業務効率化とは、業務に取り組むにあたって不要な業務を減らし、作業効率を高める取り組みのことです。業務効率化を進める方法はさまざまであり、企業は自社にあった方法で効率化に取り組めます。この記事では、業務効率化の概要や具体的な方法、取り組む際の手順などについて解説しています。
業務効率化を図りたい・無駄なコストを削減したいもののどういった方法があるのかわからないといった企業の担当者はぜひ参考にしてください。
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業務効率化とは
業務効率化とは、業務を進める上で必要のない業務を減らし、全体の作業効率を高める取り組みのことです。
業務を自動化する、ツールを導入する、既存の業務フローを見直して再検討するといった取り組みを通して効率化を実現します。
具体的には、既存業務を見直した上で、その中からムリ・ムダ・ムラを省く必要があります。
それぞれの概要は以下のとおりです。
- ムリ:業務で負担が大きくなること
- ムダ:人材や時間を必要以上に活用すること
- ムラ:業務のクオリティにばらつきがあり予測ができないこと
業務効率化は、少子高齢化が進む日本においても重要な課題の1つです。少ない人数の中でいかに業務を効率よく進められるかどうかは、企業の売り上げにもつながります。
また、業務にかかる時間が短くなり、時間に余裕が生まれれば、プライベートを充実させる、自己研鑽に取り組むなど、従業員のスキルアップやモチベーションアップも期待できます。
生産性との違い
業務効率化と混同されやすい言葉の一つが「生産性」ですが、業務効率化は生産性向上を達成するための手段の一つという位置づけです。
そもそも、生産性を向上させるとは、自社の資源を有効に活用し、最小限の投入で最大の成果を生み出すことを指します。 業務を効率化させ、労働時間を削減する、業務にかかる人手を少なくするといったことは、従業員数や労働時間数に対する成果が出ている状況です。
また、効率化によって時間に余裕ができ、他の業務に取り組んで新たな成果を上げられれば、それも結果的に生産性向上につながります。
「生産性を高めるために業務効率化に取り組む」といった関係を覚えておくと混同する心配がありません。
業務効率化に取り組むべき理由
業務効率化が企業にとって有益であることは理解されているものの、具体的にその必要性については十分に理解されていない方も少なくありません。
そこでここでは、企業が業務効率化に取り組むべき理由について解説します。ここで取り上げるのは以下の理由です。
- コスト削減につながる
- 従業員のモチベーション向上と定着率アップが期待できる
- 人手不足に対応できる業務品質が安定し顧客満足度が向上する
- 利益の向上
周囲の方々と協力して業務効率化に取り組みたい方や、業務効率化を推進する理由をしっかり説明できるようになりたい方は、ぜひ参考になさってください。
コスト削減につながる
業務の効率化によってムダを省くことで、さまざまなコストを削減することができます。
例えば、効率化に取り組んだ結果、従業員の作業時間を短縮できれば、残業や人員の追加が不要となり、人件費を削減できると期待できます。
また、会議における紙の資料印刷をなくせば、印刷コストの削減が可能です。
業務効率化は、不要なものやムダなものをなくすことで実現できるケースが多いため、結果的にコスト削減にもつながる可能性が高いといえます。
従業員のモチベーション向上と定着率アップが期待できる
業務効率化の実現は、従業員のモチベーション向上とそれに伴う職場への定着率アップにも役立つものです。
例えば、業務効率化によって作業時間を短くできれば、残業なしで帰宅できるため、離職率を抑えられる可能性があります。
また、ムダな業務に追われる心配がなくなり、より価値のある業務に集中できるようになれば、仕事への意欲も高まります。
人手不足で悩む企業が多い現在、新たな人材を確保して育成することは容易ではありません。 既存の人材のモチベーションを高め、定着率アップを図るためにも、業務効率化は必要不可欠です。
人手不足に対応できる
業務効率化によって、短い時間、少なく人手で業務に対応できるようになれば、人手不足に悩む企業でも、限られた人材で業務に対応できます。
例えば、一部の業務を自動化できれば、それまでその業務に割いていた人手をほかの作業に回すことができるため、限られた人材でもより大きな成果が期待できます。
