Webサイトの運営をしている中で、離脱率や直帰率という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。離脱率と直帰率の改善は、CV(コンバージョン)の獲得や向上に大きくつながります。
この2つの言葉は、意味が似ていることから混同してしまうことも多いかもしれません。
今回の記事では、Webサイトにおける離脱率と直帰率の違いについて説明し、それぞれを改善するためのポイントや各業種の平均値を紹介します。
直帰率の改善にはチャットボットの導入もおすすめです。弊社サンソウシステムズでは、月額1万円からスタートできる「さっとFAQ」をご用意しております。
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離脱率と直帰率の違いとは?
Webサイトの離脱率や直帰率の数字が大きいということは、何らかの原因により、ユーザーがサイトに満足していない状況が高いでしょう。
離脱率と直帰率、言葉は似ていますが異なる意味を持ちます。まずは、この2つの意味から解説していきます。
離脱率とは?
離脱とは、ユーザが閲覧しているページから離れて他のサイトへ移行することです。他のサイトへ移行する以外にも、離脱と見なされるケースがあり、具体的には以下のような場合です。
- 他のサイトへ移動する
- ブラウザを閉じる
- 30分間何の操作もされない
- 午前0時を過ぎる
離脱率は、そのページを最後にしてユーザーがサイトを離れた割合を指します。通常、それぞれのページでの離脱率を測定してページの問題がないかを調べます。
離脱率の計算方法
離脱率は、ページごとに算出する場合、該当のページで離脱したセッション数からPV数を割ることで求められます。PV数はホームページの閲覧回数のことです。
離脱率 = 離脱数 ÷ PV数(ページの閲覧回数)
直帰率とは?
直帰率とは、サイトに訪れたユーザが他のページに遷移せずにサイトを離れてしまう割合です。
サイトを訪れたユーザーは、サイトのトップページや最初のページを閲覧した後に他のページへと遷移しますが、他のページに遷移せずに、そのままサイトを離れてしまうということは、そのページに何かしらの問題があるのかもしれません。
直帰率の計算方法
直帰率も離脱率と同様、ページごとに算出します。該当のページで直帰した数からセッション数を割ることで算出できます。セッションとは、ユーザがウェブサイトを訪問してから離脱するまでの一連の流れです。サイトを訪問してから離脱するまでを1セッションとカウントします。
直帰率 = 直帰数 ÷ セッション数
離脱率と直帰率の解析方法
次に、Webサイトの離脱率の直帰率を解析する方法を見ていきましょう。Webサイトの離脱率と直帰率の解析にはGoogle Analytics(グーグルアナリティクス)の使用がおすすめです。
この項では、Google Analyticsの使用方法や業種・ページ別の目安について紹介していきます。
Google Analytics(グーグルアナリティクス)の使用
Google Analytics(グーグルアナリティクス)は、Googleが提供するWebサイトを解析するためのツールです。
多くの機能があり、無料で利用できるため、多数の企業サイトで導入されています。
Google Analyticsで離脱率と直帰率を確認したい場合は、メニューバー「行動」>「サイトコンテンツ」>「すべてのページ」から、ページごとの「離脱率」と「直帰率」を確認可能です。(ユニバーサルアナリティクスタグの場合)
離脱率と直帰率の目安
離脱率や直帰率は、業種やWebサイトのページの種類により大きく異なります。
とくに離脱率は、ユーザーの行動パターンが無限に存在するため、目安となる平均値を取得するのは難しくなります。そのため、自社サイトの離脱率の推移を比較していき、低下の傾向にあるようなら、該当のページを改善するように検討ましょう。
なお、業種別のWebサイト直帰率は以下の通りで、平均値は概ね50%前後です。
金融サービス 53%
病院・ヘルスケア 54.96%
医療機器・医薬品 55.33%
不動産 57.47%
コンピューターソフトウェア 60.76%
ヘルス・フィットネス関連 63%
ITおよび関連サービス 64.21%
経営コンサルティング 67.49%
次に、Webサイトの種類別に直帰率を見てみましょう。
ランディングページ 60〜90%
辞書・ポータルサイト 65~90%
コンテンツサイト 35〜60%
リードジェネレーションサイト 30~55%
B2B 25〜55%
EC 20~45%参考:Bounce Rate Benchmarks: What’s a Good Bounce Rate, Anyway?
