社内FAQとは、社内で従業員から寄せられることの多い質問とその回答をまとめたものです。質問と回答を事前に整理しておくことで、従業員は自分で疑問点や不明点を解決できるため、担当者の負担軽減や業務効率化につながります。
この記事では、社内FAQの概要や導入するメリット、具体的な導入例や質問例、FAQの作成手順などについて解説しています。
従業員が自ら疑問を解決できるようにしたい方や、特定の部署への質問集中による業務効率の低下を防ぎたいご担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
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社内FAQとは

社内FAQとは、従業員から寄せられることの多い質問とその回答を整理したものです。FAQは、正式には「Frequently Asked Questions」の略で、日本語では「よくある質問」とその回答を指します。
詳しくは後述しますが、社内FAQといっても、顧客が企業に対しておこなう質問と、社内で従業員が他部署などに対しておこなう質問の2種類があります。 いずれの場合も、質問に対する答えを満遍なく用意し、わかりやすくまとめておけば、顧客の商品・サービスへの理解や、従業員の業務理解を深める効果が期待できます。
また、FAQを用意しておけば、疑問や質問、不明点があったとしても、FAQを通して自己解決を促すことも可能です。このように、特定の担当者や部署が繰り返し同じ質問を受けるケースが減り、結果的に業務効率の向上にもつながります。
社内FAQの種類
先述の通り、社内FAQには大きく分けて顧客が企業に対しておこなう質問と、社内で従業員が他部署などに対しておこなう質問の2種類があります。ここではそれぞれどのようなものなのか、概要について解説します。自社でFAQの作成を検討している担当者は、まずはその種類の違いを理解できるようにしてください。
顧客向けのFAQ
顧客向けのFAQは、主にコールセンターやヘルプデスクなど、顧客と直接関わる部門で必要とされます。
例えば、顧客からお問い合わせがあった際にFAQを用意しておくと、よくある質問にはFAQを参照しながらスムーズに対応できます。また、補足事項などもあわせて記載しておくことが重要です。
顧客向けのFAQがあることで、担当者による回答のばらつきを防ぐことができ、オペレーターの対応品質向上や均一化につながります。
社員向けのFAQ
社員向けのFAQは、主に社内で発生する経理手続きや情報システム管理など、バックオフィス部門に関する内容が中心です。また、業務に関するよくある質問をまとめて活用している場合もよく見られます。
例えば、パソコンや自社システムの操作方法・設定方法、各種申請や休暇申請、経費精算の方法などが挙げられます。
社内でよくある質問は関連する部署が対応しなければなりません。しかし、いつも同じような質問ばかりが届いていると、担当者の業務負担となり、本業の支障となる可能性もあります。
FAQを用意しておくことで、社員自身が疑問点を自分で解決でき、業務の効率化にもつながります。
Q&Aとの違い
FAQと似た言葉にQ&Aがありますが、両者は異なるものです。FAQは実際に誰かから寄せられた質問とそれに対する回答であるのに対して、Q&Aは事前に予測した質問と回答です。
どちらも質問とそれに対する回答である点は同じですが、実際にあった質問なのか、質問されそうなことを予測してあらかじめ用意したものなのかといった点で違いがあります。
社内FAQを作成するメリット

社内FAQを作成すれば、企業はさまざまなメリットを享受できます。
例えば、質問への回答を毎回人手で行っていると、業務に支障が出る恐れがありますが、FAQがあれば社員自身が問題を解決できます。また、顧客対応をおこなう部署が顧客対応時のFAQをまとめておくことで、顧客対応の品質が向上し、顧客満足度が高くなる可能性もあります。
このように社内FAQを用意しておくことで得られるメリットはさまざまです。ここでは具体的なメリットとして以下の点を紹介します。
- 担当者の負担軽減
- 顧客満足度の向上
- 問題の自己解決の促進による属人化防止
- 社内ノウハウの蓄積
- 新人教育の促進
担当者の負担軽減
社内FAQを作成するメリットの1つが、担当者の業務負担軽減です。
事務手続きや経費精算など、社内で必要だが手続きの方法が分かりにくい業務は少なくありません。そのようなときに社内FAQがないと、担当部署への質問が多くなり、担当者は質問への対応に追われてしまいます。同じような質問にその都度回答するのは非効率的です。
