で対応できるように連携をしておけば、より細かな対応が可能です。
予約・会員登録支援
営業活動でチャットボットを使えば、予約や会員登録の支援もできます。
例えば、セミナーの予約をしたいとき、主催者に連絡をするのに抵抗がある人は少なからずいるでしょう。電話での予約や申し込みは、顧客によっては心理的ハードルの高さを感じやすくなってしまいます。
その点チャットボットであれば、会話感覚で予約や会員登録を進められるだけではなく、テキストによるコミュニケーションで履歴が残るため、内容をしっかり理解しながら予約や登録を進められます。顧客の心理的なハードルも下がり、実際の予約にもつながりやすくなります。
チャットボットの設置によって、Webサイトの中に「予約はこちら」「会員登録はこちら」などボタンを設けてアプローチできることに加え、チャットボットと会話をしその中で予約や会員登録に誘導することも可能です。
データ分析
自社のWebサイトやサービスサイトにチャットボットを設置すると、多くのユーザーが何らかの情報を入力してくれます。
しかし、獲得したリードを商談に繋げても、自社の商品やサービスと合致しない場合、商談の成約率は低下してしまいます。その結果、どれほど多くのリードを獲得しても、リソースの無駄遣いになりかねません。
そこで活躍するのが、チャットボットのデータ分析です。チャットボットに寄せられた情報を分析すれば、商品やサービスの開発や改良につながるヒントを得られる可能性もあります。
多言語対応
近年、海外からも気軽に日本のサイトにアクセスができるため、多言語対応のチャットボットが注目されています。オフラインの営業では国内のみに販売していた商品・サービスでも、インターネットを通じて日本国内だけではなく世界にまで広がり、海外の方への対応が課題となっていました。
Webサイトに多言語対応ができるチャットボットを設置していれば、日本人だけではなく海外の方にも、自社の商品やサービスをアピールすることができます。外国人とのコミュニケーションを通じてニーズを汲み取ることもでき、海外向けの商品やサービスの開発に役立てることも可能です。
また対面での接客では、言葉の壁が課題ですが、外国語に対応したチャットボットならその点も問題ありません。ユーザーが使い慣れた言語でやり取りができるので、ニュアンスの違いなどで生じる勘違いも防げます。
チャットボットで収集したデータを基に、外国人の方が求めているものに合わせたマーケティング施策をおこなうことで、外国人顧客の獲得にもつなげられます。
営業報告・日報の作成
チャットボットは、簡易的な営業報告や日報にも使用できます。日々の営業日報は企業からしても貴重な資源であり、価値の高いデータです。
しかしそのような営業日報も、日々の業務に追われてしまうと後回しになってしまいます。そこで、チャットボットに質問を設定しておき、毎日回答させるような形で日報を管理すれば、報告・管理を自動化できます。
チャットボットで営業報告や日報を作成できれば、スマートフォンからいつでもどこでも簡単に入力が可能です。上司もわざわざ会社でデータを確認し書類を整理する必要もなくなります。
日報の作成や管理に割いていた時間を他の業務に回せるようになり、時間を有効に使えるでしょう。
社内問い合わせの自動化とAI活用
営業担当の業務は多岐にわたるため、社内のさまざまな情報を頻繁に確認する必要があります。
例えば、最新の価格表や在庫状況、契約の社内規則などを瞬時に取得できなければ、業務に支障が出てしまいます。
しかし、これまでは他部署への問い合わせや、社内資料を検索するなど手間がかかっていました。
チャットボットを活用すれば、よくある社内問い合わせを自動化できます。
価格情報や契約条件などを即時に回答できるため、営業の対応スピードが向上し、業務効率が大幅に改善します。
さらに、近年では生成AIが搭載され、単なるFAQ対応を超えて、より柔軟な質問に対応できるチャットボットも誕生しています。
営業担当が必要な情報を必要なときにすぐ取得できる環境は、営業活動の効率化に大きく貢献します。
また、社内の問い合わせ件数が減ることで他部署の業務負担も軽減され、社内全体の業務効率向上につながります。
チャットボットを営業で活用した事例
ここからは、チャットボットを営業で活用した事例を紹介します。活用イメージが湧かない人は、事例を参考にイメージしてみてください。

