最近では、顧客チャネルの一つとしてチャットボットを導入するケースが増えてきました。実際に、チャットボットの導入を検討している企業担当者も多いはずです。
しかし、「チャットボットの導入について、失敗するわけにはいかない」と考えている部分もあるでしょう。実際、せっかくのチャットボットを活用できず、手痛い失敗を経験するケースは多々あります。
本記事では、チャットボットの導入において頻出する失敗例11パターンについて解説します。実際の失敗事例から、自社でのチャットボット運用におけるヒントを見つけてください。
チャットボットの失敗例11パターン
まずは実際の失敗事例について、おさえておきましょう。
チャットボットの導入では、以下のような失敗事例が多々あります。
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
失敗例①チャットボットがユーザーに使われていない
もっとも致命的なチャットボットの失敗事例は、「チャットボットがユーザーに使われていない」というケース。チャットボットを導入しても、ユーザーが利用しなければ、意味はありません。
たとえば、ホームページ上でチャットボットが目立っておらず、そもそも存在にさえ気づかないケースがあります。しっかりとチャットボットの存在をアピールし、この致命的な失敗事例を回避できるように対策しておきましょう。
失敗例②チャットボットの運用にリソースを割けていない
チャットボットは、長期的な運用において、「リソースが割けていない」という失敗事例もあります。チャットボットを継続的に運用するためには、
- 応答パターンをブラッシュアップする
- 定期的にバグがないかメンテナンスする
- 応答の精度や利用率について追跡し、改善する
といった工程が必要となります。しかしリソースが割けずにいると、チャットボットの性能を高められず、運用が失敗に終わることもあります。
チャットボットの運用で失敗しないよう、あらかじめリソースを準備しておくことが重要です。
失敗例③選択肢・自由入力いずれかしか使っていない
チャットボット運用の失敗事例では、「選択肢・自由入力のいずれかしか利用していない」というケースもあります。
チャットボットは、おおむね
- ユーザーに「選択肢」を提示し、解決へと導く
- ユーザーに文章を「自由入力」させて、適切な応答を呼び出す
という方式が用意されています。しかし選択肢と自由入力いずれか一方が欠けていると、ユーザーに対して適切な応答ができないケースが増加します。
たとえばチャットボットが自由入力のみを採用している場合、「選択肢で直感的に問い合わせたい」というユーザーのニーズに対応できないわけです。
しかし「チャットボットは、いずれか一方だけで事足りるだろう」と考え、両方を採用せず失敗するケースが多々あります。費用面の兼ね合いもありますが、チャットボットを導入するなら、選択肢と自由入力を揃えて、失敗しないようにしましょう。
失敗例④チャットボットの会話エンジンに問題がある
チャットボットは、事前に応対内容を入力させることで、顧客対応するシステムです。しかしユーザーに対して適切に応答できるかは、搭載されている「会話エンジン」の性能にも左右されます。
ただ、会話エンジンの性能が低い場合、ユーザーに対して満足な応答はなされません。したがってチャットボットが役割を果たせず、運用が失敗に終わるケースも多々あります。
したがってチャットボットを選ぶ際は、会話エンジンの性能についてきちんと確認しておく必要があります。たとえば、
- 登録できるQ&Aのパターンの数は十分か
- 「シナリオ形式」や「一問一答形式」など、さまざまな問い合わせフローに対応できるか
- 辞書機能が搭載されているか
- Excelなどの外部ツールから、応対内容を容易に入力できるような仕組みがあるか
など、チャットボットでの運用を失敗する前に、チャットボットの会話エンジンの性能をきちんと確認しておきましょう。上記のように高性能は会話エンジンなら、運用を続けるうえでよりすぐれたチャットボットに成長します。
失敗例⑤チャットボットが適切な返答をしていない
チャットボットの運用では、「ユーザーに適切な返答を返す」というのがきわめて重要です。しかしチャットボットをうまくコントロールできず、ユーザーとの会話が成立しないケースも多々あります。
適切な応答ができていないなら、ユーザーはわずらわしく思うでしょう。すると、チャットボットの利用が避けられ、結局コールセンターへ問い合わせが来るわけです。
また、チャットボットが返答に失敗すること自体、ユーザーに強烈なネガティブイメージを抱かせる原因にもなり得ます。
チャットボットを導入するなら、ユーザーに適切な返答ができるように、会話パターンやシナリオについて、日々ブラッシュアップすることが重要です。
失敗例⑥チャットボットで解決できる問題のレベルを超えている
また、「問い合わせ内容がチャットボットで解決できるレベルを超えている」ケースもあります。
いかに最近のチャットボットが優秀といえども、すべての問い合わせについて対応できるわけではありません。複雑な問い合わせ内容には、さすがに適切には返答できないケースもあるのです。
つまりチャットボットの能力を見極めて、「どこまでならできるのか」を把握することが重要だと言えるでしょう。そして問い合わせ内容のレベルに応じて、チャットボットとその他窓口での役割分担が必要となります。
失敗例⑦自社のプロダクトとチャットボットが合っていない
チャットボットの失敗例として、「自社のプロダクトとチャットボットが合っていない」というケースもあります。たとえば自社が、非常にレベルの高いマーケティングツールを販売していたとします。
プロダクトとチャットボットに対する問い合わせのレベルや難しさは、ある程度比例します。つまりチャットボット自体がプロダクトと問い合わせのレベルについていけず、機能しないことがあるのです。
