Webサイトにお問い合わせフォームを設置したいけど、HTMLやPHPの知識がないから難しそうと諦めていませんか。
お問い合わせフォームは、Webサイトの訪問者とコミュニケーションを取るための重要なツールです。顧客からの問い合わせ対応だけではなく、貴重なフィードバックを集めることもできるため、サービス改善にも役立てられます。
本記事では、お問い合わせフォームの作り方を紹介します。HTMLやPHPを使った方法やノーコードで作成する方法など、お問い合わせフォーム作成に必要な知識を網羅的に紹介しているので、お問い合わせフォームの作成を考えている方はぜひ参考にしてください。
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お問い合わせフォームとは
お問い合わせフォームは、Webサイトの訪問者が企業や個人に対して簡単に連絡や質問を送信できる仕組みです。顧客とのコミュニケーションを円滑にし、サービス向上や業務効率化、顧客満足度の向上に大きく貢献します。ビジネスの成長や信頼構築のためにも、Webサイトに欠かせない重要なツールです。ここではお問い合わせフォームの基本情報を紹介します。
フォームの定義と基本構成
お問い合わせフォームとは、Webサイトの訪問者が企業や個人に対して、問い合わせを送信するためのオンラインツールです。テキストボックスやラジオボタン、チェックボックスなどの入力欄を用意し、氏名やメールアドレス、問い合わせ内容などの情報を収集します。送信ボタンをクリックすると、入力された情報が指定されたメールアドレス宛に送信される仕組みです。
項目 | 説明 |
---|---|
入力欄 | ・氏名やメールアドレス、電話番号、問い合わせ内容など、必要な情報をユーザーが入力する ・テキストボックスやラジオボタン、チェックボックス、ドロップダウンメニューなど、さまざまな入力形式で利用できる |
送信ボタン | ・入力内容を送信するためのボタン ・クリックすると、入力された情報がサーバーに送信される |
確認画面 | ・送信前に入力内容を確認するための画面 ・誤入力の防止に役立つ ・必須の画面ではないものの、ユーザーエクスペリエンス向上の観点から導入が推奨されている |
サーバーサイド処理 | ・送信されたデータを受け取り、メール送信やデータベースへの保存などの処理をおこなうサーバー側のプログラム ・PHPがよく利用される |
メールリンクとの違い・メリット
従来は電話やFAX、メールといった方法で問い合わせをおこなうことが一般的でしたが、お問い合わせフォームの普及により、いつでもどこからでも簡単に問い合わせができるようになりました。メールリンクとお問い合わせフォームの違いは以下の通りです。
- メールリンク : メールソフトを立ち上げる必要があり、ユーザーの環境に依存する
- お問い合わせフォーム : ブラウザ上で完結し、必要な情報を構造化して収集できる
問い合わせ導線がCVRとSEOに及ぼす効果
お問い合わせフォームは、その機能やデザイン、実装方法によってさまざまな種類が存在します。シンプルなフォームから、画像アップロード機能や複数ファイル送信機能を持つ高度なフォームまで、Webサイトの目的やターゲット層に合わせて適切なものを選択することが重要です。
お問い合わせフォームを設置するメリット
Webサイトにお問い合わせフォームを設置することは、ビジネスの成功に大きく貢献します。単なる問い合わせ受付ツールにとどまらず、顧客とのエンゲージメントを高め、ビジネスの成長を促進する強力な手段となるからです。
具体的なメリットを見ていきましょう。
24時間受付・顧客満足度向上
お問い合わせフォームを設置するとユーザーは24時間365日、いつでも気軽に問い合わせができます。営業時間外でも問い合わせを受け付けられるため、機会損失を防ぎながら顧客満足度を向上することが可能です。
特に、顧客対応に時間的制約のある企業にとっては、24時間365日問い合わせを受けられることは大きなメリットです。ユーザーはメールソフトを立ち上げ、メールアドレスをコピー&ペーストする手間を省けるので、問い合わせのハードルを下げることができます。
必要情報を漏れなく取得し業務効率化
お問い合わせフォームは、ユーザーから必要な情報を効率的に収集するために効果的です。氏名やメールアドレス、電話番号といった基本情報に加え、問い合わせ内容に関する詳細な情報や要望、フィードバックなどをフォームに設定すれば、顧客ニーズを正確に把握できます。
お問い合わせフォームで集めた情報は顧客対応の向上やサービス改善、マーケティング戦略の策定などに役立ちます。 さらに、潜在顧客からの問い合わせを効率的に収集できるため、リード獲得にもつなげることができます。
顧客データ一元管理で営業・CSを加速
お問い合わせフォームから得られた顧客情報を、CRM(顧客関係管理)システムと連携させれば情報の一元管理ができます。すると、顧客への対応履歴の確認や顧客セグメンテーション、パーソナライズされたコミュニケーションの実現などが可能です。
また、会員専用サイトや従業員専用サイトに設置することで、問い合わせの対象者を絞り込むこともできます。適切な顧客情報管理は、顧客満足度向上だけでなく、営業効率の向上にも大きく貢献します。
作り方完全ガイド|4つのアプローチを徹底解説
ここからは、お問い合わせフォームの作り方を紹介します。作りやすい方法や試したい方法を選択し、実際にお問い合わせフォームを設置してみてください。
【初心者向け】 HTML/CSS/JavaScriptでゼロから自作
最初に、HTMLで作る方法を紹介します。お問い合わせフォームを初めて作る方でも挑戦しやすいため、ぜひチャレンジしてください。
