Webサイトの運営に大切なCVR。よく聞く単語ではあるものの、その意味や重要性について詳しく理解できていない人も多いのではないでしょうか。
今回は、CVRについて解説し、その重要性や低くなる原因、具体的な改善方法についてまとめています。この記事を参考にCVRについて正しく理解し、サイト運営に役立ててください。
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CVR（コンバージョン率）とは
CVRは「Conversion Rate」の略称で、Webサイトに訪れたユーザーのうち、商品購入や問い合わせなど何らかの成果（CV）に至った件数の割合のことをいいます。
成果はWebサイトの目的によって異なりますが、例えばECサイトの場合は商品購入、企業サイトの場合は資料請求や問い合わせに至った割合のことを指します。
CVRが高いページは、ユーザーが成果に達した割合が高く、訴求がうまくできているページだといえます。反対に、CVRが低いページはユーザーが離脱をしていると考えられるため、訴求方法や内容に改善の余地があるといえるでしょう。
CVRの計算方法
CVRは以下の計算式で求めることができます。
CVR = コンバージョン数 ÷ サイトへの訪問数 × 100（％）
例えば、コンバージョン数が100件、月間アクセス数が2万件の場合は、100 ÷ 20,0000 × 100 = 0.5 となり、CVRは0.5%です。
基本的には、CVRの数値が高くなればなるほど効率良く成果が上がっていることとなります。
いくらサイトへの訪問者数が多くても最終的な目的となっているコンバージョンに至らなければ意味はありません。CVRはサイトの費用対効果を図る上で重要な指標であり、サイト運営者はCVRをいかに高めるかを課題としていることが多いです。
しかし、CVRは母数とコンバージョン数をどう定義するかによって、数値が大きく変わります。そのため、CVRを計算する前にWebサイトの構築を含め、ビジネスモデルを改めて確認しておくことが大切です。
CTRとの違い
CVRとよく似た指標に、CTRがあります。
CTRは「Click Through rate」の略称で、一般的には「クリック率」などと呼ばれます。Web広告や検索結果などが表示された回数の中で、実際にその広告や結果がクリックされた回数の割合を表した指標です。
CTRの計算式は、以下のとおりです。
CTR = クリック数 ÷ 表示された回数 × 100（%）
例えば、ある広告が200回表示され、そのうち5回クリックされたとすると、5 ÷ 200 × 100 = 2.5となり、CTRは2.5%です。
CTRは、広告運用やSEOなどの分野で使われる用語で、CVRとも密接に関わっています。例えば「CTRは高いがCVRは低い」といった場合、「広告は見られてクリックされているものの、成果に至っていない」ということがいえます。
なぜCVRが重要なのか
CVRは、Webサイトのページの課題を把握するために重要な指標です。 コンバージョン数は、サイト訪問者数 × CVRで求められるため、サイト運営においてコンバージョン数をより多く獲得するためには、CVRを上げていくことが重要なのです。
例えば、同じWebサイト内でページごとにCVRを明確化することで、ページごとの課題を明らかにできます。あるページで「CVRは高いにもかかわらずコンバージョン数が少ない」といった場合は、「ページの訪問者数を増やす必要がある」と考えることができるでしょう。
いくらサイト訪問者数が多くても、CVRが上がらなければ成果が上がっているとはいえず、目的の達成には繋がりません。CVRは、Webサイトやその中のページをどう改善していくかの計画を立てるために重要なのです。
CVRの目安や平均値
結論からいうと、CVRには一概に目安や平均値がありません。なぜかというと、Webサイトやページごとの成果地点や、業界・商材によって数値が異なるからです。
具体的に詳しくみていきましょう。
設定するCVの内容によって異なる
CVRは設定するコンバージョンの内容によって異なります。
例えば、商品購入をコンバージョンとしている場合、一般的には1〜3%前後がCVRの平均値です。傾向としては、商品価格が高いほど商品購入のCVRは上がりにくく、商品のブランド力があればCVRは高くなります。
また、コンバージョンを問い合わせや資料ダウンロードなどに設定すると、商品購入よりも気軽に行動を起こせるため、CVRは高くなる傾向にあります。同じ商品を扱っているサイトでも、商品を購入する場合とカタログを申し込む場合では、行動に対するハードルの高さの違いが分かるでしょう。
このように、ゴール地点を何に設定するかによってCVRは大きく変化するのです。目標とするCVRの平均値を知りたい場合は、同じ業界のWebサイトにおける事例を探し、傾向を把握するのが良いでしょう。
