オンライン上でリアルタイムにやり取りができるチャットボットは、自分で作成することも可能です。この記事では、チャットボットの作り方についてわかりやすく解説しています。
さらに、自作することで得られるメリットや注意すべきポイント、作成時に使える開発ツールについても紹介しています。そのため、チャットボットの導入を検討している企業の担当者や、自社での開発を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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チャットボットとは
チャットボットとは、インターネット上でリアルタイムにテキストでやり取りができる会話プログラムです。
「チャット」と「ロボット」を合わせた名称であるチャットボットは、あらかじめ設定された質問への回答に基づいて、顧客からの問い合わせに自動で適切な情報を提供します。
そのため、ビジネスシーンで問い合わせフォームに実装されるケースがよく見られます。チャットボットは24時間365日対応できるため、従業員の業務負担を軽減できる点が特徴です。
また、いつでも問い合わせできることや、チャットボットの回答だけで課題解決できる可能性があることから、顧客満足度の向上にも貢献しています。
チャットボットは自分で作ることができる
チャットボットと聞くと複雑なシステムやプログラムが思い浮かびますが、実は自分で作ることも可能です。具体的には、オープンソースなどの既存モジュールを使用して作成します。
ただし、自作可能とはいえ、システム開発作業が必要となるため、開発に関する専門知識やスキルを持つエンジニアの存在は欠かせません。
また、現在はさまざまな企業からチャットボットのパッケージ商品が提供されています。ユーザーのニーズに応じた柔軟なプランやカスタマイズが可能な製品など、使いやすいチャットボットが数多く登場しています。
このような背景を考えると、いくらチャットボットを自作できるとはいっても、自社で作るケースはかなり限られていると言えます。例えば、社内に優秀なエンジニアが在籍しており、必要な機能をコストを抑えて実装したい場合などが挙げられます。
チャットボットの種類
チャットボットと一言でいってもその種類はさまざまです。ここでは具体的にどういった種類のチャットボットがあるのか解説します。それぞれの特徴を踏まえた上で、自社にはどういったタイプが適しているのか検討してみてください。
ルールベース型チャットボット
ルールベース型チャットボットとは、その名の通り、あらかじめ定めたルールに基づいて回答をおこなうチャットボットです。具体的には、事前にルールを設定し、質問を受けた際にそのルールにしたがって回答します。
例えば、事前に料金プランを説明する回答を設定しておき、「料金プランを教えて」と質問されたらプランの詳細を回答します。
ルールベース型チャットボットの特徴は、ルールにしたがって回答するため、回答内容にばらつきが生じない点にあります。顧客サポートや予約の受付といった顧客対応の中でも定型的な対応をおこなう場面で特に役立つタイプのチャットボットです。
ただし、ルールに設定されていない未知の質問に対しては誤った回答をする可能性があるため注意が必要です。また、自社で作成する場合でも、難易度はそれほど高くありません。
AI型チャットボット
AI型チャットボットとは、AIを搭載したチャットボットのことです。AIがさまざまな情報や会話データから学習することで、顧客からの質問内容に応じて柔軟に回答できるのが特徴です。
また、回答を重ねるほど応答の精度が向上するため、使えば使うほどチャットボットとしての利便性も高まります。
一方で、AIを活用したチャットボットであるため、開発の難易度は高いと言えます。例えば、AIや機械学習に関する専門的な知識が求められるのはもちろん、AIに学習させるための膨大なデータも不可欠です。
ハイブリッド型チャットボット
ハイブリッド型チャットボットとは、先ほど紹介したルールベース型チャットボットとAI型チャットボットを組み合わせたものです。
顧客から頻繁に寄せられるシンプルな質問には、事前に設定したルールにしたがって回答し、複雑な質問やルールにない質問にはAIが対応します。
よくある質問には同じ回答で対応でき、一定の回答品質を保ちながら、イレギュラーな質問にも柔軟に対応できる、両者の強みを活かしたチャットボットです。
ただし、AIを活用するチャットボットであるため、AI型チャットボットと同様に開発難易度が高い点には注意が必要です。
チャットボットを自分で作るメリット
ここではチャットボットを自作するメリットを紹介します。先ほども説明したように、チャットボットは自分で作ることも可能です。
一方で、昨今では各社からチャットボット商品が展開されている中で自作する意味はあるのかといった疑問もあります。自作によってどういったメリットが得られるのか参考にしてください。