業務品質が安定し顧客満足度が向上する
業務効率化は業務品質の安定化につながります。また、高品質な商品やサービスを安定して提供できれば、顧客満足度の向上も期待できます。
業務効率が悪い企業の特徴の一つとして挙げられるのが、業務フローが明確でない、属人化しているといったケースです。この場合、人によって作業の進め方が異なるため、成果にばらつきが出る可能性があります。
一方、業務効率化のために業務マニュアルを作成し、業務フローを明確にすれば、そのような心配はなくなります。
利益の向上
業務効率化が実現すれば、利益の向上も期待できます。
非効率的な状況だと、長時間労働やそれに伴う残業代の発生など、企業の利益を減らしてしまう要素が少なくありません。時間がかかることをコストと認識できないと、無駄なコストが膨らむ恐れがあります。
ムリ・ムダ・ムラをなくし、業務を効率よく進められるようになれば、そのようなコストが削減され、結果として企業の利益向上につながります。
また、業務の効率化によって生まれた時間を、別の事業や新規事業に充てることもでき、それにより新たな利益を生み出すことも可能です。
失敗しない!業務効率化の具体的な進め方
業務効率化を進めるにあたり、どのような手順で取り組めば良いのかわからない人は多いと思います。そこでここでは、業務効率化の具体的な進め方について解説します。具体的な手順は以下の通りです。
- 業務を洗い出し「見える化」する
- 現場における課題とムダを確認する
- 効率化する業務の優先順位決め
- 効率化する方法の決定とロードマップ策定
- 業務効率化の実施および効果検証の実施
これから業務効率化を推進していきたいと考えている企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。
業務を洗い出し「見える化」する
業務効率化に取り組むにあたり最初に取り組むべきなのは、業務を洗い出した上で見える化することです。
どのような業務を担当しているのか、すべてを洗い出すことで業務全体の把握ができ、無駄や負担、ばらつきがどこにあるかを明確にすることができます。
業務フローごとに整理する、関連部署や担当者をリスト化するなど、可視化の仕方を工夫できれば、より全体像を把握しやすいです。
さらに、各業務にかかる時間や工数、人員数なども一緒にまとめておくと良いでしょう。
現場における課題とムダを確認する
業務を洗い出した上で、実際に現場ではどのような業務が課題となっているのか、ムダが発生しているのかといった点を確認します。
具体的には従業員からヒアリングを行い、その意見やフィードバックを取り入れることが重要です。
一見すると問題なさそうに見える業務でも、現場で対応している従業員からすると手間になっている可能性があります。具体的な課題を洗い出すことで、どの業務を優先的に効率化すべきかを判断しやすくなります。
効率化する業務の優先順位決め
現場からのヒアリングを踏まえて、どの業務から効率化を進めていくのか、優先順位をつけてください。
課題を抱える業務が複数ある場合、すべてを同時に効率化するのは、コストやリソース、業務フロー変更などを考慮すると現実的ではありません。そのため、優先順位をつけて一つずつ業務効率化を進めていくことが大切です。
例えば、業務にかかる工数が多いものから優先的に効率化し、他の業務にも波及効果が期待できる業務から着手するなど、優先順位の付け方にもさまざまな方法があります。
効率化する方法の決定とロードマップ策定
優先順位が決まったら、実際にどのような形で効率化を進めるのか、具体的な方法を決めて、ロードマップを検討する必要があります。
主な効率化の方法は以下の通りです。
- 廃止:特定の作業をやめる
- 削減:回数や量、頻度を減らす
- 容易化:作業を簡単にする
- 標準化:ルールを定めて誰が取り組んでも同じ成果を出せるようにする
- 機械化:デジタル化・自動化を図る
具体的な実施方法が決まったら、それに沿ったスケジュールを検討することが必要です。スケジュールは、進捗状況を把握しやすい形で作成してください。
方法やスケジュールが具体的になることで、関係する従業員もどの業務がいつからどのように効率化されるのかを理解しやすくなり、スムーズに業務効率化を推進できます。
業務効率化の実施および効果検証の実施