チャットボットを導入する際、プロダクトのレベルについて考え、失敗しないか検討しておきましょう。
失敗例⑧PV数が少ない
PV数が少ない場合、チャットボットの運用も失敗するでしょう。PVが少ないなら、そもそもチャットボットが必要かどうかが疑われます。まずはサイトのSEO状況を改善する必要があるでしょう。
また、チャットボットの性能を上げていく、という面でも、PV数が少ないのは問題です。なぜならチャットボットは実際に問い合わせに対応する中で、より適切な応答ができるようにブラッシュアップするものだから。
つまりPV数が少ない場合、チャットボットの学習機会も限定され、性能をうまく高められません。よって導入する前段階でPV数はじゅうぶんかを確認することが、失敗しない方法だと言えるでしょう。
失敗例⑨現場と経営層で認識が一致していない
チャットボットの運用方法について、現場と経営層で認識が一致しないことは、失敗の原因となります。チャットボットを運用するうえでは、
- 想定される問い合わせ
- 質問に対する応答
- 設定するシナリオ形式
などについてよく考え、予測・設定する工程が必要です。しかし現場がチャットボットについて理解して設計・運用を想定していても、経営層が異なる認識を持つ場合もあります。
たとえば、「チャットボットで対応できる範囲」は、現場と経営層で認識がズレがちです。経営層はチャットボットについて、現実よりも「幅広く対応できる」と誤認することがあります。
こういった認識のズレは稟議の段階で解消し、チャットボット運用の失敗について避けるようにしましょう。
失敗例⑩他の問い合わせ方法ばかりが使われている
チャットボットの失敗事例として、「他の問い合わせ方法ばかりが使われている」というケースもあります。
たとえばチャットボットの存在にユーザーが気づかないなら、他の問い合わせ方法へ流入するはずです。また、チャットボットが適切に回答できず、電話やメールでの問い合わせに切り替わることもあるでしょう。
他の問い合わせ方法に流さず自動化した状態を保つには、まずチャットボットの存在をアピールすることが重要です。同時にチャットボットで対応が完結するように、定期的なメンテナンスも欠かせません。
失敗例⑪チャットボットを運用における費用対効果が合っていない
チャットボットは、たしかに優秀なシステムです。しかしチャットボットの中には利用料金が高額なものもあり、費用対効果が合わないケースもあります。
もちろん優秀なチャットボットがあれば、顧客には適切な対応を実施できるでしょう。しかし高額な費用を支払ってまで、実施する必要がないケースも多々あります。
したがってチャットボット導入に際して、採算が合うのか確認しておくことが、失敗を避ける方法だと言えるでしょう。
チャットボットの失敗を未然に防ぐための選び方と準備
非常に便利なチャットボットですが、上記のように失敗する事例は多々あります。失敗を避けるためには、以下のような「選び方」と「準備」について理解し、実施しましょう。
なぜチャットボットを導入するのか、明らかにする
チャットボットの失敗事例の大半は、結局のところ「なぜチャットボットを導入するのか」を見失ったことに起因します。つまり失敗を未然に防ぐためには、まずチャットボットの導入目的を明らかにすることが重要です。
たとえば、「コールセンターの業務負荷を軽減する」のが、導入の目的だったとしましょう。すると、チャットボットを「どれだけコールセンターの業務負荷を軽減できているか」という観点に基づいて運用できます。
「問い合わせ数の増加」や「応答速度の向上」など、別の目的に惑わされることはありません。
そしてコールセンターの業務負荷が軽減されたことがKPIなどで計測されたとき、「チャットボットの失敗を避けて、活用できた」と言えるでしょう。
つまりチャットボットの導入においては、目的を忘れずに運用することが重要なわけです。
運用が容易なものを優先する
チャットボットの失敗を避けるには、「運用が容易なものを優先して選ぶ」という方法があります。チャットボットの仕様は各社さまざまです。やや高度な知識が求められる場合もありますが、失敗を避ける意味では、運用が容易なものを優先しましょう。
特に「応答メッセージやシナリオ形式の入力方法が容易かどうか」、といった点は重要です。チャットボットによっては、プログラミング言語を知らなくても、これらをExcelなどで入力できるケースもあります。
普段から使っているツールと融和性が高いチャットボットは運用が容易なので、失敗するリスクも低くなるでしょう。
チャットボットと有人サポートを組み合わせる仕組みを作る
チャットボットだけで担当できる顧客対応には、当然ながら限度があります。限度を認識できず運用に失敗するケースは多いものです。
したがってチャットボットを導入する場合、必要に応じて有人サポートと組み合わせるというのが、よほど偏った状況でない限りは自然な結論となります。チャットボットの限界を理解し、どこまで自動化できるのか、しっかりと線引きしておきましょう。
まとめ:チャットボットの失敗例を踏まえて適切な選択を
本記事では、チャットボットの失敗事例について解説しました。本来、チャットボットは、顧客からの問い合わせ内容をスムーズ化する、きわめて優秀な方法です。
自社に合ったチャットボットを選択して、適切に活用すれば、たいへんな効率化が期待できるでしょう。しかしチャットボットは、ある程度の知識や準備、リソースがなければ、導入しても長期的な運用では失敗しがちです。
事前にチャットボットの失敗事例について確認し、適切な運用方法を見通しましょう。
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