「ビジネスチャットを使いたいけど、コストは抑えたい……」そんな方は多いのではないでしょうか。しかし、無料版のビジネスチャットはどのような機能があるのか、有料版との違いは何なのかわからない方も多いことでしょう。
本記事では、無料ビジネスチャットの選択ポイントやおすすめしたい無料ビジネスチャット、有料版との違いをご紹介します。有料版への移行タイミングやメリット、そして失敗しないツールの選び方も解説しますので、ビジネスチャットの導入を少しでも検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
ビジネスチャットとは
ビジネスチャットとは、ビジネスシーンでの利用を目的とするコミュニケーションツールを指します。プライベートで使用するチャットツールのような手軽さを持ちながら、ビジネスに必要な機能が搭載されているのが特徴です。
従来のコミュニケーション手段であった電話やメールに比べ、ビジネスチャットはより迅速かつ効率的なコミュニケーションが可能です。
ビジネスチャットの導入は、企業の規模や業種を問わず、さまざまなメリットがあります。具体的には以下のような効果があります。
- 業務効率化:リアルタイムでの情報共有や意思決定が可能で業務がスピードアップ
- コミュニケーション活性化:部署やチームを超えたコミュニケーションが円滑になり、組織全体の連携が強化
- テレワークの推進:場所や時間にかかわらずスムーズにコミュニケーションが取れ、多様なワークスタイルを実現
社内外で実際に会話しているように円滑にコミュニケーションが取れることから、導入する企業が増えています。
ビジネスチャットの概要
ビジネスチャットとは、ビジネスシーンでの利用を目的として開発されたコミュニケーションツールです。社内はもちろん、社外とのやり取りにも利用できます。
これまで、対面や電話、メールを主流にコミュニケーションをおこなってきました。ビジネスチャットは、メールよりも手軽にメッセージを送信でき、コミュニケーションを円滑にできることから、導入する企業が増えつつあります。
近年、普及してきたテレワークで欠けがちな「ちょっとした内容を聞く」「答える」といった場面にも有効に活用可能です。現在、LINEを中心とした個人利用向けのチャットサービスが多く存在し、それらを導入している企業も少なくありません。しかしビジネスシーンにおいては、業務に特化したビジネスチャットが適していると言えます。
ビジネスチャットの無料・有料版の違い
無料版と有料版のビジネスチャットツールのそれぞれの主な違いは以下の通りです。
項目 | 無料版 | 有料版 |
ユーザー数制限 | あり | なし(または上位プランで増加可能) |
グループトーク数制限 | あり | なし |
ストレージ容量制限 | あり | なし(または上位プランで増加可能) |
機能 | 基本機能のみ | 高度な機能が利用可能 |
セキュリティ | 基本的な対策 | より高度なセキュリティ対策 |
サポート体制 | 限定的 | 豊富 |
無料版は、基本的なチャット機能やファイル共有機能などを利用できますが、ユーザー数やグループ数、ストレージ容量に制限があることが多いです。また、セキュリティ対策やサポート体制も限定的な場合があります。一方、有料版は制限が少なく、高度な機能や充実したサポート体制を利用できます。
どちらを選ぶべきかは、企業の規模や導入目的によって異なります。例えば、ビジネスチャットを使用する従業員数が少ない場合は無料版でも十分な場合がありますが、大人数での利用を検討しているならば有料ツールの方が最適です。
また、過去のやり取りを後から見返したい場合は、ストレージの容量に制限がかかっていない有料版のほうが使いやすいでしょう。
しかし、多くの機能が必要ない場合や、予算が限られている場合は無料版を選択するのも一つの方法です。
多くのビジネスチャットツールでは、無料プランが用意されています。まずは無料プランを試してみて、必要な機能や使い勝手を確かめてから、有料版への移行を検討するのがおすすめです。
ビジネスチャットのフリープラン・無料トライアルの違い
ビジネスチャットには、「フリープラン」と「無料トライアル」があることが多いです。どちらも無料で利用できるという点では共通していますが、いくつかの違いがあります。フリープラン・無料トライアルの違いは以下の通りです。
フリープラン | 無料トライアル | |
期間 | 無期限で利用可能(ツールによって異なる) | 一定期間のみ利用可能(例:30日間) |
機能制限 | 一部機能が制限されていることが多い | 有料版の全機能を試せる場合が多い |
ユーザー数制限 | 利用できるユーザー数に制限があることが多い | ユーザー数制限がない場合や、比較的多い場合がある |
