ChatGPTとチャットボットは、一見すると似ているように思えますが、両者は異なるものです。この記事ではChatGPTとチャットボットの概要や具体的に異なる部分、それぞれが適している場面などについて解説しています。
また、両者を連携させるメリットや注意点、ChatGPTを使ってチャットボットを作る方法などについても取り上げているため、ぜひ参考にしてください。
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ChatGPTとは
ChatGPTは、アメリカのOpenAI社が開発した生成AIのことです。
AIはインターネット上のさまざまなデータを学習しており、その結果、人と会話しているような自然なやり取りができるのが大きな特徴です。ユーザーがチャットでメッセージを入力すると、ChatGPTが内容を理解し、それに合った回答を返します。
回答の内容は幅広く、同じ質問をしても異なる文章表現で回答するケースもあるなど、実際に人と会話している感覚で利用可能です。また、アウトプットの方法もこちらが「小学生でもわかるような表現」や「箇条書き」「丁寧な表現」など細かく指定できます。
すでにビジネスシーンでも使用されるなど、ChatGPTは幅広い場面で活躍中です。
チャットボットとは
チャットボットは、チャットとロボットを組み合わせた造語であり、テキストや音声などで会話ができるプログラムを意味します。
事前に用意したFAQデータに基づいて回答をするタイプが主流ですが、近年ではAIを搭載したものも登場しています。AIを搭載したチャットボットは事前に学習した内容をベースに、ユーザーとの会話を重ねることでさらに学習を深めていく点が特徴です。
チャットボットは、企業の問い合わせ対応などで用いられるなど、すでに多くの企業で利用されています。
ChatGPTとチャットボットの根本的な違い
ChatGPTとチャットボットは、どちらも「チャット」という言葉が使われているため、似ているように思われがちですが、実際には異なる仕組みを持っています。ここでは、具体的にどのような違いがあるのかを解説します。
仕組みの違い
ChatGPTとチャットボットでは、アウトプットを作り出す仕組みが異なります。
ChatGPTは、インターネット上の膨大な情報を基に回答を生成するのが特徴です。そのため、柔軟にさまざまな質問に対応でき、回答の幅も広いのが強みです。また、同じ質問でも異なる表現や内容で回答することがあります。
一方、チャットボットは事前に設定したFAQに基づいて回答するため、同じ質問には毎回同じ内容で答えます。また、最初に設定した情報が正しければ、誤った回答が出るリスクはほとんどありません。回答できる範囲は限られますが、情報の正確性を保ちやすいのが特徴です。
なお、AIを搭載したチャットボットもありますが、AIは人が用意したデータを学習した上で回答する仕組みであるため、学習させるためのテキストやデータを用意しなければ、効果的な活用は困難です。
回答内容の生成方法
回答内容の生成方法にも違いがあります。
ChatGPTは、インターネット上の膨大な情報に基づいて回答を生成する点が特徴です。先述の通り、柔軟な回答ができ、回答の範囲が広い点は強みだといえます。また、同じ質問をしても回答方法や表現が異なるケースもあります。
ただし、回答内容が必ずしも正しいとは限りません。一見もっともらしく見える回答でも、よく確認するとまったくの誤りである場合もあるため、利用の際には注意が必要です。
一方、チャットボットは事前に設定されたFAQに沿って回答するため、同じ質問には毎回同じ内容の回答が返ってきます。また、最初に設定した情報が正しければ、回答に誤りが生じるリスクもありません。回答できる範囲は限られますが、情報の正確性はChatGPTよりも確保しやすいのが特徴です。
得意分野の違い
ChatGPTとチャットボットでは、得意分野も異なります。
ChatGPTは膨大な情報からアウトプットを作り出すため、新たなアイデアを考えたいときなどに役立ちます。また、多言語に対応しているため、ニュースや論文、メールなどの翻訳にもおすすめです。
情報収集に利用することもできますが、先ほど説明したように、誤った情報が提示される場合もあるため、あくまで参考程度にとどめ、必ず情報のファクトチェックをおこなうようにしましょう。
一方のチャットボットは、問い合わせの一次対応を得意としています。チャットボットは、回答内容を事前に登録する仕組みが基本であるため、回答内容をコントロールできる点が特徴です。
このように、回答の正確性が保たれるため、金融機関やECショップなどの問い合わせ窓口での一次対応に活用できます。例えば、手続き方法を質問するとチャットボットが回答し、店舗の住所を尋ねると住所を案内することが可能です。
文章理解力と応用力
文章を理解した上で、それに応じた回答をできるかどうか、といった点でもChatGPTとチャットボットでは違いがあります。
ChatGPTは、文脈を理解した上で回答を生成してくれるため、本物の人と話しているかのような会話が可能です。そのため、内容に応じて柔軟な回答が求められる、悩み相談の相手役として活用できます。
