在庫管理のヒューマンエラーの防止や、作業効率の改善ができる在庫管理システム。在庫管理システムの導入を検討している方の中には、「どのシステムが良いかわからない」「システム選びで気を付ける点は」など疑問に思う方もいると思います。
特に在庫管理システムは、導入や運用に一定のコストがかかるため、システム選びのポイントを把握しておくことが重要です。
本記事では、おすすめの在庫管理システムと選定のポイントを紹介します。メリットや注意点についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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目次
在庫管理システムとは

在庫管理システムは在庫管理を効率化し、作業負担の軽減や経営コストの削減が叶うシステムです。在庫管理システムを導入する前に、在庫管理システムとは何か、何ができるのかを見ていきましょう。
在庫管理システムとは
企業が保有する商品や資材の在庫をリアルタイムで正確に管理するシステムです。商品情報や在庫状況、入出庫記録などを記録して管理します。
紙やExcelなどによる従来の在庫管理方法は、入力ミスや印刷の手間、タイムラグなど、多くの課題があります。在庫管理システムでは、ハンディターミナルやスマートフォンなどを利用することでこれらの課題を解消し、在庫管理の効率化が可能です。
在庫管理システムの種類
在庫管理システムには大きくわけて3つの種類があります。
クラウド型 | インターネット上にあるシステムをダウンロードして導入する在庫管理システム。 比較的低コストで導入でき、管理の手間が少ないのがメリット。 インターネットで異常があると利用できなくなる可能性がある。 |
オンプレミス型 | 自社サーバーにシステムを1から構築して導入する在庫管理システム。 カスタマイズ性とセキュリティの高さが特徴。 構築にはコストと手間がかかる。 |
パッケージ型 | ソフトウェアを購入して自社PCにインストールする在庫管理システム。 手間とコストがそれほどかからないことがメリット。 インストールしたPCでしか利用できないため、複数人での利用やモバイル端末を活用した在庫管理には不向き。 |
在庫管理システムの機能
在庫管理システムには、主に以下のような機能があります。
データ入力 | 商品のデータ入力を、ハンディターミナルやモバイル端末を利用して効率的におこなう機能。 |
入出庫管理 | 商品の入出庫や倉庫間の移動、先入れ先出しなどの記録を、賞味・消費期限などを含めて管理する機能。 |
検品 | 入出庫する商品の品目や数量と伝票に記載されている情報が一致するかを確認する機能。 |
棚卸 | ハンディターミナルやモバイル端末を利用して、効率的に棚卸作業をおこなう機能。 |
返却管理 | 返品が生じた際に、入出庫履歴を修正して正しい在庫数を反映する機能。 |
在庫分析 | 在庫状況や入出庫記録から、適切な在庫数や売れ筋商品を把握できる機能。 |
マスター管理 | 商品・資材やスタッフ、顧客などのマスター情報を管理できる機能。 |
在庫管理システムのタイプ

在庫管理システムには、導入の目的から4つのタイプにわけられます。自社が求めている在庫管理システムがどのタイプなのかを確認しましょう。
倉庫管理を中心に幅広く対応可能なタイプ
製造業や物流業など、倉庫内での在庫管理を中心に幅広い業務に対応できるタイプです。入出庫管理をはじめとして、倉庫内でおこなわれる業務全般を効率化するシステムとして機能します。
中にはECサイトや通販に対応しているものもあり、在庫管理だけでなく請求管理までおこなえます。用途に合わせて網羅的に活用できるのがメリットです。
ECサイト・通販向けのタイプ
ECサイトや通販のカートに連携しているタイプの在庫管理システムです。倉庫内の在庫状況がECサイトに自動で反映されます。回転の早い売れ筋商品を扱ったり、在庫数が多かったりする場合におすすめです。
複数拠点の在庫状況を一元管理できるものや、各店舗に自動で振りわけできるものもあり、大規模な会社も管理工数を大きく削減できます。
備品管理向けのタイプ
商品や資材に加え、自社で利用している備品も管理できるタイプです。備品の適切な在庫数を保持できます。
通常はほかのタイプの在庫管理システム同様、商品や資材の在庫管理をおこないます。医薬品や試薬、医療機器、化学物質などの取扱に注意が必要なものを扱う場合は、セキュリティ対策にもなるため特におすすめです。
小規模事業者向けのタイプ
入出庫管理や在庫の照会など、搭載されている機能が必要最低限の在庫管理システムです。在庫数がそれほど多くない小規模事業者への導入に向いています。
複雑なオペレーションが必要ない場合やまずは低コストで導入したい場合におすすめです。
在庫管理システム選定のポイント

