Webサイトを通してサービスや商品を提供している企業において、リピート率の数値を毎月分析している企業も多いのではないでしょうか。
しかし「なかなかリピート率が上がらない」という場合も少なくありません。そこには何らかの原因が隠れています。リピート率を下げている原因を特定し、改善のための対策を取る必要があります。
本記事では、リピート率を下げてしまう理由を紹介し、リピート率を上げる方法を解説します。
また、リピート率を改善するツールとしてチャットボットもおすすめです。顧客からのお問い合わせ対応を自動化することで、顧客満足度を向上させることができます。
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リピート率とは
リピート率とは、新規顧客のうちリピート購入をしてくれた顧客の割合を指します。リピート率の計算式は以下の通りです。
リピート率=ある期間内にリピート購入した顧客数÷ある期間内の新規顧客数×100
たとえば一カ月の新規顧客数が100人いて、そのうちの30人がリピート購入をしてくれた場合、
30÷100×100=30%
という計算で、リピート率は「30%」となります。
業種によりリピート率の平均値が異なるため、20%でも高いという業種もあれば、20%では非常に低いという業種もあります。したがって、毎月のリピート率を算出し続けて自社の平均値を導いたほうが良いでしょう。
リピート率が下がっていくということは、一度きりの購入で取引を終えてしまった顧客が増えているということです。逆にリピート率が上がっていけば、顧客が満足できる商品やサービスを提供できていると判断できます。
リピーター率とは
リピート率と混同されやすい言葉が「リピーター率」です。
リピーターとはリピート購入してくれた顧客のことを意味し、リピーター率とは全顧客のうちのリピーターの割合を示します。以下の計算式で求められます。
リピーター率=ある期間内のリピーター数÷ある期間内の全顧客数×100
リピート率とリピーター率はどのような違いがあるのでしょうか。
リピート率とリピーター率の違い
リピート率とリピーター率は似ているようで、大きな違いがあります。リピート率は新規顧客のうちのリピーターの割合ですが、リピーター率は新規顧客だけでなくリピーターも含んだ全顧客のうちのリピーターの割合です。
リピーター率は高いほど良いとは言い切れません。というのも、新規顧客数が少ない場合にも、リピーター率は高い数値になるからです。リピーター率の数値だけを見るのではなく、新規顧客数やリピーター数などの数値にも着目する必要があります。
それゆえ一般的にリピーター率よりもリピート率を重視すべきと言われていますが、ビジネスにとってはどちらも大事な指標なので、数値の変動を見ながら分析していきましょう。
リピート率が低い理由
リピート率が低いことには何らかの理由があります。理由を特定することで、対策を打ち出しましょう。
商品・サービスの質が低い
商品・サービスの質が低く、顧客の満足度が低いとリピート購入にはつながりません。
たとえば飲食店で食事の味やスタッフの接客に不満があると「もう一度行きたい」とは思わないでしょう。またスタッフによって調理する食事の味や接客態度の質が均一ではないことも、顧客の満足度を低下させます。
そういった情報はSNSや口コミサイトなどで簡単に拡散されてしまうため、注意しなければいけません。
課題を解決できなかった
商品・サービスの質が高くても、顧客の課題を解決できない場合もリピートにはつながりません。
たとえば業務効率化のために仕事用のアプリをダウンロードしたとします。しかしアプリの設定が複雑だと、本来の課題である業務効率化を解決できないどころか、むしろ効率性を低下させる可能性もあります。アプリの品質が高くても顧客の課題を解決できなければ、継続的な利用は見込めないでしょう。
競合に乗り換えた
リピート率が低い理由に、競合への乗り換えも考えられます。
市場が成熟している現代の日本では、類似した商品・サービスが複数流通しています。そのため競合と差別化できるポイントがなければ、市場に埋もれて競合に顧客を取られてしまうのです。
とは言え、モノがあふれている現代では、機能面やサービス面で差別化を打ち出すことが難しいのも実情です。その場合はブランド力や信頼などで差別化を図りましょう。
休眠顧客になってしまった
休眠顧客が多いこともリピート率が低い原因です。
休眠顧客とは、過去に購入したものの、その後の購入にはつながらない顧客を指します。そのうち多くを占めるのが「その商品・サービスのことを忘れてしまった」という理由です。
休眠顧客にならないよう、定期的に情報発信をしてコミュニケーションを取る必要があります。
リピート率を上げる方法
それでは、リピート率はどのようにして上げるのでしょうか。具体的な方法を紹介します。
商品・サービスの質を改善する
商品・サービスの質が低くてリピート率が下がっている場合は、質を改善することでリピート率にも影響する可能性が高いです。