目的 | 継続的な利用を前提とした基本的な機能の提供 | 有料版への移行を促すための体験 |
サポート | サポート体制が限定的な場合が多い | 有料版と同等のサポートを受けられる場合がある |
フリープランは、ビジネスチャットの基本的な機能を無期限で利用できるプランです。多くの場合、ユーザー数やストレージ容量、利用できる機能などに制限があります。小規模なチームや、ビジネスチャットを試験的に導入したい場合に適しています。ビジネスチャットの種類によっては利用期間が限られている場合があるため、導入の際には注意しましょう。
無料トライアルは、一定期間(通常14日~30日程度)有料版の全機能を無料で試せるものです。導入前に自社の業務フローに合うか、必要な機能が揃っているかなどを確認できます。本格的な導入を検討している場合に有効です。
どちらを選ぶべきかは、ビジネスチャットの利用目的や規模によって異なります。まずはフリープランで使い勝手を試し、より高度な機能が必要になった段階で無料トライアルを利用してみる、という流れもおすすめです。
無料ビジネスチャットの確認すべきポイント
無料のビジネスチャットツールを選ぶ際、単に「無料だから」という理由だけで選んでしまうと、後々不便が生じる可能性があります。自社のニーズに合ったツールを選ぶために、いくつかのポイントをしっかりと確認しましょう。
ユーザー数
無料プランで利用できるユーザー数を確認します。従業員数やビジネスチャットを利用する人数を考慮して、必要なユーザー数を満たせるツールを選ぶことが大切です。ユーザー数が上限を超えると、有料プランへの移行が必要になる場合があります。
グループトーク数
プロジェクトやチームごとにグループを作成する場合、グループトーク数の上限も確認が必要です。無料プランでは、グループトーク数に制限がある場合や、特定の数を超えるとグループを作成できなくなる場合があります。
プロジェクト数やチーム数を考慮して、必要なグループトーク数を満たせるツールを選びましょう。
セキュリティ対策
ビジネスで利用するチャットツールにとって、セキュリティ対策は非常に重要です。
ビジネスチャットには事業や業務に関する情報や機密情報に関する会話がおこなわれる可能性が高いため、無料プランであっても、一定レベルのセキュリティ対策が施されているかを確認しましょう。
具体的には、暗号化通信、アクセス制限、不正ログイン対策などが挙げられます。セキュリティ対策が不十分なツールは情報漏洩のリスクがあるため、注意が必要です。
サポート体制
無料プランの場合、サポート体制が限られていることが多いですが、最低限のサポートは受けられるか確認しておく必要があります。
例えば、FAQやヘルプページが充実しているか、メールや電話、チャットでの問い合わせが可能かなどを確認します。特に、初めてビジネスチャットツールを導入する場合や、ITに詳しくない従業員が多い場合は、サポート体制が充実しているツールを選ぶと安心です。
管理画面
ビジネスチャットツールを導入・運用する上で、管理画面の使いやすさは重要なポイントです。無料プランでも、ユーザー管理や権限設定など、基本的な管理機能が利用できるか確認しましょう。
管理画面が使いにくいと運用に手間がかかり、従業員の負担が増えてしまう可能性があります。
機能
無料プランで利用できる機能は、ツールによって異なります。自社に必要な機能が無料プランで利用できるか確認することが重要です。
例えば、チャットのほかにファイル共有やビデオ通話、タスク管理などの機能が必要な場合は、これらの機能が無料プランに含まれているツールを選びます。必要な機能が有料プランにしか含まれていない場合は、有料プランへの移行も検討する必要があります。
無料ビジネスチャットで活用できる主な機能
無料のビジネスチャットツールでも、基本的な機能を活用できることが多いです。本章では、多くの無料ビジネスチャットで利用できる主要な機能について解説します。
グループチャット機能
複数人でコミュニケーションを取るための機能です。プロジェクトやチーム、部署ごとにグループを作成し、情報共有や意見交換をスムーズにおこなえます。
無料プランでもグループチャットの作成数に制限がないツールであれば、コミュニケーションの活性化を促進できます。
ビデオ通話機能
テキストチャットだけでは伝わりにくいニュアンスや表情を共有できるビデオ通話機能は、リモートワークや遠隔地のメンバーとのコミュニケーション、取引先との打ち合わせなどに不可欠です。
無料プランでは、通話時間や参加人数が制される場合がありますが、簡単な打ち合わせや進捗報告には十分活用できます。
通知機能
通知機能は、新着メッセージやメンションをお知らせしてくれる機能です。デスクトップ通知やモバイル通知など、さまざまな通知方法に対応しているツールが多くあります。
