この記事では、チャットボットの仕組みやチャットボットの特徴、チャットボットを導入する際のメリットやポイントまで徹底解説していきます。
この記事は、特に以下のような方におすすめの記事です。
- チャットボットに興味・関心がある
- チャットボットの仕組みが知りたい
- 現在、自社にチャットボットを導入するか考えている
近年AI技術の発達により、人同士の会話に近付きつつあるチャットボット。あなたも一度はユーザー側として、チャットボットをお使いになられたことがあるのではないでしょうか。
現在チャットボットを使える用途が大幅に増えています。それに伴い、チャットボットを導入している企業も年々増えてきている印象です。
そんな今話題のチャットボットの導入を自社で検討されているのなら、最低限チャットボットの仕組みや特徴などは理解しておいたほうがよいでしょう。
あなたがこの記事を読み終わる頃には、チャットボットの仕組みの理解はもちろん、チャットボットの特徴やメリット、チャットボットの作り方、そしてチャットボットを導入する際のポイント等、この記事ひとつでチャットボットについて十分すぎるほど知識が身につきます。
さっそくチャットボットについて具体的に見ていきましょう。
チャットボットとは
チャットボットとは、対話やコミュニケーションを意味する「チャット」と、アプリケーションやプログラムなど一定の作業を自動化するロボットを意味する「ボット」を組み合わせた名称です。
簡単にいうと、人間同士の会話のような受け答えを、ロボット(AI)が自動でおこなうツールのことをいいます。
また、チャットボットと似たような名称で「AIチャットボット」というチャットボットがあります。AIチャットボットとは、「AI(人工知能)を活用した自動会話プログラム」を意味します。
リアルな人間の会話のような感覚でAIと会話をおこない、情報収集や自動応答を行うのが特徴です。
身近な例でいうとWebサイトやLINE、Facebookなどでの利用が良い例です。現在、多くのWebサイトやSNS、ツール、公式アカウントなど、あらゆるシーンでチャットボットの活用の場が広がっています。
チャットボットの仕組み
続いて、チャットボットの仕組みについて見ていきましょう。チャットボットは、大きく以下のふたつに分けられています。
- AI搭載型チャットボット
- シナリオ型チャットボット
では、それぞれの仕組みについて詳細を見ていきましょう。
AI搭載型チャットボットの仕組み
AI搭載型のチャットボットは、自由テキストによる質問をAIが意図を自動で判別し、答えを提供する仕組みです。
例えば、あるフレーズを入力したら、AIが反応し、自動で返答が返ってきます。
チャットボットが入力した質問に適切に回答できるのは、あらかじめ登録された想定質問文とそれに対する回答文の中から、入力された新たな質問文と一番近い想定質問文を選び出し、その回答を出しているからです。
AI搭載型のチャットボットの特徴
AI搭載型チャットボットは、統計的に正解である可能性が高い回答を選ぶというAIの機能を利用しているのが大きな特徴です。会話ログを自動的に学習し、正答率や会話の精度を上げていくことが可能です。
例えば、入力されたフレーズから重要度の高いキーワードをピックアップし、会話の意図を読み取ることでユーザーの質問を理解し、それに適した応答を探して、組み合わせながらテキスト表示をおこないます。
AIチャットボットでは、自然言語処理(NLP)と機械学習(ML)の技術を活用しており、AIエンジンからの結果を会話ロジックを通じてふるいにかけて適切な回答を選んでいます。
このような高度な技術が必要になるため、費用が高くなる傾向がある点も特徴の一つです。
AI搭載型チャットボットのメリット
AI搭載型チャットボットのメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
- カスタマーサポートの負担を軽減できる
- ユーザーとの接点が増やせる
- マーケティングに有効活用できる
AI搭載型チャットボットは、定型的な問い合わせから複雑な質問まで対応が可能です。自然な会話による「人間的」な対応で、冷たさを感じさせないことも大きなメリッットになります。
シナリオ型チャットボットの仕組み
