社内での効率的なナレッジ共有の進め方は?ツール5選と浸透させるための方法を解説

基礎知識
監修者
蒔田 豊

株式会社サンソウシステムズ取締役・サービス事業本部長

インフラ・ネットワーク・WEB開発を経験し、コンサルティングとして様々な顧客のIT課題解決に貢献。その後チャットボットソリューションのサービス事業を立ち上げDX推進に従事。趣味は滝巡り。

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「社内にナレッジが蓄積されず、必要な情報を共有できていない」という悩みを抱えている会社は少なくありません。

社内情報の整理は後回しにされがちですが、社内ナレッジの共有は今や組織として成長するために優先的に取り組むべき事項です。

そこで今回の記事では、社内ナレッジが共有されないときに起こる弊害、共有によるメリット、ツールや共有の進め方について解説するので、ぜひ参考にしてください。

社内ナレッジとは

ナレッジ(knowledge)とは、英語で「知識」を意味する単語です。ビジネスシーンで必要となるナレッジは、生産性や競争力を高めるために重要視されています。

具体的には、企業に蓄積された価値のある知識、情報、経験、事例、スキル、資料など、経営を含め企業が成長するために良い影響をおよぼすものすべてが当てはまります。

社内ナレッジには「暗黙知」と「形式知」の2種類があり、それぞれ次に解説します。

暗黙知と形式知

まず「暗黙知」とは、ベテラン社員の勘や経験、伝統的に社内で引き継がれてきた感覚をいいます。つまり、マニュアルや手順書に記載がないのが特徴で、少数の社員だけが知っている知識です。

暗黙知は一般化が難しいナレッジですが、その企業オリジナルの重要な知識やスキルであることが多くあります。しかし属人化しやすく、一般化や共有化が難しく、引継ぎに時間がかかるといえるでしょう。

一方、形式知はすでに文字に起こされマニュアル化されたナレッジを指し、暗黙知とは真逆の性質があります。説明されている文書を読んで、その通りに実行すれば、ほぼ全員が同じ結果を出せるよう設計されています。

そこで、属人化を防ぎ貴重な社内ナレッジを従業員に浸透させていくために、暗黙知を形式知に変えることが重要です。そうすれば、ナレッジを蓄積する目的である生産性向上や企業成長を実現できるでしょう。

社内共有すべき4種類のナレッジ

従業員が等しく知っておくべき社内ナレッジにはいくつか種類があり、企業や業種、規模などによって異なります。ここでは、ルールや手順、専門知識、成功事例、過去データの4種類を説明します。

ルールや手順

まずは社内ルールや手順書です。就業時間や食堂の使い方、有給の取り方など社内独自のルールが記載された社内規定も、社内ナレッジの1つです。主に総務部や人事部が管轄して作成していて、正社員だけでなく派遣社員やアルバイトも含め、全従業員に関わりがあります。

部署ごとでは、マニュアル形式でルールや手順書が作成されています。しかし、普段の業務の忙しさのあまり、営業先での挨拶の仕方やリモートワーク上のルールなど、マニュアル化されていないナレッジも多く残っているでしょう。

専門知識

社内独自の専門知識は重要なナレッジの1つです。商品知識、研究開発、マーケティング手法、営業の方法、広告の作り方、接客の仕方など、これまで培ってきた貴重な経験が含まれます。

特定の従業員だけが知っている状態では、開発スピードや市場に出すタイミングが遅れてしまうかもしれません。顧客接点やビジネスチャンスを逃すことになるので、ナレッジの一元化が重要です。

成功事例

成功事例を社内ナレッジとして共有すれば、従業員のベストプラクティスを引き継ぐことができます。成功に導いた市場データ、トークスクリプト、クライアントの特徴といったノウハウをわかりやすく記録し、共有します。

ほかの従業員も成功事例から学ぶことで、成功パターンを再現しやすくなりチーム力を底上げできるようになるでしょう。ひいては生産性や売上の向上につながるため、有効な手段です。

過去データ

過去の社内調査、取得データ、分析データ、顧客データなども貴重な社内ナレッジです。データといっても数値を集めたものだけでなく、プレゼン資料、契約書、設計図、企画書といった各種資料も含まれます。