事前に決めたスケジュールに沿って業務効率化を実施します。また、実施後は計画通りに進んでいるか、問題が発生していないかを定期的に確認し、必要に応じて調整などの対応をしてください。
ある程度の時間が経過したら効果検証を行います。実施しただけでは、本当に業務が効率化されたのかどうかわかりません。場合によってはより効率が悪くなっている可能性もあります。
取り組みの成果を確認し、さらなる改善を図るためにもKPIを設定し、目標達成度を明確に把握した上で、効果の有無を確認してください。
効果検証は定期的に行い、その都度現場からのフィードバックを集め、業務効率化に継続して取り組んでいくことが大切です。もし効果が出ていないことがわかれば、必要に応じて業務フローを元に戻すことも一つの対応策だといえます。
効果検証の指標
効果検証をおこなうにあたっては、定量的な効果と定性的な効果それぞれを検証することが大切です。
定量的効果では、業務効率化に取り組む前後のデータを比較して、どのくらいの時間が短縮できたかといった成果を数値で示します。
時間以外にも、1人当たりの業務処理数や生産量といった生産性向上率、エラー・不良率、残業時間の変化なども定量的効果の指標として活用できます。
また、人件費や運用コストなどの各種コストがどのくらい削減されたのかといった点も、業務効率化の効果を測定するわかりやすい指標として活用可能です。
一方、定性的な効果は、従業員が主観的に感じる成果や変化を指します。
例えば、業務効率化の推進により業務に追われることが減り、職場の雰囲気が良くなる、従業員のモチベーションが向上するなどの変化が挙げられます。
業務効率化の成果は必ずしもすべて数値で測定できるとは限りません。定性的な効果を把握する場合は、アンケートやヒアリングなどを通じて、従業員の感じ方を調査することができます。
また、BtoC企業の場合、業務効率化によって顧客からのフィードバックやクレーム内容に変化があったかどうかといった点も確認してみてください。
定量データと定性データをそれぞれ組み合わせながら業務効率化の効果検証に取り組むことが大切です。
業務効率化を進めやすい作業
業務効率化を推進する場合、効率化を進めやすい作業があることを覚えておいてください。
効率化を進めやすい作業から具体的な取り組みを進めていければ、よりスムーズに業務効率化が実現できます。ここでは、効率化を進めやすい作業として、以下について解説しています。
- 繰り返しおこなう作業
- プロセスが明確な作業
- 自動化できる作業
業務効率化に取り組みたいものの、どの業務から進めれば良いのかわからない、といった方はぜひ参考にしてください。
繰り返しおこなう作業
業務効率化しやすい作業の一つが、何度も繰り返しおこなう作業です。
同じ手順で何度もおこなう作業は、自動化ツールで処理できるため、業務効率化を目的とした作業の自動化対象としてよく挙げられます。
例えば、問い合わせフォームから顧客データを入力する、処理するといった場合、手作業だと入力自体に時間がかかるほか、ヒューマンエラーが発生する可能性もあります。
一方で、作業を自動化できれば、最初の設定さえ間違えなければ、後は同じ作業を繰り返し指示通りにおこなうためミスが発生しません。
大量の問い合わせや注文に対応しなければならない場合など、自動化によって顧客対応のスピードが上がり、業務効率も高まります。
プロセスが明確な作業
作業のプロセスやフローが明確な作業も業務効率化を実現しやすい作業の一つです。
例えば、請求書の処理や在庫管理など、手順が一定のルールや決められた流れに基づいている業務が挙げられます。
請求書の処理であれば、請求内容をデジタルデータ化し、RPA(Robotic Process Automation:事務作業を自動化するソフトウェアロボット技術)を利用してデータベースへ登録することで、作業の手間を大幅に省くことができます。
また、在庫管理であれば、手作業で商品のバーコードを一つずつ読み取るのではなく、専用のタグとハンディターミナルを使ってまとめて読み取り、情報をシステムに送ることも可能です。
人手による手間がかからず、ミスの発生も抑えられるため、業務効率化に最適です。
自動化できる作業
ツールの活用によって自動化できる作業もあります。例えば、スケジュール設定やメール管理、リポート作成などです。
スケジュール設定であれば、会議やプロジェクトのスケジュール設定を自動化することで、予定の重複や抜け漏れを防ぐことができます。