シナリオ型チャットボットとは、事前に設定したシナリオ通りに会話を進めるチャットボットのことです。別名、「ルールベース型」とも呼ばれています。
シナリオ型チャットボットの仕組みとしては、「チャットボットが選択肢を提供し、ユーザーが選択肢の中から知りたいことを選択する」というアクションの繰り返しによって会話が進んでいく仕組みです。
ユーザーを適切なコンバージョンポイントまで誘導するマーケティング利用や、FAQなどの定型化された質問に対する回答、アンケート回答などに適しています。
シナリオ型チャットボットの特徴
シナリオ型チャットボットは、ボットが提示した選択肢をユーザーが選んでいくことで回答に誘導する仕組みです。そのため、ユーザーは質問文を入力する必要がありません。
適切なシナリオを設計できれば、ユーザーの求める情報へ簡単に誘導できるところがシナリオ型チャットボットの魅力的な点です。
また、シナリオ型チャットボットは、AI搭載型のチャットボットに比べて費用や手間の面で導入しやすい点も大きな特徴です。
シナリオ型チャットボットのメリット
シナリオ型チャットボットのメリットは、以下の通りです。
- サポート品質を均質化できる
- 人件費が削減できる
- 業務効率化を図れる
AI搭載型のチャットボットと同様に、カスタマーサポートの負担が軽減できるため、人件費の削減や業務の効率化が図れる点が大きなメリットです。
また、ユーザーのストレスを最小限に抑えつつ、求めている情報を素早く提示できることもメリットと言えます。
チャットボットの種類と特徴
次に、チャットボットの種類と特徴について見ていきましょう。チャットボットの種類は、主に以下の4種類になります。
- 選択肢タイプ
- ログタイプ
- ハッシュタイプ
- Elizaタイプ
それぞれに特徴があり、企業の規模や業種、ビジネスシーンによって使いやすいタイプを選ぶことが大切です。ではそれぞれのタイプについて、詳細を解説していきます。
選択肢タイプ
まずはじめに、選択肢タイプの解説です。Webサイト上、もしくはスマートフォンなどのデータベースに、すでに設定されている質問と回答をそれぞれ選択することで進められる自動会話が特徴となります。
例えば、「質問Aに対して3つある回答の中から、ユーザーの希望や現状に合う答えを選び入力する」といった具合です。しかし、設定されていない質問や解答の場合、別途問い合わせが必要となることもあるかもしれません。
これは銀行の問い合わせシステムや生命保険会社では、このタイプのチャットボットがよく活用されています。
生年月日や性別などを入力した顧客に対し、月額保険料の見積もりを表示したり、おすすめの商品を紹介したりなどして、顧客の獲得に役立てるという仕組みです。
ログタイプ
次に、ログタイプについてです。会話の記録を「ログ」として蓄積していき、この記録を元に人間の会話風に進める方法がログタイプになります。
この方法は、近年進められている人工知能「AI」を活用することで、より自然な会話が可能となるのが最大の特徴です。
しかし、ログが少なすぎると、システム上の会話も続かなくなってしまうという点が注意点。
このログタイプは、航空会社のチケット予約や大学の入試案内などによく使われています。
ハッシュタイプ
続いてハッシュタイプについてです。ハッシュタイプは、すでに登録されている辞書型のテンプレートに基づいて、画面上の会話を進めていきます。
辞書型のテンプレートを使うので、「辞書タイプ」と呼ばれることもあります。有人のカスタマーサービスに到達するまでの問い合わせに導入されることもあるハッシュタイプ。
注文方法や注文後の変更、領収書の発行、配送料の見積もりなど、ある程度顧客から提示される質問を想定して、自動で応答するシステムが使われています。
Elizaタイプ
最後に、世界で最初に開発されたとされる自動会話システムの「ELIZA(イライザ)」。この「ELIZA」を元にして始まったチャットボットが、Elizaタイプです。
Elizaタイプの最大の特徴は、「聞き役」であるということ。ユーザーが「Yes」や「No」で回答したり、「相手の言葉を要約したりして質問する」という会話の流れが特徴的です。
現在、Elizaタイプのチャットボットは、恋愛系や結婚相談などのWebサイトによく使われています。