在庫管理システムを導入する際は、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。むやみに選定してしまうと、期待していた導入効果が得られない可能性があるためです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自社の課題を解決できるか
在庫管理システムを導入する前にやるべきことは、自社の在庫管理に対する課題の洗い出しです。在庫管理に対する課題がわかれば、解決に必要な対策が明確になります。
例えば、「棚卸作業に時間がかかり、従業員のモチベーションが低下傾向にある」「入力ミスが多い」などの課題が明確になれば、課題解決に必要なスペックや機能が搭載されているシステムに絞れます。
課題を明確にしないと解決の見込みのないシステムを導入してしまう可能性も少なくありません。そのため、まずは課題を洗い出し、導入の目的を明確にしましょう。
カスタマイズ性に優れているか
企業によって取り扱う商品や拠点の数が異なるため、自社に適した機能を柔軟にカスタマイズできるシステムを選びましょう。
例えば、複数拠点の在庫を一元管理したい場合は、拠点間の移動中に在庫のずれが生じる可能性があります。この場合、実際の在庫とシステム上の在庫でタイムラグが生じるため、正確な在庫管理ができません。ステータスを「移動中」などに表示できる機能があれば、余剰・過剰在庫のリスクの低減が可能です。
ほかにも、賞味・消費期限や先入れ先出し、ロット・シリアルなど、企業によって管理方法はさまざまです。賞味・消費期限がある場合は期限が迫った在庫の抽出など、有効期限管理の可否を確認しましょう。
在庫管理システムによっては、企業の要望に合わせて柔軟に機能をカスタマイズできるものもあるため、導入前の相談がおすすめです。
他システムとの連携が可能か
受注管理や販売管理など、自社ですでに導入しているシステムがある場合や今後導入予定の場合は、他システムとの連携可否の確認が必要です。
在庫管理は、受注管理や販売管理など、隣接する業務とシームレスに連携することで、事業全体の生産性を大きく高められます。また特定の商品の在庫変動や売上など、各システムの分析リポートを照らし合わせればより高度な分析が可能です。
他システムを導入している、または導入予定の場合は、他システムとの連携可否を確認し、在庫管理の効率化にとどまらず事業全体の効率化も視野に入れましょう。
サポート体制は十分か
在庫管理システムを運用する上で、疑問が生じたりトラブルが発生したりする可能性があります。業務遂行に支障をきたす場合もあるため、万が一のときにすぐに解決できるよう、サポート体制の充実度を確認します。
特に夜間も稼働している倉庫などの場合は、24時間サポートできる在庫管理システムを選ぶと良いでしょう。
おすすめの在庫管理システム

おすすめの在庫管理システムを紹介します。自社の導入目的や予算などを考慮して、最適なシステム選びの参考にしてみてください。
システム名 | 特徴 | 費用 |
---|---|---|
ロジクラ | 機能性とカスタマイズ性に優れた幅広い業種に対応可能なシステム。 | ライト:12,800円/月 プレミアム:40,000円/月 エンタープライズ:要問い合わせ |
COOOLA | 柔軟なカスタマイズが特徴で業種業界問わず幅広く対応可能。 | 要問い合わせ |
Aladdin Office | 在庫管理に加えて販売管理もできるパッケージシステム。 | 要問い合わせ |
ロジザードZERO | あらゆる業種・業態に適した倉庫管理システムを提供可能。 | 要問い合わせ |
AnyX™ | ECサイトや通販に特化した在庫管理システム。 | 要問い合わせ |
logiec | 倉庫とECサイト両方のDXを支援。 | 基本料金10,000円/月+従量料金 |
アシスト店長 | ECサイトにおける在庫から受注・発送までを一元管理できる。 | 初期費用:30,000円 月額基本費用:20,000~30,000円 |
GoQSystem | ECサイトにおける業務の一元管理システム。 | フリープラン 受注・在庫連携管理プラン:29,800円/月 |
コマースロボ | ネットショップ運営の受注管理や出荷管理、在庫管理を自動化するシステム。 | Starterプラン:5000円/月+従量料金 自動出荷プラン:10,000円/月+従量料金 SCMプラン:30,000円/月+従量料金 |
GEN | さまざまな業種・業態に対応できる小規模事業者向け。 | 要問い合わせ |
ロジクラ