ランディングページは、特設ページとして単体で作られることが多く、そのページだけを見てもらい、CV(コンバージョン)につなげることを目的としています。そのため、直帰率は比較的高くなります。
ECサイトでは、ユーザーが購入前に他の商品と比較するために、いくつかのページを複数回移動するため、直帰率は低くなる傾向にあります。
離脱率が高い原因
次に離脱率に注目してみます。まずは、原因から見てみましょう。今回紹介するのは以下の4つです。
- 求めている情報がない
- 入力フォームの項目が多い
- サイトの信頼度が低い
- ページが見づらい
求めている情報がない
サイトの離脱率が高い原因として、訪れたユーザーの求めていた情報がなかったという理由があげられます。
これを判断するには、ユーザーの滞在時間に着目してみましょう。サイトの滞在時間が短い場合には、求めている情報が無かったり、思っていたページと異なっていたりなどの理由で離脱しているかもしれません。
入力フォームの項目が多い
お問い合わせのページや商品購入のページで、入力項目が多い場合も離脱率が高くなります。入力項目が多いと入力に時間がかかるため、面倒だと感じるユーザーが多くなり途中離脱してしまいます。
ユーザーは、入力になるべく手間をかけたくないと考えています。むやみに個人情報を入力することに抵抗感を抱くユーザーも多いでしょう。そのため、入力フォームでの離脱率は比較的高くなりますが、入力項目を必要最低限にすることで離脱率を改善できる可能性もあります。
サイトの信頼度が低い
現代では、個人情報の取扱いやコンプライアンスが重視されるようになりました。
ECサイトなど、代金の支払いをするサイトでは、ユーザーはクレジットカード情報などの大切な個人情報を入力します。このときに、サイトの信頼度が低いとユーザーは入力せずに離脱します。
信頼を得るには、ユーザーが「このサイトは危ないな、なんか変だな」と思わせるような項目を潰していく必要があるでしょう。
ページが見づらい
先の項で「求めている情報がない」という原因を紹介しました。しかし、求めている情報があるにもかかわらず、離脱率が高い場合は、サイトの見やすさに問題があるかもしれません。
文字サイズや画像、CTAボタンはターゲットが見やすいようなデザインになっているでしょうか?見やすさに欠けるデザインになっていると、閲覧しているユーザーはストレスを感じ、離脱してしまいます。
自社のサイトの見やすさはどうか、今一度確認してみましょう。
直帰率が高い原因
続いて、直帰率が高い原因について見ていきましょう。
- ページの読み込み速度が遅い
- タイトルとページの内容が相違している
- サイトの操作性が悪い
- 導線がわかりにくい
以上の4つです。一つずつ解説していきます。
ページの読み込み速度が遅い
ページの読み込み速度が遅いサイトは、ユーザーのストレスを最も大きくさせるといっても過言ではないでしょう。
サイトの読み込みが遅い場合、ユーザーはサイトの内容を目にすることなく直帰してしまいます。どんなに良い施策を施したとしても、それに目も通してもらうことすらできない状況を意味します。
タイトルとページの内容が相違している
検索画面で表示されるタイトルとページの内容が相違している場合、ユーザーはこのサイトには求めている情報がないと判断してすぐにサイトから離れてしまいます。
SEOのキーワード選定の段階でタイトルを決定している場合は、タイトル内だけでなく、ページの中にもキーワードを含むようにして内容の相違を防ぎましょう。
サイトの操作性が悪い
サイトの操作性とは、操作の方法が直感的にわかりづらいということです。メニューバーの操作が分かりづらい、CTAボタンが使いづらいなどが挙げられます。
この場合ユーザーは、したい動作ができずにストレスが貯まるため、離脱してしまいます。とくにCV(コンバージョン)に直接つながるような購入ボタンや資料のダウンロードボタンは大きくして目立つよう、わかりやすいようにすることが必要です。
導線がわかりにくい
サイトの導線とは、サイトを訪れたユーザーを最終的なゴールへ導くための道順です。ユーザーが動きやすいような道筋を用意し、ゴールまで最短でたどり着けるような工夫が必要です。
しかし、次に何をするのか誘導できていないサイトでは、ユーザーが次の行動に迷ってしまい、直帰へとつながってしまいます。
離脱率を改善するためのポイント
次に、サイトの離脱率を改善するポイントを紹介します。離脱率はユーザーの目線に立ち、サイトの見やすさや使いやすさを見直すことで改善できます。
今回紹介するのは以下の5つです。
- EFO(入力フォーム最適化)