一方で、社内FAQによくある質問をまとめておけば、従業員は自分で確認して手続きを進められるため、担当者の手間がかかりません。また、社内情報がFAQに一元化されるため、担当者によって回答の内容や品質にばらつきが出ることも防げる点が、大きなメリットです。
質問への対応が不要になれば、担当者は空いた時間を他の業務に注力できるため、負担軽減だけでなく、業務効率の向上にもつながります。
質問を受けやすい経理部門や情報システム部門などで、社内FAQを用意しておくことは非常に大きなメリットがあります。
顧客満足度の向上
社内FAQを作成することは、顧客満足度の向上につながります。
例えば、コールセンターのように顧客と直接やり取りをする企業では、対応時によく尋ねられる質問とその回答例をFAQとしてまとめておくと便利です。こうしたFAQがあれば、担当者ごとの回答にばらつきが出ず、常に一定以上の品質で対応できます。
このように、適切な対応ができることで、顧客の満足度が高まることが期待されます。また、経験の浅いオペレーターでも社内FAQを活用すれば、迷うことなく正確に答えることが可能です。
問題の自己解決の促進による属人化防止
社内FAQを作成することで、従業員が自分で問題を解決しやすくなるだけでなく、業務が特定の担当者に依存するのを防ぐ効果も期待できます。
前述の通り、社内FAQがあれば、わからないことがあっても担当部署や担当者に直接問い合わせる必要がありません。FAQを確認することで、多くの問題を自分で解決できるようになります。
さらに、業務の進め方や流れをFAQとしてまとめておけば、担当者以外の従業員も業務内容を把握しやすくなります。そのため、一部の従業員だけが業務を理解しているというリスクを減らし、業務の属人化を防ぐことができます。
また、メインの担当者が休みや異動、退職などで不在の場合も、FAQを参考にすることで他の従業員が業務を引き継ぐことが可能です。これにより、担当者不在による業務の停滞を心配せずに済みます。 このように、担当者が不在になるケースは珍しくありません。そのため、社内FAQを作成すれば、従業員が自分で解決策を見つけやすくなり、業務の円滑な運営につながる点が大きなメリットです。
社内ノウハウの蓄積
FAQを活用することで、社内に分散していたさまざまなノウハウを一か所に蓄積できます。
例えば、各種手続きに関する知識や業務の進め方といった情報のほか、ベテラン従業員が長年の経験から身につけた業務のコツなど、これまで個人しか持っていなかった知識も、企業全体で共有できるようになります。
このようにノウハウが集まることで、FAQの内容がより充実し、使う人にとっての利便性も高まっていきます。
新人教育の促進
社内FAQは、新人の教育に役立つツールです。
例えば、FAQに業務の進め方や注意すべきポイントをまとめておくと、新入社員は空き時間を利用してこれらの情報を読み、業務への理解を深めることができます。
また、人的な余裕がなく、先輩社員が常にそばについて指導できない企業も珍しくありません。しかし、社内FAQを準備しておけば、このような場合でも効率的に新人教育を進めることが可能です。
社内FAQを作る際の手順

ここでは社内FAQを作成する際の手順を紹介します。実際によくある質問をただ収集してそれに対する回答を検討するだけでは使い勝手の良い社内FAQにはなりません。
具体的にどのような手順で作成するのか理解を深めることはポイントの1つです。これから社内FAQを作成しようとしている方はぜひ参考にしてください。
ここで説明する具体的な作成手順は以下の通りです。
- 質問をリストアップする
- 重要度や頻度で分類する
- 回答を作成する
- 運用・更新体制を整える
質問をリストアップする
社内FAQを作成する場合、まずはよくある質問をリストアップする必要があります。ここで、どれだけ多くのよくある質問を集められるかが、社内FAQ全体の質を左右するため、非常に重要なステップとなります。
社内の各部署や従業員で発生している課題を把握した上で、それらに関する疑問や質問をまとめます。具体的には、各部署に対してヒアリングをおこなうほか、メールや社内チャット、Webフォームなどの実際の過去のやり取りの記録などをチェックしてください。
重要度や頻度で分類する
よくある質問を収集したら、重要度や頻度に応じて分類をしてください。質問を分類しておくことで、実際に利用する際に知りたい質問やその回答にアクセスしやすくなるためです。
重要度や頻度で分類したら、回答作成は以下の順でおこなってください。
- 重要度が高く高頻度で発生する質問
- 重要度が高く発生する頻度としては多くない質問
