チャットボットにおけるUXを強化する上で、重要な役割がある会話デザイン。
チャットボットの導入を検討している方の中には、「会話デザインとは何か知りたい」「どのように会話デザインをおこなったら良いかわからない」と疑問に思う方が多いのではないでしょうか。
会話デザインは、ユーザーが抱いている疑問や課題のスムーズな解消を実現するために必要不可欠な工程です。適切な会話デザインを設計できれば、顧客との信頼関係を深め、コンバージョン率を大きく高められます。
本記事では、チャットボットの会話デザインとは何かについて詳しく解説します。具体的な手順やUXをより向上させるポイント、UI設計についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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チャットボットの会話デザインとは
チャットボットの会話デザインとは、チャットボットの会話の内容や流れを設計することを指します。ユーザーがチャットボットとの会話を通してどのような体験をするのかを決める重要な工程です。適切な会話を設計できれば、ユーザーにとって適切な情報を提供できます。
具体的には、文章の正確性や語尾、言葉遣いなどをユーザーのニーズや利用用途に基づいてデザインします。ほかにも、シナリオ型なら選択肢、AI型は人格など、チャットボットの種類によって設計する項目が変化します。
そのため、チャットボットの種類による違いを理解することが大切です。以下の記事では、チャットボットの種類とそれぞれの特徴について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
チャットボットの会話をデザインする重要性
チャットボットの会話デザインは、UX(ユーザー体験)を向上させるために重要です。UXとは、ユーザーが製品・サービスの利用を通じて得られる体験を指します。
UXの向上には、顧客満足度やコンバージョン率の向上、ロイヤルカスタマーの獲得など、さまざまなメリットがあります。チャットボットにおいて、UXの質を決める要素は数多くありますが、なかでも会話デザインは重要です。
ユーザーが求める回答にストレスなくたどり着ける導線を設計できるかどうかによって、UXは大きく変化します。スムーズな会話ができれば、顧客満足度やコンバージョン率の向上はもちろん、カスタマーサポート業務の負担軽減も期待できます。
チャットボットの会話デザインの設計手順
チャットボットの会話を設計するには、適切な手順で進めることが重要です。手順を間違えると、ユーザーニーズと乖離が生まれ、UXの低下につながる可能性があるため、あらかじめ具体的な手順を把握しておきましょう。
ユーザーニーズと利用用途を明確にする
チャットボットの会話をデザインする上では、ユーザーの理解が必要不可欠です。想定しているユーザーがどのように利用するのか、またどのような悩みを抱えているのかを考えます。
例えばカスタマーサポートに導入する場合、ユーザーは製品・サービスの利用方法や購入方法を知るために利用すると想定できます。
よくある質問などの解決策が明確な場合は、簡素な回答を設定すると良いでしょう。しかし状況に応じて回答が異なる場合は、簡単な説明と一緒にマニュアルのURLを記載すれば、満足度の向上が期待できます。
このようにユーザーの利用用途やニーズが明確になれば質問を想定でき、登録すべき会話を把握できます。会話をデザインする場合は、まずユーザーニーズを明確にして、方向性を明確に定めましょう。
チャットボットの人格を決める
チャットボットの人格は、第一印象の良し悪しを左右する大切な要素です。語尾や一人称、語彙などによって、ユーザーが抱く印象が異なります。
例えば、語尾を「ですます調」に統一し、親しみやすく「だね・だよ」を使うなど、ユーザーや企業のブランドイメージに合わせて設定します。
なかには、チャットボットのアイコンを企業独自のキャラクターに設定する企業も少なくありません。キャラクターに合わせて語尾や口調を合わせると、親近感がわきやすく、利用率の向上に有効です。
企業独自のキャラクターはブランディングとしても活用できるため、人格設定と合わせて検討しましょう。
会話の流れを設計する
会話の流れは、会話デザインにおいて最も重要な工程です。ユーザーがストレスなく求める回答にたどり着けるよう設定します。
まずは想定される質問とその回答(ゴール)を洗い出します。ゴールにたどり着くまでの中で、ユーザーの入力を想定し、分岐を洗い出しましょう。ゴールまでに表示される選択肢の回数が多ければ、途中で離脱する可能性もあります。
ゴールまでの選択肢表示回数は、3回までが理想です。設計できた流れは、スムーズな会話であるかを判断基準として確認しましょう。