業界や商材によって異なる
CVRは業界や商材によっても平均値が異なります。
前述のとおり、商品購入をコンバージョンとしている一般的なWebサイトの平均CVRは1〜3%前後です。しかし、これはあくまでも目安であって、業界や扱っている商材によって大きく変わります。
例えば金融業界では、CVRの平均は約5%程度であるといわれています。また、BtoBの業種では、資料請求や問い合わせをコンバージョンに設定していることも多く、CVRが10%前後になるサイトも。
このように、業界や商材が違えばCVRの平均値も変わります。自社が目安とする値を設定する際は、同内容のサービスを提供しているWebサイトのCVRを把握することが重要となるでしょう。
CVR目標値の設定の仕方
Webサイト運営者が悩むのが、自社が目標とするCVRをどう設定するかです。
CVR目標値の設定には、自社の目標数値から設定する方法と、CVRの平均値を参考にする方法があります。
自社の目標数値から設定する
CVRの目標値を設定する際は、自社が目標とするコンバージョン数から必要なCVRを割り出す方法がおすすめです。
何件のコンバージョンが欲しいかを考えれば、サイト訪問者数から目標とするCVR値が割り出せます。そのCVRを目標値に設定し、クリアできるようにサイトを改善しながら運営をしてみてください。
もし、「これ以上CVRは上がらない」と頭打ちになってしまった場合は、目標としたコンバージョン数を得るために、サイト訪問者数を増やす必要があるでしょう。
目標とするコンバージョン数と現状のサイト訪問者数から逆算してCVR目標値を設定する方法は、目標値の設定として最もオーソドックスな方法です。
CVRの平均値を参考に設定する
目標値を設定するもう一つの方法は、CVRの平均値を参考にする方法です。
とはいえ、前述のとおり、CVRは設定するCVの内容や業界・商材などによって変動するものであり、この方法に頼りすぎることは現実的ではない場合があります。
平均値を基にCVR目標値を設定する場合は、「必ずしもそのまま自社に当てはまる数値ではない」という前提を理解しておきましょう。
もし平均値を参考にCVRの目標値を設定する場合は、同業界・同商材のWebサイトの事例を探したり、傾向を把握したりする必要があります。
CVRが低い時に考えられる原因
サイト内のページごとのCVRを見て異常に数値が低いページが見つかったり、競合サイトと比較したときに自社サイトのCVRが低いことが分かったりした時は、原因を突き止めて改善をしなければなりません。
環境要因で改善できない場合もありますが、サイト自体が原因となっている場合は、CVRを改善することができる可能性があります。
ここでは、CVRが低い時に考えられる原因を紹介します。
広告の種類が合っていない
広告のCVRが低い場合は、その種類に原因があることがあります。
例えば、検索広告の場合、ニーズが明確になったユーザーが多くクリックする傾向にあるため、CVRも自ずと高くなることが多くあります。
一方、ディスプレイ広告の場合、ニーズが明確になっていない潜在的なユーザーが多いため、検索広告と比較するとCVRは低くなる傾向にあるでしょう。
広告の種類によって、流入するユーザーは大きく変わります。提供するサービスや商材によるものの、広告の種類が合っていないことが、CVRが低くなっている原因の一つとして考えられるでしょう。
また、広告の種類が合っていないことは、後に紹介する「広告のターゲティングが適切でない」とも関わってきます。
市場やトレンドに合っていない
市場やトレンドに合っていないことが原因であることも考えられます。扱う商材によっては、需要が上がったり下がったりする時期がどうしても発生するためです。
例えば商材が暖房器具であれば、秋から冬に需要が増すことが容易に分かるでしょう。そのため、家電量販店が運営するECサイトなどでは、秋から冬にかけてCVRが上がる傾向にありますし、逆に夏場は下がることが懸念されます。つまり、季節によって需要が変動することが原因で、CVRが低くなることがあるということです。
市場やトレンドが原因の場合はコントロールが難しくなりますが、需要が増加する時期が分かっていれば、そのタイミングで確実に成果をあげられるよう準備をしておくこともできます。
CVRが低い時には、このような市場環境要因が関係している可能性があることも覚えておきましょう。
競合が強敵である
競合サイトの動きによってもCVRが低くなることがあります。つまり、競合サイトのCVRが向上した時に、自社サイトのCVRが下がる可能性があるということです。
例えば、自社サイトで販売をしている商材よりも、競合サイトで販売している商材の方が安価である、もしくは性能が良い、売り出し方が上手いなど、何らかの部分で訴求力に優れているとします。