チャットボットの導入効果・メリット
続いて、チャットボットの導入効果・メリットを見ていきましょう。結論、以下の5つがチャットボットの導入効果やメリットと言われています。
- 24時間365日の顧客対応が可能
- 人的コスト・工数の削減に繋がる
- お問い合わせのハードルが下がる
- 電話の待ち時間の削減による顧客満足度の向上
- WEBサイトの集客・収益の改善に繋がる
それぞれの詳細を見ていきましょう。
24時間365日の顧客対応が可能
チャットボットを導入すれば、24時間365日、いつでも問い合わせに対応することができます。例えば、平日の夜や休日など、なかなか人手を割くのが難しい時間帯でも、チャットボットが自動的に顧客対応をしてくれます。
そのため、スタッフや従業員等が不在のときでも、ユーザーの疑問に答えて、顧客満足度を向上させることも可能です。自社としても人を増やさずに、顧客接点を増やせるという点は、大きなメリットと捉えることができるでしょう。
特にECサイトを運営している場合、休日や夜間などにアクセスするユーザーも決して少なくありません。こうした有人対応ができないときでも、ユーザーの疑問に回答できるチャットボットを設置しておくことで、機会損失を回避することにも繋がります。
人的コスト・工数の削減につながる
チャットボットを導入することで、人的コストや工数の削減に繋がります。例えば、ユーザーからのお問い合わせにチャットボットではなく、スタッフが対応した場合、同じ質問でも人によっては回答が異なるという状況に陥るリスクがあります。
このようなリスクを避ける意味でも、よくある質問については、回答がブレないチャットボットに任せておくほうがよいでしょう。
簡単な質問はチャットボットで対応し、複雑な質問や特殊な内容の問い合わせについては有人で対応することで、これまでスタッフにかかっていた負担を軽減しながら、チャットボットではカバーしきれないお問い合わせにも答えることが可能になります。
こうして業務の効率化が図れれば、他の業務を進める時間が確保でき、労働生産性の向上や残業時間の削減にも繋がります。このように、働き方改革の一環としてチャットボットを役立てることもできるのです。
もちろん、チャットボットに仕事を割り振ることで、人的コストをカットすることも可能でしょう。
お問い合わせのハードルが下がる
チャットボットの導入は、ユーザーのお問い合わせのハードルを下げる効果があります。チャットボットは基本的に電話やメールよりも、お問い合わせの際に気軽に使えるツールです。
ユーザーの中には、電話が苦手という方も少なからずいるはず。例えば、「営業時間内にかけなくてはいけない」という制限がある場合、電話を面倒に感じるユーザーは少なくないでしょう。
そこでチャットボットを設置しておけば、時間や電話先の相手を気にすることもなく、いつでも気軽に問い合わせることができます。
電話の待ち時間の削減による顧客満足度の向上
チャットボットを導入することで、電話の待ち時間の削減による顧客満足度の向上が目込めます。例えば業務をおこなう中で、「コールセンターに連絡したものの、30分以上も待たされた…」、「メールで質問したけど、返信が一週間後だった…」といったクレームを受けることも少なからずあるはずです。
そこでチャットボットを活用すれば、ユーザーがある程度の問い合わせを自身で解決できるようになるため、そもそも電話やメールで問い合わせることが減り、待ち時間を削減できます。
近年、AI技術の発展により、SNSをはじめとしたチャット形式のコミュニケーションツールが発達し、コミュニケーションのスピード感が重視されています。そのため、「電話が繋がりづらい」、「返信が遅い」というように、コミュニケーションスピードが遅いと、顧客満足度が下がる可能性があるのです。
チャットボットがあれば、LINEアプリを使うときと同じような感覚で、チャット形式で気軽に質問ができます。これなら電話やメールを待つ時間は必要なく、疑問に対する回答もすぐに得られるため、結果的に顧客満足度の向上にも繋がるでしょう。
WEサイトの集客・収益の改善につながる
チャットボットの導入は、WEBサイトの集客・収益の改善に繋がります。Web上のユーザーはすぐに疑問を解決できないと、そのサイトを離脱する傾向があります。