株式会社ロジクラが提供する「ロジクラ」は、導入実績36,000社(2024年8月時点)を誇り、機能性とカスタマイズ性に優れた在庫管理システムです。入出庫や棚卸などの基本的な機能はもちろん、有効期限管理や複数拠点管理、ギフト対応などさまざまな商品や資材に対応できます。
また、受注管理システムやECサイトなどとの連携も可能です。主要なOMS(オーダーマネジメントシステム)とはAPI連携ができます。
倉庫管理に加えてECサイトを運営している企業におすすめです。
COOOLa

株式会社ブライセンが提供する「COOOLa」は、柔軟なカスタマイズが特徴のクラウド型倉庫管理システムです。
各社毎の運用フローに合わせてカスタマイズでき、最適な在庫管理システムの構築を実現できます。COOOLaは自社で設計・開発をおこなっているため、導入後にカスタマイズが必要になった際も柔軟に対応可能です。
また、サポートも充実しており、物流業務のコンサルティングやセキュリティ対策、IT導入支援など、在庫管理システムに関するサポート以外の相談もできます。
独自の運用フローや、特別な保管方法が必要な商品を扱っている場合におすすめの在庫管理システムです。
Aladdin Office

株式会社アイルが提供する「Aladdin Office」は、幅広い業種や業態に対応が可能な販売管理・在庫管理パッケージシステムです。ファッションや食品、医療、製造などそれぞれの業種に最適なシステムを用意しています。
ロット・シリアルNo.に対応し、資材在庫と物流在庫にわけての管理が可能です。
また販売・在庫管理だけでなく、生産管理や貿易管理までも実施しているため、事業全体の効率化がしやすい点も魅力と言えます。
在庫管理に限らず、他業務へのシステム導入を視野に入れている企業におすすめです。
ロジザードZERO

ロジザード株式会社が提供する「ロジザードZERO」は、あらゆる業種・業態に適した倉庫管理システムです。開発してから20年以上、在庫管理をサポートし続けており、その経験で得たノウハウから幅広い業種に対応できる機能を備えています。
最短1ヵ月で導入が可能な点や、複数言語に対応している点も魅力の一つです。
複数拠点や海外拠点がある場合、他システムとの連携を考えている場合におすすめのシステムです。
AnyX™

AnyMind Group株式会社が提供する「AnyX™」は、ECサイトや通販に特化した在庫管理システムです。在庫管理から販売まで、ECにおけるすべての管理を一元化し、効率化できます。
複数サイトの一元管理やマーケティング施策効果の可視化、CRMなどのECにおける売上を最大化させるための機能が豊富に搭載されています。在庫管理では、在庫状況や配送ステータスを自動的に更新するため、リアルタイムで在庫状況の把握が可能です。
ECサイト運用の効率化と売上の向上を考えている企業におすすめです。
logiec

株式会社はぴロジが提供する「logiec」は、倉庫とECサイトの両方のDXを支援するクラウド型在庫管理システムです。各ECサイトの受注データを自動で抽出し、物流事業者に出荷データとして連携します。物流への入出荷や在庫の同期を自動化できるため、入出荷管理などの工数を削減が可能です。
在庫管理からECサイトでの販売までを効率化したい場合におすすめのシステムです。
アシスト店長

株式会社ネットショップ支援室が提供する「アシスト店長」は、ECサイトにおける在庫から受注・発送までを一元管理できる在庫管理システムです。複数サイトから入る受注をアシスト店長が一元管理し、発送業務は各種送り状ソフトとの連携ができるため、受注から発送までスムーズにおこなえます。
在庫管理では、複数店舗で商品コードを合わせる必要がなく、在庫は各店舗に自動で振り分け可能です。そのため、入力ミスなどのヒューマンエラーを防ぎ、理想的な在庫の配分を保持できます。
ECサイトの業務の効率化や売上の最大化を目指している場合におすすめです。
GoQSystem