HTMLの基本構造を理解
まず、HTMLの基本構造を理解しましょう。
お問い合わせフォームは<form>タグを使用し、その中に入力欄や送信ボタンなどの要素を配置します。基本的な構造は以下のとおりです。
<form action=”送信先のURL” method=”post”>
<!– フォーム要素 –>
<input type=”submit” value=”送信”>
</form>
なお、上記の詳細は以下の表をご覧ください。
属性 | 説明 |
---|---|
action | ・フォームを送信するURLを指定する ・サーバーサイドのスクリプトや処理を受け持つファイルのパスを記述する |
method | ・フォームデータの送信方法を指定する ・「get」と「post」が一般的である |
method="get" | ・データがURLに付加されて送信される ・URLにデータが表示されるため、セキュリティリスクがある ・データ量に制限がある |
method="post" | ・データがURLに表示されずに送信される ・「get」と比較してセキュリティ面で安全 ・データ量に制限が少ない傾向である |
フォーム要素について、より詳細な情報を提供します。
要素 | 説明 | 属性 | 例 |
---|---|---|---|
<input type="text"> | ・テキスト入力欄 ・1行のテキスト入力に用いる | name , placeholder , size , maxlength , required , pattern | <input type="text" name="name" placeholder="お名前" size="30" maxlength="50" required pattern="[A-Za-z\u3040-\u309F\u30A0-\u30FF]+"> (例では、全角ひらがな、カタカナ、英字のみ許可、必須入力) |
<input type="email"> | ・メールアドレス入力欄 ・メールアドレス形式の入力値を検証するのに役立つ | name , placeholder , required | <input type="email" name="email" placeholder="メールアドレス" required> |
<textarea> | ・複数行のテキスト入力欄 ・長文のテキスト入力に適している | name , placeholder , rows , cols | <textarea name="message" placeholder="お問い合わせ内容" rows="5" cols="40"></textarea> |
<input type="submit"> | ・送信ボタン ・フォームを送信するために使用する | name , value | <input type="submit" value="送信"> |
<input type="password"> | ・パスワード入力欄 ・入力された文字はマスクされる | name , placeholder , required | <input type="password" name="password" placeholder="パスワード" required> |
<input type="radio"> | ・ラジオボタン ・複数の選択肢から1つを選択する際に使用する | name , value , checked | <input type="radio" name="gender" value="male" checked>男性 <input type="radio" name="gender" value="female">女性 |
<input type="checkbox"> | ・チェックボックス ・複数の選択肢を同時に選択できる | name , value , checked | <input type="checkbox" name="terms" value="agree" required> 利用規約に同意する |
<select> | ・セレクトボックス(プルダウンメニュー) ・複数の選択肢から1つを選択する際に使用する | name | <select name="country"> |
CSSによるレイアウト/レスポンシブ対応
HTMLで作成したフォームは、CSSを使用してスタイリングできます。CSSを使用することで、フォームのデザインを自由にカスタマイズすることが可能です。例えば、下記のように記述するとフォームの見た目を変更できます。
なお、name属性は、サーバーサイドでデータを受け取る際に必須です。placeholder属性は、ユーザーフレンドリーな入力補助として役立ちます。
その他の属性は、入力内容の検証やフォームデザインのカスタマイズに利用することが可能です。required属性は必須項目を指定し、pattern属性は正規表現を使って入力値を検証できます。
CSSでフォームのスタイリング
HTMLで作成したフォームは、CSSを使用してスタイリングできます。CSSを使用することで、フォームのデザインを自由にカスタマイズすることが可能です。例えば、下記のように記述するとフォームの見た目を変更できます。
form {
width: 500px;
margin: 0 auto;
padding: 20px;
border: 1px solid #ccc;
}
input[type=”text”],
input[type=”email”],
textarea {
width: 100%;
padding: 10px;
margin-bottom: 10px;
