
2022年の法改正(電子帳簿保存法:電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)を機会に帳票の電子化を本格的に考え始めた企業が増えています。とはいえ、電子化に向けて何を準備したらいいのかわからない方も多いのではないでしょうか?
今回は、帳票電子化について徹底解説します。
弊社サンソウシステムズでは、現場の帳票電子化及びシステム化に向けたコンサルティングと、帳票の電子化を実現するツール、「i-Reporter」の販売をしています。「i-Reporter」は導入社数No.1(富士キメラ総研 2023年8月8日発刊)、国内トップシェアを誇る現場帳票システムです。
導入することで、紙の現場帳票の「記入・報告・管理」全てのペーパーレス化を実現。様々な業務の効率化やDX化につなげられます。また、弊社株式会社サンソウシステムズでは、要件定義から設計・導入、その後の運用管理まで、お客様に寄り添った伴走支援が可能です。
ぜひ、ご一緒に現場の業務課題を整理していきましょう。サービス資料を用意しましたので、併せてこの機会にこちらから無料でダウンロードしてみてください。
導入実績3,500社以上
目次
帳票電子化とは?
帳票の電子化とは、「社内で作成した帳票を紙ではなく電子データで保存すること」を指します。そもそも帳票とは、経営に関わる書類全般です。いままでは、電子データで作成した書類もプリントアウトして保管しなければならないほど紙媒体での管理が主流でした。
ただし紙媒体が原則の中、一定の要件を満たせば電子データで管理することも可能とされており、2022年の法改正を機会に保存要件が大きく緩和されています。
電子化が進められている理由

2022年に帳簿電子化が義務づけられた「電子帳簿保存法」の改正が注目を浴びました。改正された大きなポイントを以下の表にまとめました。
改正された項目 | 概要 |
電子取引における電子データの保存が義務化 | 電子取引をした際の書類はデータ保存が義務化された。クラウドサーバーを経由した取引やメール添付されたPDF形式の請求書、ECサイトからダウンロードした領収書などは電子取引に該当する。 |
事前承認制度の廃止 | 電子帳簿保存やスキャン保存を希望する場合の事前承認が不要になった。 |
タイムスタンプ要件の緩和 | スキャナ保存時のタイムスタンプ付与期間が3営業日以内から最長2か月と概ね7営業日以内に延長された。 |
電子帳簿保存法の3つの保存区分

電子帳簿保存法には3つの保存区分があります。電子帳簿保存法を理解するにあたって、知っておくと良いでしょう。
保存区分についてご説明します。
電子帳簿等保存 | 作成した帳簿や書類を電子データとして保存すること | ・国税関係の帳簿・決算書類・取引関係書類 |
スキャナ保存 | 取引先から受け取った請求書や領収書の書類をスキャンしてデータとして保存すること | ・注文書・見積書・契約書・納品書・請求書・領収書・検収書※すべて紙で受け取った書類 |
電子取引データ保存 | 電子データとして受け取った請求書や領収書をデータのまま保存すること | ・注文書・見積書・契約書・納品書・請求書・領収書・検収書※すべて電子データで受け取った書類(電子メール、クラウドサービス、EDIなど) |
代表的な電子化の方法

帳簿を電子化する代表的な方法を紹介します。
自社の状態に合わせて、最適な電子化の方法を選択しましょう。
Web書式
最も一般に使われている電子化の方法が「Web書式」です。Webツールは、インターネット上で使用するのではなく、会社の内部で使用するイントラネット上で使用できます。
Web書式による帳票の電子化は、ネットワークが使用できる端末やブラウザで入力フォームに情報を入力するだけです。
入力したデータは、自動的にCSVやXMLなどの形式で保存されます。
その後追加や編集、上司の承認を得るときは保存したデータを呼び出して確認や印刷、メール転送などの処理がおこなえます。
PDFに入力
社外との書類のやり取りには、PDFを使うことが多いです。
編集可能なPDF帳票を相手に送り、情報の入力や電子捺印をして保存後メールで返信してもらいます。返送されたPDF帳簿を自社でデータ保存をする方法が主流です。取引相手にも電子コピーが残るため、紙の帳票のように保存できる点がお互いメリットと言えるでしょう。
PDF帳票は、紙の帳票と似たようなレイアウトで入力フォームを作成できる点も、使用しやすいポイントです。
ハイブリッド型入力フォームの使用
ハイブリッド型入力フォームとは、Web帳票とPDF帳票を組み合わせた電子帳票システムのことです。
Web帳票のように入力した情報をすぐにテキストデータで残せるほかに、入力書式を紙のレイアウトに似せた状態で作成できます。
そのため、紙の帳票に慣れている人でも抵抗感なく電子帳票を使用できる点がメリットと言えるでしょう。
帳票電子化のメリット

電子帳票保存法の改正によって、帳票の電子化が進みました。実際に帳票を電子化するメリットはどのような点があるのでしょうか?
具体的に、電子化のメリットを紹介します。
業務効率化が可能
紙の帳票は、手書きで記載をおこない、記入後は承認者の机まで運んでハンコを受け取り、取引先に郵送やFAXをするという長い手順が主でした。電子帳票に切り替えることで、承認はメールや承認システムで送るだけになり、わざわざ机まで行く必要もありません。担当者の無駄な業務を大幅に削減できます。
コスト削減につながる
紙で帳票を記入するには1日何十枚の紙を使用します。保管をするにも保管場所を必要とし、手間とコストがかかります。
電子化することで、記入を少し間違えても紙を無駄にすることなくデータ上で修正ができ、電子データで送付すれば印刷紙の節約が可能です。
また、クラウド上で保管ができるため保管場所に困ることもなくなるでしょう。
データの活用ができる
帳票の電子化は過去データの記録から数字を確認し、商品の売れ行き推移といったデータを簡単にグラフ化が可能です。紙の帳票では、目視で数字を確認してExcelなどにまとめなおす作業が必要でしたが、そういった作業を減らせます。そのため、以前よりも保管しているデータの活用がしやすくなりました。
帳票電子化のデメリット