- 重要度が低く高頻度で発生する質問
- 重要度が低く発生する頻度としては多くない質問
なお、分類する際は、あらかじめIT関連や社内手続き、業務ツールなどのカテゴリごとに分けておくと、より質問にアクセスしやすくなるためおすすめです。
また、分類をする中で、完全には同じではないものの似たような質問が出てくることもあります。そのような細かな内容の質問は、1つにまとめることがポイントです。
分類する際は、実際に使用する場面を想定して、質問を見つけやすいかどうかを忘れないようにしてください。
回答を作成する
質問を分類できたら、優先順位の高いものから回答を作成してください。
回答を作成する際は、わかりやすさを意識し、専門用語の使用はできるだけ避けることが大切です。また、文章が長くなりすぎるとかえって理解しづらくなるため、シンプルな内容を心がけてください。
もし回答の参考になる資料のリンクがあれば、回答と一緒に掲載するのもおすすめです。従業員が抱える質問や疑問の解決が目的であるため、実際に使用する人にとってわかりやすいか、使いやすいかといった点を考慮して回答を作成します。
運用・更新体制を整える
FAQは継続して作成・更新をしていくため、FAQの運用担当を決めた上で、運用・更新体制を整えていく必要があります。
特に、FAQは一度作成して終わりではなく、情報を定期的に更新していくことが非常に重要です。例えば、新しいツールや機器を導入したことで業務フローが変わる可能性もあるため、業務の変更がある度にFAQの内容が変わる可能性があります。
また、新たな質問が出てくるケースも考えられるので、必要に応じてFAQを追加しなければなりません。その他にも、FAQの中でもあまり閲覧されていないものがあれば、何が原因なのかを調べ、対策をする必要があります。
このように、FAQを長く活用し続けるためにも、適切な運用・更新体制を整えることが大切です。
社内FAQの導入例

社内FAQを実際の業務に活用している企業は数多く存在します。ここでは、どのように活用されているのか、導入事例をご紹介します。
社内FAQがあると便利そうではあるものの、自社でどのように活用できるのかイメージが湧かない。どういった活用方法があるのか知りたいといった企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。
管理部門の負担軽減のための導入例

医療従事者向けにeラーニングを中心とした教育支援を行っている株式会社学研メディカルサポートでは、人事、法務、総務、経理といった管理業務部門への問い合わせが多く寄せられていることが大きな課題となっていました。
電話による問い合わせだけでなく、担当の社員を呼び止めて直接質問するケースも多く見られ、社員は他の業務を中断せざるを得ず、質問対応が終わったあとで再び仕事に集中し直す必要がありました。
そこで、同社では社内FAQとして「さっとFAQ」を導入しています。導入前には、年間で約400時間の業務削減が見込まれていましたが、実際に導入してみると、当初の想定を大きく上回る時間と費用の節約を実現できています。
参考:株式会社サンソウシステムズ「医療従事者に心とコンテンツの両面で寄り添うためにさっとFAQで業務効率を大幅に向上」
新卒採用サイトでの導入例

社内FAQは、、新卒採用サイトにも活用することができます。
熱源機器や空調機器の製造販売や設計施工を手がける昭和鉄工株式会社では、業務の効率化に最新技術を取り入れられないかと考え、FAQチャットボット「さっとFAQ」を導入しました。
具体的には、まず社内導入に先立ち、新卒採用サイトに社内FAQを設置しました。チャットボットの公開から1カ月で1,000件を超えるコール(1コール=1つの質問とその回答のセット)があり、多くの学生が疑問を解決するために活用していることがわかります。
このように、採用に関する問い合わせの初期対応を社内FAQが担うことで、採用担当者の業務負担を減らし、結果として業務全体の効率化が可能になります。昭和鉄工株式会社では、今後も社内業務のさらなる効率化を目指し、社内FAQの活用を進めていく予定です。
参考:「明治からの挑戦の姿勢は、令和の今にも受け継がれる|昭和鉄工株式会社 様」
教育コストの削減を目的とした導入例
従業員の教育にかかるコストを減らすために社内FAQを活用している企業があります。
この企業では、従業員教育のためにマニュアルを作成・活用しています。しかし、案件が少なく、他の従業員も十分な知識を持っていない分野の業務については、FAQを作成して情報を集約しています。