また、メール管理では、定型文による自動返信やメールの振り分けなどを自動化できます。
例えば、問い合わせに対する一次対応では、メール受領のお知らせを定型文で自動返信し、後日個別対応をおこなうといった形です。
その他にも、リポート作成では、定期的にデータを収集して報告書を作成できるため、データの推移や変動を確認することができます。
業務効率化を進める上でのコツ
業務効率化の具体的な方法について説明しましたが、これらの方法に取り組めば必ず効率化するわけではありません。業務効率化の推進に当たっては、いくつかのコツがあります。
ここでは具体的にどのようなコツがあるのか解説します。
- ロードマップの策定
- 関連部署を巻き込んで取り組む
- スモールスタートで取り組む
コツを押さえた上で、上手に業務効率化に取り組んでください。
ロードマップの策定
業務効率化を進めるにあたっては、ロードマップを策定してください。
ロードマップがあることで、各業務の効率化によって何を達成したいのか、どのような手順で進めていくのかといった点が整理され、理想的な進め方を明確にできるためです。
また、ロードマップがあれば、業務効率化の進め方を関係者とスムーズに共有することができます。
業務効率化は担当者だけで進めるものではなく、関係者も含めて取り組むべきものです。したがって、情報共有ができるかどうかは重要なポイントとなります。このような理由からも、ロードマップの策定は欠かせません。
関連部署を巻き込んで取り組む
業務効率化は、対象となる業務を担当する部署の従業員だけでなく、関連部署やその部署の責任者も巻き込んで進めることが重要です。
関連部署を巻き込む必要があるのは、業務効率化によって業務フローが変更されると、当該業務だけでなく、それに関わる他の業務フローにも影響が及ぶ可能性があるためです。
ツールの導入や不要な業務の廃止など、効率化を進める際には、関連部署との調整や情報共有が不可欠となるため、業務効率化の検討段階から関係者を巻き込む必要があります。
スモールスタートで取り組む
業務効率化はスモールスタートで始め、徐々に適用範囲を広げていくことをおすすめします。これは、一度に多くの業務効率化を進めようとすると、業務フローが大幅に変わってしまうためです。
新しい業務フローに慣れていない状態が続くと、時間がかかってしまい、業務効率が向上するどころか、かえって低下する恐れもあります。
そのため、業務効率化を進める際には優先順位を決め、業務全体に支障が出ないようにスモールスタートで進めるべきです。
業務効率化の具体例
業務効率化の方法にはさまざまなものがあります。
自社の業務内容や効率化を進めたい業務に応じてどのような方法を選択するのか検討しなければなりません。そこでここでは、具体的な業務効率化の例を紹介します。ここで取り上げるのは以下の例です。
- いらない業務の廃止
- 業務の自動化
- 業務マニュアルの作成
- ペーパーレスの推進
- データベースの整備
- アウトソーシングの利用
- 業務量の調整
- 従業員の配置の見直し
- 各種ツールの活用
それぞれの例をどのような場面で使用できるのか、ぜひ参考にしてください。
いらない業務の廃止
業務効率化の具体例の中でも、特にシンプルなのが不要な業務の廃止です。
これは、業務プロセスを洗い出し、不要な業務がないかを分析し、不要であれば廃止するという方法です。
例えば、同じデータを複数回入力する作業は、業務自体が重複しており、無駄だと言えます。また、承認プロセスが複雑な場合、プロセスの一部を省略することで、簡略化が図れます。
業務の自動化
業務の自動化も、業務効率化における代表的な事例の一つです。
先ほど紹介したRPAのような自動化ソフトを利用することで、定型的なタスクや決まった手順の作業を自動で実行できます。
データ入力や日次・週次リポートの作成などの業務が頻繁に発生する場合、業務の自動化を進めることで、業務効率を大幅に向上させることができます。
また、後述するチャットボットも顧客への一次対応を自動化できるため、自動化を検討している企業におすすめです。
業務マニュアルの作成
業務のムラをなくすことも業務効率化の一環であるため、業務マニュアルを作成し、誰が担当しても品質にばらつきが生じないようにすることが重要です。
文章や画像を使って業務の手順を視覚的に理解しやすいようにしておけば、経験年数に依存せずに一定以上の品質を担保できます。