また、会話の流れを設計する場合、一つ前の質問に戻れる機能を設定しておくと、UXの向上に大きく寄与します。ユーザーの目線に立ち、どのようなフローであればスムーズに会話できるかを考慮して会話の流れを設定しましょう。
コンバージョンを設定する
会話の流れと一緒にコンバージョン先のURLも慎重に検討します。ユーザーの悩みを解決できる適切なコンバージョンの設計は、売上や顧客満足度の向上につながる重要な要素です。
例えば美容クリニックのWebサイトに導入する場合、施術に関する相談を受けた後に、実際の症例写真や体験談と一緒にカウンセリング予約ページを記載すれば、来院数の増加につながります。ほかにもカスタマーサポートに導入する場合、回答後に関連するFAQや製品ページを記載すれば、迅速な課題解決が可能です。
ただし、内容によってはクレーム対応など、コンバージョンを設けない方が良い場合もあります。利用シーンに応じた適切な内容の設定が大切です。
効果検証と改善を繰り返す
最初から完璧な会話デザインを作成するのは正直なところ困難です。実際にユーザーに利用してもらい、効果の検証と改善を繰り返します。
解決率やページの遷移数、コンバージョン率などの情報を分析し、どのくらい効果があるのか確認しましょう。解決率の悪い質問は、会話のフローや回答自体を見直し、必要に応じて内容を変更します。
自社の目標と比較し、達成率を算出しておくと今後の改善の度合いが明確になります。
効果の検証は、定期的な見直しが必要です。ユーザーのニーズは時代の流れとともに変わっていくため、あらかじめ検証を実施する期間を設定しておきましょう。
チャットボットの会話デザインでUXを向上させるコツ
UXを向上させるには、会話デザインの内容が大切です。UXを最大化させるためにも、会話デザインを設計するコツについて解説します。
はじめに友好的な挨拶を設置する
会話フローを設計する際、いきなり選択肢を提示するのではなく、冒頭に挨拶を入れるのが一般的です。冒頭の挨拶を友好的な内容に設定すると、機械的な印象を軽減でき、チャットボットを利用する心理的なハードルを下げられます。
例えば、「こんにちは!何かお困りなことがあれば、すぐにお手伝いします。」「ご訪問ありがとうございます!私は〇〇のサポートボットです。ご質問やご相談があれば、どうぞお気軽にお話しください。」など、丁寧かつ親近感のある内容にします。
ユーザー属性や企業のブランドイメージに応じた挨拶内容の変更もおすすめです。フレンドリーさや温かみのある挨拶にし、初めてのユーザーには「はじめまして!」に変更するなど、適宜工夫しましょう。
わかりやすくシンプルな言い回しにする
ユーザーがチャットボットを利用する目的の多くは、疑問や課題の早期解決です。回答内容は極力シンプルでわかりやすい内容を心掛けましょう。
例えば回答内容が長文になる場合、簡潔に回答をまとめた上で、詳細を記載したURLを提示します。
また、専門用語の使用も避けましょう。専門用語を使用した方が簡潔になる場合は、専門用語とその意味を一覧でまとめたURLや注釈を入れるなどがおすすめです。
回答内容がわかりにくく、回答までにたどり着くまでに時間がかかる場合、ユーザーの離脱につながります。特にカスタマーサポートに導入する場合は、電話による問い合わせの増加につながり、導入効果が見込めなくなるケースも少なくありません。
オープンクエスチョンは避ける
オープンクエスチョンとは、ユーザーが自由に入力できる質問を指します。オープンクエスチョンは、ユーザーからの質問を想定しにくく、最適な回答を提示する難易度が上がります。
「何についてお困りですか?」など、大まかなカテゴリで選択肢を提示すると、会話フローを設計しやすく、スムーズな会話を実現可能です。
チャットボットの強みを生かすためにも、ユーザーが選択しやすい質問形式を用意することが重要です。
使い方ガイドを用意する
使い方ガイドの提示は、チャットボットのスムーズな利用につながります。チャットボットの使用に慣れていないユーザーは、質問の仕方がわからないなど、上手く会話が進まないことも少なくありません。
最初のメッセージに簡単な使い方を説明し、使い方ガイドに誘導すれば、チャットボットに不慣れなユーザーの離脱を防止できます。例えば、「知りたい情報を以下の選択肢からお選びください」「質問やお悩みを自由にご入力ください」など、簡単に使い方を説明します。
また、会話をデザインする際は、年齢層やチャットボットに対するリテラシーなどのユーザー属性をあらかじめ予測しておくことが大切です。使い方ガイドの掲載範囲を決める上で重要な指標になります。
対応できない場合の代替導線を用意する