- サイトデザインの変更
- 信頼性を高める工夫をする
- サイト内の導線を見直す
- コンテンツの見直し
EFO(入力フォーム最適化)
EFOとは、入力フォームの最適化を意味します。ECサイトの商品購入の際や、サービスを受けるためのユーザー登録など、ユーザーに個人情報を入力してもらうページを指します。
前述の通り、入力フォームでの離脱は多いため、EFOは離脱率を改善する大きなポイントになります。具体的なEFOの施策としては、入力の項目を最小限に抑える、GoogleやFacebookなどの他のSNSと連携させるなどの方法が挙げられます。
サイトデザインの変更
ページの見づらさを左右する、サイトのデザインも離脱率の改善で重要なポイントです。見やすさと合わせて操作性についても考慮したデザインの改善策を検討してみましょう。
目次やTOPページに戻るメニューなど、使いやすいデザインになっているかや、わかりやすい位置に配置されているかなど、さまざまな箇所で検討の余地があります。
ターゲットユーザーに合わせたデザインにすることも重要です。年代や性別、生活など、心地よいと感じるデザインは、人により異なります。
自社のコアターゲットが心地よく感じるようなサイトのデザインを目指して、改善してみると良いでしょう。
信頼性を高める工夫をする
サイトの信頼性を高めるための施策を施すことでも、離脱率の改善につながります。
ポリシーの記載や、セキュリティソフトとして有名なNortonのSECUREシールを掲載するなどの方法で、ユーザーの信頼度を上げることができます。
ECサイトなら、返品についての記載や、世界中で使用されている決済システムPayPalのロゴマークを掲載するのも良いでしょう。
サイト内の導線を見直す
サイト内の導線をわかりやすくなるように見直すことでも離脱率を改善できます。それには、ユーザーのゴールまでの道のりを具体的に示すことが必要です。ページ内で、次の行動に導くようなサイト設計を心がけましょう。
内部リンクを設置するのもおすすめの方法です。内部リンクとは、サイト内のページ同士を結ぶリンクです。ページに記載している内容と関係していたり、近い内容のページの内部リンクを設置してユーザーを誘導します。
コンテンツの見直し
サイト内でコンテンツを運営しているのであれば、コンテンツのクオリティを高めることで離脱率を改善できるでしょう。
コンテンツは、最新の情報を掲載したとしても、時間とともに内容が古くなってしまいます。そうするとユーザーが求めている内容とずれてしまう可能性があります。
一定期間が経過したのち、コンテンツを見直し、新しい情報を追記していくことで、ユーザーに満足感を与えることができるでしょう。地道な作業ですが、少しずつコンテンツを見直していくことで、離脱率の改善につながっていきます。
直帰率を改善するためのポイント
直帰率を改善するポイントは、ユーザーのストレスを軽減するような改善策を施すことです。具体的なものには、以下のようなものがあります。
- サイトの読み込み時間を改善する
- タイトルとページの内容を一致させる
- スマートCTAの導入
- ユーザーをゴールに導く施策を施す
- 画像や動画などのメディアを追加する
- リンク切れをなくす
サイトの読み込み時間を改善する
直帰率を改善するポイントとして、はじめに確認したいのは、サイトの読み込み速度です。読み速度が遅いとユーザーはストレスを感じ、ページが表示される前に離脱し、直帰率が上がってしまいます。
だからこそ、ページの読み速度を上げると高確率で直帰率を下げられます。
また、表示速度はGoogle検索エンジンの順位を決定する要因でもあり、SEOにも効果的です。
ページの読み込み速度を改善する際には、GooglePageSpeedInsights(グーグルページスピードインサイト)がおすすめです。該当のリンクを入力するだけでページの読み込み速度を測定できます。自社サイトの読み込み時間を測定したいときにぜひ試してみてください。
Webサイト:PageSpeed Insights
タイトルとページの内容を一致させる
直帰率が高い原因として、タイトルとページの内容が相違しているという内容を紹介しました。この問題を解決するためには、タイトルとページの内容を一致させる必要があります。
ユーザーは、サイトを訪れたときに、ファーストビューを見てページの内容を判断します。そのため、タイトルと一致している内容をページのファーストビュー内で盛り込むと良いでしょう。
狙っているキーワードがあるなら、タイトルとページ内にキーワードを不自然でない程度に入れ込み、ユーザーの検索意図と一致させます。