業務マニュアルの作成は、業務効率化だけでなく、新入社員の教育や異動などによる業務の引き継ぎの際にも役立つため、作成してみてください。
ペーパーレスの推進
ペーパーレスの推進は、印刷の手間が省けるため、業務効率化につながります。
紙の資料場合、印刷の手間に加えて、配布の手間もかかるほか、印刷コストも発生するなど、ムダが少なくありません。
また、資料を保管する必要がある場合、物理的なスペースも必要です。
資料をデジタル化することで、オンライン上で保管や共有ができるようになり、印刷の手間も省けます。さらに、社内チャットでの送信や共有フォルダへのアップロードなど、さまざまな方法で共有が可能です。
さらに、オンライン上に保管しておけば、必要な資料の検索も容易になるため、過去の資料を探す手間がかかりません。
データベースの整備
データベースを整備し、情報を一元管理できる体制を整えることも業務効率化の一つです。
作業に必要な情報が分散していると、探すだけで時間がかかってしまい、非効率的です。
データベースを整え、情報をすべて指定場所で保管・管理できるようにすれば、必要な情報をすぐに入手できます。
例えば、顧客情報や製品情報といった業務において、必要不可欠な情報を一元管理することが挙げられます。
アウトソーシングの利用
アウトソーシングの利用も業務効率化につながります。
業務効率化をおこなう=すべて自社で行わなければならないわけではありません。必要に応じて、一部の業務を外部の企業に委託するのも選択肢の一つです。
アウトソーシングでは、事務作業や受付、コールセンター、営業など、委託先の企業がさまざまな業務を担当してくれるので、人手不足やノウハウ不足に悩む企業にとっては大きな助けとなります。
また、業務量に応じて契約期間を調整すれば、普段は自社で作業しつつ、繁忙期には委託して業務効率を高めることも可能です。
業務量の調整
業務量が多すぎることが業務効率の低下につながっている場合もあるため、必要に応じて業務量を調整することも効率化を進める上で重要です。
業務量が多いと残業が発生しやすくなり、その結果、残業代が増えるなど、コスト面での負担も大きくなります。
業務量にばらつきがないか、特定の従業員の負担が大きくなっていないか把握するためにも、定期的に業務量のチェックをおこなうことが大切です。
従業員の配置の見直し
従業員によって持っているスキルや経験は異なり、得意な業務とそうでない業務もあることから、必要に応じて従業員の配置を見直す必要があります。
自分の持つスキルを最大限に生かし、得意な業務を担当できる環境は、従業員のモチベーションが高まるだけでなく、業務をよりスムーズに進めることにもつながります。
適切な業務を割り当てるためにも、定期的な面談やコミュニケーションなどを通して、従業員の得手・不得手や経験、スキルを把握しておく必要があります。
各種ツールの活用
ビジネスシーンを想定したツールは多種多様であり、それらの活用も業務効率化の推進に効果的です。
一方で、ビジネスツールはさまざまなものがあるため、どれを導入すれば良いのか迷うケースも少なくありません。ここでは、数あるツールの中から、業務効率化に役立つものをいくつかご紹介します。
タスク管理ツール
タスク管理ツールは、その名の通り、従業員が抱えている各種タスクを管理できるツールのことです。
誰がどのタスクを担当しているかや、各タスクの進捗状況をリアルタイムで確認できるため、スムーズな情報共有につながります。
また、担当しているタスクの数が把握できれば、業務量の調整も容易になります。
ツールによっては、タスクの期限が迫ってくるとリマインダーで通知してくれるものもあるので、作業の抜け漏れによる遅れの発生を回避できます。
タスクを適切に管理できるかどうかは、業務効率化の実現における基本ともいえる部分であるため、ぜひ活用を検討してみてください。
コミュニケーションツール
スムーズにコミュニケーションを取りたい場合は、コミュニケーションツールの活用がおすすめです。
コミュニケーションツールといっても、チャットツールやビデオ会議ツールなど、その種類はさまざまです。
チャットツールであれば、メールのようなかしこまった文体でやりとりする必要がなく、必要な情報をLINEのような感覚で簡単に共有できます。プロジェクト単位、部署単位でチャットのグループを作っておけば、タスクの進捗状況の報告なども気軽に行えます。
