現場帳票を電子化する導入ガイド|メリットや注意点、ツールの選び方を解説

電子帳簿保存法の施行をきっかけに、現場帳票の電子化を視野に入れる企業が増えてきました。実際に電子化するにあたって、どのようなことに気を付けてツールを選べば良いか悩んでいる担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、現場帳票の電子化がなぜ必要なのか、紙の帳票で起きる問題点、そして電子化によって得られるメリットを詳しく解説します。さらに、電子化を進める際の注意点や成功させるポイント、おすすめのツールや運用のコツも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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目次

現場帳票の電子化とは

現場帳票の電子化とは、これまで紙媒体で管理していた点検記録、作業報告書、日報の現場帳票をタブレットやスマートフォンなどのデジタルデバイスを用いて作成・管理することを指します。これにより、手書きによる記入ミスや紛失のリスクを減らし、業務効率化やコスト削減につなげることが可能です。

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電子帳簿保存法との関連性

現場帳票の電子化を検討する上で、電子帳簿保存法は重要なポイントです。電子帳簿保存法とは、税務関係の帳簿や書類を電子データで保存することを認める法律です。法律に則って電子化をおこなうことで、紙の保管スペースが不要になるだけでなく、税務調査などにもスムーズに対応できるようになります。

電子帳簿保存法では、電子データ保存に関する要件が定められており、大きく分けて「真実性の確保」と「可視性の確保」が求められます。真実性の確保とは、データの改ざんや虚偽入力を防止するための措置を講じることであり、可視性の確保とは、税務署職員などがデータを容易に閲覧できるようにするための措置を講じることです。

具体的には、以下のような要件を満たす必要があります。

要件詳細
タイムスタンプの付与電子データにタイムスタンプを付与することで、データの存在と非改ざん性を証明する
訂正・削除記録の証明訂正・削除した履歴が残るシステムなどでデータを保存する
検索機能の確保取引年月日、勘定科目、取引金額などの項目でデータを検索できるようにする
電子署名の付与作成者を特定するために、電子署名を付与する
システムの概要書などの備え付け使用するシステムの概要書や操作マニュアルなどを備え付け、税務署職員が容易に内容を理解できるようにする

現場帳票の電子化ツールには、電子帳簿保存法の要件を満たす機能を備えているものも多くあります。ツールを選ぶ際には、自社の業務に必要な機能が備わっているかだけでなく、電子帳簿保存法への対応状況も確認することが重要です。

電子帳簿保存法に対応したシステムを導入し適切な運用をおこなうことで、現場帳票の電子化は単なる業務効率化だけでなく、法令遵守にもつながる取り組みとなります。

参考:国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」

現場帳票の電子化が必要な背景

現場帳票の電子化は、現代のビジネス環境において欠かせない存在となっています。本章では、現場帳票の電子化が必要な背景を具体的に解説します。

労働人口減少と人材不足

日本における労働人口の減少は深刻な問題ですが、特に現場作業においては人材不足が顕著にあらわれています。少子高齢化が進む中、若年層の労働力は減少し、熟練作業員の高齢化も進んでいます。経済産業省によると、2002年から若年就業者数は減少し、高齢就業者数は増加している状況が続いていることが明らかになりました。

このような状況下で、従来の紙帳票による業務プロセスは非効率であり、人的リソースの負担を増大させる要因です。

現場帳票を電子化することで、データ入力の自動化や入力ミスの削減、情報共有の迅速化などが可能になり、限られた人員でも効率的に業務を遂行できるようになります。また、電子化されたデータは分析にも活用できるため、業務改善や人材育成にも役立ちます。

参考:経済産業省 厚生労働省 文部科学省「2024年版 ものづくり白書」

働き方改革と業務効率化の推進

働き方改革は、労働時間や場所にとらわれず多様な働き方を実現するための取り組みです。現場帳票の電子化は、働き方改革を推進する上で重要な役割を果たします。

紙の帳票ではオフィスに戻ってからの入力作業や承認を得るための回覧など、時間と場所の制約を受ける作業が多く発生します。電子化によって現場で直接データ入力が可能になり、リアルタイムでの情報共有や承認プロセスの迅速化が可能です。結果として、従業員の負担を軽減し、他の業務に集中できる環境を整備できるので、残業時間の削減や生産性の向上にもつながります。