border: 1px solid #ccc;
}
input[type=”submit”] {
padding: 10px 20px;
background-color: #4CAF50;
color: white;
border: none;
cursor: pointer;
}
レスポンシブデザインを意識して、さまざまなデバイス(パソコンやスマートフォン、タブレットなど)に対応したフォームを作成しましょう。以下のメディアクエリを使用すれば、デバイスの画面サイズに応じてフォームのデザインを変更できます。
@media (max-width: 768px) {
form {
width: 90%;
}
}
JavaScriptでリアルタイムバリデーション
JavaScriptを使用して、ユーザーが入力している最中にリアルタイムでバリデーションを実行できます。これにより、ユーザーエクスペリエンスの向上が可能です。
サンプルコードとよくあるエラー
まず、HTMLフォームはformタグで囲み、入力欄(inputやtextareaなど)と送信ボタンを配置します。例えば、お名前・メールアドレス・お問い合わせ内容の3項目を入力するシンプルなフォームが一般的です。実際のコード例は省略しますが、inputタグやtextareaタグの使い方、name属性の設定、required属性による必須入力指定などが基本となります。よくあるエラーとしては、以下のようなものがあります。
- formタグのaction属性やmethod属性の記述漏れ(送信先や送信方法が正しく設定されていない)
- inputタグのname属性が未設定で、サーバー側で値を受け取れない
- required属性やtype属性(例:type=”email”)の設定ミスによるバリデーション不備
- ラベル(labelタグ)と入力欄の紐付け忘れによるアクセシビリティ低下
- 全角・半角や文字数制限など、入力値のチェック不足
また、フォームの見た目やレイアウトが崩れる場合は、CSSの指定ミスやクラス名の誤記が原因となることが多いです。特に、スマートフォンなど異なるデバイスで表示した際にレイアウトが崩れる場合は、レスポンシブ対応のCSSが正しく記述されているか確認しましょう。
このように、HTMLフォームの実装では正しいタグの使い方・属性の設定・バリデーション・アクセシビリティ・レイアウトの5点に注意することが大切です。コードをシンプルに保ちつつ、公式ドキュメントやブラウザのデベロッパーツールを活用して、エラーの原因を一つずつ確認していきましょう。
PHPで送信機能を実装
フォームから送信されたデータを安全に受け取り、バリデーションやサニタイジングを行った上で、メール送信やデータ保存などの処理を実装する方法をまとめます。セキュリティ対策やエラー処理のポイントもあわせて紹介しますので、PHP初心者の方でも安心して実装できる内容です。
入力・確認・完了の3ステップ構成について
お問い合わせフォームをより安心して利用してもらうためには、入力・確認・完了の3ページ構成にするのが一般的です。まず最初の入力ページでユーザーが必要事項を記入し、確認ページで入力内容に誤りがないかをチェックできるようにします。ここで、万が一入力ミスがあった場合でも、修正して再度確認できるため、送信ミスを防ぐことが可能です。
内容に問題がなければ送信ボタンを押してもらい、完了ページで送信が正常に完了したことを表示し、ユーザーは自分へ問い合わせがきちんと受け付けられたことを伝えます。特に、個人情報や重要な内容を扱う場合は、確認画面を設けることで信頼性が高められるためできるだけ3ステップ構成を設けましょう。
$_POST処理・サニタイジング・CSRF対策
PHPでデータを受け取るには、$_POSTという特別な変数を使います。$_POSTとは、フォームから送信されたデータがすべて格納されている配列のことです。
例えば、フォームに名前とメールアドレスの入力欄があり、ユーザーがそれぞれ太郎とtaro@example.comを入力して送信した場合、$_POST[‘名前’]には太郎、$_POST[‘メールアドレス’]にはtaro@example.comが格納されます。
しかし、ユーザーが入力したデータが必ずしも正しいとは限りません。メールアドレスの形式間違いや、必須項目が空欄など、不正なデータが入力された場合はエラーが発生するほか、セキュリティ上の問題にもつながります。そのような場合に重要なのが、入力されたデータのバリデーション(検証)です。バリデーションではデータの形式や内容をチェックし、不正なデータであればエラーメッセージを表示し、データの処理を中止します。
mb_send_mailで自動返信メール
PHPのmail()関数は、メールを送信するための組み込み関数です。mail()関数の基本的な構文は以下のとおりです。
ーーーーーー
bool mail ( string $to , string $subject , string $message [, array $headers ] )
ーーーーーー
パラメータ | 説明 |
$to | メール送信先のアドレス |
$subject | メール件名 |
$message | メール本文 |
$headers | メールヘッダー (送信元アドレスやMIMEタイプなどを指定する) |
例:
$to = ‘recipient@example.com’;
$subject = ‘お問い合わせありがとうございます’;
$message = ‘このメールはテストメールです。’;
$headers = ‘From: sender@example.com’ . “\r\n” .
