「Pythonでチャットボットを作りたい」「しかし、高度なプログラミングができないと作れないのでは?」というように考えている人は多いのではないでしょうか?
結論から言えば、Pythonを使って自力でチャットボットを作成することは可能です。
しかしある程度のプログラミング知識は必要なので、事前の情報収集なしにチャットボットは構築できません。本記事では以下の点を解説します。
- Pythonによるチャットボットの作り方
- Pythonでチャットボットを作成するメリットとデメリット
本記事を読めば、Pythonで最低限の機能を持つチャットボットを作成することが可能です。自力での開発を検討している人はぜひご参考ください。
また、自作したチャットボットの場合は開発コストがかかるため、原則としてプロダクトを採用することをおすすめします。
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「Python」とは?チャットボットにおける必要性
チャットボットの作り方はさまざまですが、Pythonはその作成に向いています。Pythonはプログラミング言語の一種で、現在ではあらゆるシステム構築に使われている汎用性の高い存在です。
またAIが関連づいたシステムを構築するうえでも相性がよく、チャットボットの作成においては第一に採用が検討されます。Pythonには以下の特徴があります。
- 覚えるべきコードの種類が少ない
- 「ライブラリ」が豊富で引用しやすい
- 「オフサイドルール」によって記述が容易になっている
本来チャットボットの作り方は複雑です。しかし、扱いやすい言語であるPythonが、ある程度自力での作成を現実的にしています。
Pythonによるチャットボットの作り方
Pythonでチャットボットを作成する場合、以下のような流れで進めます。
- 運用目的を明確にする
- プラットフォームの選定
- Pythonを用いてチャットボットを構築する
- チャットボットの運用テストを開始する
- 本格的な運用を始める
- PDCAサイクルを回してチャットボットをブラッシュアップする
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
運用目的を明確にする
Pythonでチャットボットを作成する前に、運用目的を明確にしましょう。最終的に何が必要なのか、以下のように分かれているはずです。
- コンバージョンの獲得
- 問い合わせ対応
- 顧客満足度の向上
- 自社内でのFAQ
企業や業態によって、目的は異なります。それを明確にして、「チャットボットを作っただけ」の状態で、計画が終了しないようにしましょう。できれば、運用効果を測る数値目標も設定したいところです。
プラットフォームの選定
Pythonによるチャットボットの作り方で重要なのは、プラットフォームの選定です。
主なプラットフォームとしては以下が挙げられます。
- Slack bot(Slack)
- Messaging API(LINE)
- Messanger bot(Facebook)
- 自社で開発した環境
- 他社から導入した環境
自社で利用を検討するプラットフォームでのAPI連携方法等を確認しておきましょう。
Pythonを用いてチャットボットを作成する
実際にPythonを用いてチャットボットを作成しましょう。今回はSlackbotを活用するケースについて、基本的なフローを解説します。
- Slackapiにアクセスして、アプリ登録を開始する
- 作成したBotに対して権限を付与し、ユーザーとして認識させる
- Botに名前をつける
- Botを導入したいスペースへと組み込む
- Pythonを用いて、チャットボットのプログラムを設定する
- Botの接続情報を記録して、Slackロボットへ譲り渡す
- Botを必要なチャンネルへ移動する
基本的なフローは上記のとおりです。具体的なプログラミングや入力方法については、Slack help centerにて指示されているので、こちらを参照しながら進めていくのが良いでしょう。
チャットボットの運用テストを開始する
上記まででPythonによるプログラミングが完了し、チャットボットは構築されました。続いてチャットボットの運用テストを開始します。
自力で作成したチャットボットがいきなり完璧にフィットすることはほぼありません。また、プログラミング上のミスなども想定されるので、小規模な段階から運用して問題がないか確認します。
問題があれば再度コードを記述して改善する必要があります。
テスト的な運用がない状態で本格的にチャットボットを業務へ組み込むと、大きな混乱が起こるかもしれません。かならずテスト運用で問題がないか確認してください。