メッセージを見逃さずリアルタイムなコミュニケーションが取れるように、通知機能が備わっているか確認しましょう。
複数デバイス対応機能
パソコンやスマートフォン、タブレットなど複数のデバイスからアクセスできるビジネスチャットであれば、場所や時間を選ばずにコミュニケーションを取れます。
移動中や出張先、リモートワークの場合でもコミュニケーションの活性化につなげられます。重要な情報を見逃し、返信が遅れることも避けられるでしょう。
メッセージ編集・検索機能
誤字脱字の修正や、過去の重要な情報を探し出す際に役立つメッセージ編集・検索機能は、誤った情報共有の防止や業務効率化に貢献します。
無料プランでは、検索できる期間やメッセージが制限される場合がありますが、基本的な検索機能は利用できることが多いです。
ファイル添付機能
ファイル添付機能は、ドキュメントや画像、動画などのファイルを共有できる機能です。企画書や報告書、デザインデータなどを簡単に共有し、共同作業を円滑に進められます。
無料プランでは、ファイルサイズやストレージ容量が制限される場合があります。
【比較表つき】無料で使えるビジネスチャットツール
ビジネスチャットツールは、日々の業務効率化に欠かせないコミュニケーションツールですが、数多くの選択肢の中から自社に最適なものを見つけるのは容易ではありません。ここでは、無料で利用できる主要なビジネスチャットツールを比較し、それぞれの特徴や機能を紹介します。
ツール名 | メッセージ保存数 | ストレージ量 | ユーザー数 | グループ数 | サポート体制 |
Slack | 90日間 | 5GB | 要問い合わせ | 無制限 | 要問い合わせ |
Chatwork | 制限あり | 10GB | 100人 ※管理できるユーザー数 | 7個 | ログインできない場合のみ問い合わせ可能 |
LINE WORKS | 要問い合わせ | 5GB | 100人 | 要問い合わせ | なし |
Microsoft Teams | 要問い合わせ | 5GB | 250人 | 要問い合わせ | Microsoft Teamsのコミュニティーでのサポート (電話・Webサポートなし) |
Google Chat | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
direct | 180日間 | 5GB | 10人 | 15個/人 | あり |
elgana | 6カ月間 | 5GB | 100人 | 10個 | FAQ・サポートボット |
チャネルトーク | 30日間 | 要問い合わせ | 30人(同時接続数) | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
Slack
Slack(スラック)は、世界中で利用されているビジネスチャットツールです。
チャネルと呼ばれるグループを作成し、プロジェクトやチームごとにコミュニケーションを整理できることが特徴で、複数人で連絡を取りたい方や、複数プロジェクトを進行したい方に向いているツールです。
無料プランでは、メッセージ履歴の閲覧やグループ通話の使用などに制限があります。しかし、無制限にチャンネルを作成できるため、無料でも十分な導入効果が得られるビジネスチャットと言えます。
Chatwork
Chatwork(チャットワーク)は、国内利用率No.1を誇るビジネスチャットツールです。大手企業を中心に約62万社(2024年12月末現在)が導入しています。
Chatworkの特徴は、Gmailなどと連携できることです。ほかのアプリの通知をChatWorkにて受け取れるように設定すれば、確認作業を効率化できます。ほかのビジネスツールとも連携して使いたい場合や、社外とのやり取りに活用したい場合におすすめです。
無料版はトークルームの数や追加できる連絡先の数が限られているため、やり取りの量が多い方は有料版に切り替えることをおすすめします。
LINE WORKS
LINE WORKS(ラインワークス)は、は、LINEと似たインターフェースを持つビジネスチャットツールです。使い慣れたLINEの操作感で、ビジネスにおいてもコミュニケーションを円滑に進められることが特徴です。
無料プランでは、チャットのほかカレンダー機能やタスク管理機能、アンケート機能など基本的なものが利用できます。ユーザー数やビデオ通話の人数、時間などには制限があります。また、サポート窓口がないことにも注意が必要です。
Microsoft Teams
Microsoft Teamsは、Microsoft 365(旧Office 365)との連携に強みを持つビジネスチャットツールです。
