Googleが提供する無料チャットボット|導入方法や事例を紹介

導入導入事例

多種多様な業界で活躍するチャットボット。業務の効率化や売上の向上など、さまざまな効果が得られる便利なツールです。

多くのチャットボットは有料ですが、中には無料で使えるものも存在します。しかし、無料のチャットボットはセキュリティ面で不安が残ることがあり、「信頼できるGoogleが提供する無料のチャットボットはないのだろうか」と考える方もいるでしょう。

実は、Googleにも無料で導入できるチャットボットがあります。それぞれの特徴を知ることで、Googleのチャットボットが自社に合っているかどうか判断しやすくなります。

本記事では、Googleが提供する無料のチャットボットを紹介します。実際の導入方法や事例、適切なチャットボットの選び方も紹介しているので、チャットボット選びで迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

弊社サンソウシステムズでは、30日間無料で利用できるチャットボット「さっとFAQ」を提供しています。月額1万円から利用でき、Excelに入力するだけで、誰でも簡単にシナリオを作成できるため、コストパフォーマンス重視の企業におすすめです。

無料で利用できるチャットボットをお探しの方は、ぜひ一度お問い合わせください。

Googleが提供する無料のチャットボット

Googleには無料で提供しているチャットボットがあります。それぞれの特徴について見ていきましょう。

サービス名概要
Dialogflow専門的な知識がなくても、無料でチャットボットを作成できるツール。
AI Chatbot社内問い合わせやカスタマーサポートなどの業務効率化におすすめのチャットボット。
Google Chat無料のチャットツール。ボットを埋め込んで情報共有を自動化できる。

Dialogflow

Dialogflowは、トライアルを利用して無料でチャットボットを作成できるサービスです。Dialogflowには、大きく3つの特徴があります。

  • プログラミング言語が不要
  • 高い機能性
  • 有料プランでも初期費用無料

チャットボットを作成する際の課題の一つとして、専門知識の不足が挙げられます。幅広い業界で活用できるチャットボットを自社で開発する場合、導入や運用を担う人材が不足しているため、導入を断念する企業もあるでしょう。Dialogflowはプログラミングの知識が不要で、専門知識がなくても誰でも利用できます

また、機能面では、豊富な連携サービスや多様な入力方法、多言語対応などが特徴です。LINEやSlack、Facebookなど、さまざまなサービスと連携できるため、自社ですでに利用しているサービスと組み合わせることで、多くの業務を効率的に進めることができます。

対応言語は、英語やフランス語、中国語などをはじめとする30以上の言語に対応しており、国境を超えた幅広い顧客や従業員が関わる企業にもおすすめです。トライアルでは機能や生成回数に制限がありますが、無料で利用できます。

AI Chatbot

AI Chatbotは、Googleが提供するAI型チャットボットを無料で利用できるツールです。

一からチャットボットを作成するDialogflowとは異なり、あらかじめ完成されたチャットボットを導入できます。学習データの蓄積は必要ですが、一から作成する必要がないため、導入から運用開始までを短期間でおこなうことが可能です。

あらかじめ設定した会話フローで会話を進めるシナリオ型とは異なり、ユーザーからの質問に対してチャットボットが自動で回答を生成するため、学習内容によってはイレギュラーな質問でも柔軟な回答が可能です。

カスタマーサポートや社内問い合わせ対応への導入が有効で、業務効率化や人件費・労働時間の削減などの効果が期待できます。無料トライアルでは、90日間有効な$300分のクレジットでチャットボットを利用可能です。

Google Chat

Google Chatは、リアルタイムでユーザー同士が会話できる無料のチャットツールです。仕事のコミュニケーションを円滑にし、チームの生産性を高められます。

Google Chat単体ではチャットボットを作成できませんが、Google Chat API や Google Cloud Consoleを有効にすることでボットを作成し埋め込みが可能です。

Google Chatにボットを導入する流れは以下の通りです。

  1. Google Cloud Console で新規プロジェクトを作成
  2. Google Chat API を有効化
  3. OAuth同意画面の設定
  4. Apps Scriptでプロジェクトを作成(ボットの動作設定)
  5. デプロイ(Google Chatからのアクセスできるよう公開)
  6. Botの公開とテスト