一方、チャットボットは文脈を理解できないため、定型的な回答しかできません。
セキュリティの違い
セキュリティの観点でも、ChatGPTとチャットボットには違いがあります。
ChatGPTに入力した質問内容はクラウド上に保存されるため、情報が流出するリスクが完全にないとは言い切れません。そのため、利用時に不安を感じる方もいるかもしれません。
一方、チャットボットの場合、入力した質問などがクラウドに保存されることは基本的にありません。ただし、運営企業が質問内容を分析する場合もありますが、情報漏洩のリスクは比較的低いといえます。
ChatGPTとチャットボットが向いている場面
ChatGPTとチャットボットでは、それぞれ異なる特徴を持っているため、適した利用シーンも異なります。ここでは具体的にどのような場面が適しているのか解説します。
ChatGPTが適しているケース
ChatGPTは、幅広い回答内容と柔軟性が特徴であり、アイデア出しやコーディング、文章作成など、何かを生み出したいときに適しています。
また、記事やメール、議事録などの要約や日本語から英語へ、英語から日本語への翻訳などにもおすすめです。ChatGPTは自然な文章を作成できるため、コンテンツ生成に活用してみてください。
その他にも、文脈を理解した上で状況に応じた回答ができることや、同じ質問でも異なる表現や内容で回答する場合があることから、自然な会話やコミュニケーションを求める場面にも適しています。例えば、悩み相談や英会話の練習などに活用できます。
一方で、ChatGPTの回答はインターネット上の膨大な情報を基にしているため、誤った情報が含まれている可能性もあります。そのため、情報収集を目的とした利用にはあまり適していません。情報収集に利用する場合は、必ずご自身でファクトチェックを行ってください。
チャットボットが適しているケース
チャットボットが適しているケースとしては、定型の回答が求められる場面です。
具体的にはコールセンターやカスタマーサポートなどの問い合わせ対応が挙げられます。これらの業務の中には、回答内容が変わらないものや、問い合わせ内容がある程度予想できるものもあるため、そのような質問への一次対応にチャットボットを活用することが可能です。
事前に回答を用意しておく仕組みのため、誤った回答が出ることはほとんどありません。また、同様に社内のヘルプデスクとしても利用できます。例えば、社内規定やルール、各種申請手続きなど、回答内容が決まっているものにはチャットボットが適しています。
ただし、問い合わせ対応でも、クレームやトラブルなどの対応は適していません。このような場合、ユーザーは感情的になっている可能性があり、定型的な回答だけでは解決できない可能性が高いためです。
クレームやトラブルに対応する場合は、オペレーターによる有人での対応が必須であるため、チャットボットと有人対応をうまく連携させる必要があります。
ChatGPTとチャットボットを使い分けるポイント
ここではChatGPTとチャットボットをどのように使い分ければ良いのか、ポイントを解説します。チャットボットとChatGPTはそれぞれに適した場面があるため、うまく使い分けられるようにしてください。
目的から判断する
目的を踏まえた上で、どちらを使用するのか判断してください。ChatGPTもしくはチャットボットを導入して何を実施したいのか、どういった課題を解決したいのかを洗い出す必要があります。
アイデア出しや相談、文章作成など、柔軟なアウトプットを新たに生み出したい場合は、ChatGPTが適しています。
一方で、問い合わせ対応における負担を軽減したいなど、定型的な回答で対応できる場合はチャットボットがおすすめです。
情報の信憑性が問われるかどうか
ChatGPTとチャットボットを使い分ける際に特に重要なのは、情報の信頼性が求められるかどうかです。前述の通り、ChatGPTは誤った情報を出すこともあるため、信頼性が重視される場面での利用には向いていません。
使用する際は、ファクトチェックが必須となるため、ファクトチェックをするようにルールや体制を整える必要があります。
一方のチャットボットは、回答内容はコントロールできるため、問い合わせ対応など信憑性が問われる場面での使用にも適しています。
ChatGPTとチャットボットは組み合わせが可能
ChatGPTとチャットボットは組み合わせて利用することも可能です。ここでは、両者を組み合わせることでどのようなメリットがあるか解説します。また、連携時の注意点も取り上げているため、ぜひ参考にしてください。
連携によるメリット
ここでは、ChatGPTとチャットボットを連携させることで得られるメリットについて解説します。
活用方法が広がる
両者を組み合わせることで得られるメリットの一つは、活用の幅が広がることです。
例えば、チャットボットにChatGPTを連携させることで、通常は事前に用意した定型的な回答を提示し、用意していない内容についてはChatGPTを活用して柔軟に対応することが可能になります。