ペーパーレス化とDX推進の潮流

近年、環境意識の高まりやコスト削減の観点から、ペーパーレス化を推進する企業が増えています。また、デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを変革し、競争優位性を確立するDXも導入する企業が増加中です。現場帳票の電子化は、これらの潮流に沿ったもので、企業の持続的な成長に不可欠な要素です。

紙の帳票は、保管場所の確保や管理の手間がかかるだけでなく、紛失や破損のリスクも伴います。電子化することで課題を解決し、情報を安全かつ効率的な管理が可能です。

また、電子化されたデータはAIやIoTなどの最新技術と連携させることで、新たな価値を生み出す可能性もあります。例えば、収集したデータの分析で、設備の故障予測や品質改善につなげることも期待できるでしょう。

紙の帳票で起きる問題

現場帳票を電子化する前に、まずは紙の帳票で起きる問題点について見ていきましょう。紙の帳票には、正確性、安全性、コストの面でいくつかの課題があります。これらの課題を理解することで、電子化の必要性をより深く認識できます。

正確さに欠ける

紙の帳票は手書きで記入するため、どうしても記入ミスや読み間違いが発生しやすくなります。特に、現場作業員が急いで記入する場合や、暗い場所、不安定な場所で記入する場合には、文字が乱れ、記入漏れが発生する可能性が高まります。

また、記入者によって文字の癖が異なるため、後で確認する際に読み取るのに苦労することもあるでしょう。

さらに、集計作業にも手間と時間がかかります。手書きの数字を一つひとつ確認して電卓やPCに入力する必要があるため、入力ミスも起こりやすいです。入力ミスがあるとデータの信頼性が損なわれ、その後の分析や判断に悪影響を及ぼす可能性があります。

その結果、本来必要のない確認作業が発生して業務プロセスの効率が悪化してしまいます。

災害や紛失によるリスクがある

紙の帳票は、火災や水害などの災害によって失われるリスクがあります。また、紛失や盗難によって情報が漏洩する可能性も否定できません。

重要な情報が記載された帳票が失われると、業務に支障をきたすだけでなく、企業の信用を損なうことにもつながります。紛失・破損対策を講じる必要があるため、管理コストもかかってしまいます。

大量の紙を使用するためコストがかかる

紙の帳票を使用する場合、印刷代や用紙代、インク代などのコストがかかります。また、帳票を保管するためのスペースも必要です。長期にわたって保管する必要がある場合には、倉庫を借りる必要も出てきます。さらに、帳票を管理する人手も必要なため人件費もかかります。これらのコストは、企業にとって大きな負担です。

現場帳票を電子化するメリット

現場帳票を電子化することで、企業はさまざまなメリットを享受できます。本章では、主な7つのメリットについて解説します。

自動記入により記入内容の精度が高まる

現場帳票の電子化は、手書きによる記入ミスや記入者の知識不足による誤った情報の記入を防げます。また、自動入力や選択式の導入によって記入内容の精度を大幅に向上させることも可能です。

例えば、機械の稼働時間や製品の検査結果など正確なデータが求められる製造業の現場でも、電子帳票とセンサーや計測器との連携により、正確なデータを自動的に記録することができ、情報の信頼性を高めることができます。

他にも、入力されたデータはその場で検証・修正が可能です。

業務効率が大幅に向上する

紙の帳票では、記入や回収、集計、保管といった一連の作業に多くの時間と手間がかかります。電子化することで作業を大幅に効率化できます。

例えば、現場で入力したデータがリアルタイムで事務所に送信され、集計作業が自動でおこなわれるため、集計担当者の負担を軽減し迅速なデータ分析も可能になります。

コスト削減効果が高い

現場帳票を電子化することで、印刷代や用紙代、保管スペース代などの全体的なコストを削減可能です。また、業務効率化による人件費の削減効果も期待できます。例えば、帳票作成・管理に月300時間かかっている企業では、現場帳票システム「i-Reporter」による電子化で月170時間削減する効果を得ています。人員のリソースを別の場所で活用できるようになるでしょう。