チャットボットには、その種類やユーザーの状況によって回答できない質問もあります。チャットボットで回答が難しい質問に無理に対応して、質問の意図から逸れた回答や不正確な回答を生成してしまうと、ユーザーは不信感を抱きます。
そのため、チャットボットでは回答できない旨を正直に伝えた上で、有人チャットに切り替えるなどの導線を用意しましょう。電話番号の記載や問い合わせフォームの設置、詳細資料のダウンロードなども代替導線として有効です。
チャットボットと人間との役割を明確に分けて会話をデザインできれば、問い合わせ対応業務の運用を最適化できます。
UX向上にはUIデザインも重要
UXの向上は、会話デザインだけでなく、UI(ユーザーインターフェース)デザインも重要な要素です。UIとは、ユーザーと製品・サービスとの接点で、具体的には画面のデザインや操作性を指します。
会話デザインは、ユーザーとのスムーズな会話の実現が目的で、言葉遣いや会話フローがデザインの対象です。一方UIデザインの目的は、ユーザーが直感的に操作できるようにすることにあります。そのため、画面の見た目やレイアウトなど視覚的な要素がデザインの対象です。
UIデザインはUX向上に直接的に関係しており、会話デザインと同時に進めれば、より大きな効果が期待できます。UIデザインがUX向上に与えるメリットについて見ていきましょう。
顧客満足度の向上
直感的に操作できるUIの設計は、ユーザーの利用率を高めるために重要です。会話に優れているチャットボットを提供していても、チャットボットの設置場所や操作方法がわかりにくいと、ユーザーは離脱しやすくなり、利用率も低下してしまいます。
わかりやすいUI設計によってユーザーの利用率が高まると、チャットボットの効果を実感してもらいやすくなり、結果として顧客満足度の向上につながります。
直感的に迷うことなく利用できるUIデザインの構築は、ユーザーが疑問を解消するという目的達成までの時間を短縮する大切な要素なのです。
余計なストレスを感じないわかりやすいUIデザインと共に、会話によるスムーズな疑問の解消を体験できれば、顧客満足度を大きく向上できます。
コンバージョン率の向上
UIデザインによって、求めている情報がわかりやすく表示されれば、エンゲージメントの増加にもつながります。エンゲージメントとは、ユーザーが製品やサービスにどれだけ関わってくれているかの指標です。
製品やサービスとの関わりが増加すれば、自然とコンバージョン率も高まります。クロスセルやアップセルの機会も増加するため、プランのグレードアップや追加購入の可能性も高まるでしょう。
LTVの最大化
ユーザーにとって利便性の高いチャットボットの提供は、企業に対する信頼関係の構築や製品やサービスの継続利用につながります。悩みや課題がスムーズに解消できる体験が、ユーザーとの信頼関係やブランドへの愛着を深めるのです。
継続的な利用者が増え、リピート率が高まることで、LTV(顧客生涯価値)の最大化が見込まれます。既存顧客は売上に対する貢献度が高いだけでなく、顧客データの収集や分析にも欠かせない存在です。
既存顧客を増やし、LTVを最大化できれば、顧客のニーズに合わせた製品・サービスの開発やブランドの持続的な成長につながります。
チャットボットにおけるUIのデザイン要素
チャットボットにおけるUIのデザイン要素はさまざまです。UIデザインをする前にそれぞれの特徴と効果を把握しておきましょう。
UI要素 | 説明 |
---|---|
ウィジェット(吹き出し) | チャットボットの画面を表示する小さなパネルです。サイトのわかりやすい場所に設置するとユーザーが迷うことなく利用できます。 |
タイムスタンプ | メッセージや操作の送信時間を表示します。会話の流れを時系列で把握できます。 |
選択肢 | ユーザーの素早い回答を促せるよう、選択肢を提示します。箇条書でわかりやすいよう表示方法の工夫が大切です。 |
ボタン | スムーズさと見やすさが重要です。誤送信防止のため、カーソルを合わせると色が変わる仕様にするなどの工夫をしましょう。 |
アバター | チャットボットやユーザーを表すアイコンです。親しみやすさや信頼感に影響を与えます。 |
カラー | ブランドカラーやトーンマナーを保ちつつ、視覚的な快適さを意識します。 |
フォント | 視覚的に読みやすいフォントを選びます。ブランドイメージを左右する要素です。 |
入力フィールド | ユーザーが自由に入力できるスペースです。ユーザーとの対話性を高められます。 |
チャットボットにおけるUI設計のポイント
UX向上を最大化させるためにも、UIをデザインする上でいくつかのポイントを押さえておく必要があります。チャットボットにおけるUI設計のポイントを解説します。
直感的に操作できるデザインにする
UIを設計する上で最も重要なのが、迷わず直感的に操作できるデザインにすることです。メッセージや選択肢の表示方法、ボタンの配置など、チャットボットを初めて利用するユーザーでもわかりやすいデザインになるよう工夫しましょう。