株式会社医療産業研究所|検討段階の方への効果的なアプローチを実現
株式会社医療産業研究所は、ヘルスケア(保健・医療・福祉)分野に特化した調査事業会社です。2003年よりメンタルヘルス事業を開始し、筑波大学の松崎教授と「ストレスチェックPRAS」を共同開発しています。
メンタルヘルス領域は、医療・心理学が基盤になっていて、専門的かつ法的な言葉が多数使われます。そのため、興味がある方でも敷居が高い分野です。
アイデアはあるものの、社内のスタッフは多くの業務をこなしているため、新しいコンテンツを開発する余裕はありません。ストレスチェックをする会社の従業員に、気軽に使える楽しいコンテンツを見てもらいたいと考えていたところ、さっとFAQに出会いました。
担当者2名が業務の隙間時間を使って準備し、2週間足らずで本番の公開に成功しています。さっとFAQの導入で、カウンセリングの検討段階の方へアプローチできるようになり、カウンセリング利用を迷っている肩の背中を押す存在としても機能しています。
参照:わずか2週間で2つのチャットボットを公開 メンタルヘルス事業でDXを実現
エイネット株式会社|見込み客の獲得数アップ
Web会議システムの開発と販売をおこなっているエイネット株式会社は、国内ベンダーならではの安心かつ柔軟に対応できるサービスで一目置かれています。
同社ではマーケティングの一環として、リードの獲得に力を入れています。これまでも広告の出稿やサイトへの掲載などさまざまな施策をおこなってきましたが、獲得できるリードの数は多いものの、アポ率や受注率にはつながっていなかったそうです。
そこで、自社サイトからのリードを増やすためにチャットボットの導入を検討しました。いくつかのツールを比較した結果、一つのチャットボットの導入を決めたそうです 。
同社はチャットボットを複数のサイトに設置し、それぞれのサービスについていくつかの選択肢を設けることで、どの分岐からでもリードの情報を獲得できるようシナリオを作りました。その結果、自社サイトからのリードの約3割がチャットボット経由となり、リード自体の総数も10〜20%増加しました。
チャット経由のリードはアポ率や受注率も高いとのことで、導入の効果を実感しているそうです。
参照:チャットでリード獲得数10〜20%アップを実現!Salesforceと連携し営業活動も効率化!!
株式会社パイプドビッツ|お問い合わせの60%以上を案件として獲得
株式会社パイプドビッツは、データベースを基にしたWeb上の制作ツールを提供しています。顧客との接触ポイントを増やすために、チャットボットを導入しました。
これまで顧客との接触ポイントは問い合わせフォームと電話のみだったとのことです。それに比べチャットは、「問い合わせをするまでもないけれど、少し話を聞いてみたい」といったニーズに対して有効だと考えたそうです。
チャットボットの運用を開始してから1か月ほどで、チャットから良い案件につながりました。さらに、問い合わせのうち62%が案件として進んだそうです。
また、チャットは会話形式でコミュニケーションができるため、気軽なやり取りをするうちに深い話に進むこともあると言います。
参照:BtoBのインサイドセールスにチャットを活用 お問い合わせの60%以上を案件に変える
今回紹介した3社以外にも、さっとFAQには多数の導入事例があります。さらに導入事例を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

営業部門での活用におすすめのチャットボット
ここでは、営業部門で活用するのにおすすめのチャットボットを紹介します。営業活動にチャットボットを使いたい場合は、欲しい機能が搭載されているかどうかをチェックすることが大切です。