Google Chatにボットを埋め込むと、イベントのスケジュールや各種申請の締め切りなど、業務に関する情報をボットから通知し、共有できます。担当者がわざわざ周知する必要がないため、業務負担やケアレスミスの削減が可能です。

無料チャットボットの選ぶ際のポイント

無料のチャットボットを選定する上では、いくつかのポイントに注意が必要です。自社に適切なツールを選べるよう把握しておきましょう。

導入目的を明確にする

チャットボットは、ツールによって機能や特徴が異なります。チャットボットの種類によっても対応可能範囲の違いや得意不得意があるため、導入目的に合わせたツール選定が必要不可欠です。

例えば、「カスタマーサポートの問い合わせ業務を軽減する」「適切な商品を提案できるようにWeb接客に取り入れたい」など、まずは導入目的を明確にします。設定した目的に必要な機能を持つツールを選定しましょう。

導入目的に合わないツールを導入した場合、想定していた導入効果が得られない可能性があります。導入効果を最大化させるためにも、あらかじめ導入目的や解決したい課題を明確にしておきましょう。

無料期間を確認する

チャットボットの中には、無料で利用できるトライアル期間を設けているツールがあります。すべての機能が無料で利用できるわけではなく、一部の機能や利用期間に制限が設けられている場合があります。完全に無料で利用したい場合は、無料プランが用意されているかどうかを必ず確認しましょう。

有料版の利用も検討している場合でも、無料トライアルを利用する際は、トライアル期間を必ず確認します。無料期間が終了した後に、自動的に有料プランに切り替わるツールもあるため、注意が必要です。

また、導入前にいくらツールの説明を受けたとしても、実際の操作性はわかりません。無料トライアルを利用せずに導入する場合、想像していたものと乖離があり、使いにくく感じる可能性があります。シナリオ作成からテスト運用まで試せる期間が設けてあるツールがおすすめです。

有料版も検討する

無料プランには、機能や回答生成回数などに制限が設けられている場合がほとんどです。自社の導入目的を達成するには、無料プランだけでは十分でない可能性があります。

例えば、外部サービスとの連携や多言語対応、データ保存容量・期間など、有料プランと比較して機能性が見劣りします。目的達成に不十分な機能のチャットボットを導入しても、効果が得られず、結果的に運用コストがかかり、業務負担を軽減できないケースも考えられます。

無料プランで利用できる機能と自社の導入目的を照らし合わせ、必要に応じて有料版も検討しましょう。

Googleの無料チャットボットDialogflowの導入ステップ

Googleのチャットボット「Dialogflow」を無料で導入する場合のステップを解説します。

Dialogflowのアカウント作成とチャットボットの新規作成

まずは、Dialogflowにアクセスしてアカウント作成・ログインします。Dialogflowのアカウント作成には、Googleアカウントも必要になるため、あらかじめ作成しておきましょう。

Googleアカウントのサインイン後、利用規約が表示されます。確認して問題なければ「同意」して利用開始です。

ログイン後、表示されたDialogflowの管理画面から「Create Agent」を選択し、チャットボットの新規作成を開始します。「Agent」はチャットボットの単位です。

チャットボットの名称を入力したら、「DEFAULT LANGUAGE」から対応言語を選択し、「CREATE」で作成します。

Intent(意図)と回答の登録

管理画面で「Intents」から「CREATE INTENT」をクリックし、質問と回答を登録します。

まず、Intentの名称を決めて入力し、「ADD TRAINING PHRASES」をクリックします。Intentの名称は、例えばはじめの挨拶の場合は「Hello」などが考えられます。ここで、ユーザーの質問とそれに対する回答を登録します。

はじめの挨拶を登録する場合は、「Training phrases」の入力欄に登録したい単語「はじめまして」を入力します。「Responses」で「ADD RESPONSE」をクリックし、「Text Response」に、Training phrasesに対する回答として「はじめまして!〇〇チャットボットです。何を知りたいですか?」と入力します。