そのため、気軽に質問できるチャットボットの存在が重要です。チャットボットを使って、すぐに答えを得られるような環境を整えておけば、離脱防止にも繋がります。
あるいは、チャットボットでユーザーの取りこぼしを回避し、商品の購入やサービスの申込といった次のアクションに繋げることも可能です。
チャットボット導入時の注意点
上記では、チャットボットの導入効果・メリットについて解説しました。あわせて、チャットボット導入時の注意点について解説します。チャットボット導入時の注意点は以下の通りです。
- 導入コストや運用に手間がかかる場合がある
- チャットボットを導入するまでに多少時間がかかる
- 長めの文章の質問に回答できない場合がある
それでは、各注意点について見ていきましょう。
導入コストや運用に手間がかかる場合がある
チャットボットを運用するには、相応のコストや手間が発生する場合があります。例えばシナリオ型の場合、実装する前に、あらかじめシナリオを構築し、用意する必要があります。
また、AI(FAQ)型の場合は、FAQを整理し、膨大なデータを学習させなければなりません。どちらの場合も、導入後、回答精度を向上させるために、適宜チューニングをおこなうことも必要です。
これだけの作業をおこなうには、専任の担当者が必要になるため、人材確保のためのコストが発生するケースも考えられます。
費用対効果を吟味し、自社にとってマイナスにならないように、チャットボットを導入・運用しましょう。
チャットボットを導入するまでに多少時間がかかる
チャットボットの導入までには、多少の時間がかかります。例えば、シナリオの作成やFAQの整理、人材確保など、もろもろの業務時間がある程度必要です。
特にAI型は、機能が複雑なものの場合、導入するまでに半年以上の期間を必要とすることもあります。チャットボットを導入する際は、コストや手間、必要となる業務時間にも注意を払いましょう。
長めの文章の質問に回答できない場合がある
高性能AIが搭載されたチャットボットといえど、長文の文章の質問にまだまだ対応できない場合があります。
例えば、内容が複雑だったり、文脈理解が必要だったりする長文を、チャットボットが認識することはまだ難しいのです。
このようなチャットボットで対応しきれない質問への対応もあらかじめ考慮しておきましょう。複雑な質問には、オペレーターが応対することも視野に入れるべきです。
チャットボットの仕組みを活用した企業の成功事例
次に、チャットボットの仕組みを活用した企業の成功事例を見ていきましょう。今回は、以下の3つの企業の成功を事例を紹介します。
- 昭和鉄工株式会社様
- 宇津救命丸株式会社様
- 株式会社医療産業研究所様
では、それぞれの企業の事例について見ていきましょう。
昭和鉄工株式会社
昭和鉄工株式会社は、長年に培ってきた熱の技術で、様々な製品を生み出している企業です。具体的な製品としては、ボイラー・ヒーターをはじめとした熱源機器や空調機器の製造販売をおこなっています。
その他にも、環境機器や都市景観製品、液晶パネル製造用の熱処理炉の製造販売もおこなっています。
そんな昭和鉄工株式会社のチャットボットの導入背景と導入効果は、以下の通りです。
チャットボットの導入背景
AIを中心とした最新技術を業務効率化に使えないかと検討していた中、チャットボットが思ったよりも導入コストが低いということを知ったそうです。
元々は社内での活用を想定していましたが、トライアル的な意味合いで、タイミングもちょうど適していた新卒採用における問い合わせ対応として活用することを決めました。
チャットボットの導入効果
現段階ではチャットボットを公開して間もないため、採用という観点での効果検証はできていないそうです。しかし、公開後1ヶ月間で1,000 コール(注:質問と回答の対が 1 コール)を超えています。今後は、就活生のエントリー数の増減などを定量的に分析していきたいとのことです。
定性的な効果としては、チャットボットがある新卒採用サイトは社内外ともに非常に評判がよく、最新技術を使用しているという点で会社のイメージアップに大きく貢献しています。
参考:昭和鉄工株式会社様|明治からの挑戦の姿勢は、令和の今にも受け継がれる
宇津救命丸株式会社様
次に、宇津救命丸株式会社の成功事例をご紹介します。