本格的な運用を始める
運用テストが終われば、本格的に運用します。Slack botの場合であれば、社内FAQ的な使い方になるはずです。
SlackBotの場合は社内向けの機能になるので、このままリリースしてもかまいません。ただしMessaging APIなど外部に向けて公開する場合は、チャットボットとしての存在をユーザーに幅広くアピールするための告知施策なども必要となります。
PDCAサイクルを回してチャットボットをブラッシュアップする
ここまででPythonによってチャットボットを作成し、実際に使用する段階まで至りました。ただしチャットボットは運用が始まって終わりという性質のものではありません。
むしろ運用後のPDCAサイクルによるブラッシュアップこそが、チャットボット運用の本質です。利用者のアクションやテキストチャットの内容を分析して、PDCAサイクルを回し、改善し続けましょう。
Pythonによる学習が進めば、自社の状況によりフィットした挙動を実現できます。
Pythonでチャットボットを作成するメリット
Pythonによるチャットボットの作り方では、3つのメリットがあります。
- プログラミング難易度がやや低い
- ライブラリが充実している
- 情報やノウハウが多く存在する
本職のプログラミング技術者以外がPythonを扱う場合、上記は大きなメリットです。それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
プログラミング難易度がやや低い
最大のメリットは、Pythonによるプログラミング自体、やや難易度が低いこと。少なくともC言語やJavaを最初からマスターする場合と比較すると非常に簡単です。
最低限の機能でよいなら、たとえばSlack botの場合、以下2つのファイルだけで作成できます。
- bot.py
- slackbot_setings.py
ふたつのファイルに独自の記述を入れることで、簡単にチャットボットとしての機能を持たせることが可能です。
また、Pythonは「オフサイドルール」を採用することで利便性が確保されています。
オフサイドルールとは、「字下げ(インデント)」することで、コードの”集合体”を、明確に区別できるというものです。つまり誰でも見やすく、そして間違えづらい環境になっています。
オフサイドルールが存在しないプログラミング言語は初心者が見てもよくわからないのですが、Pythonであれば「何がどの機能を表現するコードなのか」を把握することが簡単です。
ライブラリが充実している
Pythonは「ライブラリ」が充実しているということでも有名です。ライブラリは、「プログラミングにおいてよく使うコードをテンプレートにしたもの」と考えて問題ありません。
つまりテンプレートを使えば、記述するコードの種類が減り、手間もかかりづらくなります。記述ミスも減り、チャットボットの完成度も高まります。
Pythonには「標準ライブラリ」と「外部ライブラリ」が存在しますが、簡単なチャットボットであれば標準ライブラリだけで十分です。これを活用することで容易にチャットボットを作成できます。
情報やノウハウが多く存在する
情報やノウハウが多数出回っているのも利点です。Pythonは1991年から存在するプログラミング言語であり、活用方法や使い方については深く考察されています。
WEB上で基本的な情報や活用方法はすべて収集できるので、学習についてリソースを消費しづらいのが特徴です。つまり教材や指導がなくとも、検索しながらプログラミングを進めて、チャットボットを作成できます。
さすがにチャットボットそのものの作り方が完璧に公開されているわけではありません。必要なチャットボットの完成形はビジネスや業態によって異なるからです。しかし根底で共通するナレッジは、国内・海外のWEBサイト上でほとんど出揃っています。
Pythonとチャットボットに関するよくある質問とQ&A
本記事ではPythonによるチャットボットの作り方と作成方針を解説しました。最後に、よくある質問に対してQ&A形式で解説します。
- おすすめのフレームワークは?
- Pythonを学ぶためのおすすめ教本は?
- チャットボット完成までどの程度かかる?
Pythonとチャットボットに関する疑問を解決したうえで、作成に取り組みましょう。
おすすめのフレームワークは?
チャットボット作成を目的としたPythonのフレームワークとしては以下がおすすめです。
利用しやすいのはChatterbotです。他のフレームワークと比較して使いやすく、ユーザー側で打ち込むコードが少なくなります。
フレームワークを利用する場合はChatterbotを利用しましょう。
Pythonを学ぶためのおすすめ教本は?
