人員不足や長時間労働の問題を抱える医療現場。医療従事者方の負担軽減や、患者の満足度を向上させる対策としてチャットボットの導入が有効です。
チャットボットで問い合わせや受付を対応すれば、医療従事者の方は患者とのコミュニケーションや診療など、本来の業務に専念できます。実際、昨今の新型コロナウイルス感染拡大を受け、窓口業務を効率化したり、ワクチンに関する問い合わせ対応の目的でチャットボットを活用するクリニックが増加しているのです。
今回の記事では、病院でのチャットボット導入や活用の事例、医療現場の視点から見た導入のポイントについて解説します。
また弊社が運営するチャットボット「さっとFAQ」では、病院をはじめとする医療現場での導入実績も多々あります。エクセルから会話データの作成も可能、専門知識は必要ありません。
30日間の無料トライアルもありますので、この機会にぜひご検討ください。

病院でのチャットボット活用方法とは?
業務の効率化や、人員不足の解消に効果を発揮するチャットボット。医療分野でも他の業種同様、チャットボットを取り入れる動きが活発になっています。
病院でのチャットボット導入は、患者の長時間の待ち時間を短縮したり、医療従事者の方々の長時間労働を改善したりすることに繋がります。
医療現場のチャットボット導入で大切なのは、老若男女、誰でも操作しやすいことが挙げられます。病院には幅広い世代の人々が訪れます。そのため、どんな人でも操作しやすく、わかりやすいものであることが第一と言えるでしょう。