また、ビデオ会議ツールがあれば、わざわざ会議室に行く必要がなくなるため、出先や自宅からでも参加可能です。
RPA
RPAは、人が繰り返しおこなう定型的な作業を自動化してくれるツールです。
対象となる作業には、以下のようなものが挙げられます。
- データ入力
- データ転記、帳票
- 請求書処理
- メールの自動送受信・分類
- 顧客管理
- データ収集
- リポート作成
- 在庫管理発注処理
など
これらの作業は、企業によっては定期的に発生し、必要不可欠な作業である一方、定型的な作業に人員も時間も割かなければならないため、業務効率を高める上では改善が必要だといえます。
CRM・SFA
CRMとは、Customer Relationship Management(顧客関係管理)のことであり、SFAとはSales Force Automation(営業支援システム)のことです。
簡単にいうと、それぞれ顧客に関する情報を管理するツールと、営業活動の際に必要となる情報管理をおこなうツールです。
顧客や営業に関する各種情報をツール上で一元管理できれば、必要な情報を探す手間が大幅に省けるだけでなく、情報共有もスムーズに行えます。
また、CRMの場合、顧客の行動履歴や購買履歴などを把握できれば、顧客一人ひとりの状況に応じた適切なアプローチが可能です。
SFAであれば、営業の進捗状況の確認や受注管理、これまでの営業活動のデータベース化などができます。
MA
MAとはMarketing Automationの頭文字をとったもので、簡単にいうと、マーケティングに関する各種作業を自動化・効率化してくれるツールのことです。
例えば、顧客との接点を通して獲得した見込み顧客の情報を管理する、見込み顧客の行動履歴から購買意欲の高さを評価する、メルマガやDMを配信する、マーケティングに関するデータを分析してリポートを作成するといったことが挙げられます。
また、先ほど紹介したCRM・SFAと連携できるツールもあるため、合わせて活用できれば、さらに業務効率を高めることも可能です。
チャットボット・FAQツール
チャットボットやFAQツールは、ユーザーからの問い合わせに対して、適切な回答をしてくれるシステムのことです。
例えば、カスタマーサポートに取り組む場合、チャットボットやFAQに一次対応をしてもらい、そこで解決できなければ電話やメールでの問い合わせを案内するといった形にすれば、担当者の負担を軽減できます。
また、チャットボット・FAQは、社内での利用にもおすすめです。
例えば、業務の進め方や事務作業の手順などを事前に回答として設定しておけば、従業員はチャットボットに質問するだけで、自分で問題や疑問点を解決できる可能性があります。
特定の人や部署に毎回質問が来て対応しなければならないといった手間がなくなるため、結果的に業務効率も高められます。
業務効率化で陥りがちなポイント
業務効率化を進めようとしても、なかなかうまくいかない場合は、よくある落とし穴にはまっている可能性があります。そこで、どのような問題に直面しやすいのかを具体的に解説します。今回ご紹介するのは、次のとおりです。
- 課題が明確になっていないまま進めている
- 明確な仮説を立てられていない
- 実行して終わりになっている
自分ではうまくできているつもりでも、気づかないうちに方向性を誤ってしまっていることも十分に考えられます。ぜひ一度、チェックしてみてください。
課題が明確になっていないまま進めている
課題が明確になっていないまま業務効率化を進めており、名ばかりの効率化になってしまうケースは少なくありません。
課題が明確になっていないと、何を効率化するべきなのか、業務効率を妨げているボトルネックが何なのか、といった点がわからないままです。
そのような状態でツールを導入し、特定の業務を廃止しても、本質的な改善にはつながりません。
現在の業務の洗い出しや現場の従業員からのヒアリングなどを通して課題を明確にした上で、課題解決のために何をするべきなのかを検討してください。
明確な仮説を立てられていない
業務効率化を進めるにあたっては、仮説を立てておくことが重要ですが、仮説を立てずに進めてしまうケースもよく見られます。
例えば、特定のツールを導入すると、どの程度の効率化が期待できるのか、といった仮説を立てる必要があります。仮説があることで、効果検証をおこなう際の指標として活用可能です。