類似案件が新規で発生したとき、ゼロから企画書を起こすのではなく、過去データを参考にすればブラッシュアップしながら作成できるでしょう。

汎用性の高いものはテンプレート化し、誰でも使いやすくすると業務効率化が期待できます。

社内でナレッジ共有しなければ起こる弊害

社内ナレッジが共有されていない場合の弊害について、2点解説します。

業務が属人化する

社内ナレッジが存在しないと、業務が属人化し会社に何も蓄積されなくなります。スキルや経験は個人が保有し、担当者が退職や転職をするとナレッジも流出する弊害が生まれるでしょう。

また属人化すると、充実したマニュアルや手順書もなく、新人が育ちにくい職場環境になり、離職率の向上や売上の低下などが起こるリスクがあります。

引継ぎに大きな労力がかかる

社内ナレッジが共有されていない状況で、担当者の異動や退職が決まると、引継ぎにコストや労力、時間がかかってしまいます。充分な引継ぎができないケースも想定でき、後任者は不安定な状態で仕事を始めなくてはなりません。

知識がないままで業務を開始した場合、担当顧客からの伝達事項や質問に対応できず、信用を落としかねないので注意が必要です。

社内でナレッジ共有を促進するメリット

社内ナレッジ不足による弊害を起こさないために、ナレッジ共有を促進する必要があります。その際のメリットを3点解説します。

新しい働き方を導入しやすくなる

社内ナレッジをネットワーク上に構築し、どこからでもアクセスできるように環境を整えれば、リモートワークにも対応できます。在宅勤務中にわからないことがあっても、共有された社内ナレッジを検索し、自己解決しながら業務を進めることが可能です。

従業員満足度を向上させるためにも、社内ナレッジを共有してリモートワークなど新しい働き方を導入することは今や必須といえるでしょう。

業務処理スピードが上がる

社内ナレッジが存在すれば、従業員の業務処理スピードが向上します。つまり業務効率化が促進され、残業時間の短縮や仕事のやりづらさの解消も期待できます。過去のデータや資料を可視化し、誰でも閲覧できる状態にしておけば、一から業務に取りかかる必要はなくなります。

組織として生産性を底上げできる

社内ナレッジの共有は、組織力を向上し生産性を底上げできるというメリットがあります。生産性を向上するために特に有効なナレッジは成功事例です。誰でも再現できるようにすれば、独自の勝ちパターンを見つけることができます。

一方で、成功事例でなく受注につながらなかった案件について失注分析すれば、同じ失敗を繰り返すことなく組織力を高められるでしょう。

社内でのナレッジ共有におすすめのツール

社内ナレッジを共有するためにどのようなツールを使えばいいのでしょうか。ここでは、チャットボット、社内Wiki、オンラインストレージ、文書管理システム、社内情報共有ツールの5点を説明します。

ナレッジ共有ツールについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事:おすすめのナレッジ共有ツール10選|利用するメリットや選び方を解説

チャットボット:さっとFAQ

さっとFAQは、社内チャットボットを手軽に取り入れて運用したい担当者にぴったりのサービスです。月額1万円から利用でき、エクセルに起こした会話データをFAQとして設定できます。チャットボット上で会話しながらFAQにアクセスすることで、社内ナレッジの共有が可能です。

総務部やITヘルプデスクによく来る問い合わせ内容をFAQにまとめておけば、対応を自動化できます。これまで対応に追われていた問い合わせ業務から解放され、効率化が狙えるでしょう。

URL:https://www.satfaq.jp/

社内Wiki:NotePM

NotePMでは社内wiki、つまり社内独自の百科事典を作成できます。業務や規則など知りたい情報にすぐアクセスでき、ナレッジ共有に最適です。

キーワード検索ではファイルの中身もヒットするため、探しやすい点が特徴の1つにあります。フォルダやタグで整理しやすく、従業員が自己解決できるよう工夫されています。更新日や更新した人も記録に残るため、管理しやすいというのもメリットです。

URL:https://notepm.jp/

オンラインストレージ:Dropbox

Dropboxはオンラインストレージと呼ばれる、ウェブ上にファイルを保存できるサービスです。ファイルの保存や共有はもちろんのこと、削除や変更したファイルの復元(180日以内)、電子署名の追加、共有権限設定など、プランによってさまざまな機能が利用できます。