病院でチャットボットを活用するメリット
この項では、病院などの医療現場でチャットボットがどのようにメリットを発揮するのか、内容別に紹介します。

予約管理
チャットボットを使えば、来院の予約も自動でしてくれます。予約の電話が少なくなることで、受付作業が中断されることもなくなり、業務効率化に繋がります。
チャットボットが予約処理をしてくれることで、診療時間内に連絡ができない人や、電話がつながらずにストレスを感じる人の負担が軽くなるでしょう。
受付業務
チャットボットでは、受付業務そのものを実施することもできます。来院した人へ向けて順番待ちカードを発行することや、問診票を送付して記入してもらうことも可能です。
病院の受付け担当者など、医療従事者の長時間労働がなくならない原因の1つに、通常業務と患者のコミュニケーションを並行して進めなければならない状況があります。
このような状況下で、チャットボットに受付業務を任せることで、患者とのコミュニケーションに重点を置くことができ、患者の不安を和らげたり、満足度の向上に役立てたりできるでしょう。
簡単な問診
病院での待ち時間の長さは、病院やクリニックの数が足りていないことが考えられます。患者は、重病でない場合でも身体に何かしらの不安を抱え、はっきりとした答えがわからないため病院へいきます。
このような患者に、チャットボットから事前に問診票を送付して回答してもらうことで、来院の必要性があるのか事前に判断することが可能です。
それにより、患者の待ち時間を減らし、本当に病院を必要としている人が診療を受けやすくなると言えるでしょう。
相談窓口
何かの病気かもしれないと不安になると、まずは患者自身がインターネットで調べます。しかし、知識のないまま調べていくと、深みにはまってしまいおおきな不安になることもあるでしょう。
このような場合、医療従事者が監修したチャットボットで、相談窓口を設置することで対処できます。チャットボットが症状を問診し、事前に登録したデータを元に来院の必要性を判断します。
これにより、本当に来院が必要な患者を洗い出すことが可能となり、患者側と病院側、双方のメリットになるのです。
また、動物病院の場合は「診察可能な動物の種類」などをチャットボットで簡単に確認できるようにしておくことで、問い合わせ対応の削減効果がすぐに見込めるでしょう。
カルテや処方箋管理
医療関係者側のチャットボット活用のメリットとして、カルテや処方箋の管理があります。これらの膨大な資料をチャットボットのプラットフォーム内で管理し、社内業務の効率化を目指すことができるでしょう。
患者の問診の際に、過去の問診票や診療履歴を簡単に取得することや、医療器具や、薬の知識・使い方についてのFAQとして活用する方法もあります。
病院でのチャットボット活用事例
既にチャットボット導入に成功している病院は、どのような場面で活用しているのでしょうか?実際の病院をいくつか紹介します。
診察受付ボットシステム | さっとFAQ
少数のスタッフで開業する医院にとって、入電対応の負担がありました。
また、コロナ期に入ってから発熱やPCR検査の有無など確認項目も増え、多くの業務に影響を与えていました。
そこで、シナリオ型チャットボットツール「さっとFAQ」を導入。
来院前にオンライン問診を済ませてから予約を取ってもらうようにすることで、毎回電話で質問している症状や希望内容などが自動化され人的負荷が大きく軽減されました。
オンライン問診後は医院にメールが通知する仕組みにすることで、来院前に患者さんのある程度の症状が特定できるため、予約対応がスムーズになり、患者様をお待たせする時間も減らすことに成功しました。
医療専門学校の動画視聴サイト | さっとFAQ
医療資格取得について参考動画を多数配信していて、オンラインで質問ができる仕組みを導入していました。
しかし、どの動画に対して質問をされているのか識別できない課題がありました。
そこで、シナリオ型チャットボットツール「さっとFAQ」を導入。動画ごとにチャットボットを設置することで、どの動画の質問かわかるようになりました。
また、これまでは受講後にアンケートを集めており、全てフリーハンドであったためカテゴライズが難しい状態でした。さっとFAQを導入することで、興味関心がカテゴリ分析できるようになり、リクエストへの反映スピードやセミナー内容の充実化に成功しました。
甲南医療センター
- 引用元:甲南医療センターホームページ
- チャットボット:甲南医療センター病院案内
兵庫県にある公益財団法人 甲南会 甲南医療センターのチャットボットは、主に、甲南医療センターの基本的な問い合わせに対応しています。今まで甲南医療センターを受診したことはないけれど、行きたいと考える人向けにチャットボットで回答しています。
病院へのアクセスや入院についての他、診療案内や医療費のことなど、病院や医療の基本的な問い合わせにも対応します。
千船病院
- 引用元:千船病院ホームページ
- チャットボット:千船病院産婦人科
大阪市にある社会医療法人 愛仁会 千船病院は、内科や外科、ざまざまな症状を診療しています。
千船病院の産科では、ホームページにあるチャットボットから24時間問い合わせができます。病院の入院情報や診療内容など、千船病院に行ったことがない人でも気軽に問い合わせができるのが特徴です。
妊娠中は少しの異変でも胎児のことが気になり、出産に必要な書類や手続きも多いため、問い合わせも多くなります。
このようなときにチャットボットがあることで、患者は小さな不安をすぐに解決できます。病院側の視点でも、問い合わせで業務を中断されることが少なくなり、業務効率化に繋がるでしょう。
山﨑内科医院
- 引用元:山崎内科医院ホームページ
- チャットボット:LINE予約のページ
東京都にある山崎内科医院では、診療やワクチン予防接種の予約にCongniyのチャットボットを導入しています。LINEアカウントと連携することで、患者は自身のLINEからAIチャットボットと会話をしながら来院の予約ができます。
ワクチン予約では、事前問診や接種条件の確認もチャットボットで実施できるのが大きな特徴です。予約完了後も予約状況の確認、リマインダー機能、カレンダーとの連携など、患者にとっても便利な機能が多くあります。
病院にチャットボットを導入するポイント
医療現場にチャットボットを導入するには、どのような点に気をつければいいのでしょうか?この項では、病院にチャットボットを導入する際のポイントについて解説します。
来院患者の属性を考慮する
医療機関のWebサイトにチャットボットを導入する場合、来院する患者が「スマートフォン等を使ってチャットボットを利用してくれるか」をそもそも考慮しなければいけません。
最近は高齢者の方でもスマホを持つのが当たり前の時代になりましたが、それでも来院前の医療機関の検索や、Webサイトからの予約・問い合わせは、比較的若い世代の利用割合が高い傾向にあります。
「高齢者の来院がほとんど」という場合は導入してもそれほど利用されないことも考えられるでしょう。この辺りは地域性等も関連する部分ですので、Webサイトのアクセス数やお問い合わせの状況を加味して設置するかどうかを検討するのがおすすめです。
Googleアナリティクスなどの分析ツールを用いれば、「お問い合わせフォームのアクセス数」「Webサイトに表示されている電話番号がクリックされた回数」などを測定できるので、それらの指標を元にチャットボット導入後の利用状況をある程度予測することも可能です。
患者目線のFAQ作成
チャットボットが医師のような精密な診断を下すのは難しいでしょう。しかし、受付で実施する事前問診ならば、チャットボットが十分に効果を発揮します。
元来、受付け時に記入してもらう問診票は、患者が自由に記入できるようになっており、データ化するのは困難です。しかし、チャットボットでFAQを作り込み、回答を集計しデータ化することで、細かく症状を絞り込み、診療時間を短縮し業務を効率化を実現します。

