「社内ヘルプデスクを効率化したい」とお悩みの方も、多いのではないでしょうか。社内ヘルプデスクは社員をサポートする重要なポジションですが、リソースをさけない企業も少なくありません。
そこでおすすめなのが、社内ヘルプデスクにChatGPTを活用することです。本記事では社内ヘルプデスクでChatGPTを使う方法や、利用前に知っておきたい注意点などをご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
さらに、ChatGPTの詳しい活用法について解説した資料を、以下からダウンロードできます。興味のある方はぜひご覧ください。
ChatGPTをヘルプデスク業務で活用するメリット
社内ヘルプデスクにChatGPTを活用すると、社内の問い合わせ処理が大幅に改善されます。ここでは、社内ヘルプデスクにChatGPTを活用するメリットをご紹介します。
問い合わせ対応の時間を削減できる
ChatGPTは大量のデータを瞬時に処理が可能です。このため、回答まで時間のかかっていた社内の問い合わせも、返答が遅れることがなくなり、顧客満足度の向上につながります。
またChatGPTを使用すると、質問の回答を自動化できるので、担当者は回答を調べる手間を省けます。人力では回答までに数分〜数日かかっていたことも、ChatGPTの活用により数秒で対応が可能です。
このようにChatGPTを社内ヘルプデスクに導入すると、ユーザー・担当者双方の問い合わせ対応の時間を削減できます。
時間に関係なく対応できる
ChatGPTは、自動応答型のAIチャットボットです。常に稼働しているので、一般的に対応が難しい休日・夜間でも時間を問わず、24時間365日対応ができます。このため、ChatGPTを搭載した社内ヘルプデスクは、24時間体制での社員のサポートが可能です。
これにより、社員が困ったときはいつでも問い合わせができる環境を整えられます。問い合わせの回答をすぐにもらえることで、顧客対応の質も向上させられるでしょう。
またChatGPTの導入により、少ない人員でも問い合わせ対応が可能になります。問い合わせ数が多いのにも関わらず、担当者不足だった企業でも、効率的な問い合わせ対応が叶うでしょう。
ChatGPT搭載のAIチャットボットによる24時間稼働は、企業にとって非常に効率的なカスタマーサポート体制を構築するメリットがあります。
大量の質問を処理できる
ChatGPTは、自然言語処理の分野で最先端の技術を持つAIモデルです。ChatGPTの学習は、大量のテキストデータを用いておこなわれます。人間と同等以上の文章生成能力を持っているので、膨大な質問の高速処理が可能です。そのため、従来のチャットボットと提携させることで、応答の質を向上させられます。
また、ChatGPTは文章の生成だけでなく、質問に対して適切な回答をする能力もあります。例えば、複数の質問に一括で回答する場合でも、それぞれの質問に対する正しい回答を理解し、適切な応答が可能です。
このような高度な言語処理能力を持つAIチャットボットは、ヘルプデスクの分野で大きな役割を果たします。
ヘルプデスクにおけるChatGPT活用例
ChatGPTは、ヘルプデスクにおいてさまざまな力を発揮します。ここでは、ヘルプデスクにおけるChatGPT活用例をご紹介します。
FAQの内容整理や分類
FAQの内容整理や分類は、ChatGPTを活用すれば作業の時短が叶います。例えば、「●●のプロとして以下を完成させてください。<質問>に対して、カテゴリを<カテゴリ>から1つ付与して、表形式で出力してください。」とChatGPTに指示します。指示文の下に、実際のカテゴリと質問を記載すれば、数秒で質問をカテゴリ分けして表にまとめてくれます。
FAQの内容整理や分類を人力でおこなおうとすると、時間と手間がかかります。また、質問の内容をしっかりと理解していないと、質問の内容に合うカテゴリを付与できません。
ChatGPTの活用により、FAQの内容整理や分類にリソースをさけなかった企業でも、クオリティの高いFAQの作成が可能になるでしょう。
問い合わせに対する自動回答
ChatGPTは、インターネット上のテキスト情報を学習して、回答を生成する仕組みです。そのためChatGPTは、インターネットで調べればわかるような問い合わせなら、自動で回答できます。