‘Reply-To: sender@example.com’ . “\r\n” .
‘X-Mailer: PHP/’ . phpversion();
mail($to, $subject, $message, $headers);
SSL必須とサーバー設定チェック
お問い合わせフォームは、悪意のある攻撃から守るための対策が重要です。
例えば、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といった攻撃によって入力されたデータが悪用されると、Webサイトのデータが改ざんされ、ユーザーの個人情報が漏洩する危険性があります。上記の攻撃を防ぐためには、ユーザーが入力したデータを適切に処理する必要があります。
ノーコード/ローコードツールを使う
ノーコード/ローコードツールを使えば、プログラミング不要で簡単にフォームを作成可能です。
Googleフォーム:基本操作とカスタマイズ
Googleフォームでは、さまざまな種類の質問を追加できます。例えば、以下のような種類があります。
– 選択肢から選ぶ形式の質問
– 自由にテキストを入力する形式の質問
– 日付を選択する形式の質問
– チェックボックス形式の質問
各質問には必須項目の設定や、回答の検証(例:数値のみ入力可能など)をおこなうことも可能です。フォーム作成後、プレビューで確認しながら必要に応じて修正可能です。
Googleフォームは、以下のようなカスタマイズをおこなえます。
機能 | 説明 |
テーマの選択 | ・あらかじめ用意されたテーマから選択できる ・一括でフォーム全体のデザインを変更できる ・テーマごとに、色やフォントなどを設定できる |
背景画像の設定 | ・フォームの背景に画像を設定できる ・画像の選択や配置位置、サイズなどを調整できる ・ブランドイメージに合わせたカスタマイズができる |
色の変更 | ・フォームのテキストやボタンの色、背景色などを個別に変更できる ・ブランドカラーに合わせて調整し、視認性を高めることができる |
formrun / Tayori / Wix / Kreisel の機能比較
formrunはチームでの問い合わせ管理や外部連携が得意で、TayoriはFAQやチャットボットも使える多機能型、WixはWebサイト作成と一体でデザイン自由度が高く、Kreiselはシンプルで低コストが特徴です。
「管理や連携重視ならformrun」「FAQやチャットも使いたいならTayori」「デザイン重視ならWix」「手軽さやコスト重視ならKreisel」と、目的に合わせて選ぶのがおすすめです。
埋め込み手順(iframe・JSウィジェット)
フォームをWebサイトに埋め込む方法は、主にiframeタグを使う方法とJavaScriptウィジェットを使う2通りです。
まず、Googleフォームやformrunなど多くのフォーム作成サービスでは、フォーム作成後に埋め込み用コードが自動生成されます。iframeの場合は、発行されたHTMLコードをコピーし、Webサイトの埋め込みたい場所(HTMLファイルやCMSの編集画面)に貼り付けるだけで、フォームがそのまま表示されます。iframeは外部サービス上のフォームをそのまま表示するため、設置が簡単で、デザインの崩れも起きにくいのが特徴です。
一方、JavaScriptウィジェットの場合は、提供されたスクリプトタグを同様に貼り付けます。ウィジェット型は、より高度なカスタマイズや動的な表示、ポップアップ表示などが可能な場合が多いです。
どちらの方法も、設置後は実際のWebページで表示や動作を必ず確認しましょう。また、SSL(https)対応のWebサイトであれば、埋め込むフォームもSSL対応のURLを利用することが重要です。これにより、ユーザーの入力情報を安全に送信できます。このように、埋め込みコードの取得→Webサイトへの貼り付け→動作確認、という流れで、ノーコードでも簡単にフォームを設置可能です。
CMSプラグイン(WordPress他)
WordPressなどのCMSでは、専用プラグインを使うことで簡単にお問い合わせフォームを設置できます。
Contact Form 7
Contact Form 7は、WordPressで人気の高いお問い合わせフォームプラグインの一つです。シンプルで使いやすいインターフェースを備えており、初心者でも簡単にフォームを作成可能です。
WPForms Lite
無料版でも十分な機能を備えたお問い合わせフォームプラグインです。ドラッグ&ドロップで簡単にフォームを作成できる上、さまざまな項目を追加できます。
Ninja Forms
高度な機能を備えたお問い合わせフォームプラグインです。条件分岐やファイルアップロードなどの機能があり、複雑なフォームにも対応可能です。
Gravity Forms