さまざまな用途に活用できる
自社でチャットボットを作成する場合、用途に応じて幅広い場面での活用を想定して開発できます。
例えば、社内の事務手続きに関する質問にチャットボットで対応しながら、社員教育を目的とした業務の進め方に関するFAQにも対応する、といった使い方が考えられます。
また、社内用と顧客対応用、それぞれのチャットボットを作成することも可能です。市販のチャットボットでも同様の対応は可能ですが、用途によっては追加のコストが発生する場合があります。
機能のカスタマイズができる
先ほどもご説明したように、自社でチャットボットを作成する場合、自社のニーズに合わせて機能を柔軟にカスタマイズできる点が大きなメリットです。
既存製品の場合、機能はベンダー側であらかじめ設定されているため、必ずしも自社のニーズに合った機能が備わっているとは限りません。また、必要な機能を追加する際には、別途オプション料金が発生する場合もあります。
自社開発であれば、機能面のカスタマイズはもちろん、デザインも自由に設定できます。また、自社のコーポレートイメージや商品のブランドカラーなどを反映したデザインのチャットボットにすることで、顧客に好印象を与えることができます。
【作り方を理解する前に】チャットボット作成前に確認する3つのこと
チャットボットを作成するにあたっては、事前に確認しておくべきポイントがあります。ここでは具体的にどういうポイントを確認する必要があるのか解説します。自社開発を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
チャットボットを作成する目的を明確にする
チャットボットを自社で作成する場合、何を目的に作成するのかを明確にしておく必要があります。目的が明確になれば、目的を達成するために必要な機能が絞られるため、チャットボットの具体的な方向性の検討も容易です。
例えば、顧客からのよくある質問に対応するためにチャットボットを作成するのか、あるいは幅広い質問に対応できるようにして従業員の業務負担を軽減することを目的とするのかによって、ルールベース型にするかAI型にするかが異なります。
開発作業を始める前の段階で、明確な目的を設定しておかないと作業開始後に右往左往してしまい、途中で挫折する恐れもあります。
ユーザーは誰か確認する
目的とあわせて、チャットボットのユーザーが誰であるかも確認してください。なぜなら、ターゲットとなるユーザーによって、使う言葉遣いや必要な機能が異なるためです。
例えば、顧客向けのチャットボットを想定している場合は、敬語を使い、専門用語は避けて、わかりやすい言葉で説明できるようにする必要があります。
また、商品やサービス選びで迷っている人を想定している場合、適切なアドバイスができるような機能が重要です。
想定される質問内容の洗い出し
目的やターゲットユーザーが決まると、どのような質問が想定されるかがある程度絞り込めるため、想定される質問内容を洗い出してください。
ルールベース型チャットボットの場合、この段階での想定質問の洗い出し精度がチャットボット全体の精度に直結するため、入念に取り組むことが重要です。
洗い出しが不十分だと、ユーザーからの質問に的外れな回答をしてしまい、満足度の低下につながる恐れがあります。時間も労力もかかる工程ですが、自社でチャットボットを作成する際には非常に重要なステップです。
【手順解説】チャットボットの作り方
ここでは実際にチャットボットの作り方を手順に沿って解説します。どういった流れで作成を進めるのか、ぜひ参考にしてください。
作り方手順1:プラットフォームの決定
チャットボットを作成するには、どのプラットフォームを使って作るかを決めなければなりません。チャットボットを作成する際に使用するプラットフォームは以下の2種類があります。
- 開発ツール
- ライブラリ・フレームワーク
それぞれのプラットフォームの概要について解説します。
開発ツール
開発ツールとは、チャットボット開発用のプラットフォームのことです。企業などが提供しているケースが一般的であり、わかりやすい操作画面とマウス操作を中心に作成できる点が特徴です。
そのため、プログラミングの知識やスキルがない方でも、チャットボットの作成に取り組むことができます。
例えば、質問に対するチャットボットの返答を設定する際は、ドラッグ&ドロップだけで行えるほか、機能の実装についてもテンプレートが用意されており、それを選ぶだけで機能を追加できるなど、簡単に作成できます。
一方で、開発ツールはベンダーが提供するものであるため、利用料金が発生します。また、自分でチャットボットを作成できるものの、そのツールに依存するため、実現できることには限りがあります。
ライブラリ・フレームワーク
ライブラリとは、あらかじめ書き込まれたプログラムの集まりです。簡単に言えば、よく使われる機能をまとめて提供してくれるものです。