また、帳票の保管スペースが不要になることで、オフィススペースを有効的に活用できます。

データ活用で品質向上につながる

蓄積されたデータの分析で、品質管理や工程改善、異常検知などに役立てられます。

例えば、製造業の現場では、製品不良データの分析で、不良原因を特定し工程改善につなげられます。また、過去のデータと比較することで、異常な状態を早期に検知し、品質問題の発生を未然に防ぐことも可能です。

情報をリアルタイムで共有できる

現場帳票の電子化により、現場で入力された情報を事務所や関係部署にリアルタイムで共有できるため、迅速な判断や対応が可能になります。

例えば、建設現場で撮影された写真や検査結果がリアルタイムで設計担当者や顧客に共有することで、迅速な承認や指示を仰げます。手戻りを減らし、工期短縮につなげられることは現場帳票の電子化のメリットです。

監査や取引先に素早く情報提供できる

現場帳票を電子化すると、必要な情報を迅速に検索し提供できます。紙の帳票のような大量の書類の中から探し出す手間が省けるため、監査や取引先から情報提供の依頼を受けてもすぐに対応できます。素早い対応は顧客満足度の向上にもつながる電子化のメリットです。

大量のデータを長期間安全に保管できる

電子化された現場帳票はクラウドやサーバーに保管されるため、紙の帳票のように劣化や紛失の心配がなく、安全にデータを保管できます。自然災害が発生した際も保護できることはメリットのひとつです。

また、データのバックアップもできるため長期的にデータを保管し続けられます。さらに、電子帳簿保存法の要件を満たすシステムの導入で、税務調査にも対応できる形でデータを保管できます。

現場帳票を電子化する際の注意点

現場帳票の電子化は業務効率化やコスト削減に大きく貢献しますが、導入にあたってはいくつかの注意点があります。注意点を事前に理解し、対策を講じることで、よりスムーズな電子化を実現できます。

電子化を進めていない取引先の理解が必要になる

現場帳票の電子化を進めるにあたり、取引先が必ずしも電子化に対応しているとは限りません。取引先が紙の帳票を必要とする場合、電子化した帳票を印刷して提供する必要が生じ、電子化のメリットを十分に活かせない可能性があります。そのため、電子化を進める前に、取引先の状況を確認し、理解を得ることが重要です。

理解を得るために、取引先へ導入前に電子化の説明をします。電子化の目的やメリットを丁寧に説明し、理解と協力を求めます。電子化への移行期間を設け、取引先がスムーズに対応できるよう配慮することが重要です。

特に、今まで紙の帳票が主流だった企業とは、必ずコミュニケーションをとって電子化する旨を伝えましょう。また、取引先が電子化に対応できない場合でも、柔軟に対応できるよう紙の帳票での対応も検討してください。

電子帳簿保存法やツールなどの知識を学ばなければならない

現場帳票の電子化は、単に紙の帳票をデータ化するだけでなく、法律やツールに関する知識も必要です。特に、電子帳簿保存法は、電子データで帳簿を保存する際の要件に準拠しなければなりません。また、導入するツールについても、機能や操作方法を十分に理解しておく必要があります。

そのため、国税庁のWebサイトやセミナーなどを活用して電子帳簿保存法の要件を学ぶことや、 導入するツールのマニュアルの確認、ベンダー研修に参加するなど、機能や操作方法を習得するなどの工夫が重要です。また、従業員向けに電子帳簿保存法やツールの操作方法に関する研修を実施し、知識の定着を図ることも欠かせません。

業務フローの再整備が必要になる

現場帳票を電子化するにあたり、従来の紙ベースの業務フローを見直し電子化に対応した新しい業務フローを構築する必要があります。例えば、承認フローや保管方法、バックアップ体制などを再検討しなければなりません。業務フローの再整備を怠ると、電子化の効果を十分に発揮できない上、業務の混乱を招く可能性もあります。

業務フローの再整備の手順は以下の通りです。

  1. 現状の業務フローの分析: 紙ベースの業務フローを洗い出し、課題や改善点を見つける
  2. 新しい業務フローの設計: 電子化に対応した新しい業務フローを設計し、関係者間で共有する
  3. テスト運用: 新しい業務フローを試験的に運用し、問題点や改善点を見つける
  4. 業務フローの周知徹底: 新しい業務フローを従業員に周知徹底し、スムーズな移行を促す