高機能で柔軟性が高いお問い合わせフォームプラグインです。さまざまな種類の項目を追加でき、複雑なロジックにも対応できます。
Elementor Pro
WordPressのページビルダープラグインです。Pro版にはフォームウィジェットが含まれており、直感的にフォームを作成可能です。
reCAPTCHA v3・Akismetでスパム防止
お問い合わせフォームを運用する際、スパム送信への対策は非常に重要です。代表的な方法としてreCAPTCHA v3とAkismetの2つがあります。
reCAPTCHA v3はGoogleが提供するスパム防止サービスで、ユーザーの行動を自動的に判定し、ボットによる不正送信を防ぎます。従来の「私はロボットではありません」といったチェックボックスは不要で、ユーザー体験を損なわずにセキュリティを強化できるのが特徴です。導入方法は、Google reCAPTCHAの管理画面でサイト登録を行い、発行されたサイトキーとシークレットキーをフォームプラグインやテーマに設定するだけです。Contact Form 7やWPFormsなど主要なWordPressプラグインでは、reCAPTCHA v3との連携機能が標準搭載されています。
一方、AkismetはWordPress公式のスパム対策プラグインで、主にコメントやお問い合わせフォームからのスパム投稿を自動で検出・ブロックします。Contact Form 7やNinja Formsなど多くのフォームプラグインと連携可能です。
これらのスパム対策を組み合わせて導入することで、悪質な自動送信や迷惑メールを大幅に減らし、安心してフォーム運用ができます。Akismetも併用することで、より強固なスパム防止体制につながります。
Entry Form Optimization (EFO)|入力完了率を上げる10のポイント
エントリーフォームの入力完了率を高めるための具体的な10の改善ポイントを次項からわかりやすく解説します。フォーム最適化の実践にぜひお役立てください。
1. 項目数の最小化
ユーザーは、必要以上の情報入力を嫌います。そのため、お問い合わせフォームでは、本当に必要な情報のみを収集するように入力項目を絞り込むことが大切です。不要な項目を削除すると入力にかかる時間を短縮し、離脱率を減らせます。
項目 | 必要性 |
氏名 | 必須 |
メールアドレス | 必須 |
電話番号 | 任意(状況に応じて必須とする) |
会社名 | 任意(BtoBの場合は必須とする) |
住所 | 任意(状況に応じて必須とする) |
お問い合わせ内容 | 必須 |
2. 必須/任意表示の明確化
必須項目と任意項目を明確に区別すれば、ユーザーは入力が必要な項目を理解しやすいです。必須項目には*などの記号を付け、太字で表示するなど、視覚的にわかりやすく表示しましょう。 曖昧な表記はユーザーの混乱を招き、離脱率の上昇につながります。
3. 入力例・プレースホルダ活用
ユーザーが入力ミスを犯しやすい項目については、入力支援機能を導入するとミスを減らせます。例えば、郵便番号を入力すると住所を自動で入力できる機能や、日付入力欄にはカレンダー機能などを活用しましょう。
4. リアルタイムエラーメッセージ
入力ミスがあった場合は、ユーザーにわかりやすいエラーメッセージを表示します。曖昧なメッセージではユーザーを混乱させ、離脱につながる可能性があります。具体的なエラー内容を示し、修正方法をわかりやすく案内してください。
例:メールアドレスの形式が不正です。例:test@example.comのように入力してください。
5. ページ内埋め込みで遷移削減
お問い合わせ内容の送信前に、入力内容を確認できるページを設置しましょう。確認ページを設置するとユーザーは入力ミスに気づきやすくなり、修正することができます。
6. レスポンシブ対応
現代は、多くのユーザーがスマートフォンでWebサイトにアクセスしています。モバイルフレンドリーなフォームは、ユーザー体験を向上させ、問い合わせ率の向上に重要です。
7. 目立つ送信ボタン設計
送信ボタン(CTAボタン)は、ユーザーが最終的に押すボタンです。視認性を高め、ユーザーが迷わずに押せるように配置しましょう。ボタンの色やサイズ、テキストも重要です。明確で行動を促す言葉にすると、クリック率の向上が期待できます。
8. 個人情報保護方針の提示
お問い合わせフォームを設置する際は、個人情報の取り扱いについて明確に説明し、ユーザーの不安を取り除くことが重要です。具体的には、フォームの近くにプライバシーポリシーや個人情報保護方針へのリンクを設置しましょう。そして、どのような目的で情報を収集し、どのように管理・利用するのかをわかりやすく記載することで、ユーザーは安心して情報を入力できます。
9. 自動返信メール設定
自動返信メールを設定することで、ユーザーは送信内容が正しく受理されたことを即座に確認でき、安心感を得られます。