知識を持った従業員が少ない場合、その分野を指導できる人が限られてしまいます。そのため、限られた人員で指導をおこなうことは、コスト面や担当者の負担という観点からも現実的ではありません。
このような時にFAQがあれば、FAQをもとに知識を習得でき、FAQで対応できない部分は、知識を持った従業員が担当する体制を取ることができます。
情報共有不足解消のための導入例
情報共有の不足を解消するために社内FAQを活用しているケースもあります。
こちらの企業は、事業拡大および店舗の展開に伴う拠点間での情報共有不足を社内FAQでカバーしようとしました。具体的には、業務に関するナレッジを質問形式で社内FAQに蓄積し、業務に関する情報をすべて社内FAQに集約する体制を作りました。
これにより、従業員は何かあれば社内FAQを参照するようになり、情報共有が促進されるとともに、業務効率化も実現しました。
急成長している企業の場合、従業員同士の情報共有が不十分なため、「知らない」「教えてもらっていない」といった事態に陥りやすいと言えます。そのような状況を改善するのに社内FAQは役立ちます。
顧客対応の円滑化を目指しての導入例
顧客対応部門の業務を円滑に進めるため、社内FAQを導入しているケースもあります。これは、コールセンターやヘルプデスクなどの業務をおこなう際に、顧客からの問い合わせに対する解答例や補足事項などをFAQで取り扱っているものです。
質問を検索すれば、どのように回答すれば良いかがすぐにわかるため、顧客をお待たせする心配がありません。また、新入社員などには事前にFAQを読んでもらうことで、理解を深めてもらうことも可能です。
業務の属人化防止のための導入例
知識の共有もできる社内FAQは、業務の属人化防止にも役立つものです。
ある企業では、スタッフ間の情報の偏りによる業務の属人化が問題となっていました。そこで、容易に情報へアクセスできる社内FAQを導入し、各従業員のノウハウをFAQに集約することで、知識やノウハウの偏りを解消しました。
属人化に悩む企業にとって、社内FAQは課題解決に向けた第一歩として役立つ可能性があります。
マニュアルのペーパーレス化実現のための導入例
マニュアルのペーパーレス化を目的として社内FAQを活用するケースもあります。こちらの企業では、もともと紙のマニュアルを使用していました。
しかし、マニュアルで扱う内容が多いこともあって、必要な情報を調べるだけでも時間がかかってしまう状況でした。そのような中で社内FAQを導入します。社内FAQによってペーパーレスが実現したほか、検索機能がついていることから、質問の検索ができるようになり、必要な情報にアクセスするまでの時間を大幅に短縮できるようになりました。
検索にかかる時間が短縮されたことで、業務効率も向上しています。また、ペーパーレス化により、情報はすべてオンライン上で閲覧できるようになったため、情報共有もスムーズに行えるようになりました。
社内FAQの質問例

ここでは社内FAQで実際に掲載されている質問例を紹介します。
社内FAQに掲載する質問は多種多様であり、各企業の目的や業種、業務内容などによって異なります。具体的にどういった質問があるのか、自社で社内FAQを作成する際の参考にしてください。ここでは以下のような質問例を取り上げています。
- 業務・総務に関する質問例
- IT・システムに関する質問例
- 人事・労務に関する質問例
業務・総務に関する質問例
社内FAQでよく取り扱われるのが業務や総務に関連するものです。
例えば、業務であれば具体的な手順をFAQで説明するケースや、マニュアルに書ききれなかった情報を捕捉的に掲載することができます。また、総務関連であれば、社内で発生する各種申請手続きの手順解説などで使用されています。
質問例は以下の通りです。
- ●●の手順は?
- 業務ツールの設定方法がわかりません
- リモートワークの資格要件は何ですか?
- リモートワーク環境を整備するための会社からのサポートはありますか?
- リモートワーク中の勤務時間の記録方法は?
- 有給休暇取得に必要な書類、確認事項はなんですか?
- 備品がなくなったときはどうすれば良いですか?
- 社員証を紛失してしまいました
- 名刺を追加で作成したいときはどうすれば良いですか?
など
業務関連の質問に関しては、部署や部門、担当業務ごとに分類しておくとより情報にアクセスしやすくなるため、作成時に意識してみてください。
IT・システムに関する質問例
多くの企業でITツールや社内システムが利用されているため、これらに関する問い合わせも珍しくありません。具体的な質問例は下記の通りです。
- 社内システムへのログイン情報はどこで取得できますか?