宇津救命丸株式会社は、「人々の心と体の健康に貢献する」という理念のもと、風邪薬やスキンケアなど多種にわたった医薬品等を開発・販売している企業です。
そんな宇津救命丸株式会社のチャットボットの導入背景と導入効果は、以下の通りです。
チャットボットの導入背景
限られた社員数で、いかに効率的に成果を出していくかが課題でした。特定商品や決まったお問い合わせは定型化し、複雑なお問い合わせにより注力できる方法を模索。
様々な検討を重ねてたどり着いたのが、チャットボットだったと言います。
チャットボットの導入効果
これまで非常に多かった電話でのお問い合わせが、平均して約2割減少しました。ダッシュボードの質問ランキングを確認すると、消費者様が電話ではなく、チャットボットで解決されていることがわかったと言います。
お問い合わせ数が減少した分、「飲み合わせ」などより繊細な対応が必要なお問い合わせにリソースを集中することができ、その結果、社員一人ひとりが業務範囲を広げることもできました。
参考:宇津救命丸株式会社様|江戸時代から続く秘薬はチャットボットでさらなる飛躍へ
株式会社医療産業研究所様
最後に、株式会社医療産業研究所のご紹介です。
株式会社医療産業研究所は、ヘルスケア調査研究の先駆けとして、企業の健康経営と、従業員がいきいきと働ける環境づくりのために包括的な予防対策サービスを提供しています。
健康経営と生産性・モチベーション向上に役立つ研究をおこなっている企業です。
そんな株式会社医療産業研究所のチャットボットの導入背景と導入効果は、以下の通りです。
チャットボットの導入背景
メンタルヘルスの領域は、医療・心理学が基盤になっており、専門的かつ法的な聞き慣れない言葉が多く使用されます。たとえ興味がある人でも敷居が高いのが事実です。
また社内スタッフは多くの業務を遂行しているため、新しいコンテンツを開発する余力がなく、アイデアはあってもなかなか着手ができませんでした。
特に顧客企業の従業員がストレスチェックを受けるにあたって、よりとっつきやすくて楽しいコンテンツを見てもらいたいという想いがあり、それをチャットボットで叶えられないかという話が社内で検討されていました。
チャットボットの導入効果
チャットボットの仕組みの作り方
続いて、チャットボットの仕組みの作り方を解説します。自社開発と比べて、作成ツールを活用したチャットボットの仕組みは簡単に作れますが、いくつか必要な準備があります。
なお、チャットボットの仕組みの作り方は大きく以下の4ステップを踏んでいきます。
- FAQのデータを集める
- 集めたFAQデータを基にシナリオとメッセージを作成する
- チャットボットにシナリオとメッセージを入力し設定する
- 社内でチャットボットの動作をテストする
では、それぞれのステップを具体的に見ていきましょう。
①:FAQのデータを集める
まずは、社内に蓄積されたFAQデータを集めていきましょう。FAQデータが多いほど、チャットボットが対応できる案件の数が増えるため、顧客満足度や従業員の負担軽減にも繋がります。
FAQデータを集める方法は、過去のお問い合わせ履歴や既存の「よくあるお問い合わせ」を参照することがおすすめです。
②:集めたFAQデータを基にシナリオとメッセージを作成する
FAQデータを集めたら、内容を整理してシナリオとメッセージを作成します。例えば、顧客が画面に提示された項目から選んで質問する選択型のケースの場合、一つの質問に対する選択肢は6つまでに絞りましょう。
6つ以上提示すると、選択肢をすべて把握するのが大変な上、ユーザーの混乱を招きます。また、チャットボットとの会話が長々と続くと、顧客はストレスを感じる場合もあるでしょう。
このようにシナリオやメッセージを作成する際は、顧客目線に立って作成するようにしましょう。
③:チャットボットにシナリオとメッセージを入力し設定する
次に、画面の案内に沿って具体的にシナリオやメッセージを入力していきます。作成ツールは、マウスによるクリックとドラッグだけで自由にシナリオの入れ替えや修正ができるなど、直感的に操作できることが多く、特別な知識やスキルがなくても、FAQの作成が可能です。
また、あらかじめ基本会話のテンプレートが用意されている作成ツールもあり、シナリオ作成における工数を軽減できます。