例えばWordやExcelの使い方、パソコンのエラーの対処法など、自分で調べられるけれど面倒な疑問は意外と多いものです。ヘルプデスク担当者は、このような自分で調べるには少し面倒に感じるような質問を1日に何度も聞かれるので、ストレスを感じることもあるでしょう。
社員から質問が多い一般的な項目は、ChatGPTに任せれば、社員と担当者双方の時短になるメリットがあります。ヘルプデスクにChatGPTを取り入れる場合は、このような自動応答をしても問題のない質問から対応させると良いでしょう。
予想されるFAQの洗い出し
社内ヘルプデスクには、社員からさまざまな問い合わせが寄せられます。問い合わせ内容のジャンルは多岐に渡るので人力では対応が困難に感じることもあるでしょう。
またFAQを運用するためには、事前にある程度、質問が来そうな内容を予想してFAQとしてまとめなくてはなりません。しかし、FAQの洗い出しは労力がかかるので、手間と時間を削減したいと考えている担当者は少なくありません。
そこで、ChatGPTを使えば、手間なくFAQの候補を洗い出しできます。例えば「社内ヘルプデスクに寄せられる問い合わせの例を、特に多いものから順に10個挙げて」と質問します。そうすると、ものの数秒で10個の質問例をリストアップしてくれるのです。
ChatGPTは、質問をすればアイデアを出し続けられるツールです。さらに候補を挙げてほしい場合は、「他にはある?」と質問するとまた新たに候補を挙げてくれます。
このときに気を付けなくてはならないのは、回答を少しずつ聞くことです。一気に50個候補を挙げてもらうより、10個ずつを5回に分けて回答させた方が、質の良い回答を得られます。
ヘルプデスク業務の訓練
ChatGPTは、自社データの学習が可能なAIツールです。ChatGPTは、これまで社内に蓄積されたFAQをExcelやWordファイルのまま読み込めて、ヘルプデスク業務の訓練にも活用ができます。
ChatGPTを活用した、ヘルプデスク業務の訓練方法は下記の通りです。
- シナリオベースのトレーニング
- ロールプレイング
- ナレッジベースの活用
- フィードバックと改善
ChatGPTをヘルプデスク担当者に見立てて、質疑応答をすれば、実践的なトレーニングが可能になります。実際の業務に即したシナリオを使って訓練ができるので、ヘルプデスク担当者のコミュニケーションスキルの向上にもつながるでしょう。
マニュアルの文章作成
マニュアルは業務を円滑に進めるためにも重要なツールですが、マニュアル作りには手間と時間がかかるため、効率化したいと考えている担当者は多いのではないでしょうか。細かい部分の調整やファクトチェックは人力でおこなわなくてはなりませんが、ChatGPTを活用すれば、マニュアルの文章作成が手間なくできます。
マニュアルの文章作成をする上で、ChatGPTに伝えるべきポイントは、下記の通りです。
- 命令文
- 制約条件
- 出力形式
- 製品・サービスの情報
- マニュアルの使用者
- マニュアルの目的
ChatGPTにただ「●●のマニュアルを作って」と指示するだけでは、理想通りのマニュアルは作成できません。マニュアルの書き方や出力形式などを細かく指定することで、質の良いマニュアル文章が作成できるでしょう。
ChatGPTをヘルプデスク導入するには
ChatGPTが便利なツールだからといって、いきなりChatGPTを導入しても、想定通りの効果は得られません。ChatGPTをヘルプデスクに導入するステップは、下記の通りです。
- ChatGPT導入の目的と範囲を定義する
- サーバー・ソフトウェア・APIアクセスなどの確認をする
- 自社に合うようChatGPTをカスタマイズする
- プライバシーとセキュリティを確保する
- ヘルプデスク担当者を訓練する
- パイロットテストをおこなう
- フィードバックと改善をする
- 新しいヘルプデスクを社内に展開する
- 継続的に監視とサポートをする
ChatGPTの導入は、単に技術を導入するだけでなく組織のプロセスや社員のスキルにも影響を与えます。そのため、全面的なアプローチと継続的な改善が重要です。
ヘルプデスクに導入するならChatGPTとチャットボットの連携がおすすめ
ヘルプデスクにChatGPTを導入するなら、ChatGPTとチャットボットの連携がおすすめです。ChatGPTとチャットボットの連携のメリットは、下記の通りです。
- 業務の効率化が叶う
- 高度な応答ができる
- 学習を通してツールが進化する