無料プランでも、チャットはもちろん、ビデオ会議機能やファイル共有機能を利用できます。ビデオ会議は1度に100人まで参加できるため、チャットだけでなくビデオ会議も頻繁におこなう企業におすすめなツールです。
Google Chat
Google Chatは、Google Workspaceに含まれるビジネスチャットツールです。GmailやGoogleドライブ、GoogleカレンダーなどのGoogleアプリと連携し、情報共有やスケジュール調整をスムーズにおこなえます。
有料のGoogle Workspaceを利用している企業は、追加コストなしで導入できる点が魅力です。個人で使用する場合には、メッセージの編集や削除などの機能が制限されています。
direct
directは、建設業や製造業などの現場での利用におすすめのビジネスチャットツールです。簡単操作であるため、現場で働く人の年齢やITリテラシーが異なっていても安心です。
一部制限はあるものの有料プランと同じ機能を利用できるため、10名までの少人数で手軽に利用したい場合は十分に活用できます。操作に不安がある場合も有料プラン同様のサポートを受けられることもうれしいポイントです。
elgana
elgana(エルガナ)は、は、NTTグループが提供するビジネスチャットツールで、高いセキュリティレベルが特徴です。
利用できるユーザー数は100人まで、トークルーム数は10ルームまでと比較的多いため、操作や機能面を試してみたい方におすすめです。充実したサポートを受けたい場合やAPI連携をしたい場合は、有料版への移行を検討しましょう。
チャネルトーク
チャネルトークは、は、顧客対応に特化したビジネスチャットツールです。Webサイトやアプリにチャット機能を埋め込み、顧客からの問い合わせにリアルタイムで対応できることが特徴です。
最大同時接続数が30人まで、ビデオ会議は1時間までと制限はありますが、基本的なチャット対応に必要な機能は備わっているため、シンプルな機能で顧客対応したい場合におすすめできます。
【比較表つき】無料トライアルのあるビジネスチャットツール
ビジネスチャットツールを導入したいけれど、いきなり有料版を契約するのは不安……という方もいるのではないでしょうか。そんな方におすすめなのが、無料トライアル期間が設けられているビジネスチャットツールです。実際に使用感を試してから導入を検討できるので、自社に最適なツールを選びやすくなります。
本章では、無料トライアルのあるビジネスチャットツールを比較形式でご紹介します。
ツール名 | 無料トライアル期間 | メッセージ保存数 | ストレージ量 | ユーザー数 | グループ数 | サポート体制 |
ChatLuck | クラウド版:30日間 パッケージ型:60日間 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
WowTalk | 2週間 | 要問い合わせ | 50GB | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 電話・メール・フォームに対応 |
Talknote | 2週間 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
ChatCo! | 10日間 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
Tocaro | 1カ月 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
DiSCUS | 2カ月 | 要問い合わせ | 1GB/人 | 30人 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
ChatLuck
ChatLuck(チャットラック)は、大手企業向けのビジネスチャットツールです。クラウド版のほか、自社サーバーにて運用できるパッケージ型の取り扱いもある柔軟な対応が特徴です。クラウド版は30日間、パッケージ型は60日間の無料トライアルがあります。
アクセス権限やネットワークポリシーの設定などセキュリティ対策が充実しているため、有料版に移行した後も安心して利用できます。
WowTalk
WowTalk(ワウトーク)は、ビジネスチャットだけでなく、社内SNSとしても活用できるツールです。チャットのほか、安否確認機能やAI機能など多様なサービスを提供していることが特徴です。
無料トライアルでは、AI機能やトーク検索、タスク管理、無料通話など有料プランのサービスを2週間試せます。
Talknote
Talknoteは、情報共有に強みを持つビジネスチャットツールです。
ノート機能やタスク管理機能などを活用することで、組織課題の解決や従業員のエンゲージメント向上が期待できます。無料トライアル期間は14日間です。
ChatCo!