この工程は実際の使用画面の構成に影響します。よりユーザーの視点に立ち、文章の長さやわかりやすさが適切であったか、本番画面を確かめながら作成を進めましょう。
④:社内でチャットボットの動作をテストする
最後に、公開する前には、必ず社内でチャットボットの動作をテストをおこないましょう。チャットボットの動作をテストするときは、ミスや不足点を見逃さないよう、できるだけ複数人でおこなうようにします。
また、手入力で質問するタイプの場合は、複数人でテストすることによって、対応できる表記揺れも確認できます。解決へ導けたパターンやテストの数が多いほど、チャットボットの精度も上がりやすくなると言えるでしょう。
チャットボットを導入する際の4つのポイント
最後にチャットボットを導入する際の4つポイントをお伝えします。チャットボットを導入する際のポイントは以下の通りです。
- チャットボット導入の目的を明確にする
- 顧客へのメリットを考えて導入する
- 運用体制の整備に努める
- 解決率などを参考に、チャットボットの効果を測定する
では、各ポイントの詳細を見ていきましょう。
チャットボット導入の目的を明確にする
チャットボットを導入する際は、目的を明確にしておく必要があります。
なぜなら用途に応じて適切なチャットボットを選択しなければ、「コールセンターの負担を軽減させたかったのに、むしろ負担が増えてしまった」というケースに陥る可能性もあるからです。
例えば、「顧客満足度の向上」や「コストの削減」、「購入数などのCVR改善」など、自社の課題の特定と、チャットボットでその課題が解決可能かどうかをよく検討してみてください。
その上で、「シナリオ型」か「AI(FAQ)型」のどちらが適切か考えてみましょう。

顧客へのメリットを考えて導入する
顧客満足度を上げるには、「ユーザーにとってチャットボットがどんなメリットを持つのか」をよく理解しておく必要があります。
例えば、「時間を気にせず問い合わせができる」「電話待ちやメールの返信待ちの時間がない」「電話より気軽に問い合わせができる」などです。
このようにユーザーのメリットを把握した上で、チャットボットを運用しましょう。
運用体制の整備に努める
チャットボットを導入する際は、運用体制の整備にも努めましょう。チャットボットだけでは解決できない質問は必ず存在します。ユーザーの疑問を放置して、サイトや企業のイメージを下げないよう、有人対応ができる運用体制の整備も重要です。
簡単な質問に関してはチャットボットに任せて、その他の個別の事案や複雑な質問については、「チャット内で有人対応する」、「電話でオペレーターが対応する」など、あらかじめ対応を準備しておく必要があります。
チャットボットから有人対応への引継ぎシステムについては、十分に検討しておきましょう。スムーズに切り替えができれば、ユーザーの印象もよくなるはずです。
解決率などを参考に、チャットボットの効果を測定する
チャットボットの効果を上げるには、蓄積されたデータを分析する必要があります。
事前に設定した目標値に対して、運用後の数値がどう変化したのか検証し、運用の見直しを図ることで、さらなる効果的な運用が可能になります。
効果測定の際に重要な指標は、主に以下の数値に注目するとよいでしょう。
- 回答率
- 解決率
- チャットボット経由のCV数(成約数)
また、「購入数などのCVR改善」を目的としてチャットボットを導入した場合、チャットボット経由のCV数にも注目してください。
チャットボットから、どれだけの数の「資料請求」や「申込」などのアクションに移ったのかを知ることで、ビジネスに対するチャットボットの貢献度を把握できます。
まとめ:チャットボットを活用し業務の仕組み化を!
今回は、チャットボットの仕組みや特徴、メリット・導入する際のポイントまで幅広く解説しました。チャットボットの導入で、人的コスト・工数の削減や、顧客満足度の向上に繋がるなど、メリットが多くあります。
自社でチャットボットの導入を検討されている企業様は、ぜひこの機会にチャットボットで業務の仕組み化に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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