「チャットボットにはどのようなメリットがあるのだろうか」
「どの部署でチャットボットを使うとメリットを得られるか知りたい」
チャットボット導入を検討する際、このような疑問を持つ担当者の方も多いでしょう。チャットボットを採用する企業は増加傾向にありますが、実際どのようなメリットがあるのでしょうか。
そこで今回の記事では、チャットボットのメリットやデメリット、導入すべき部署、チャットボットを最大限活かしてメリットを享受するポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。
チャットボットとは
チャットボットとは、テキストや音声でユーザーとの会話を自動化するためのツールで、ECサイトやコールセンター、社内ヘルプデスクなどで活用されています。
チャットボットの種類によっては、LINEやFacebookといったSNSと連携できるタイプもあり、普段使い慣れているアプリならユーザー側も問合せしやすくなります。
また、AIを活用したチャットボットは、ユーザーからの質問に高い精度で回答できるため、広く導入されているツールです。
【出典:対話型AIシステム市場に関する調査を実施(2018年)- 矢野経済研究所】
2018年に発表された株式会社矢野経済研究所の調査では、対話型のAIシステムの市場規模は右肩上がりを続け、5年で10倍になる見通しだと発表しています。
2022年には130億円規模の市場に成長すると予測され、AI型のチャットボットは非常に注目を浴びているといえるでしょう。
チャットボットのメリット7つ
チャットボットを活用するメリットを7つ解説します。
社員の業務効率化を促進できる
チャットボットを導入すると、従業員の負担や残業時間が減り、業務効率化を促進できるというメリットがあります。
自社の公式ホームページやECサイトにチャットボットを設置すると、顧客はチャットボットを使って自分で疑問点を解決できるようになるからです。
従来、自社商品やサービスに関する疑問や問題が生じた場合、顧客は電話やメールで問い合わせていました。従業員が一つひとつの問い合わせに個別対応していましたが、件数が増えると時間がかかり、負担が大きくなるという問題がありました。
一方でチャットボットを導入し対応を自動化すれば、社員の業務効率化や人員不足解消につながります。
24時間・365日、いつでも顧客対応できる
チャットボットを活用することで、24時間・365日、祝日や深夜を問わず顧客対応をすることができます。
電話で問い合わせるお客様窓口は「平日9時~17時」のように、対応時間が限られています。一方でチャットボットがあれば、ユーザーは自分のタイミングで質問し、回答を得ることが可能です。
また、メールで問い合わせする場合、回答まで待ち時間が発生していました。しかしチャットボットを設置しておけば、お客様を待たせることなく回答できるため、顧客満足度やコンバージョン率を向上できます。
顧客接点が増える
チャットボットはユーザーにとって気軽に活用できるため、電話やメールより顧客接点を持ちやすいというメリットがあります。
お客様の中には疑問があっても「電話で話すのが恥ずかしい/時間がない」「メールを出すのは面倒くさい」という人もいます。その場合、チャットボットならいつでも簡単に疑問を解消できるため、ユーザーとコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
顧客接点が増加すると、コンバージョン率やリード獲得率、売上の増加にもつながるため、チャットボットは集客にも役立ちます。
同時対応が実現する
かつての電話やメールでの顧客対応は、オペレーターの人数が足りなければ同時対応は困難でした。
しかし、チャットボットなら複数のユーザーが操作しても機能するため、同時対応が可能です。
ユーザーはすぐに欲しい情報が得られるので、待たされることがなくなり満足度アップにつながるでしょう。
顧客対応の質が均一化される
チャットボットを使うメリットの1つとして、顧客対応の品質が均一化されるというものもあります。
オペレーターが電話で顧客対応する場合、人によってスキルや経験、知識が違うため、品質にバラつきが出てしまいます。オペレーターの大半の質が保たれていたとしても、1人の対応が悪ければ、クレームや不信感につながる可能性があるでしょう。
その点、チャットボットは対応品質が常に一定なので、ユーザーがいつ問い合わせをしてもクオリティを保ちながら対応可能です。従って、チャットボットがあれば人的原因のクレーム発生は防止できます。
SNSと連携できる
LINEやFacebookなど、既に多くのユーザーを獲得しているSNSと連携できるチャットボットを用いると、顧客接点が多くなるというメリットがあります。
ユーザーはSNSの使用に慣れているため、抵抗なくチャットボットを使った質問や買い物が可能です。
チャットボットによっては、キャンペーンや広告配信などにも使えるので、集客方法が広がります。
会話データをマーケティングに活用できる
チャットボットでユーザーと会話したデータは、すべて保存できます。会話データを活用すれば、ユーザーの関心のある事柄を分析しやすくなり、マーケティング活動に応用可能です。
特に多く寄せられる質問に対しては、ホームページや次のプロダクトで反映させたり、お客様から寄せられた意見を、広告に「お客様の声」として活用できたりします。
このように、商品改善や集客にデータを利用できるのもチャットボットの魅力の1つといえるでしょう。
チャットボットのデメリット2つ
次に、事前に知っておきたいチャットボットのデメリットを2点紹介します。
導入に手間がかかる
チャットボットの中でも、特にAI型のチャットボットは導入に手間がかかるという点がデメリットとして挙げられます。
AI型は多くのデータを入力して機械学習させる必要があり、データ収集やロジック設定も含めると、1か月以上かかることがあります。
一方で、AIを搭載していないシナリオ型のチャットボットは、1週間以内で設置が完了するものもあるので、どちらを使いたいか事前にチェックしておきましょう。
回答しきれない質問が発生する
入念にシナリオを設計したとしても、ユーザーから新しい質問が寄せられることがあります。
その場合、回答ができないので人が対応するオペレーターをあらかじめ準備する必要があるでしょう。
チャットボットの運用を開始したら、回答できなかった質問を集めて学習させたり、新たにシナリオ設計させたりするワークフローもあると認識しておくことが大切です。
チャットボット導入でメリットを得やすい部署
では、チャットボットを導入すると社内のどの部署がメリットを得やすいのでしょうか。ここでは4つの部署を紹介します。
サポートセンター部:ECサイトで顧客対応
まずは、ECサイトに訪れた顧客からの質問に対応するサポートセンターです。サポートセンターには、ECサイトの操作方法、商品に関する疑問、クーポンの使用方法など、日々さまざまな質問が寄せられます。
サポートセンターに寄せられる質問として、以下が例として挙げられます。
- クーポンコードをどこに入力すればいいか教えて欲しい
- この商品のサイズ違いはありますか?