最後に「SAVE」をクリックして一つの会話を作成できます。

Entity(別表現・類語)の登録

ユーザーが入力する単語は、ユーザーによってさまざまです。この表記のゆれに対する設定をおこないます

管理画面「Entities」から「CREATE ENTITY」をクリックします。「Define synonyms(類義語の設定)」にチェックを入力。「Click here to…」をクリックして、左側の枠に元のキーワード、右側の枠にそれに対する類義語を入力して登録していきます。

例えば、「質問」に対する類義語として「しつもん」「聞きたい」「知りたい」「教えて」などが挙げられます。最後に「SAVE」で登録完了です。

テスト・調整

IntentとEntityが登録できたら、チャットボットが正常に動作するかテストをして確認します。管理画面右上の入力欄に「こんにちは」を入力すると「はじめまして!〇〇チャットボットです!何が知りたいですか?」とチャットの回数が表示されます。

テストで表示された内容が質問の回答として異なる場合、IntentとEntityの改善が必要です。状況に応じて質問の追加や回答内容の変更をおこないましょう。

Webサイトへの埋め込み

テストが上手くいったら、実際にWebサイトに埋め込みます。管理画面の「Integrations」から「Web Demo」を選択すると、埋め込み用のコードを取得できます。

取得したコードを実際に埋め込みたいWebサイトに入力し、動作確認ができたら導入完了です。

Googleが提供する無料チャットボットの導入事例

Googleが提供する無料チャットボットの導入事例を紹介します。自社の導入目的や課題と似たような事例を把握し、自社に導入した際の参考にしましょう。

ドミノピザ

Dialogflowを導入して注文の簡素化を図った事例です。宅配ピザ事業をおこなうドミノピザは、2016年8月からチャットボットによる注文の受注を検討し、ユーザーとっての使いやすさやIntent(行動・意図)の種類を制限なく増やせる点から、Dialogflowを導入しました。

導入後は、複雑な注文のシステムにも対応できるチャットボットを構築。目標を達成し、さらにはそれを上回る効果を実感しました。

現在では、Googleアシスタントを搭載したデバイスで「OK Google、Domino’s と話したい」と伝えるだけで注文ができるシステムを構築しています。

参考:「Google Cloud|事例紹介

KLMオランダ空港

KLMオランダ空港では、顧客がアプリを使うことなく予約をおこなえるチャットボットを構築しました。

チャットボット導入前のKLMオランダ空港の年間利用回数は顧客1人あたり1.4回です。専用のモバイルアプリをダウンロードして予約をおこなうという手間があるため、機会損失をしている可能性があるのではないかと思い、Dialogflowでチャットボット「BB」を作成しました。

2017年には、FacebookのMessengerで予約機能の運用を開始。その後Googleアシスタント向けに、旅行先や期間、季節などによって持って行くべき物を提案するパッキングサービスを開始しました。

社内外の協力もあり、BBのリリースは短時間で実現でき、チャットボットとの会話自体が楽しめるとユーザーから高評価を得ています。

参考:「Google Cloud|事例紹介

ユニクロ

ユニクロではDialogflowを利用して、自社アプリ上に表示されるチャットボット「IQ」を作成しました。商品選びや配送状況の確認、交換返品方法など、商品の購入からアフターサービスまでをチャットボットでサポートしています。

欲しい商品が見つからない場合や自分に合うサイズが分からない場合にサポートや提案ができる、高品質なチャットボットを構築しました。

2018年5月時点では、電話やメールによる問い合わせの約半数をチャットボット経由で対応しており、カスタマーサポート業務の大幅な軽減を実現しています。

参考:「ユニクロ|IQ・チャットサポートについて

三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行では、お客様向けコールセンター業務を効率化するために、Dialogflowでチャットボットを作成・導入しています。同社はチャットボットの導入前、その事業領域の広さゆえに、コールセンターに寄せられる大量の問い合わせ電話に悩みを抱いていました。