スマートCTAの導入
CTAの工夫も、直帰率を改善するポイントです。CTAとは、Call to Actionの略で行動喚起と訳されます。CV(コンバージョン)獲得のために、資料請求や商品購入などのボタンを見えやすい位置に設置していく手法が一般的です。
その中でもスマートCTAと呼ばれ、CTAボタンの中にSEOキーワード含める方法は、ユーザーの心理にも響きやすく、直帰率の改善につながります。
自社サイトにCTAボタンを設置している場合は、ぜひ試してみましょう。
ユーザーをゴールに導く施策を施す
ユーザーがゴールにたどり着けるように、サイトの導線を整備して直帰率の改善に結びつけます。この項で紹介する施策は、サイト内検索とFAQの設置や見直しです。この2つの施策を施すことで、サイト内でユーザーが困ることが少なくなります。
サイト内検索とは、サイト内に設置する検索機能です。ユーザーが最初に訪問したページが想定と異なるものでも、サイト内検索の機能を取り入れることで、これを使い自社サイトの他のページに遷移してくれる可能性が高くなります。これにより、直帰としてカウントされることがなくなります。
また、FAQの設置で、ユーザーが困った際に、検索で答えを探すことができます。FAQとは、よくある質問のことです。
自社サイトにサイト内検索を設置していない場合は、ぜひ導入を検討してみましょう。既に導入されている方は、ユーザーが見つけやすいよう、わかりやすい位置に設置できているか見直してみるのもおすすめです。
FAQの導入を考えている際には、チャットボットを導入するのも良いでしょう。チャットボットは、サイト内にチャットの窓口を設置できるツールです。ユーザーがチャットの窓口から質問した際に、あらかじめ入力したFAQの情報を元に自動で回答してくれる便利なツールです。

画像や動画などのメディアを追加する
画像や動画を追加することで、ユーザーの興味を引き、直帰率を下げることにつながります。
ユーザーがサイト内の動画を見てくれれば、動画の再生の間、サイトに留まってくれます。ポイントは、動画や画像、テキストなどを複数挿入することです。
そうすることで、ユーザーのサイト滞在時間を長くすることができます。
リンク切れをなくす
サイト内でのリンク切れを無くすことも直帰率改善になります。
リンク切れは、デットクリックとも呼ばれ、ボタンやリンクをクリックして遷移しても、URLが間違っていたり削除されていたりするなどの理由で、そのページが見られないことを指します。
ユーザーはリンク切れの箇所に触れると、ストレスを感じて離脱する可能性が高まります。サイト無いにリンク切れがないかどうか確認したい場合は、専用のリンク切れチェックツールなどを使用して確かめられます。
離脱率と直帰率におけるSEOとの関係性
SEOとは、検索エンジン最適化を意味し、ユーザーが検索エンジンを使用して検索した際、特定のWebサイトを検索画面の上位に表示させるための施策です。
離脱率や直帰率を改善するポイントの中でSEOにつながる方法も紹介しました。しかし、離脱率や直帰率とSEOは直接的な因果関係はなく、どちらかを改善することで、もう一方の数字がよくなるということではありません。
それぞれの施策の中には、共通する項目があるため、影響されるとされる場合もあります。しかしこれらの情報は定かではなく、今後も注視して情報を取得していく必要があります。
離脱率と直帰率を改善してユーザーファーストなサイトを目指そう
今回は、Webサイトにおける離脱率や直帰率の意味や、それぞれを改善するためのポイントや各業種の平均値を紹介しました。
離脱率はユーザーが閲覧したすべてのサイトの中で最後に閲覧したページ、つまりは、そのあとに離脱した直近のページである割合を指します。直帰率は、ユーザーが最初に訪問したページしか閲覧せずにサイトを離脱した割合です。
離脱率や直帰率はページごとに測定できるため、各ページで測定し、問題や改善点が無いかどうか確認していきます。
サイトの離脱率や直帰率の改善方法にはさまざまなものがあるため、自社サイトを分析してどの方法が有効か見極めていくことが必要です。
直帰率の改善にはチャットボットの導入もおすすめです。弊社サンソウシステムズでは、月額1万円からスタートできる「さっとFAQ」をご用意しております。
Excelから簡単にシナリオ作成が可能。専用のダッシュボードがありますので、プログラミングスキルも必要なく導入・分析ができます。
30日間の無料トライアルをご用意しております。「まずは使ってみたい」というお客様はぜひこの機会にお申し込みください。