しかし一旦「あの会社の商品は質が悪い」というイメージがついてしまうと、質を改善したとしても購入してもらえるとは限りません。そこで、どのように質を改善したかをプロモーションして認知してもらうことで、再び購入してもらえるよう働きかけます。
リピーター向けのキャンペーンを行う
リピーター向けのキャンペーンも、リピート率を上げる方法として有効です。
たとえばインターネットショッピングをした際「次回購入時に20%オフ」といった割引クーポンを入手したことがある人も多いのではないでしょうか。このようにリピーター向けのキャンペーンは、顧客の購買意欲を刺激してリピート購入を促します。
会員制度を作る
リピート率を上げるために、会員制度を導入している企業も多く見られます。
「スタンプが10個たまったら、好きな商品をプレゼント」「10回来店すると、次回は半額」などの会員向けサービスは、顧客の来店や購入を促す効果があります。
また会員限定のポイントサービスで購入時にポイントを付与する制度も、リピーターを増やすには効果的です。
SNSで情報を発信する
SNSユーザーが爆発的に増えている現代では、企業がSNSで情報発信を行うSNSマーケティングが注目を集めています。
SNSで新商品の告知やセールのお知らせなどの情報を発信し、顧客の来店や商品購入のきっかけを作ります。
またSNSはコメントなどで顧客とコミュニケーションを取ることもできるため、顧客との信頼関係を築くにも最適です。
メルマガを配信する
ターゲットとなる顧客層によっては、SNSよりもメルマガが有効な場合もあります。
メルマガはHTML形式で作成すると、文字を装飾したり画像を挿入できたりするため、より訴求力を高められます。
ただしメルマガを配信する際には、配信解除の導線を設定したり、送信者の名称や住所を表示したりするなど、特定電子メール法に基づいた対策が必要です。
One to Oneの対応をする
すべての顧客に同じ対応をするよりも、一人ひとりの顧客に合わせたOne to Oneの対応は、より顧客満足度を高めます。
たとえば登録された会員情報や過去の購入履歴からパーソナライズして情報発信する方法があります。誕生日や記念日などの特典クーポン、初回購入から1カ月以内に使えるスペシャルクーポンなど、顧客に合わせた施策を取ることでより効果が期待できるでしょう。
アフターサポートを手厚くする
顧客の継続的な利用を促したい場合は、アフターサポートも重要です。
使い方がわからなかったり、使っていてもなかなか成果が出なかったりすると、顧客は離れてしまいます。手厚くアフターサポートすることで顧客をつなぎとめ、リピート購入を促します。
ツールを活用する
リピート率を上げるためには、ツールの活用も効果的です。
たとえばCRMやMAなどのツールで、顧客の属性や過去の取引履歴を分析することで、どのような顧客がリピーターになっているのかという傾向をつかめます。
また顧客からの問い合わせに迅速に対応するために、チャットボットの活用もおすすめです。リアルタイムで回答を得られれば、顧客の満足度を向上させる効果があるでしょう。
リピート率が上がることによるメリット
リピート率を上げる方法を紹介しましたが、リピート率が上がることでどのようなメリットを得られるのでしょうか。主なメリットを3つ紹介します。
売上が上がる
リピーターは自社商材に満足してくれているため、その後の継続的な購入も見込める層です。そのためリピート率を上げることで、売上にも好影響が期待できます。
マーケティングでは有名なパレートの法則(80:20の法則)にあるように「売上全体の80%は、顧客全体の20%にあたる優良顧客が作り出している」と言われています。つまり優良顧客の購入単価を向上させることで、企業の売上も上がる仕組みになっています。リピート率を上げることで優良顧客の数も増やしていけるのです。
顧客獲得コストを抑えられる
コスト面から見ても、リピート率を上げることは有効です。
「1:5の法則」の通り、新規顧客獲得コストは既存顧客維持コストの5倍かかると言われています。そのため次々と新規顧客を獲得するよりも、新規顧客を獲得できたらリピート購入し続けてもらうよう取り組んだほうが、コストの負担が少なくなるのです。
良い口コミを広げてくれる
リピート購入してくれる顧客は、商品・サービスに対しての満足度が高いとも言えます。それゆえ家族や友人に紹介してくれたり、SNSなどで口コミを発信してくれたりします。
リピーターが良い口コミを広げてくれれば、企業は多大な広告費をかけなくても新規顧客獲得やブランディングなどが可能です。
リピート率を上げて売上アップ
リピート率を上げるためには、商品・サービスの質はもちろんのこと、リピート購入したくなる工夫が必要です。会員特典やSNSでの情報発信、ツールによる分析やコミュニケーションなどを行い、リピート率を上げる取組みをしましょう。
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