- 拡張性がある
ChatGPTとチャットボットを組み合わせれば、24時間365日安定したクオリティで、質問に回答ができます。ユーザーは自分の好きなタイミングで質問ができ、回答もすぐに得られるメリットがあるのです。
また、AIツールは使えば使うほどデータが蓄積されます。学習を通してツールが使いやすく進化していくので、ユーザー満足度の上昇も期待できるでしょう。
このように、ChatGPTとチャットボットの連携は、ヘルプデスク業務の効率と品質の向上を高めるのに有効なツールといえます。
ChatGPTを開発したOpenAIには、ChatGPT以外にも「OpenAI Platform」という開発者向けのサービスがあります。OpenAI Platformが提供するAPIには、自然言語処理タスクやテキスト生成、質疑応答システムなどが含まれていて、一般的な用途に使用が可能です。
APIには、GPTモデルも含まれていることから、アプリケーションのサービスに統合してチャットボットアプリケーションの開発もできます。
具体的な活用事例については、以下の資料からダウンロードしてご確認ください。
ChatGPTの機能も使えるチャットボット一覧
ChatGPTが使えるチャットボットは、まだ数が限られています。ここでは、社内ヘルプデスクに使える、ChatGPTの機能も使えるチャットボットをご紹介します。
ChatGPTの機能も使えるチャットボット | 特徴 | 月額費用 |
ObotSERVE | 会話データをCSVファイルにコピー&ペーストするだけで、回答の準備ができる Webchat、SNS、AI音声スピーカー、ビジネスチャット、バーチャル接客ツール、各種IoTなどに実装可能 | 非公開 ※要問い合わせ |
YOMEL | 全ての発言者を自動で識別、分離をする自動話者識別や全文書き起こし、自動FAQ機能など | 28,000円〜 ※10時間までのフリートライアルあり |
AIさくらさん | 生成AI活用で、メンテナンス不要 今の業務形態を変えずに利用可能 12種類のDX商品がそろっているので、問い合わせ対応以外にも社内業務に対応が可能 | 非公開 ※要問い合わせ |
MediaTalkGAI | ExcelやPDFファイルをアップロードするだけで、AIチャットボットの構築が可能 AI-FAQ、チャット機能があり、問い合わせ対応に特化したツール | 30,000円〜 |
ObotSERVE
ObotSERVEは、ChatGPTのエンジンを実装したAIチャットボットです。ユーザーの不安要素を打ち消しながら、スムーズな会話を通して購入決定を後押しするAIチャットで、商品やサービスを魅力的に伝えます。
ObotSERVEは、企業のECサイトのテキスト情報やサービスページのテキストをCSVにコピー&ペーストするだけで、会話データの準備ができます。
ChatGPTの利用により自然な会話を実現でき、ObotSERVEのチャットボットと併用することで誤回答の可能性も減らせるでしょう。
YOMEL
YOMELは、議事録を作成できるAIツールです。会議後ワンクリックで9〜10割の議事録が完成するので、社内会議や商談後の議事録作成をスピーディーにおこなえます。
Windows、Macどちらも使用が可能で、専用のアプリケーションをダウンロードすると、オンライン会議でも使えるようになります。会議や商談が多い部署や、会議の議事録作成に時間がかかって悩んでいる方、議事録作成を時短して、業務の効率化をしたい企業におすすめです。
AIさくらさん
AIさくらさんは、ChatGPTを搭載したアバター接客ツールです。社内問い合わせに特化した「社内問い合わせさくらさん」は、AIが人に代わって問い合わせ業務に対応し、自動でAIへの学習ができます。
AIさくらさんは、マニュアルや資料から情報を要約して、回答の生成が可能です。そのため、社内ナレッジを浸透・定着させて、業務の属人化を防ぎます。
また、社内問い合わせの傾向を分析して自己学習をするので、手間をかけずにチャットボットの運用が可能です。専門の運用チームがアドバイスやメンテナンスをするので、ITに詳しくない方でも、安心して導入ができるでしょう。
MediaTalkGAI
MediaTalkGAIは、GPT-3.5/GPT-4を活用したカスタマーサポート向け回答生成AIチャットボットです。事前にアップロードされたファイルを元に回答文を生成するので、「もっともらしいウソ」の発生も抑えられます。