ただし、ChatGPTが誤った情報を提示する場合もあるため、連携する際には運用ルールを設けることが重要です。例えば、ChatGPTの利用を定型的な質問以外の一般的な質問に限定し、情報収集には使用しないといった運用ルールを設けることが考えられます。
運用効率が高まる
ChatGPTを活用してチャットボット用のFAQ文章を作成すれば、運用効率が向上します。
ChatGPTは自然な文章を生成できるため、FAQの要点を箇条書きで伝えて文章化を依頼すれば、短時間で作成できます。その後、担当者が内容を確認し、必要に応じて修正することで、作業の手間を軽減できます。
連携する際の注意点
ChatGPTとチャットボットの連携は利便性の面で大きなメリットがありますが、注意点もいくつかあります。ここでは具体的にどのような注意点があるのか解説します。
回答が誤っている可能性がある
何度もお伝えしているように、ChatGPTが提示する情報には誤りが含まれている可能性があることを覚えておいてください。誤った情報を、あたかも事実であるかのように提示してしまう現象を「ハルシネーション」と呼びます。
例えば、あるテーマに関連する論文を挙げてほしいと指示した場合、実際には存在しない論文を提示することがあります。ChatGPTの提示する情報に対しては、ファクトチェックを徹底するなどの対策が必要不可欠です。
運用担当者が必要になる
連携する場合、先述のファクトチェックが必要であるため運用担当者を設置する必要があります。また、ChatGPTが生成する回答には著作権侵害や倫理的に問題のある表現が含まれる可能性もあるため、その点にも注意が必要です。
社内のリソースを割かなければならないため、人的リソースが少ない企業だと大きな負担となる可能性があります。
ChatGPTでチャットボットを作る方法
ChatGPTを使えば、チャットボットを作ることも可能です。ここでは具体的な作成手順を紹介します。
ChatGPTのアカウントを取得する
ChatGPTでチャットボットを作成するには、ChatGPTのAPIを利用する必要があります。そのためには、ChatGPTのアカウントが必要です。
ここでいう「アカウント」とは、OpenAIの開発者アカウントを指します。OpenAIの公式サイトからアカウント登録を行ってください。
APIキーを取得する
OpenAIのアカウントを作成したら、APIキーを取得してください。キーの取得は以下の手順でおこないます。
- OpenAIアカウントにログインする
- API keys ページを開く
- 「Create new secret key」をクリックしてキーを作成する
- キーをコピーしてコード中で利用できるようにする
APIキーを取得できたら、ChatGPT APIが使えます。APIへのリクエストは、Python、JavaScript、Rubyなどの各種プログラミング言語を使っておこないます。
チャットボットを作成する
APIキーやChatGPTに入力するプロンプト、応答の設定などによるリクエストを通してチャットボットを作成します。ChatGPTはこれらのリクエスト情報を参考に、入力に対する応答を生成し、APIを経由して返答してくれます。
テストをおこなった上で公開する
作成したチャットボットが正しく動作するかどうかテストをおこないます。必要に応じて修正をおこない、問題がなければWeb上に公開してください。
公開する際は、クラウドサービスを利用すると便利です。無料プランがあるサービスも多いため、小規模から始めることもできます。
チャットボットのおすすめツール「さっとFAQ」

ここでは、チャットボットの利用を考えている方に向けて、おすすめのツールとして月額1万円から利用できるFAQチャットボット「さっとFAQ」を紹介します。
さっとFAQは、これまでに500社以上に導入されるなど、豊富な実績があります。チャットボットの作成にあたっては、プログラミングやAIなどの知識は不要であるため、初めて使用する人でも無理なくチャットボットを作成可能です。
FAQの会話データはExcelで作成できます。専用のテンプレートに質問と回答を貼り付ければ登録できるので、作業の手間がかかりません。シナリオ形式の対話も設定可能です。
さらに、利用分析用のダッシュボードを使えば、チャットボットの利用状況をグラフなどで視覚的に確認できます。そのため、改善策を考える際にも役立ちます。
まとめ
今回は、ChatGPTとチャットボットの概要や特徴について解説しました。ChatGPTは、OpenAI社が開発した生成AIです。人と話しているような自然なやり取りができる点が特徴であり、膨大な情報から柔軟に回答を生成してくれます。
チャットボットは、テキストや音声などで事前に設定した内容の回答をおこなうプログラムです。ChatGPTとチャットボットは一見すると似ていますが、異なるものであり、それぞれ特徴を持っています。
適している場面が異なるため、目的や情報の信憑性の有無などを踏まえた上で使用シーンを検討してください。また、ChatGPTとチャットボットを連携させることも可能です。
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