Pythonによるチャットボットの作り方を、教本で学びたいと考えている人もいるでしょう。その場合は、オーム社から出版されている「Pythonでつくる対話システム」がおすすめです。
同書はPythonの基礎からチャットボットの作り方、そして運用方法について記載している教本です。さらに発展的な会話システムやalexaへの実装方法についても解説しています。
さらに本書には、対応するサポートページがあるので、わからないことがあっても確実にトラブルシューティングすることが可能です。
チャットボット完成までどの程度かかる?
Pythonでチャットボットを作る場合、完成までは2週間程度かかると考えましょう。多少プログラミングの知識があれば、もう少し早い段階で構築することも可能です。
ただし、実用的にチャットボットを使えるようになるまでは3ヶ月ほどかかります。なぜならテスト運用にて改善点の修正などで時間がかかるからです。
こと顧客に提供する場合は、慎重な設計と修正が必要となるので、さらに時間がかかるかもしれません。
一言で「チャットボット」と言っても、求められる機能とクオリティによって開発工数は大きく変わる点は注意しておきましょう。
Pythonでチャットボットを作成する場合のデメリットと注意点
Pythonでチャットボットを作成するうえでは、デメリットもあります。
- あくまでもプログラミングとしての難しさはある
- 高性能なチャットボットにはならない
- 継続的運用が難しい
- 安価なチャットボットのほうがコストパフォーマンスがよい
「誰でも簡単にすごいものが作れる」と誤解されるPythonですが、完璧なものではありません。上記デメリットを理解しておくことは重要です。
あくまでもプログラミングとしての難しさはある
Pythonはチャットボットを作成するうえで扱いやすい言語ですが、コードを記述するのでプログラミングが必要となります。
つまりプログラミング固有の難しさには、いずれ直面します。これまでプログラミングをまったく触れたことがないなら、Pythonでチャットボットを作成するのはやや困難です。
高性能なチャットボットにはならない
Pythonを用いて自力でチャットボットを作成しても、高性能に仕上げるのは難しいと考えられます。
たしかにPythonを使えば、ある程度の機能を持ったチャットボットは構築できます。しかし学習機能やダッシュボード、各種RPAに結びつく連携能力など、高度な機能を自力で開発するのは簡単なことではありません。
本来、高性能なチャットボットは外部ベンダーから購入するものです。Pythonによる自作は、あくまでも他社のプロダクトを導入できない上での代替手段であると考えましょう。
継続的運用が難しい
Pythonでチャットボットを作成しても、継続的運用は難しいでしょう。なぜなら、長く使い続けられるように設計するのは困難だからです。
先ほども触れたように、Pythonでは基本的な機能を持つチャトボットを自作できます。しかし長期的運用を前提としたデザインや機能性を持たせるには、Python以外の知識が必要なケースも出てくるでしょう。
長期に運用するにはダッシュボード機能やシナリオ作成ツールなど、重要な機能が必要ですが、これらを自作するのは現実的ではありません。よほど工夫していない限り、自作チャットボットは短命に終わるでしょう。
安価なチャットボットのほうがコストパフォーマンスがよい
Pythonによるチャットボットのシステム作りは比較的簡単ですが、コストパフォーマンスがよいとは限りません。たとえば年間100万円以上かかるプロダクトとしてのチャットボットと比較すれば、割に合うこともあるでしょう。
しかし月額数万円で利用できるような、安価なチャットボットと比べても性能や使いやすさは敵わないかもしれません。そして数万円程度の月額料金を、使い勝手を犠牲にしながら圧縮するかと言われれば疑問が残るところです。
いずれにせよチャットボットを自作することは、かならずしもコストパフォーマンスがよいわけではない点に注意しておきましょう。
まとめ:Pythonでチャットボットを作成するよりもプロダクト導入を
チャットボットは、Pythonを使えばある程度容易に自作できます。
しかし本格的に運用する場合は、自作したチャットボットの能力には不安が残ります。原則として他社プロダクトを採用するのがおすすめです。
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