また、フレームワークは、開発に必要な機能があらかじめ備わっているものです。チャットボットとして動作するための骨組みがすでに用意されていると考えてください。
これらはいずれも、開発に必要なコードの量を減らし、作業の効率化に役立ちます。ある程度の骨組みが用意されているため、自分のスキルや知識を活かして開発作業を進めることができます。
また、機能の追加にも柔軟に対応できるため、チャットボットに求める要件が明確な場合などに適しています。
ただし、柔軟性が高い分、開発ツールを使う場合に比べて、作成にかかる手間や負担が大きくなる点には注意が必要です。プログラミングの知識やスキルがない場合は、開発ツールをプラットフォームとして選ぶ方が無難です。
作り方手順2:開発方法の選択
プラットフォームが決まったら、開発方法の選択を行います。ここでは具体的に要件定義、外部設計、内部設計を行ってください。
要件定義 | ・自社サイトや商品。サービスなどのよくある質問からチャットボットに組み込む回答データを収集する ・集めたデータの量を踏まえて開発に必要な人員と期間を想定する |
外部設計 | ・チャットボットの操作画面や管理画面のデザイン設定をおこなう ・チャットボットに組み込む具体的なシナリオの作成をおこなう |
内部設計 | ・チャットボットがシナリオ通りの動作を行えるようにシステムをプログラムする |
作り方手順3:開発作業の実施
ここまでの内容を踏まえて、実際に開発作業を行います。
チャットボットの開発作業は、選択するプラットフォームにもよりますが、Java、JavaScript、Perl、PHPといったプログラミング言語の知識やスキルが不可欠です。
また、AI型チャットボットを開発するのであれば、ディープラーニングや機械学習の使用を想定してPythonの使用が適しています。自社開発の場合は、これらの知識・スキルを持ったプログラマーを確保しておく必要があります。
開発作業を経てチャットボットが完成したら、テストをおこない間違いや不具合がないかを確認します。動作確認や表記ゆれなど抜け漏れがないように細かい部分までチェックしてください。
チェックは少人数よりもできるだけ多くの人でおこなうことが大切です。これは、人数が少ない中でテストをおこなうと、判断が偏る可能性があるためです。
作り方手順4:運用開始
テストの結果を踏まえて、問題ないようであれば、実際にチャットボットの運用を開始します。
社内向けのチャットボットの場合、あらかじめチャットボットの開発を社員に周知しておき、認知度を向上させることで、運用開始直後から多くの人に利用してもらえます。
顧客向けのチャットボットの場合でも、サイト内にチャットボット運用開始のお知らせを出すなどして周知しておくことが大切です。
また、運用開始後であっても、ユーザーから意見を収集し、必要に応じて調整や改善などを行ってください。
チャットボットを作る際のポイント
ここではチャットボットを作る際に覚えておきたいポイントを紹介します。チャットボットを自社で作ることを決めている方はもちろん、作るかどうか迷っている方もぜひ参考にしてください。
そもそも自作する必要があるのか検討する
ここまでチャットボットの作り方などを紹介してきましたが、そもそもチャットボットを自作する必要があるかどうかを検討してください。先ほども説明したように、現在は各社からチャットボットのパッケージ商品が提供されています。
自社で開発する手間をかけずとも、市販のチャットボットで自社のニーズを十分に満たせる可能性があります。そのため、チャットボットを導入して何を達成したいのかという目的を明確にした上で、市販のチャットボットでその目的が達成できるかどうかを検討してください。
市販のチャットボットでは対応できないことが明らかになって、初めて自社での開発を検討する段階となります。
定期的に改善をおこなう
チャットボットを自社で作成する場合、開発作業を終えて運用を開始した後も、それで終わりにせず、定期的に改善をおこなうようにしてください。
開発段階でテストを行い、動作自体に問題がなくても、実際に社員や顧客が利用する中で「ここが使いにくい」「こうしてほしい」といった要望が出てくる可能性があるためです。また、運用を進める中で、新たな機能を追加した方が良い場合もあります。
その他にも、ユーザー数やチャット数がそもそも少なく、十分に活用されていない場合や、チャットの返答率が低い、問題が解決できていないケースが多いといった課題も考えられます。これらの点についても、あわせて確認してください。
オープンソースを活用する
自社開発の場合、一から自社でプログラムを組んでチャットボットを開発することも可能ですが、効率よく開発するのであれば、オープンソースの活用がおすすめです。
これは、オープンソースの中には、あらかじめ一定の枠組みが整ったフレームワークが用意されている場合があり、それを活用することで開発にかかる工数を削減できるためです。
また、オープンソースの中には、LINEやChatworkなど、ビジネスで利用されているさまざまなツールと連携できるものもあります。