- 業務ツールへのアクセス権限をリクエストしたいのですがどうすれば良いですか?
- 社内共有ドライブへのファイルアップロード方法は?
- システム利用で問題が発生した場合の連絡先はどこですか?
このような質問が代表的です。
人事・労務に関する質問例
休暇や残業といった働き方に直結する内容のため、人事や労務に関する質問も従業員から多く寄せられます。担当者の業務負担軽減のためにも、社内FAQをうまく活用しましょう。主な質問例は次のようなものです。
- 有給休暇の申請方法と承認プロセスは?
- 休日出勤をする際のルールを教えてください
- 産前・産後の休暇を取得する際はどうやって申請すれば良いですか?
- 介護休暇の申請方法を教えてください
- 就業規則はどこで確認できますか?
などがあります。
社内FAQを運用する際のポイントと注意点

ここでは社内FAQを実際に運用するにあたって押さえておくべきポイントと注意点を紹介します。社内FAQはただ作成すれば良いものではなく、適切に運用した上で従業員に実際に使用してもらい、不明点の解消につなげなければなりません。
社内FAQの効果をより高めるためにも、ぜひポイントをチェックしておいてください。ここでは以下のようなポイントを取り上げています。
- KPIを設定し効果を把握する
- 誰でも簡単に更新・改善できるようにする
- 情報が少ない・見つけにくい状態を避けるための定期的な見直し
- 社内への周知徹底と利用ルールの明確化
KPIを設定し効果を把握する
社内FAQを運用するにあたっては、KPIを事前に設定し、目標を達成できているかどうか、社内FAQの導入によって効果があるのかといった点をチェックする必要があります。
社内FAQに関連するKPIには以下のようなものが挙げられます。
- 直帰率:1ページのみを閲覧して離脱してしまった人の割合
- 検索利用率:検索が行われている割合
- 検索ヒット率:ユーザーが検索を行った際に検索結果が表示された確率
- 平均検索深度:検索結果から実際にそのページを訪れたユーザーが閲覧したページ数
- 再検索数の割合:ユーザーが検索を行った直後、もしくは何ページか閲覧した後に再検索した確率
上記の指標に問題がある場合、FAQの導線がユーザーのニーズに合っていない、ユーザーから見ると選択肢が多すぎる、キーワードが検索に対応できていない、該当するFAQを用意できていないといった課題が起こり得ます。
KPIを用いた分析では、データを把握した上で、そこからどのような判断ができるかを理解しておく必要があります。 専門知識を要する部分でもあるため、社内の人材でカバーできない場合は外部への委託も検討してみてください。
誰でも簡単に更新・改善できるようにする
社内FAQは定期的な情報の更新・改善が必要不可欠ですが、これらの更新・改善作業を誰でも簡単に更新や改善ができる仕組みを作ることも大切です。
特定の人物しか情報のアップデートができないと、情報更新作業が滞り、社内FAQが形骸化してしまう恐れがあります。
誰もが簡単に更新できるかどうかを考えると、社内FAQツールのように、オンライン上で誰もがアクセスできるツールの利用がおすすめです。
情報が少ない・見つけにくい状態を避けるための定期的な見直し
社内FAQを導入したものの、うまく活用されない例として挙げられるのが、情報が少なく十分に役立たない、また情報が見つけにくいといった状態です。
このような状態を回避し、効果的に社内FAQを活用するためには、定期的にFAQの内容を見直す必要があります。先ほど紹介したようなKPIを通してどの質問がよく閲覧されているのか、検索ワードは何が多いのかといった点を把握できれば、改善点も見えてきます。
また、情報が少ないために活用されていない場合は、ヒアリングを行い、どのようなFAQが不足しているのかを洗い出してください。
そのほかにも、情報が見つけにくい場合には、検索キーワードを意識したFAQの見出し設定や、質問の分類、タグ付けの活用なども有効です。
社内への周知徹底と利用ルールの明確化
社内FAQを作成した際には、社内にしっかりと周知し、利用ルールも共有してください。
そもそも、いくら優れた社内FAQを作成したとしても、それを使ってもらえなければ意味がありません。そのため、従業員に対して、社内FAQを作成したことを伝え、活用を促すことが大切です。
また、運用目的や情報更新のルールなども明確にし、従業員が社内FAQを使いやすい状態にしておく必要があります。
社内FAQ作成に使えるツール

社内FAQを作成する場合、いくつかのツールを活用できます。ここでは具体的にどのようなツールがあるのか解説します。