その場合、商材について購入したいと考えているユーザーの母数は大きく変わらないため、競合サイトのCVRが上がれば、その分ニーズが明らかになっているユーザーを奪われる形となってしまうでしょう。それに伴い、自社サイトのCVRが下がってしまうという仕組みです。
競合となるサイトについて、訴求力や誘導方法などを事前に把握しておくことはもちろん、変化がないかどうかも定期的にチェックしておくことをおすすめします。
ユーザー目線が欠けている
ユーザー目線が欠けている場合も、CVRは低くなります。
例えば、広告で最も目に付く文言がユーザーニーズに合っていない、LP（ランディグページ）のデザインが分かりづらいなど、ユーザー目線で利便性が悪いと、CVRは下がる傾向にあります。
具体的には、商品を購入する・申し込む・問い合わせるなどのボタンの位置が悪かったり、大きさや文言が小さく分かりづらかったりすると、コンバージョンに繋がりにくくなってしまいます。
サイトや広告は、目を引くデザインばかりを意識するのではなく、ユーザーが実際に知りたい情報を網羅し、商材を理解できるように設計しなければいけません。
ユーザーが本当に求めているものは何なのかを理解し、そのニーズに対してWebページや広告の役割を検討する必要があるのです。
広告のターゲティングが適切でない
コンバージョンを得るためには、集客が大切です。しかし、広告で集めた人が扱っている商材のターゲット層とずれていれば、コンバージョンに繋がりにくいことは明らかでしょう。
商材やサービスがターゲットとしている層にマッチしていなければ、いくら広告がクリックされても、コンバージョンには繋がりません。
ターゲット層に実際にサイトを訪問してもらうためには、ターゲットに合わせたキーワードを選択して広告を設計し、それに沿ったWebページを作る必要があります。
また、広告を掲載するメディア選びも大切です。例えば、男性向けの商材を扱っているのに女性の読者が多いメディアに広告を掲載しても、あまりCVRが望めないことは明らかです。
広告のターゲティングを適切に実施し、広告の訴求ターゲット・遷移先のWebページの訴求ターゲット・ページ内容をしっかりと合わせておくことが大切です。
CVまでの導線が悪い
コンバージョンまでの導線が悪いサイトは、 どこに求めている情報があるのか分かりにくく、ユーザー目線にかけているといえます。
情報を探すために何度もページを開いたり閉じたりする必要があるサイトは、ユーザーの負担が大きく、離脱に繋がりかねません。サイト内での操作数が多ければ多いほど、不便なサイトだと思われがちなのです。
ユーザーが広告で商材を理解し、実際にWebサイトを訪れて行動を起こす、といった一連の流れが意識できていなければ、コンバージョンまでの導線に一貫性がなくなり、成果が出にくくなります。
コンバージョンまでの導線が悪いサイトは、できるだけ少ないクリック数で目的の情報に辿り着けるよう設計するなど、ユーザビリティを高める工夫が必要です。
CVRを改善する具体的な方法
CVRを改善するにはいくつかの施策が考えられますが、基本的にはユーザー目線でサイトを設計し、ユーザビリティを向上させることが重要となります。
ここではCVRを改善する具体的な方法と流れを紹介します。
ターゲットを明確にする
まずはターゲットを明確にし、訴求したいユーザーを絞ることが大切です。
いくらサイト訪問数が増加しても、ユーザーニーズと商材やサービスが合っていなければCVRには繋がらないためです。
ターゲットを明確にすることでコンバージョンしやすいユーザーのアクセス数が増え、CVRアップに繋げることができます。ターゲットを絞るとサイト訪問者数が減ることも考えられますが、商材やサービスを欲しているユーザーの訪問割合が増えるため、結果的にCVRの改善に繋がります。
つまり、ターゲット層に合わないユーザーのアクセスを減らすことでも、CVR はアップするのです。
ターゲットの性別や年齢層を具体化した上で、これに合った広告や媒体を選定し、適切に配信することで、より精密にターゲティングができ、CVRの改善に繋がります。
集客するためのキーワードを見直す
サイトを訪問するきっかけとなるキーワードは、CVRにも大きく影響します。狙いたいキーワードや除外するキーワードの選定を適切におこなうことで、コンバージョンまで至らない人への配信を抑制でき、CVRの改善に繋がる仕組みです。
現在選定しているキーワードのうち、どのキーワードがCVRが高いのか、どのキーワードでコンバージョンしているのかを確認し、キーワードの見直しや追加・削除などを検討しましょう。
アクセス数に貢献していても、コンバージョンまで至っていないキーワードでは、CVRは低下する一方です。キーワードを見直すことは、CVRの改善に非常に重要です。