MediaTalkGAIは、入力された質問の意味を解析し、ナレッジデータ上の最適な回答を特定して出力します。これにより正確性の高い情報提供が可能になり、質の高い問い合わせ対応が可能になるでしょう。
ヘルプデスクでChatGPTを導入する際の注意点
ChatGPTは便利なツールですが、使い方を間違えると企業の信頼を失いかねません。ここでは、ヘルプデスクでChatGPTを導入する際の注意点をご紹介します。
事実確認が必要
ChatGPTは高性能な生成AIツールですが、出力される情報がすべて事実とは限りません。誤った情報や不正確な文章を表示するリスクがあると、留意してください。
ChatGPTの回答はすべて鵜呑みにせず、回答の内容が正確か、ニュアンスの違いがないかなど情報のチェックをするフローを用意しましょう。
情報漏洩の対策をおこなう
ChatGPTに入力されたデータは、AIの学習に使われると、ChatGPTを開発したOpenAIから公表されています。つまり社外秘などの機密情報を入力すると、AIは他の人の回答にその情報を使用するため、情報漏洩をする可能性があります。
そのため、ChatGPTを使用する際には、「機密情報や個人情報は入力しない」などのルールを決めて厳守しなくてはなりません。
ただし、Web版ではなくAPI版を使えば、入力した情報がAIの学習に使用されることはありません。社内ヘルプデスクでChatGPTを使う場合は、API版を使用しましょう。
有料のものを使う
ChatGPTを社内ヘルプデスクで使うなら、より自然で違和感の少ない会話文を生成できる有料版のChatGPTがおすすめです。有料版のGTP-4は、無料版のGPT-3.5と比較して誤字脱字が少なく、複数の指示を含む応用的な指示文の意図にも対応できるようになりました。
有料版では、画像や音声の入力にも対応しているので、音声で入力して文章で出力するなど、多様な使い方ができます。
プロンプトインジェクションに備える
ChatGPTを問い合わせ対応に使用するなら、プロンプトインジェクション対策が欠かせません。プロンプトインジェクションとはAIの回答を意図的に操作することで、使用方法によっては、機密情報の漏洩にもつながる可能性があります。
代表的なプロンプトインジェクション対策は、下記の通りです。
- 入力データの安全性を確認させる
- 入力データをフィルタリングする
- パラメーター化クエリを使用する
- 特定の質問以外は返答させない
プロンプトインジェクションをしようとしなくても、意図せず情報漏洩につながる質問をしてしまう可能性もあります。そのため、サービスのリリース前に、しっかりとプロンプトインジェクションに備えましょう。
固有サービスなどは回答できない場合がある
ChatGPTはインターネット上にある一般的な情報の回答は得意ですが、組織固有のサービスやルールは学習をしていないため、回答できない可能性があります。そのため、会議室の予約システムや勤怠システムの使い方を聞いても、自社のシステムに合った回答は得られません。
社内ヘルプデスクでChatGPTを使うなら、ChatGPTと連携できるチャットボットツールがおすすめです。AIの能力とチャットボットの機能によって、従来のシステムより高精度な回答を得られるでしょう。
定期的に改善と更新をする
ChatGPTの回答精度を上げるためには、定期的なデータの改善と更新が必要です。例えば間違った回答をしてしまった場合は、何度かフィードバックを提供することで、正しい情報に修正されます。
また社内規則の改訂など、情報やルールが更新されたらデータの更新をすることで、常に精度の高い問い合わせ対応ができます。
ChatGPTは導入したら終わりではなく、常にメンテナンスが必要なものと留意しましょう。
ChatGPTを活用してヘルプデスク業務の効率を向上させよう
ChatGPTの活用は、社内ヘルプデスク業務の効率化に役立ちます。社内ヘルプデスクにChatGPTを使用するなら、開発者向けのOpenAI Platformとチャットボットの組み合わせがおすすめです。
人間と会話をするように使えて、疑問解決までの時間を短縮が可能です。ChatGPTの導入で、社内ヘルプデスクに人員がさけなかった企業でも、質の高いサポートが可能になります。
下記資料では、ChatGPTの具体的な活用例について詳しく解説しています。興味をお持ちの方は、ぜひダウンロードしてみてください。