ChatCo!は、中小企業向けビジネスチャットツールです。低コストでシンプルな機能のサービスを受けられることが特徴です。また、導入サポートが充実しているため、はじめてビジネスチャットを利用する方におすすめです。
無料トライアル期間は10日間で、有料プラン移行時にはトライアルで登録した情報を利用できます。
Tocaro
Tocaroは、導入実績3000社以上のビジネスチャットツールです。チャットやファイル共有に限らず、タスク管理やワークフローなどさまざまな機能がついていることが特徴です。
無料トライアル期間は1カ月間のため、操作性や機能面、サポート体制をしっかりとチェックできます。
DiSCUS
DiSCUSは、セキュリティ対策が充実したビジネスチャットツールです。また、シンプルな設計であることも特徴で、安全性も使いやすさも実現していることが特徴です。
無料トライアルでは30ユーザーが利用できる上、すべての機能を試せることができます。有料プランへの移行時も情報を引き継ぐため、スムーズに運用を開始できます。
無料のビジネスチャットツール利用がおすすめなケース
無料のビジネスチャットツールは、コストを抑えつつコミュニケーションを効率化したい場合に最適です。特に、以下のようなケースでは、無料版のビジネスチャットツールを積極的に活用することをおすすめします。
小規模チームやスタートアップ企業
従業員数が少ない企業や立ち上げ初期のスタートアップ企業は予算が限られている場合があります。無料のビジネスチャットツールであれば、初期費用や月額費用を抑えながらチーム内のコミュニケーションを円滑に進められます。
特定のプロジェクトチームでの利用
部署を跨いだプロジェクトや一時的なチームでのコミュニケーションツールとして、無料版のビジネスチャットツールは有効です。プロジェクト終了後には、ツールの利用を停止することも容易なため、柔軟な対応が可能です。
トライアルでの利用
本格的な導入前に無料版のビジネスチャットツールを試用することで、自社のニーズに合っているかどうかを評価できます。複数のツールを比較検討し、最適なツールを選定するための判断材料として活用できます。
外部との連携が少ない場合
社外とのやり取りが少なく、社内でのコミュニケーションが中心となる場合、無料版のビジネスチャットツールでも十分な機能を提供できることがあります。
基本的なチャット機能で十分な場合
高度な機能やカスタマイズ性を必要とせず、基本的なチャット機能(テキストメッセージ、ファイル共有など)で十分な場合は、無料版のビジネスチャットツールで対応可能です。
無料ビジネスチャットツールのデメリット
無料のビジネスチャットツールは導入のハードルが低く、手軽に始められる点が魅力ですが、利用にあたってはいくつかのデメリットも考慮する必要があります。無料ビジネスチャットツールのデメリットを解説します。
機能制限
無料版では、メッセージの保存期間やストレージ容量、利用できる機能などが制限される場合があります。例えば、過去のメッセージが参照できないことや、ファイル共有できる容量が少ないことがあります。
ユーザー数制限
無料版では、利用できるユーザー数に制限がある可能性が高いです。従業員数が多い企業では、無料版では対応できない場合があります。
セキュリティの懸念
無料版では、有料版に比べてセキュリティ対策が十分でない場合があります。企業の機密情報を扱う場合には、セキュリティ対策が万全な有料版を検討しましょう。
サポート体制の弱さ
無料版では、サポート体制が整っていない場合があります。トラブルが発生した場合に、自力で解決しなければならないケースがあるため、注意が必要です。
広告表示
無料版では、画面に広告が表示される場合があります。業務中に広告が表示されることで、集中力が途切れるなど業務に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
BYOD(私物デバイスの業務利用)問題
企業や現場でビジネスチャットなどのツールに費用をかけられない場合、無料で利用できるビジネスチャットはBYOD問題の対策として有効な手段となり得ますが、セキュリティ面で注意が必要です。
暗号化が提供されているか、アクセス制御機能が充実しているかなど、セキュリティ機能を十分に確認してから導入することが重要です。また、利用規約やプライバシーポリシーを精査し、データの取り扱いについても確認しておきましょう。
有料版ビジネスチャットへの移行タイミング
ビジネスチャットの利用状況によっては有料版への移行を検討する必要があります。移行のタイミングを見極めることで、より効率的なコミュニケーション環境を構築できます。