帳票の電子化はメリットも多いですが、もちろんデメリットもあります。デメリットを理解し、補完する工夫をしましょう。帳票電子化のデメリットポイントを紹介します。
初期費用がかかる
いままで紙の帳票を使用している方や、電子化できる体制が整っていない方も多いでしょう。電子に対応するための備品の準備や、場合によってはサービスの導入を検討するのであれば、いままでになかった費用が発生します。長い目で見ると、必要コストであったとしても初期費用の準備が必要です。
ルールの改変が必要
紙の帳票では、書類の内容を確認した証明として押印する文化があります。しかし、電子帳票の場合は押印を押せません。そのため、押印に代わる承認が必要です。主に、電子帳票では発行した日付が付与され、確認者と承認者に回覧されて確認と承認ボタンを押すことで「タイムスタンプ」により時間記録が残ります。いままで、そういった方法を取っていない企業では、規定類の改訂をおこなわなければいけません。
複数の保存方法は非効率になる可能性がある
電子帳簿保存法が改正され、電子化を進めるために規制緩和が進んでいます。とはいえ、すべての帳票を電子化することは難しい企業も多いでしょう。電子と紙の2つの方法で保管をおこなうことで、重複管理が発生し担当者に負担がかかります。できる限り、電子で保存できるものを増やし紙での保存を減らしていく工夫が必要です。
製造業における帳票を電子化する際の課題

帳票を利用する業界はさまざまです。ここからは製造業において帳票を電子化する際の課題を解説します。帳票電子化システムの導入を検討している方は、現場が抱える課題を理解し、対応策を考えることをおすすめします。
帳票電子化システムの導入方法がわからない
紙のみで帳票を利用していた担当者では、そもそも帳票電子化システムをどのような手順で導入すればいいかわからないため、導入が進んでいないケースがあります。ITに詳しいスタッフが在籍していないこともあるため、システムを導入すること自体に難しい印象を持っている人も多いのではないでしょうか?
そういった場合は、システムを提供している会社やツールの導入をコンサルティングしてくれる会社に相談することが課題解決につながるでしょう。
帳票電子化システムの費用対効果がわからない
中小企業の工場の場合、電子化に向けてパソコンの購入やシステムの導入にかかる費用が経営に大きな影響を与える傾向があります。帳票の電子化のメリットを理解していても、初期投資の回収にかかる時間やコストダウン効果を見積もらないと、稟議を通すことが難しい場合もあるでしょう。
帳票電子化の推進者が自社・現場にいない
電子帳票システムについて知識を持っている人がいることが、帳票の電子化をスムーズにおこなうポイントです。
例えば、紙帳票をテンプレート化し、帳票を発行する手順のマニュアルを用意した上で、うまく運用されるかのテストをおこないます。それらの作業を日常の業務に加えておこない、電子システムの立ち上げ作業もおこなうとなると、現場で働いているスタッフだけでは困難だと言えます。
そのため、システム導入を専任とした担当者を別に用意することが必要です。
運用体制の構築が難しい
帳票の電子化システムの導入がうまくできた後も、システムを滞りなく運用する土台が必要です。また、新システムを導入するときは現場のスタッフ全員が使いこなせるかも重要です。土台や使いこなせない状態で運用を開始すると、帳票を使用するスタッフに負担が生じたり、取引先とのトラブルに発展したりするリスクが高まります。
電子化が初めての方は、どのような運用ルールや仕組みを作るべきなのか、ノウハウがないため難しい作業と言えるでしょう。
帳票電子化にはシステム活用が有効

初めて帳票の電子化を考えるなら、システムの活用をおすすめします。帳票システムには下記のような機能が搭載されています。
帳票作成機能 | 請求書や見積書などの帳票をコンピューター上で作成する機能 |
帳票管理機能 | 作成や送付をした帳票をデータとして保存する機能 |
電子化機能 | 紙媒体の帳票をデータ化して保存する機能 |
出力機能 | データとして保存した帳票を紙媒体に印刷する機能 |
セキュリティ機能 | 管理権限の付与や操作ログを記録する機能 |
システムの種類によっては搭載されている機能が異なる場合もあるため、自社に必要な機能を考えた上で検討をすると良いでしょう。
導入前後のサポートがついているシステムを選ぶと、スムーズに導入できます。
帳票を電子にするならi-Reporter

電子帳簿保存法の改正によって、より帳票の電子化が活発になる中、「導入コスト」や「社内への浸透」は解決しづらい課題です。
株式会社サンソウシステムズでは、導入社数No.1(富士キメラ総研 2023年8月8日発刊)の現場帳票システム「i-Reporter」の導入を支援する『ちょこっと相談室』という無料のオンライン相談窓口を設けております。
現場帳票のシステム化を検討する際、「時間がなくて調査ができない」「導入しても運用できるか不安」「他社製品と比較してどうなのか?」といった課題や不安がつきものです。
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