ツールによって、多くの人に馴染みのあるものから、作成が簡単にできるもの、FAQ作成に特化したものなどさまざまです。自社の状況やニーズを踏まえた上でどのツールを利用するのが良いのか、ぜひ検討してみてください。
ここでは以下のようなツールを取り上げています。
- 表計算ソフト
- WebサイトへのFAQページの追加
- FAQシステム
表計算ソフト
社内FAQを作成するにあたって、活用しやすいのがExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトです。
ExcelもGoogleスプレッドシートも多くの企業で利用されているものであるため、従業員にとって扱いやすいものです。また、Googleスプレッドシートは無料で、Excelもすでに導入済みであれば別途コストはかかりません。そのため、導入のハードルを下げたい、コストをかけずに社内FAQを作成したいといった場合に適しています。
部署別、業務別などシートごとにFAQをまとめることもできるため、一覧性も確保しやすいといえます。
一方で、作成にあたっては、自社でテンプレートを整備する必要があるため、最初の段階で手間がかかる可能性がある点には注意しなければなりません。
WebサイトへのFAQページの追加
自社サイトを所有している場合、そこに新規でページを追加する形でFAQを設置する方法もあります。すでに使用されているサイトを使用するため、社内にも浸透しやすい点が特徴です。
また、カスタマイズ性にも優れているため、自社のニーズに応じたFAQの作成ができます。例えば、インデックスページを設置して情報にアクセスしやすくする、検索機能をつけてすぐに情報を見つけられるようにする、タグづけをおこなうといったことも可能です。
一方で、作成にあたっては専門知識が必要なため、担当できる人材を確保しなければならない点に注意してください。
FAQシステム
FAQの作成に特化したFAQシステムを活用して社内FAQを作ることも可能です。ツールによっては、専門的な知識がなくてもFAQを作成できるものも多いため、初めての方でも手軽に作成できます。
また、検索機能やタグ付け機能、解析ツールなどが搭載されているものもあり、より利便性の高い社内FAQを作成できます。各FAQへのアクセス数やよく使われている検索ワードなどを基に、FAQの内容をさらに充実させることも可能です。
社内FAQ作成におすすめのツール

社内FAQ作成に対応しているツールにはさまざまなものがありますが、ここではおすすめのツールとして「さっとFAQ」を紹介します。
さっとFAQは月額1万円から利用できる FAQチャットボットです。これまでに500社以上で導入された豊富な実績を持っており、コストパフォーマンスを重視しつつ社内FAQを導入したい企業におすすめのツールです。
チャットボットの作成にあたっては、プログラミングやAIに関する知識は必要ありません。また、会話データはExcelのテンプレートに質問と回答を貼り付けて登録するだけで設定でき、FAQのデータ登録は5分でできることから初めて作成する人でも簡単です。
利用者向けのダッシュボードが設定されており、チャットボットの利用状況を視覚的に一目で把握できるようになっています。そのため、チャットボットの改善策の検討にも活用可能です。
社内FAQの導入を検討している企業の担当者は、ぜひチェックしてみてください。
社内FAQの導入例・質問例を理解して適切に活用しよう
今回は、社内FAQの概要や作成するメリット、具体的な導入例や質問例などについて解説しました。
社内FAQは、従業員からよく寄せられる質問とその回答をまとめたものです。業務に関する質問や、コールセンターなどで顧客から受ける質問への回答をまとめておくことで、従業員自身で確認できるようになります。また、それによって担当者に質問が集中する事態も避けられるため、業務効率の向上にもつながるでしょう。
従業員の教育や業務効率化、属人化防止、情報共有など、導入例がさまざまであるように、活用方法も多岐にわたります。今回の内容を参考に、社内FAQの作成・導入を進めてみてください。
自社作成が難しい場合、さっとFAQのようなチャットボットツールの導入がおすすめです。
弊社サンソウシステムズでは月額1万円から利用できる「さっとFAQ」というチャットボットを提供しています。Excelから会話データを簡単に作成できるため、プログラミングスキルも一切必要ありません。
30日間の無料トライアルもありますので、ぜひこの機会に導入を検討してみてください。