有料版ビジネスチャットへの移行を検討すべき主なタイミングは以下の通りです。
- ユーザー数の増加: 従業員数が増加し上限を超える場合
- ストレージ容量の不足: 業務に必要なファイルを共有する際に容量不足を感じる場合
- 機能の拡張ニーズ: 高度なセキュリティ機能や詳細な管理機能が必要になった場合
- セキュリティ強化の必要性: 無料プランのセキュリティ機能が限定的な場合や、強固なセキュリティ対策が必要な場合
- サポート体制の充実: トラブル発生時や操作方法に関する質問など、迅速なサポートが必要な場合
- 会社の規模拡大: 無料版では対応しきれない部分が出る可能性がある場合
上記以外にも、自社の状況に合わせて、有料版への移行を検討するタイミングは異なります。定期的に利用状況を見直し、最適なプランを選択することが重要です。
まずは無料版でビジネスチャットを試してみて、タイミングよく有料版へ移行するのもおすすめです。
有料版ビジネスチャットツールのメリット
無料のビジネスチャットツールは、手軽に導入できるため魅力的ですが、利用していく中で機能や容量の不足を感じることもあるでしょう。そのような場合に検討したいのが有料版への移行です。本章では、有料版ビジネスチャットツールの主なメリットについて解説します。
ユーザー数や機能に制限がない
無料版のビジネスチャットツールでは、利用できるユーザー数やグループ数、機能に制限が設けられていることが一般的です。例えば、特定の期間のメッセージ履歴しか閲覧できないことや、ファイルストレージ容量が少ない場合があります。
有料版へのアップグレードで制限がなくなり、ユーザー数や利用頻度を気にすることなく、ビジネスチャットを最大限に活用できます。
特に、従業員数が多い企業やプロジェクトごとに多数のグループを作成する必要がある企業にとっては、ユーザー数やグループ数の制限がない有料版がおすすめです。また、メッセージ履歴を長期にわたって保存したい場合や、大容量のファイルを共有したい場合にも、有料版の利用が適しています。
ストレージを追加できる
ビジネスチャットでは、日々の業務で発生するさまざまなファイルを共有することがあります。無料版では、ストレージ容量に上限があるため、ファイル数が増えるにつれて容量不足となる可能性が高いです。
有料版では、ストレージ容量が無制限で追加できるオプションが用意されていることが多く、ストレージ不足の問題を解消できます。
画像や動画、ドキュメントなど、さまざまな種類のファイルを頻繁に共有する企業にとっては、ストレージ容量の拡張性は非常に重要な要素だと言えます。
セキュリティ対策が徹底されている
ビジネスチャットは、機密情報や顧客情報など重要な情報を取り扱うツールです。無料版のビジネスチャットツールでも、一定のセキュリティ対策は施されていますが、有料版では、さらに高度なセキュリティ対策が提供されていることが一般的です。
例えば、二段階認証やIPアドレス制限、監査ログ機能、データ暗号化などの機能が利用できる場合があります。不正アクセスや情報漏洩のリスクを低減し、より安全にビジネスチャットを利用できます。
情報セキュリティ対策を重視する企業や金融機関や医療機関など、特に機密性の高い情報を取り扱う企業にとっては、セキュリティ対策が充実した有料版のビジネスチャットツールが必要です。
サポート体制が充実している
ビジネスチャットツールの利用中に、操作方法がわからなくなりトラブルが発生する可能性があります。無料版のビジネスチャットツールでは、サポート体制が限定的である場合が多く、問題解決に時間がかかることもあるでしょう。
有料版では、メールや電話、チャットなど、さまざまな方法でサポートを受けることができ、迅速な問題解決が期待できます。
また、導入支援や運用コンサルティングなど、より手厚いサポートを受けられるサービスもあります。ビジネスチャットツールの導入や運用に不安がある企業にとっては、サポート体制が充実した有料版がおすすめです。
失敗しないビジネスチャットツールの選び方
本章では、無料・有料に限らず失敗しないビジネスチャットツールの選び方を解説します。
自社に必要な機能が備わっている
ビジネスチャットツールを選ぶ上で最も重要なのは、自社の業務に必要な機能が備わっているかどうかです。
ビジネスチャットの主な機能は以下の通りです。
- 通知設定:ビジネスチャットの通知の有無が設定可能
- 管理機能:社員のビジネスチャットの利用状況をデータで管理できる
- 既読機能:相手がメッセージを読んだかどうかを確認できる
- 連携機能:他ツールと連携できる(自社が使用するツールと連携できるか確認)
- タスク管理:To Doリストなどのタスクの作成ができる