誰もが使いやすいUIで作成
病院には、様々な世代の人々が多く訪れますが、その中でも高齢者が多い傾向にあります。そのため、ITリテラシーが低い方でも簡単に操作できるようなUIが求められるでしょう。
UIの追求をおろそかにしてしまうと、「予約システムが分かりにくいから結局電話で予約しよう」ということになり、チャットボットを導入しても効果を発揮できなくなってしまいます。
チャットボットは、たくさんのツールがあります。その中から目的に見合ったものを選ぶ必要があるでしょう。
セキュリティは高度なものを
大前提とも言えますが、チャットボット導入の際は、セキュリティが高度なものを選ぶようにしましょう。
病院では、個人の病歴など、重要な個人情報を扱う機会が多くあります。ユーザーにとって使い勝手が悪くならない程度のシステムを選ぶよう心がけましょう。

病院で活用できるチャットボット5選
この項では、病院でも導入しやすいチャットボットを紹介します。患者向けに導入するなら、AIが会話形式で患者とのやり取りをしてくれるAI搭載型、有人対応に切り替えられるハイブリッド型がおすすめです。
詳しく見ていきましょう。
さっとFAQ

「さっとFAQ」は、サンソウシステムズが提供する月額1万円から利用できるチャットボットツールです。Excelから会話データが作成でき、ノーコードでシナリオ作成やアンケート機能などの実装ができます。
短時間で質問と回答が設定できるため、業務量の多い医療従事者の方々でも手間をかけずに準備が可能です。
病院の問い合わせやFAQに適したチャットボットで、実際に医療機関のWebサイトに導入され、問い合わせ工数削減、業務効率化を実現しているツールになります。
また、セキュリティ面が強固なシステムで構築されており、個人情報を扱う医療現場でも安心して使用できるのも強みの一つ。30日間の無料トライアルもあり、「まずは使って試してみたい」方にはおすすめです。
Cognigy
- 引用元:Congniy公式サイト
- 問い合わせ先:Congniyお問い合わせフォーム
Congniyを採用することで、短期間で拡張性の高いAIチャットボットを設計できます。自然言語処理と自然言語理解により、人間と会話をしているような対話が可能です。
とくに、医療分野での受付相談や問い合わせなどに導入することで、人員不足を解消してスタッフの負担を減らせます。
電話やメール、LINEなど、20以上のチャンネルを追加機能なしで接続し、業務を引継ぎできます。
RICOH Chatbot Service
RICOH Chatbot Serviceは、月額1.8万円〜で利用できるチャットボットです。
エクセルで作ったFAQを読み込むだけで、誰でも簡単に利用できます。業種別テンプレートの中には医療向けのテンプレートも用意されており、歯医者Botや産婦人科Botなどで問い合わせに自動で回答します。
BOTCHAN EFO
- 引用元:BOTCHAN EFO公式ホームページ
- 問い合わせ先:BOTCHAN EFOトップページのチャットから連絡
BOTCHAN EFOは、病院の来院予約で効果を発揮できるチャットボットです。
とくに、完全予約制の病院や診療時間が限られた病院では、患者が電話で予約する時間もかぎられてしまい、不便さを感じてしまいます。このようなとき、チャットボットを使い、パソコンやスマートフォンから予約できれば、ハードルの高さを感じずに予約してもらうことができます。
sAI Chat
- 引用元:sAI Chat公式サイト
- 問い合わせ先:sAI Chatお問い合わせフォーム
sAI ChatのAIチャットボットは、AIによる自動回答と有人への切り替え、両方に対応するハイブリッド型です。医療分野での複雑な回答にも対応できるため、ユーザーの満足度も高くなります。
チャットボット導入で病院と患者さんの負担を減らせる
病院など医療現場でのチャットボット導入は、まだまだ少ないのが実情です。しかし、業務改善や負担軽減に最適なため、病院との相性が良いと言えます。
長時間労働をこなす医療従事者の方はもちろん、医療を必要とした患者にとってもチャットボットの導入で生まれるメリットが多くあります。
問い合わせや予約処理などに、チャットボットの導入を検討してみてはいかがでしょうか?病院にチャットボットを導入するなら、複雑な質問やデリケートな質問にも返答できるよう、有人対応にも切り替えられるハイブリッド型がおすすめです。
さっとFAQでは、会話履歴からデータを分析できる、問い合わせに特化したFAQチャットボットを低価格で提供しています。ご興味のある方はぜひご連絡ください。