「戻る」「キャンセル」などのサポート機能も適切に設定すれば、ユーザーの迷いや不満を解消できます。
また、ユーザーの入力を迷わせないよう、自由入力欄ではなく選択肢をなるべく利用すると、スムーズな会話の進行が可能です。自由入力欄を設ける際は、入力例などを記載しておけば、ユーザーの入力をサポートできるだけでなく、チャットボットの誤認識を防止し、解決率を維持できます。
デザインのトーンマナーを揃える
操作性向上のためには、ボタンの配置やフォント、カラーの統一が必要不可欠です。チャットボットの色合いやフォントがWebサイトと異なり、画面が切り替わる度に変化すると、ユーザーの混乱を招きます。
ボタンや選択肢、入力欄などの配置を常に一定にできれば、ユーザーは迷わずスムーズな会話の進行が可能です。ボタン同士の余白も揃えると、誤タップの防止にもつながります。
トーンマナーを揃えて統一感を持たせることで、ユーザーは戸惑うことなく利用でき、UXの向上が期待できます。
ユーザーの属性やニーズに合わせる
UIは、ユーザーの属性やニーズに合わせてデザインする必要があります。同じ回答内容でも、口調や表現方法によって印象が大きく変化します。
UIを設計する前に、自社のWebサイトに訪問するユーザーの属性やニーズをあらかじめ分析・予測しておきましょう。親しみやすさや信頼感、効率重視の簡潔さなど、属性やニーズによって配慮すべきポイントを明確にします。
例えば、金融業界や自治体には、丁寧さや信頼感が大切です。ECサイトやアプリなど、日常で利用するカジュアルなサービスには、親しみやすさがあると利用を促進できます。
もちろん、口調や表現方法だけでなく、カラーやフォントなどUIのすべての要素においてユーザー属性やニーズに合わせることが大切です。
マルチデバイス対応させる
ユーザーはパソコンに限らず、スマートフォンやタブレットなど、さまざまなデバイスでWebサイトを訪問します。
UXの向上にはそれぞれのデバイスで快適に利用できる環境整備が必要不可欠です。ユーザーに合わせてマルチデバイスに対応させましょう。
例えば、スマートフォン画面上では、チャットボットの画面が占領しすぎない工夫が必要です。タップすると小さいアイコンにまとまり、必要なときに展開できるように設計します。
各デバイスの特徴を考慮してそれぞれに合ったUIデザインにしましょう。
タイピングインジケーターの有無
タイピングインジケーターとは、チャット上で相手がメッセージを入力中であることが認識できる機能です。チャットボットが回答を生成していることが一目で認識できるため、ユーザーに回答準備が進んでいることを理解してもらえます。
生成に時間がかかる場合や有人チャットに切り替えた際に役立ち、ユーザーの離脱防止や待ち時間に対するストレスの軽減が可能です。
また、回答に時間がかかっている場合に、ユーザーは質問がちゃんと送信できたかわからず、再度質問を送信するケースがあります。タイピングインジケーターがあれば、同時送信を防止できます。
ABテストで検証して最適なデザインにする
ユーザーにとって最適なUIを設計するには、ABテストが有効です。ABテストとは、AパターンやBパターンなど、複数のパターンを用意してユーザーの反応を比較する検証方法です。
ボタンの配置や色合い、文言などが利用率や顧客満足度にどのような影響を与えるかを客観的に測定できます。
より最適なUIデザインにするには、ABテストは複数回実施することが大切です。実施する際は、季節や時期によってユーザー数が変化するため、同時期におこないましょう。
運用後も継続的な見直しと改善をおこなう
UIが設計でき、チャットボットの運用が始まった後も、継続的な見直しと改善を実施します。ユーザーの利用データを基に効果を調べ、必要に応じて改善します。
UIデザインは、起動率や離脱率、コンバージョン率に直結する要素です。これらの数値が低い場合は、UIに何かしらの問題がある可能性が高いため、ユーザー属性やニーズに最適かどうか見直しましょう。
ユーザーニーズは時代の流れと共に変化する可能性があるため、最適なUIを維持するには、会話デザインと同様、定期的な見直しと改善が必要です。
ユーザーのニーズに合わせてチャットボットをデザインしよう
チャットボットにおいて会話デザインは、UXを向上させ、売上に直結する大切な工程です。会話デザインと合わせてUIの設計も同時に実施することで、よりUXを高められます。
ユーザーのニーズに合わせて適切で快適な会話デザインとUIを設計できれば、顧客との信頼関係を深められるでしょう。
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