- ビデオ通話:ツール一つで顔合わせしながら会話ができる
- 検索機能:履歴から知りたい情報が記載されたメッセージを探せる
- スケジュール調整:カレンダーを共有してスケジュールを確認できる
自社に必要な機能を明確にせず、ビジネスチャットをなんとなくで選んでしまうと、無駄なコストを支払うことになり、操作が難しく使いこなせないものを選んでしまう可能性があります。
導入前に、各ツールの機能を比較検討し、自社のニーズを十分に満たせるツールを選びましょう。
操作がシンプルかつ簡単
ビジネスチャットツールを選ぶ際は「画面が見やすく操作が簡単であるか」を確認します。多機能なツールでも、操作が複雑で使いにくい場合、従業員の利用が進まず、業務効率化の効果が出ない可能性があります。特にITやデジタル機器への苦手意識が強い社員がいる場合には、注意が必要です。
無料トライアルなどを活用し、実際にツールを操作してみて直感的でわかりやすいインターフェースであるかを確認しましょう。また、ITスキルに自信のない従業員でも容易に使いこなせるツールを選ぶことが重要です。
コストが機能に対して見合っている
ビジネスチャットを導入する際は、「コストが機能に対して見合っているか」を確認しましょう。機能面や操作性に満足していても、コストがかかり過ぎてしまうと継続した運用が難しくなる可能性があります。
複数のツールの費用・機能を比較して、自社の求める効果を得られるかをチェックすることが大切です。
社内・社外のどちら向きか確認する
ビジネスチャットツールには、社内コミュニケーションに特化したものと、社外との連携を重視したものがあります。そのため「社内・社外どちらをメインに使いたいのか」を明確にした上で、適したツールを選ぶことが大切です。
社内での使用を検討しているなら、チームでのコミュニケーションの取りやすさや気軽さを重要視することがおすすめです。
一方で社外での利用を検討しているのであれば「ツールのシェア率はどれくらいあるか」「権限の付与ができるか」を確認すると良いでしょう。
マルチデバイスに対応している
現代のビジネスシーンでは、PCだけでなく、スマートフォンやタブレットなど、さまざまなデバイスでビジネスチャットを利用する機会が増えています。場所や時間にとらわれず円滑なコミュニケーションを実現するために、マルチデバイスに対応しているツールを選ぶことが重要です。
また、同一アカウントで同時ログインがどのくらいできるのかにも着目するとより失敗しないビジネスチャットを選択できます。「自社ではどの端末での利用が多いのか」を事前に明確にして、導入を検討しましょう。
セキュリティ対策が万全
ビジネスチャットツールは、機密情報や個人情報などの重要なデータを扱うため、セキュリティ対策が万全である必要があります。暗号化通信やアクセス制限、監査ログなどのセキュリティ機能が搭載されているかを確認します。またセキュリティに関する認証を取得しているかどうかも、判断基準のひとつです。
その他、ツール内のデータをどこに保管しているのか、端末が故障・紛失した際にも情報にアクセスできるかなどについても確認しておくと安心です。
無料トライアルが充実している
ビジネスチャットツールを導入する前に、無料トライアル期間を利用して実際に使用感を試すことがおすすめです。無料トライアル期間が充実しているツールであれば、導入後のミスマッチを防げます。
その際に無料トライアルの期間などにも注意が必要です。無料トライアル期間が短く、使える機能に制限があると、本当に自社に合っているのかが判断しにくいでしょう。
「無料トライアルの期間でビジネスチャットの導入の検討がしっかりとおこなえるのか」「すべての機能を体験できるのか」など具体的な部分もチェックしましょう。
必要な機能を十分に検証できれば、自社に最適なツール選びにつながります。
無料ビジネスチャットを賢く活用して、円滑なコミュニケーションを促進しよう
無料のビジネスチャットツールは、コストを抑えながらもチーム内のコミュニケーションを円滑にするためにおすすめなツールです。しかし、場合によっては有料版への移行が望ましいこともあります。
自社にビジネスチャットを導入する際は、無料版・有料版に限らず、「自社に必要なビジネスチャット」を見極めて導入を検討することが大切です。
また、弊社サンソウシステムズが提供する「さっとFAQ」では、LINE WORKSやInCircleなどのビジネスチャット上での使用が可能です。LINE WORKS上で、社内向けのFAQを設置するなど、各社員における疑問の自己解決を促せ、業務効率化にも役立ちます。
月額1万円からの低価格で、30日間の無料トライアルもご用意しておりますので、気になる方はぜひお問い合わせください。