また、返信メール内に問い合わせ内容の控えや今後の流れ、よくある質問へのリンクなどを記載することで、ユーザー体験の向上や問い合わせ対応の効率化に効果的です。
10. スパム/セキュリティ対策
全角・半角の入力に対応していない場合、ユーザーが入力ミスをしてしまう可能性があり、問い合わせ完了率の低下につながります。入力欄に適切なバリデーションを設定し、全角・半角どちらの入力にも対応できるようにするのがおすすめです。
デザインとUX改善で離脱率を劇的に減らす方法
お問い合わせフォームのデザインやユーザー体験(UX)を最適化することで、ユーザーの離脱を大幅に防ぐことが可能です。視認性の高いレイアウトや直感的な操作性、わかりやすいエラーメッセージ、モバイル対応など、細部まで配慮した設計が重要です。本章では、フォームの使いやすさを高め、入力完了までスムーズに導くための具体的な改善ポイントを解説します。
モバイルファーストのフォームレイアウト
モバイルフレンドリーなフォームを作るためのポイントは以下のとおりです。
項目 | 説明 |
レスポンシブデザイン | 画面サイズに合わせてレイアウトが自動的に調整されるレスポンシブデザインを採用する CSSメディアクエリを使用することで、異なるデバイスサイズに合わせたデザインを実現できる |
入力項目の最適化 | スマートフォンでの操作性を考慮し、入力項目の数を最小限に抑える 必須項目を明確にすることで、ユーザーの負担を軽減できる |
大きなボタン | スマートフォンでは、小さなボタンはタップしにくい場合があるため、ボタンの大きさを考慮する |
キーボードの最適化 | 入力項目に合わせて、適切なキーボードの種類(数字、メールアドレスなど)が表示されるように設定する |
CTAボタン配置と視線誘導
CTA(コールトゥアクション)ボタンは、お問い合わせフォームの成果を大きく左右する重要な要素です。ユーザーの視線の流れを意識し、自然とボタンに目が向くような配置やデザインを心がけましょう。例えば、フォームの入力欄の直下や、ページの右下など、ユーザーが入力を終えた後にすぐ目に入る位置に設置するのが効果的です。また、ボタンの色はサイト全体の配色とコントラストをつけて目立たせ、サイズも十分に大きくすることでクリックしやすくなります。
エラーメッセージのUXライティング
エラーメッセージは、ユーザーが入力ミスをした際に正しく修正できるよう、わかりやすく具体的に記載することが大切です。例えば、「メールアドレスの形式が正しくありません。例:test@example.com」といったように、どこが間違っているのか、どう直せば良いのかを明示しましょう。否定的な表現や専門用語は避け、ユーザーの不安やストレスを軽減するやさしい言葉遣いを心がけることで、離脱率の低減にもつながります。
多段階フォーム vs. 1ページ完結フォーム
お問い合わせフォームの構成には、複数ページに分けて段階的に入力させる多段階フォームと、すべての項目を1ページで完結させる1ページ完結フォームがあります。多段階フォームは入力負担を分散できるため、項目数が多い場合や詳細な情報が必要な場合に有効です。一方、1ページ完結フォームは入力から送信までの流れがシンプルで、短時間で完了できるため離脱を防ぎやすいというメリットがあります。自社のサービス内容やターゲットユーザー、必要な情報量に応じて最適な構成を選択しましょう。
マーケティング連携で成果を最大化
お問い合わせフォームは、単なる情報収集の窓口にとどまらず、マーケティング施策と連携することでビジネス成果を大きく高めることが可能です。ここでは、フォーム送信後のユーザー体験設計や、各種ツールとの連携による業務効率化・売上向上のポイントを解説します。
サンクスページと次アクション設計
フォーム送信後に表示されるサンクスページは、ユーザーの満足度を高めるだけでなく、次のアクションへと自然に誘導する重要な役割を担います。例えば、資料ダウンロードや関連サービスの案内、SNSフォローの促進など、ユーザーの関心や行動を継続させる導線を設計しましょう。サンクスページによくある質問や事例紹介などのリンクを設置することで、ユーザーの疑問解消や信頼感の醸成にもつながります。
CRM・MA連携(HubSpot, Salesforce など)
お問い合わせフォームで取得した顧客情報を、HubSpotやSalesforceなどのCRM(顧客管理システム)やMA(マーケティングオートメーション)ツールと連携することで、リード管理やナーチャリングを自動化できます。これにより、問い合わせ内容に応じたパーソナライズドなフォローや、営業活動の効率化に効果的です。API連携やZapierなどの外部サービスを活用すれば、ノーコードでも簡単に連携が可能です。
GA4イベント設定とCV計測