さっとFAQ
株式会社サンソウシステムズが提供するさっとFAQは、問い合わせの工程を簡易化することで、資料請求などのCVにつなげるお手伝いをします。
問い合わせページまでは行くものの、そこから実際に問い合わせにつながっていないケースは多く見られます。チャットボットを活用して問い合わせを簡易化すれば、顧客の心理的ハードルが下がり、CVの増加に貢献することが可能です。
チャットの会話内容はExcelから簡単に作成でき、専門的なプログラミングスキルは必要ありません。月額1万円から利用できるコストパフォーマンスの良さも魅力です。
30日間の無料トライアルも準備していますので、導入前にじっくり使い心地を確認できます。
Cognigy(コグニジー)
TDSE株式会社が提供するCognigyは、高機能のAIチャットボットを設計・開発するプラットフォームです。
あらゆるシーンで人とサービスをつなぐキーポイントとなり、カスタマーサービスの向上や顧客満足度アップに貢献します。営業はもちろん、観光や不動産、飲食などさまざまなシーンでの活用を想定して作られています。
直感的に操作できるエディタ機能を持ち、短期間で拡張性の高いAIを設計・開発できるのが特徴です。
Cognigyは、英語や中国語などの主要な言語をはじめとして、20か国以上の言語に対応しています。自動翻訳機能によってスムーズな多言語展開ができるので、海外のユーザーを獲得したい企業にも適しています。
sinclo(シンクロ)
株式会社エフ・コードが提供するsincloは、初心者にもわかりやすいノーコードのチャットボットです。
オートメッセージでサイト訪問者に話しかけ、離脱防止・CVの増加に貢献します。見込み客は一覧で可視化し、インサイドセールス活用で営業効率を向上できるのもポイントです。
ノーコードなので専門知識は必要なく、形式が決まっているためデザイン制作も必要なくすぐに始められます。
その他、無料で利用できるチャットボットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

営業でチャットボットを効果的に運用するポイント
最後に、営業活動でチャットボットを効果的に運用するポイントを紹介します。チャットボットは導入したからといってすぐに成果が出るわけではありません。せっかく導入するのであれば、ポイントをおさえて費用対効果を最大限に発揮させましょう。
導入目的を明確にする
何よりも大切なのは、チャットボットの導入目的を明確にすることです。チャットボットは製品により、機能・性能・適した用途が大きく異なります。導入の目的が明確でないと、自社の課題に合うツールが選べず、効果的なシナリオや導線を作れません。
もし商談率を上げるのが目的なら、チャットボットは最初の導入にとどめ、チャットに切り替えてアプローチする導線を作っておく必要があります。
目的に応じて導入方法が変わってくるため、目的はあらかじめ明確にしておきましょう。
チャットボットの比較ポイントについては、以下の記事でさらに詳しく紹介していますので、ぜひ合わせてご参照ください。

データを蓄積して回答精度を高める
チャットボットを効果的に活用するためには、できるだけ多くのデータを蓄積して回答精度を高めることが重要です。
チャットボットに寄せられる情報は顧客のニーズが詰まった貴重なものであり、活用しない手はありません。集めたデータを分析し、回答の精度をブラッシュアップしていくことが大切です。
それにより、チャットボットもどんどん賢く成長していきます。
またデータはテキストだけでなく、画像や動画も活用しましょう。チャットボットを使用する人は「手軽さ」や「わかりやすさ」を求める傾向にあります。そのため短文で理解しやすい回答や、視覚的なわかりやすさを意識してデータの蓄積をおこないましょう。
検証・改善・運用を繰り返す
前述のとおり、チャットボットは導入しただけで成果が出るとは限りません。導入後に検証・改善・運用のサイクルを繰り返しおこなうことで、より効果的なチャットボットへと育ちます。
チャットボット導入後は、定期的に解決できた案件とできなかった案件を抽出し続けましょう。解決できない案件に対しては、解決するための改善策を練って実装していくことで、あらゆるシーンに対応できるチャットボットに成長します。
データの検証・改善・運用は手間と時間のかかる作業です。そのためIT知識が乏しい社員や、他の業務を兼務している社員には対応が難しいと感じるでしょう。
IT知識に自信がない場合や、検証や分析に時間が割けない企業は、サポートが充実しているツールを選ぶか、分析ダッシュボードがわかりやすく、簡単に改善ができるツールを選ぶのがおすすめです。
チャットボットを活用して営業活動を効率化しよう
働き方が変化してきている現代、営業活動にもチャットボットは効果的です。オンライン上で完結するため場所を選ばず、リモートワーク下でも活躍します。
リードの獲得や情報提供、営業日報の作成など活用方法もさまざまです。導入の際は自社の目的を明確にした上で、どのチャットボットが良いか比較検討してみてください。
弊社サンソウシステムズが提供する「さっとFAQ」は、Excelから会話データを作成でき、登録・設定するだけで簡単に導入できるチャットボットです。専門的なプログラミングスキルは必要なく、誰でも簡単にさっと導入・運用できます。
今なら30日間の無料トライアルも利用可能ですので、「一度使って試してみたい」という方は、ぜひこの機会に導入を検討してみてください。