製造業の現場で、製品の不良や機械の故障、顧客からのクレームが発生した際には、詳細をまとめた不具合報告書を作成する必要があります。急なトラブル時に慌てないように、どのようなフォーマットで不具合報告書を作成すれば良いか、普段から確認しておくことは重要です。
この記事では、製造業向けの不具合報告書を作成する方法や書き方、ポイントについて解説しています。社外向けと社内向け、それぞれの不具合報告書を作成する際の書き方についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
「i-Reporter」は導入社数No.1(富士キメラ総研 2023年8月8日発刊)、国内トップシェアを誇る現場帳票システムです。
導入することで、紙の現場帳票の「記入・報告・管理」すべてのペーパーレス化を実現。さまざまな業務の効率化やDXにつなげられます。
また、弊社株式会社サンソウシステムズでは、要件定義から設計・導入、その後の運用管理まで、お客様に寄り添った伴走支援が可能です。
ぜひ、ご一緒に現場の業務課題を整理していきましょう。サービス資料を用意しましたので、併せてこの機会にこちらから無料でダウンロードしてみてください。
導入実績3,500社以上
目次
不具合報告書とは

不具合報告書とは、製品や機械の不具合や人的ミスが生じた際に原因を特定し、改善策を記載した文書です。社内向けに作成する場合と取引先やお客様向けに作成する場合があります。不具合報告書を作成すると、不具合が発生した原因と再発を防ぐ対策を関係者へ共有でき、品質や顧客満足度の向上につながります。
不具合報告書に記載する項目

不具合報告書に決まった形式はありませんが、記載するべき基本的な項目があります。ここからは、不具合報告書を作成する際に含めておきたい基本的な項目についてひとつずつ解説しますので、参考にしてください。
タイトル
タイトルは、簡潔でわかりやすく内容が一目で理解できるようにしましょう。単に「不具合の報告書」だけでは、どの商品の何に不具合があったのかわかりません。「○○製品の不具合報告書」のように、具体的に商品名や部品の名称を盛り込むと誰が見ても内容の想像がつきます。
さらにタイトルに日付を加え、不具合により発生している問題点も載せるとよりわかりやすくなります。具体的には、「2024年9月9日-製品Aの不具合により欠品発生の件」など長くなりすぎず、内容がわかりやすいタイトルが好ましいでしょう。
宛先
不具合報告書の宛先には、報告する先の担当者の名前を記入します。報告先が複数ある場合には、漏れのないように気を付けましょう。
差出人
不具合報告書の差出人には、作成者の名前や部署名、連絡先を記入します。不具合報告書の内容に不明点がある場合に問い合わせが来るため、内容を説明できる人物の名前を記載した方が良いでしょう。
発生日時
不具合報告書の発生日時には、トラブルが発生した日にちを記載します。トラブルの発生期間が継続的な場合には、「2024年7月5日~2024年7月20日」のように記載しておきましょう。
発生箇所
不具合報告書の発生個所には、トラブルが発生した場所を記載します。どのようなトラブルが起きているのか文章で説明するよりも、写真や図を載せた方がわかりやすい場合もあります。同じようなトラブルが発生した場合にも、写真や図を載せておくと比較がしやすくなる点もメリットです。
不具合の内容・原因
不具合の内容や原因は、不具合報告書の中で一番重要な項目です。不具合の内容には、具体的な製品名を記載し、影響が出た範囲や状況を記載しておきます。不具合の原因は、なぜトラブルが発生したのか原因を探り記載しましょう。なるべく詳細に原因を調べて記載しておくと、再発を防げます。
今後の対策
不具合報告書には、今後の対策も記入しておくと同様のトラブル発生時や再発の防止に役立ちます。具体的な対策を立てるためには原因をしっかり特定し、現場や専門家へもヒアリングをおこない実現可能な内容を記載しましょう。
不具合報告書の書き方

不具合報告書は、社内の関係者向けに作成する場合と外部の取引先やお客様向けに作成する場合で書き方に少し違いがあります。ここからは、社内向けと社外向けに分けて不具合報告書の書き方について解説します。
社内向け不具合報告書の書き方
社内の関係者に対し不具合報告書を作成する場合には、まず緊急性が高いトラブルなのか優先度を記載しておきましょう。また、関係者のみが閲覧するため、全員が理解できる場合にはある程度の専門用語や技術的な単語を混ぜても問題ありません。社内でしかわからない内部プロセスの問題点についても言及し、改善点を含め詳細に記載するのがポイントです。
社外向け不具合報告書の書き方
社外向けに不具合報告書を作成する場合には、まず相手先が指定する不具合報告書のフォーマットがあるかどうかを確認しましょう。専門用語や技術的な単語は使用せず、相手先の担当者が理解しやすいよう簡潔にまとめることが重要です。記載する内容によっては、法的な責任や契約上の義務にかかわる場合もあるため、注意が必要です。
社内向けと異なる点として、差出人欄には必ず企業名・メールアドレス・電話番号を記載するなど、相手先の担当者が連絡しやすいよう配慮しましょう。また、宛先には担当者の個人名は記載せずに企業名や部署名のみを記載するようにします。
不具合報告書を書く際のポイント