ファイルだけでなくクラウドに点在しているコンテンツを一元管理できるようになるので、全従業員が迷うことなく欲しい情報にアクセスできるようになるでしょう。

Dropbox:https://www.dropbox.com/business

文書管理システム:Documal SaaS(ドキュマル サース)

FUJITSUが提供するビジネスアプリケーションDocumal SaaS(ドキュマルサース)は、社内文書を一元管理できるシステムです。文書の作成や承認、さらには削除までのフローを自動化し、文書を管理するルールを明確に決めることができます。

フォルダごとの柔軟なセキュリティ設定、履歴の自動記録機能なども利用でき、安全なクラウド環境でデータが保護されます。25年も続く実績から、顧客に寄り添ったサービスを提供しているのも特徴です。

URL:https://www.fujitsu.com/jp/group/fsit/services/pkg/documal-saas/index.html

社内情報共有:Qiita TEAM

Qiita TEAMは、暗黙知をメモに残してフィード共有できるサービスです。ナレッジ共有できるだけでなく、コミュニケーションが取れるためチーム作りにも貢献します。メモは簡単に作成でき、日報や議事録のテンプレート機能が便利です。

メモで情報共有することで、会議の減少や運営の効率化、知識の標準化、リスク回避にもつながります。過去のメモは検索で追跡できるため、整理する必要はありません。

URL:https://teams.qiita.com/

社内でナレッジ共有を浸透させる方法

組織の運営や発展に必要な社内ナレッジを職場に浸透させる方法を、5点解説します。

課題を顕在化する

まずは課題設定が重要です。どの部門にどういった課題があり、不満があがっているかヒアリングする必要があります。例えば、「マニュアルが古い」「社内規則にアクセスしづらい」「毎日のように同じ質問に回答している」など、現場の従業員から具体的に意見を吸い上げましょう。

ナレッジの管理者を決める

社内ナレッジは一度設定したら終わりではなく、更新作業が必要です。また、従業員のアクセスがどれくらいあるか、自己解決率はどれくらいかなど、改善に向けて適切な管理が大切です。

そこで社内でナレッジ管理者を決定し、定期的に効果を測定したり改善したりする業務を担ってもらいましょう。目的通りに社内ナレッジツールが使われているか、細かくチェックすることで職場に社内ナレッジが根付いていきます。

ツールを導入する

チャットボット、社内Wiki、文書管理システムなど、課題の目的に応じた社内ナレッジツールの導入を検討します。会社によってはエクセルやワードで管理しているケースもあるようですが、社内ナレッジは機密情報が含まれるため、安全性を重視したツールに変えることをおすすめします。

社内ニーズに応じてベンダーを選定し、コストパフォーマンスや操作感を確かめて導入を検討しましょう。

社内共有をする

ツールを使った運用が決まれば、従業員に周知させる必要があります。社内ナレッジ共有ツールの運用においては、実はこの社内に浸透させる作業がとても重要であり、課題になりやすいポイントです。

不明点を総務部にすぐ電話をする習慣のある従業員に、明日からはITツールを使用するよう伝えても難しいことがあるからです。従って、職場で社内ナレッジの活用を浸透させるために、使いやすいツールの選定や、アクセスしやすい場所への設置など仕組みづくりが大切です。

掲載数を増やす

社内ナレッジ共有ツールの活用を開始しても、掲載数が増えなければ古い情報しか残らなくなってしまいます。そこでフォルダ管理していた資料のアップロード、今後作成するプレゼン資料、日報、レポート、クライアント情報など、あらゆる情報をツール上に保管するよう具体的なアクションを決めることが大切です。

社内ナレッジ共有はツールを上手く活用しよう

社内の重要な情報を含む暗黙知を形式知に変換するために、ナレッジ共有ツールの活用は必須です。ツールを使いこなし、全従業員に浸透させることで、チーム力を底上げすることができます。

チャットボット、情報一元化システム、メモ共有ツールなど、さまざまなツールがあるので、まずは課題を明確にしてから選びましょう。

さっとFAQが提供するチャットボットなら、会話形式で必要な情報にアクセスすることが可能です。ITツールが苦手な従業員でも使いやすいので、ぜひご相談ください。

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