Google Analytics 4(GA4)を活用して、フォーム送信時のイベントを計測することで、どの流入経路やページがコンバージョン(CV)につながっているかを可視化できます。フォームの送信完了ボタンにイベントタグを設置し、GA4の管理画面でコンバージョンとして設定することで、マーケティング施策の効果検証や改善に役立ちます。定期的にデータを分析し、離脱ポイントや改善余地を把握しましょう。
ステップメール・自動タグ付け運用
フォーム送信後、ユーザー属性や問い合わせ内容に応じて自動的にステップメール(フォローアップメール)を配信し、顧客データにタグ付けを行うことで、効率的なリード育成が可能です。例えば、初回問い合わせ後に自動でお礼メールを送り、数日後に関連情報を案内するなど、シナリオ設計によってユーザーとの関係性を深められます。MAツールやメール配信サービスを活用し、運用を自動化しましょう。
フォーム改善PDCA|A/Bテストとデータ分析
お問い合わせフォームの成果を最大化するには、単に設置するだけでなく、継続的な改善が不可欠です。本章では、フォーム改善の具体的な進め方や、A/Bテスト・データ分析の活用ポイントについて解説します。
A/Bテスト設計フレームワーク
A/Bテストとは、Webサイト上の要素(今回はお問い合わせフォーム)を2種類以上用意し、それぞれに訪問者をランダムに振り分けて、どのバージョンがより良い成果をもたらすかを検証する手法です。
例えば、ボタンの色やテキスト、フォームの配置、入力項目などを変えた複数のバリエーションを作成して比較することで、最適なデザインを見つけることができます。
要素 | Aパターン | Bパターン | 検証項目 |
ボタンの色 | 赤 | 青 | クリック率・送信率 |
ボタンのテキスト | お問い合わせ | 今すぐ相談 | クリック率・送信率 |
フォームの配置 | ページ上部 | ページ下部 | 送信率・離脱率 |
入力項目数 | 名前・メールアドレス・電話番号 | 名前・メールアドレス | 送信率・離脱率 |
テスト対象アイデア一覧(項目数・文言・色など)
お問い合わせフォームのA/Bテストを実施する際には、さまざまな要素を検証対象とすることで、より効果的な改善が可能です。例えば、入力項目の数や並び順、必須・任意の設定、ボタンの文言や色、フォーム全体のデザイン、エラーメッセージの表現方法などが挙げられます。これらの要素ごとに複数のパターンを用意し、実際のユーザー行動を比較することで、最も成果につながる構成を見つけ出しましょう。
特に、送信ボタンの色やテキスト、入力項目の削減・追加は、コンバージョン率に大きな影響を与えることが多いため、優先的にテストをおすすめします。
ツール選定とKPI設定
A/Bテストを効率的に実施するためには、適切なツールの選定が重要です。Google OptimizeやOptimizely、VWOなどのA/Bテスト専用ツールをはじめ、Googleアナリティクスのイベント計測機能を活用する方法もあります。ツール選定の際は、導入のしやすさ、計測精度、レポート機能、既存システムとの連携可否などを比較検討しましょう。また、テストの成果を正しく評価するためには、KPI(重要業績評価指標)の設定が不可欠です。
お問い合わせフォームの場合、主なKPIとして送信完了率・入力途中離脱率・平均入力時間・エラー発生率などが挙げられます。
改善サイクルを継続させるチーム体制
フォーム改善を継続的に行うためには、明確な役割分担とスムーズなコミュニケーションが取れるチーム体制が不可欠です。マーケティング担当者、デザイナー、エンジニア、カスタマーサポートなど、関係者が連携しながらPDCAサイクルを回すことで、ユーザー体験の向上と成果最大化を実現できます。定期的なミーティングやデータ共有、改善案のブレストを行い、仮説検証と施策実行を繰り返しましょう。
セキュリティ・法令・アクセシビリティ
お問い合わせフォームを安全かつ安心して利用してもらうためには、セキュリティ対策・法令遵守・アクセシビリティ対応が不可欠です。本章では、SSL/TLSによる通信の暗号化やスパム防止策、個人情報保護法やGDPRなどの法令対応、そして誰もが使いやすいフォーム設計のポイントについて、概要をまとめて解説します。
SSL/TLSと常時HTTPS化
お問い合わせフォームのセキュリティを確保するためには、SSL/TLSによる通信の暗号化が必須です。常時HTTPS化を実施することで、ユーザーが入力した個人情報や問い合わせ内容が第三者に盗聴・改ざんされるリスクを防げます。SSL証明書の導入は、SEOやユーザーの信頼性向上にもつながるため、フォーム設置時には必ず対応しましょう。
サーバーやCMSによっては、無料でSSL証明書を利用できるサービスもありますので、コスト面も考慮しながら導入を検討してください。