不具合報告書を作成する場合には、正確な情報を詳しく記載し、実現可能な対応策までじっくり練る必要があります。ここからは社内向けと社外向けに共通して気を付けたい、不具合報告書を作成する際のポイントを解説しますので、作成の際の参考にしてください。
不具合の内容を具体的に記載する
不具合報告書を作成する際には、どのような不具合がいつ・どこで・どのように起こったのか詳細に記載しましょう。単に「機械が停止した」だけでは、受け取り方がさまざまで不具合の内容が曖昧です。「30度を超える室温で機械を動作させたところ、発熱し3分ほど経過した後、停止した」などのように具体的に記載します。写真や動画、機械のログファイルなど証拠を添付するとより状況がわかりやすくなります。
真因を探り対策を立てる
不具合報告書の内容は、表面的な原因ではなく、改善につなげるため真の原因を探る必要があります。なぜ不具合が発生したのかを繰り返し問い続ける「なぜなぜ分析」をおこなったり、機械や生産ラインのデータを収集し分析したり、現場からヒアリングしたりして真因を突き止めましょう。
その上で、集めた原因と不具合との因果関係を検証し、不具合が発生した真の原因を特定します。真因に対しての対策を練れば、高い可能性で再発を防止できるようになります。
誰が読んでもわかるような文章にする
社内・社外ともに不具合報告書に記載する内容は、誰が読んでもわかる文章にしなければなりません。基本的な文章作成の方法として、いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのようにを記載する「5W1H」を意識し、読み手がわからない専門用語を使わないようにしましょう。1つの文に1つの情報だけを含める「ワンセンテンス・ワンメッセージ」を意識することも重要です。
不具合報告書の作成におすすめのツール

不具合報告書は、手書きの紙帳票を使うよりITツールを活用するのがおすすめです。ここからは、不具合報告書を作成する際におすすめのツールについて解説します。
現場帳票電子化システム「i-Reporter」

「i-Reporter」は、現場で使用する紙帳票をそのまま電子化できる現場帳票システムです。Excelや写真、PDFからデータを読み込み帳票のひな形が作成できるため、現在使用している不具合報告書のフォーマットがあればそのまま活用できます。作成した不具合報告書は、ExcelやPDFで出力でき、社外へ提出する際もスムーズです。入力支援機能や帳票の共有にも対応しており、写真や図面の添付も簡単にできます。
弊社株式会社サンソウシステムズでは、「i-Reporter」の導入や運用に当たりお客様に寄り添った伴走支援をおこなっております。お話を伺いたい方は、無料の『ちょこっと相談室』(Teams:オンライン)で、お気軽にご相談ください。現状課題のヒアリングから丁寧に対応させていただきます。
Excel
Excelは、Microsoftが提供する表計算ツールです。データの整理や分析に優れており、自動計算や関数を使えたり、グラフに変換したりできます。多くの企業で導入されているツールであるため、改めて購入する必要がない点はメリットです。一方デメリットとして、データの共有がしにくい点と進捗状況をリアルタイムで通知しづらい点が挙げられます。
Word
Wordは、Microsoftが提供する文書作成ツールです。Wordも多くの企業で導入されており、長い文章の作成や表・画像の添付も可能です。複雑なレイアウトの作成やたくさんの図や写真を配置したい場合には、思い通りに配置できないこともあるため、作成に時間がかかるのがデメリットです。
PowerPoint
PowerPointは、Microsoftが提供するプレゼンテーションに使用する資料を作成できるツールです。表や画像、文字、グラフなどを自由に配置して、柔軟なデザインの不具合報告書を作成できます。一方で、入力したデータを集計したり検索したりするには不向きな点がデメリットです。
不具合報告書の無料テンプレート

不具合報告書を作成する際には、テンプレートを利用すると便利です。ここからは、不具合報告書のテンプレートを配布しているサイトを紹介します。
テンプレート祭り

引用:テンプレート祭り
「テンプレート祭り」は、無料でダウンロードできるカレンダーや記録帳、スケジュール表などのテンプレートを配布しているサイトです。不具合報告書のテンプレートも以下のリンクから利用できます。
Excelフリーソフト館

引用:Excelフリーソフト館
「Excelフリーソフト館」は、Excelで作成されたさまざまな種類のテンプレートをダウンロードできるサイトです。ビジネス文書からポスターなど幅広いテンプレートを取り扱っています。不具合報告書のテンプレートは、以下のリンクから利用できます。
https://templateexcel.com/blog-entry-1189.html
無料テンプレートダウンロード

「無料テンプレートダウンロード」は、ビジネスや学校、日常生活で使えるさまざまなテンプレートを無料で配布しています。不具合報告書のテンプレートは、以下のリンクからダウンロードが可能です。
https://free-template-download.net/business/fuguaihoukokusyo.html
不具合報告書を素早く作成し再発防止に努めましょう

不具合報告書は、さまざまなトラブル発生時に素早く作成する必要があります。しっかり調査し改善策をまとめた不具合報告書があれば、今後の再発防止にも役立つでしょう。不具合報告書を作成する際には、テンプレートを利用でき簡単に共有・分析ができるITツールの利用がおすすめです。この記事を参考に、ぜひ自社の不具合報告書について作成や見直しをおこなっていただければ幸いです。
株式会社サンソウシステムズでは、導入社数No.1(富士キメラ総研 2023年8月8日発刊)の現場帳票システム「i-Reporter」の導入を支援する『ちょこっと相談室』という無料のオンライン相談窓口を設けております。
現場帳票のシステム化を検討する際、「時間がなくて調査ができない」「導入しても運用できるか不安」「他社製品と比較してどうなのか」といった課題や不安がつきものです。
そのような企業様も安心してください。コンサルティング実績の多い弊社であれば、課題のヒアリングから業務効率化に向けた、目標設定・試験導入、その後の本導入から運用まで伴走支援いたします。
まず、やるべきことを整理するだけでもメリットになります。
お話を伺いたい方は、無料の『ちょこっと相談室』(Teams:オンライン)で、お気軽にご相談ください。現状課題のヒアリングから丁寧に対応させていただきます。