株式会社GoQSystemが提供する「GoQSystem」は、ECサイトにおける業務の一元管理システムです。受注管理や在庫連携、売上管理などECサイトの運営に関わるすべての業務を効率化できます。
在庫管理では各モールの在庫が連携でき、商品コードが一致しなくても条件設定で紐付けが可能です。福袋やセット商品など、さまざまな形式での在庫管理もでき、セットでも単品でも商品設定できます。
月の受注数が少ない場合はフリープランもあるため、サイトの規模に応じて管理する範囲を広げていくと良いでしょう。
コマースロボ

株式会社コマースロボティクスが提供する「コマースロボ」は、 ネットショップ運営の受注管理や出荷管理、在庫管理を自動化するシステムです。導入社数は累計950社(2024年8月時点)の実績があります。
受注管理と倉庫管理が一体になっており、受発注はもちろん在庫管理や出荷管理などEC事業におけるすべての業務を自動化し、一元管理できます。
受注業務の効率化や在庫との連携をしたい場合におすすめのシステムです。
GEN

GEN株式会社が提供する「GEN」は、さまざまな業種・業態に対応できる小規模事業者向け在庫管理システムです。アパレルや商社、クリエイティブなど、各業種や業態のワークフローに応じたプランが用意されており、幅広い業務を効率化できます。
2000年にものづくりのIT支援を目的に創業してから多くの機能をリリースしており、今後も業務の効率化に役立つ機能の追加が期待できるでしょう。
在庫管理システムを導入するメリット

在庫管理システムは、在庫管理や倉庫内における管理業務の課題を解決できるシステムです。導入効果を高めるためにも、在庫管理システムを導入するメリットについて見ていきましょう。
適切な在庫の維持
在庫管理システムを導入すると、過剰な在庫や欠品による機会損失を防止できます。
例えば複数拠点がある場合、正確な在庫数の判断が困難です。そのため余計に入荷してしまい、無駄なコストがかかったり保管スペースの確保が必要になったりしてしまいます。また、在庫の減少に気付かず機会損失をすることも少なくありません。
在庫管理システムはリアルタイムで正確な在庫数を反映でき、適切な在庫数を維持できます。
在庫アラート機能を利用すれば在庫が一定より少なくなった場合に知らせてくれるため、機会損失の防止が可能です。
作業負担の軽減
在庫管理システムは、ハンディターミナルやモバイル端末でバーコード・QRコードを読み取ることで入出庫管理や検品、棚卸などをおこないます。そのため、入力・集計ミスなどのヒューマンエラーが減少し、確認作業などの工数削減が可能です。
特に棚卸作業は、実際の在庫数とシステム上などの理論上の在庫数の差異を確認する作業ですが、すべての在庫を確認するとなると膨大な時間とコストがかかります。在庫管理システムなら、ハンディターミナルやモバイル端末で在庫チェックをおこなうため、作業時間の短縮が可能です。
作業負担を軽減できれば、人的コストの削減や重要なタスクへの注力ができ、事業全体の生産性向上につながるでしょう。
在庫管理システム導入時の注意点

在庫管理システムを導入する際は、目的の共有と利用に関するマニュアル作成が必要です。
特に新しいシステムを導入する場合、すべての社員から賛同が得られるとは限りません。ITが苦手な社員や普段の運用が変わることに抵抗がある社員など、反対する社員が少なからずいます。
そのため、在庫管理システム導入の目的を説明して理解してもらいましょう。加えて、社員の不安を払拭し、円滑に運用できるようマニュアルの作成が必要不可欠です。
また、在庫管理システムの注意点として、システムに依存すると異常があった際の影響が大きい点が挙げられます。業務の遂行に支障が出る可能性もあるため、サポート体制が充実したシステムを選ぶなど、対策をとっておきましょう。
在庫管理システム導入で作業効率を高めよう

在庫管理システムを導入する際は、「予算内だから」など一つの条件にとらわれず、総合的な判断が大切です。在庫管理システムの特徴はシステムによってさまざまです。
自社の導入目的やコスト面を考慮し、適切な在庫管理システムを選びましょう。
在庫管理システムは便利な一方で、導入と運用には一定のコストがかかります。なるべくコストをかけたくない場合は、在庫管理表による在庫管理がおすすめです。
しかし在庫管理表による管理には、印刷の工数や費用がかかったり保管場所の確保が必要だったりと課題があります。その課題を解消できるのが、在庫管理表を電子化して効率化できるシステム「i-Reporter」です。
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現状の課題を整理するだけでもメリットになりますので、ぜひ一緒に在庫管理の課題を解決しましょう。