仮説通りに効率化が実現したのであれば、ツールの導入は正解だったといえますが、仮説よりも効率化できていない、かえって効率が下がってしまった場合は、どこかに問題があった可能性があります。
実行して終わりになっている
業務効率化施策を実行しただけで、効果検証をしないままとなっているケースも少なくありません。
効果検証をおこなわなければ、実行した施策が適切だったかどうかがわからないままです。もし十分な効果が得られていない場合は、改善策を検討する必要があります。
しかし、実行しただけで効果検証ができていない場合は、何が改善点なのか、そもそも改善の必要があるのかがわかりません。
このような状態にならないためにも、定期的な効果検証をおこない、施策が適切であるかどうかを振り返ることが大切です。
業務効率化を図る場合の注意点
業務効率化を進めるにあたっては、いくつかの点に注意が必要です。例えば、コストがかかることや、効率化によって不利益が生じる可能性があることなどです。
ここではどういった注意点があるのか解説します。具体的な注意点は以下のとおりです。
- コストがかかる
- 収入が減る従業員が発生する可能性がある
コストがかかる
業務効率化の施策としてツールを導入する場合、コストがかかる点に注意してください。ツールによって料金体系は異なりますが、一般的には導入コストと毎月の利用料金がかかります。
社内でツールの利用者数が増えると、利用料金だけで月に数十万円から数百万円のコストがかかることもあります。
事前に予算を確認した上で、自社の予算に収まるようなツールを導入してください。
収入が減る従業員が発生する可能性がある
業務効率化によっては、従業員の収入が減る可能性もあります。これは、主に残業が多く、その分残業代を多く受け取っている従業員のことを指します。
企業にとっては、残業を減らし、残業代を抑えることでコスト削減につながるため、業務効率化を推進すべきだといえます。
一方、従業員にとっては、残業代も収入源の一つであるため、業務効率化によって残業や残業代が減ることを望まない人もいるかもしれません。残業代が減ることで、逆に仕事へのモチベーションが下がってしまう人もいます。
このような事態を回避するためにも、業務効率化を図る場合、別の形で従業員に還元できるように体制作りが重要です。
例えば、効率化によってコスト削減や利益の向上が実現した場合には、従業員の給与へ反映する、といった方法が考えられます。
おすすめのチャットボット・FAQツール

業務効率化を図る方法の1つとしてチャットボットやFAQツールの活用がありますが、ここではおすすめのツールとしてチャットボット「さっとFAQ」を紹介します。
さっとFAQは月額1万円から利用できる FAQチャットボットです。これまでに500社以上(2025年3月末日時点)で導入されている豊富な実績を持っているツールです。
チャットボットの作成にあたっては、プログラミングやAIに関する知識は必要ありません。
また、会話データはExcelのテンプレートに質問と回答を貼り付けて登録するだけで設定できるため、初めて作成する人でも簡単です。
利用者向けのダッシュボードが設定されており、チャットボットの利用状況を視覚的に一目で把握できるようになっています。そのため、チャットボットの改善策の検討にも活用可能です。
業務効率化を図りたい企業の担当者は、ぜひ導入を検討してみてください。
進め方を理解して業務効率化に取り組もう
今回は、業務効率化の概要や具体的な方法、進める際の手順などについて解説しました。
業務効率化は、企業の利益アップや従業員のモチベーション向上のためにも重要なものです。
進めるにあたっては、まず既存の業務の洗い出しを行い、業務効率を妨げている課題を明確にした上で、具体的な施策を検討しなければなりません。
業務効率化の方法としては、不要な業務の廃止やアウトソーシング、業務調整、配置転換などのほか、ツールの導入も挙げられます。
今回の内容を参考に、業務効率化に取り組んでみてください。
ツールによる業務効率化を目指す場合、チャットボットツールの導入がおすすめです。
弊社サンソウシステムズでは月額1万円から利用できる「さっとFAQ」というチャットボットを提供しています。Excelから会話データを簡単に作成できるため、プログラミングスキルも一切必要ありません。
30日間の無料トライアルもありますので、ぜひこの機会に導入を検討してみてください。