- 注文内容はどこでキャンセルできますか?
- 送料はいくらかかりますか?
- 商品を返品したい
すべての質問に電話対応していては、サポートセンターのオペレーターへの負担が増えてしまいます。そこでチャットボットを導入してトップページやFAQページに設置すれば、顧客は自分で疑問解消できるようになり、顧客満足度やコンバージョン率が向上するでしょう。
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マーケティング部:コンバージョン率アップ
公式ホームページやオウンドメディアのコンバージョン率を向上させたいマーケティング部にとって、チャットボットは頼りになるツールです。特にAI型のチャットボットは、ユーザーの属性や行動分析、ニーズを把握できるようになります。
ユーザーのオンライン上の行動や属性に応じて、チャットボットを使ってパーソナライズしたコンテンツを発信すれば、資料ダウンロード数の向上が期待できます。
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総務部:社員ヘルプデスクとして活用
社外のお客様だけでなく、チャットボットは広く社内活用もされています。例えば、総務部に社員から寄せられる質問に、チャットボットで自動回答できるよう設定している企業もあります。
例えば総務部には、以下のような質問が社員から多く寄せられます。
- 領収書の申請方法を教えて欲しい
- 育児休暇の規定が知りたい
- 勤怠を修正したい
- 経費はどうやって精算すればいいですか
このような質問にすべて答えていては、本来注力すべきコア業務に集中できなくなってしまいます。そこでチャットボットを活用し、社員が「育児休暇の規定」と入力するだけで、規定が書かれたリンクが自動案内されるよう設定すれば、総務部の手間を大幅に省けるようになるでしょう。
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人事部:新卒採用活動で導入
人事部が新卒採用を行う際、チャットボットを活用すると、就活生の疑問を自動解消できるようになります。特に採用シーズンは、人事部の新卒採用担当者は対応件数が急激に増加するため、チャットボットが大きな助けとなるでしょう。
寄せられる質問としては、以下のようなものがあります。
- SDGsについての御社の取り組みを教えてください
- 有休はどれくらいあるか知りたい
- 面接はいつ頃になるか教えてください
チャットボットによっては処理代行ができるタイプもあり、面接の日程調整も自動で完了します。スケジュール調整が簡単になるので、人事部の業務効率化を実施したい場合はぜひ導入を検討しましょう。
チャットボット導入でメリットを享受するためのポイント
最後に、チャットボットのメリットを最大活用するためのポイントを3点お伝えします。
解決したい課題を明確にする
まずは自社で解決したい課題を明確にしましょう。課題がわかれば、AI型やシナリオ型など、どんな種類のチャットボットが必要かがわかるようになるからです。
チャットボットは今や多くの企業が提供していますが、それぞれ搭載されている機能が異なります。ベンダーを比較する際、解決したい課題がはっきりしていると選びやすくなります。
運用担当者を配置する
チャットボットはユーザーと自動で会話できますが、運用担当者を必ず配置する必要があります。
チャットボットの動作に不具合がないか、どれくらいデータが収集されているか、どんな質問に回答できなかったかを、随時チェックしましょう。
AI型のチャットボットを検討していて、専門的な操作方法がわからない場合は、アフターフォローがしっかりしているベンダーを選ぶことが大切です。
対応できない質問もあると理解する
AIを活用したとしても、回答の正確性や精度には限度があると留意しておきましょう。チャットボットが回答しきれない複雑な質問は、別途オペレーターが対応する必要があります。
従って、チャットボット導入後もお問い合わせ窓口は完全になくさず、オペレーターを配置させることが重要です。
チャットボットのメリットを理解して導入を検討しよう
チャットボットには、業務効率化や顧客満足度の向上など、さまざまなメリットがあります。早朝や深夜でも、自動で顧客対応できるため、顧客接点が増加し、コンバージョン率の向上につながるでしょう。
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チャットボットの導入を検討している方は、ぜひ私たちにご相談ください。