WebサイトやLP（ランディングページ）の構成を改善する
アクセスが伸びているにも関わらずコンバージョン数が増えない場合は、WebサイトやLPの構成に問題がある可能性があります。
特にファーストビューは、ユーザーを取り込む上で極めて重要です。ユーザーは最初に目に入った情報でサイトを判断するため、ファーストビューが良くなければ「思ったものと違う」と判断され、離脱に繋がってしまいます。
そのため、ファーストビューは訪問したユーザーの信頼を得るべく、商材やサービスの内容を分かりやすく伝えていることが大切です。それに加え、ユーザーが持っている不安や疑問をどのように解決できるのか、どのような効果が得られるのかを分かりやすく伝える必要があります。
ユーザーが離脱せずコンバージョンまでスムーズに進むよう、サイトやページの構成にストーリー性を持たせ、最後まで読み進めてもらえるコンテンツ内容を意識しましょう。
サイトの導線・表示を改善する
ユーザーがコンバージョンに至るまでの導線の中で、離脱している箇所を調査し課題を洗い出すことも大切です。特に課題となりやすい点は、サイト回遊、コンバージョンに繋がるCTAボタンのデザインやサイズ・文言などです。
ユーザーが求めている情報までスムーズに進めるようになれば、コンバージョンにも繋がりやすくなります。 CVRの改善には、ユーザーがどこで離脱してしまっているのかを把握し、サイトのどこに問題があるのかを分析することが大切です。
もしページの表示速度が遅いといった課題があれば、ユーザーにとってもストレスになっている可能性があるため、コンテンツを整理するなどして表示速度を改善させることも有効でしょう。
CVのハードルを下げる
CVRを上げるためには、コンバージョンのハードルを下げるというのも一つの方法です。例えば、費用が発生する「商品購入」よりも「資料ダウンロード」や「お問い合わせ」の方がハードルが低いことは明らかです。
商品購入や申し込みなどをコンバージョンに設定している場合は、問い合わせなどにハードルを下げることで、成果に繋がりやすくなります。
ハードルを下げることは、本来の目的と異なってしまうため、不安に思うこともあるでしょう。しかし、「興味はあるけどまだ迷っている」という見込み客などは、新たに設定したコンバージョンがきっかけとなって、本来の目的であった購入や申し込みに繋がることもあり得ます。
コンバージョンのハードルを下げることは、企業側としても見込み客の獲得ができるため、その後の営業やマーケティング活動に繋げることもできるのです。
計測と改善を繰り返しおこなう
CVRをアップさせるには、データだけを見ていても何も変わりません。これまで解説してきたように、どこに改善の余地があるのかを特定し改善を試みる必要があります。
もし改善ポイントが複数ある場合は、全てを一度に改善することは難しいかもしれません。まずは「集客」「キーワード」などポイントを絞り、計測と改善を繰り返しおこななっていくことが大切です。
CVRの改善は一度おこなって終わりではなく、常に繰り返すべき周期的なプロセスです。日々改善ポイントごとのCVRをしっかりと追いかけ、変化にすぐ対応できるようにしておくことをおすすめします。
CVRの改善がすべてではないことに注意
ここまでCVRが低下する原因や改善方法などについて述べてきましたが、CVRはあくまでも結果としての数値であることに注意が必要です。
コンバージョンにはまだ至らない見込みの薄いユーザーの集客が増えれば、CVRは下がってしまいます。これは当然の動きであって、サイトに流入するユーザーを増やすことが結果的にCVRの改善に繋がることもあるのです。
CVRにこだわりすぎるがあまり、見込み客を逃してしまっては元も子もありません。もちろん一つの指標として意識はしておくべきですが、CVRの高い・低いに一喜一憂せず、サイトやページのパフォーマンスを見る指標としてとどめておくのが良いでしょう。
CVRは売上アップに重要な指標！CVRを上げてCVを増やそう
CVRとは、サイト訪問者数のうちコンバージョンに繋がった割合を示す数値のことです。
CVRが低下する原因には、広告の種類やターゲティングが適切でなかったり、ユーザー目線が欠けていたり、市場やトレンドに合っていなかったりなどの原因が考えられます。
ユーザーがどこで躓いているのかを把握し、その問題を解決してあげることが、CVR改善への近道です。検索と分析を繰り返しおこない、CVRをアップさせ、求める成果に繋がるサイトへと成長させていきましょう。
CVRの向上には、チャットボットの導入も有効です。チャットボットを導入すれば、リアルタイムでユーザーの質問に回答できるため、ユーザーが不明点を解決できずそのまま離脱することを回避できる可能性があります。
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