この問い合わせ対応にかかっているコストをデジタライゼーション戦略によって解決できないかと、チャットボット導入のプロジェクトを立ち上げました。問い合わせをWebから受け付けてチャットボットが対応、対応しきれない問い合わせはオペレーターが対応するというシステムを構築して、インターネットバンキングに導入。導入後は、月に27,000件の問い合わせにチャットボットが対応できるようになりました

リリース当初は30件だったシナリオも2019年末時点で約150件にまで増やし、回答率も50~60%まで引き上げられています。

参考:「Google Cloud|顧客事例

Google製品以外のおすすめチャットボット

Google製品以外にも、簡単に使えるチャットボットがあります。中でも使いやすさやコストパフォーマンスに優れたチャットボットを紹介します。Google製品以外も検討している方は、自社の導入目的と照らし合わせながら、ぜひ検討してください。

無料で利用できるチャットボット15選!お試しのメリットや注意点も紹介
チャットボットの導入検討において初期コストを抑えたいですよね?本記事では無料プランやトライアルが可能なチャットボットを紹介しております。無料のチャットボットツールを使うメリット・デメリットや注意点なども解説しております。弊社が提供しているチャットボット「さっとFAQ」も無料トライアルプランがあります。ぜひ、この機会にご検討ください。

さっとFAQ

さっとFAQ

株式会社サンソウシステムズが提供するさっとFAQ」は、30日間無料で利用できるチャットボットです。操作性に優れ、月額1万円からはじめられることからコストパフォーマンスに優れています。

さっとFAQでは専門知識を使わずに、簡単にシナリオ作成ができる点が大きな特徴です。普段使い慣れたExcelを利用するため、ITツールに不慣れな従業員でも利用できます。

また利用状況を視覚的に分析できるダッシュボード機能もあります。利用データから改善点を見つけ出し、より良いチャットボットの構築が実現可能です。

申し込みから最短3日で導入・運用できることから、早急に自社の課題を解決したい方にもおすすめです。

ChatPlus

チャットプラス株式会社が提供する「Chat Plus」は、導入実績20,000件以上(2025年8月時点)を誇るAI型チャットボットです。事業規模に応じて月額1,500円から導入でき、業務の自動化や社内問い合わせの工数削減など、さまざまな効果が得られます。

豊富な導入実績から、約5,000種類の機能を搭載していることが特徴です。サジェスト機能や有人チャット切替などの基本的な機能はもちろん、辞書登録や分類タグ機能など、多種多様な業種の企業から寄せられる意見を基に、さまざまな機能を搭載しています。

機能性を重視する企業におすすめのチャットボットです。トライアルでは10日間無料で利用できます。

IZANAI

クラウドサーカス株式会社が提供する「IZANAI」は、無料で利用できるチャットボットです。月に50CVまでは無料で利用でき、有料版の一部機能も利用できます。

シンプルな操作と初心者でも安心のテンプレートが魅力の一つです。専門知識や操作が不要なため、誰でも簡単に導入・運用できます。

IZANAIは、ホテルや飲食店、物件の内見など、予約や問い合わせの増加、問い合わせ対応による顧客満足度の向上や業務負担の軽減など、さまざまなシーンで活躍します。

チャットボットの導入効果が、50CV以内に収まる見込みの企業におすすめのチャットボットです。

チャットボットを無料で作成するならGoogle製品がおすすめ

Googleには、チャットボット自体を作成できるDialogflowやカスタマーサポート、社内問い合わせに有効なAI Chatbotなど、無料で利用できるチャットボットがあります。無料でチャットボットを運用してみたい方は、Google製品から選ぶと良いでしょう。

しかし、それぞれの製品を無料で利用する場合には、制限が設けられています。自社の導入目的を達成するには、有料版のチャットボットも検討することが重要です。

目的や必要な機能などを明確にして、自社に最適なツールを選びましょう。

弊社サンソウシステムズでは、月額1万円からはじめられるチャットボット「さっとFAQ」を提供しています。専門知識を必要とせず、Excelに入力するだけで、誰でも簡単にシナリオを作成できます。

今なら30日間の無料トライアルも実施しているので、チャットボットの導入を検討している方は、ぜひお問い合わせください。

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