プライバシーポリシー・GDPR・改正個情法
お問い合わせフォームでは、個人情報保護法やGDPRなどの法令に対応することが重要です。取得する情報や利用目的、第三者提供の有無を明記したプライバシーポリシーを必ず掲載しましょう。また、必要に応じて同意チェックボックスを設置し、ユーザーの同意を得ることも大切です。法改正やガイドラインの変更にも注意し、定期的に内容を見直しましょう。
reCAPTCHA・Honeypot・WAF
お問い合わせフォームは便利なツールですが、スパム送信のターゲットになりやすい点に注意が必要です。スパム対策は、フォームの利用効率を維持するために不可欠な対策といえます。
効果的なスパム対策として、以下の方法が挙げられます。
対策方法 | 詳細 | メリット | デメリット |
CAPTCHA | ・画像認識や文字入力など、人間しか解けないテストを課すことで、自動送信プログラムをブロックする ・Google reCAPTCHAなどが広く利用されている | 効果が高く、広く普及しているため導入が容易 | ユーザー体験を阻害する可能性がある |
メールアドレスのバリデーション | ・入力されたメールアドレスが正しい形式であるかをチェックする ・不正な形式のメールアドレスは送信を拒否する | 簡単な実装で一定の効果を発揮 | 完全にスパムを排除できない |
honeypot(ハニーポット)の設置 | ・人間には見えないように配置された入力欄にスパムボットが記入すると、スパムと判定する | ユーザー体験を阻害しない | 高度なスパムボットには効果がない場合がある |
WCAG 2.2とキーボード操作対応
お問い合わせフォームを設計する際は、Webアクセシビリティガイドライン(WCAG 2.2)への対応が重要です。特に、視覚障がい者や肢体不自由者など、さまざまなユーザーが快適に利用できるよう、キーボード操作のみですべての入力や送信が完結できる設計を心がけましょう。ラベルの明示やコントラスト比の確保、エラーメッセージのわかりやすさなどもアクセシビリティ向上のポイントです。
フォーム作成時に生じるよくある疑問
お問い合わせフォームに関してよく寄せられる質問と、その回答例をまとめました。
スパムメールは増えない?
スパム対策として、reCAPTCHAやhoneypot、メールアドレスのバリデーションなどを導入することで、スパムメールの増加を抑制できます。ただし、100%防ぐことは難しいため、定期的な運用チェックも重要です。
入力確認ページは必要?
入力確認ページは、誤入力防止やユーザーの安心感向上に役立ちます。一方で、手間が増えることで離脱率が上がる場合もあるため、ターゲットやフォームの目的に応じて設置を検討しましょう。
スマートフォンで崩れた場合の対処法
スマートフォンでフォームが崩れる場合は、CSSのレスポンシブ設計や、各デバイスでの表示テストを徹底しましょう。主要ブラウザやOSでの動作確認も欠かせません。
フォームが送信できないときのチェックリスト
お問い合わせフォームを作成したら、必ずテストを行い、正しく動作するか確認しましょう。主なテスト項目は以下の通りです。
テスト項目 | テスト内容 |
各項目への入力 | すべての入力項目に正しい情報と誤った情報をそれぞれ入力し、正しく処理されるか確認する |
送信確認 | 送信ボタンを押下後、確認メッセージが表示されるか、メールが送信されるかを確認する |
エラー処理 | 必須項目への入力漏れや不正なデータ入力に対するエラーメッセージが表示されるか確認する |
スパム対策 | スパム対策が正しく機能しているか、テスト用のスパムメールを送信してブロックされるか確認する |
レスポンシブデザイン | スマートフォンやタブレットなどさまざまなデバイスで表示を確認し、レイアウトが崩れていないか確認する |
成果につながるフォームを今すぐ構築しよう
お問い合わせフォームを作成する目的は、Webサイトへのアクセス増加や顧客獲得、サービス改善といったビジネス上の成果を上げることです。
そのため、作成したお問い合わせフォームが本当に効果を発揮しているかを定期的に確認し、改善を続けることが重要です。また、Googleアナリティクスなどのツールを活用して、お問い合わせフォームの利用状況を分析することも大切です。どのページからフォームにアクセスしているのかやどのくらいの割合で送信されているのかといったデータに基づいて、改善策を検討していくことで、より効果的なお問い合わせフォームを実現できます。
お問い合わせフォームは、Webサイトの成功に大きく貢献する重要なツールです。今回紹介した知識を活かし、効果的なお問い合わせフォームを作成し、ビジネスの成果につなげていきましょう。
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