必要に応じてAIを活用する
チャットボットにはAI型のチャットボットもあるため、自社のニーズや課題によってはAI型の活用を検討してください。
例えば、定型的な質問だけでなく、ユーザーからの幅広い疑問にも対応したい場合は、AIが学習を重ねることで柔軟に回答できるAI型の方が適しています。また、より自然な会話を実現したい場合にも、AI型のチャットボットがおすすめです。
チャットボットを自分で作る際の注意点
ここではチャットボットを自分で作る際に覚えておきたい注意点を紹介します。
自作のチャットボットは機能面での柔軟性がある点が大きなメリットですが、注意するべき点もあります。何に注意する必要があるのか、チェックしてください。
運用・保守体制の整備が必要
チャットボットは開発して終わりではなく、定期的な見直し、改善が不可欠であるため、開発だけでなく、運用・保守体制を整備しなければなりません。
ベンダーが提供するチャットボットであれば、サポート体制が整っていますが、自社開発の場合、サポートがないため、すべて自社で対応する必要があります。
ユーザーからの意見を収集し分析する、運用によって得られたデータを分析する、AIの学習が間違っていないか確認するなど、チャットボットが適切に運用されるよう、専任のチームを設けてください。
開発のための人材確保
運用・保守体制の整備にも関わる部分ですが、開発を担当できる人材を確保する必要があります。チャットボットの開発にはプログラミングの知識やスキルが必要です。また、AI型チャットボットを作成する場合は、AIや機械学習、ディープラーニングなどの知識も求められます。
自社内にそういったスキルを持つ人材がいるのかどうか確認し、必要に応じて新たな人材を採用する、人材を育てるといった対応を取る必要があります。
おすすめのチャットボット開発ツール
ここではチャットボットの開発に使用できるツールを紹介します。どのようなツールがあり、それぞれにどのような特徴があるのか、ぜひ参考にしてください。
Chatfuel
Chatfuelは、コーディングなしでFacebook Messenger用のチャットボットを作成できるツールです。
APIを活用すれば、LINEやSlackなどのメッセージツール・アプリでもチャットボットを作成できるため、すでにこれらのツールを業務で活用している企業におすすめのツールだと言えます。
Google Dialogflow
Google Dialogflowは、Googleが展開するツールです。プログラムが不要でAI型チャットボットを作成できます。Googleが展開するツールであるため、Googleの各種ツールとの相性が良いほか、Googleブランドによる安心感もあります。
Chat Plus
Chat Plusは、ルールベース型とAI型のそれぞれのチャットボットを作成できるツールです。用途に応じてプランがわかれており、シンプルなチャットボットから凝ったチャットボットまでさまざまなものを作成できます。
チャットボットツールの導入もおすすめ

自社開発するだけのリソースがない場合、チャットボットツールの導入を検討してみてください。ここではおすすめのチャットボットツールとしてさっとFAQを紹介します。
さっとFAQは、Excelの専用テンプレートに質問と回答を貼り付けて登録するだけでFAQの設定ができるため、作成の手間がかかりません。会話の流れを決めておけば、あとは選ばれた選択肢に応じてチャットボットが回答してくれます。
また、利用分析向けのダッシュボードがついているため、利用状況の確認や分析も可能です。視覚的に利用状況を把握できるため、改善点はどこなのかといった点もスムーズに洗い出せます。定期的な改善が必要不可欠であるチャットボットにおいて非常に役立つ機能だと言えます。
プランはエントリー、ベーシック、アドバンスの3つがあり、エントリープランであれば月額1万円で利用可能です。エントリーでもチャットボット1体、設問数100件の登録ができるため、試しに導入してみたいといった企業にもおすすめです。
FAQの公開は申し込みから最短3日でできるため、急いでチャットボットを作成・運用したいといった企業にも適しています。
まとめ
今回はチャットボットの作り方について解説しました。チャットボット自体は各社からパッケージ商品が展開されていますが、自社での作成も可能です。
自社で作る場合、機能を自由に設定できる、用途に応じた開発ができるなど、柔軟性の高さがメリットだと言えます。
一方で、作成にあたっては、プログラミングやAI、機械学習などの知識・スキルを持った人材が必要となるため、本当に自社で作る必要があるのか、自社で作成できるだけのリソースがあるのかをよく検討してください。
自社作成が難しい場合、さっとFAQのようなチャットボットツールの導入がおすすめです。
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