特に、現場担当者が再整備の意図や目的を十分に理解し、積極的に協力してくれるように、綿密なコミュニケーションを図ることが重要です。また、新しい設備やツールの使い方、変更された業務フローなどについて、研修やマニュアル作成を通じて丁寧にサポートすることで、現場の混乱を最小限に抑え、スムーズな移行を実現できます。

現場帳票の電子化を成功させるポイント

現場帳票の電子化は、業務効率化やコスト削減に大きく貢献しますが、導入にあたってはいくつかの重要なポイントがあります。4つのポイントを意識することで、スムーズな導入とその後の運用定着を実現できます。

導入前に目的の明確化とKPI設定をおこなう

はじめに、なぜ現場帳票を電子化するのか目的を明確にしましょう。「業務効率を〇%向上させる」「帳票にかかるコストを〇%削減する」など、具体的な数値目標(KPI)を設定することが重要です。目的とKPIを明確にすることで、ツール選定や導入計画がスムーズに進み、効果測定も容易になります。

事前にコスト計算をしておく

電子化には、ツールの導入費用だけでなく運用コストや教育コストもかかります。事前にこれらのコストを詳細に計算し、費用対効果を見極めることが大切です。

短期的なコストだけでなく、長期的な視点で事前に考えておきましょう短期的なコストだけを見ると高額な投資かもしれませんが、長期的に見ると業務の効率化や無駄なコストを削減できる可能性があります。

計画性を持って電子化を進める

現場帳票の電子化は、一気にすべてを切り替えるのではなく、段階的に進めるのがおすすめです。まずは一部の帳票から電子化を始め、効果を検証しながら徐々に範囲を拡大していくことで、現場の混乱を最小限に抑えられます。また、電子化する帳票の優先順位をつけることも重要です。

まずは作業員たちに紙の帳票から電子化することを伝えて、紙と電子の現場帳票を併用する期間を設けると良いでしょう。その際に、作業方法や入力項目を変えないことも大切です。

導入後の教育・研修を徹底する

新しいツールを導入しても、現場の担当者が使いこなせなければ意味がありません。導入後には、操作方法や電子化のメリットなどを理解してもらうための教育・研修を徹底します。必要に応じて、マニュアルの作成やeラーニングの導入も検討します。継続的な教育・研修によって、ツールの定着率を高めることが可能です。

現場帳票の電子化におすすめなツール

現場帳票の電子化を検討する上で、どのツールを導入するかは非常に重要なポイントです。本章では、特におすすめの現場帳票電子化ツールを6つご紹介します。それぞれの特徴を比較し、自社のニーズに最適なツールを選びましょう。

i-Reporter

参考:【i-Reporter】シェアNo.1の現場帳票電子化システム – 多彩な機能の現場帳票システムならi-Reporter

「i-Reporter」は、現場帳票システムのシェアNo.1を誇るツールです。紙帳票の記録を再入力する手間を省き、記録業務を効率化できるほか、幅広い業務課題を解決できます。

i-Reporterの特徴・主な機能は以下の通りです。

  • 紙帳票のレイアウトをそのまま使えて操作が簡単
  • システムのデータを自動連携し、報告書作成やシステム登録の手間や時間を削減
  • 録音やバーコード読取、PLC情報、生体認証、計測器などで情報を収集
  • 情報漏えいなどのセキュリティ対策が万全

KANNA

参考:施工管理アプリ KANNA|株式会社アルダグラム

「KANNA」は、現場に加え管理担当者にとっても効率的に業務を進められる特徴のあるツールです。建設業界の施工管理や、建設・物流業界の在庫管理、そしてプロジェクトの進捗状況の可視化など、さまざまな情報を一元管理できます。

KANNAの特徴・主な機能は以下の通りです。

  • ワンクリックで最新の図面にアクセス可能
  • グループチャットの活用で連絡漏れを防止
  • 同時並行の現場進捗をカレンダーやボードによって可視化
  • 事業に合わせたオリジナル機能の開発が可能

JoyCOMES Re

参考:現場帳票電子化ツール JoyCoMES Re(ジョイコメスアールイー)|東京ガス (tokyo-gas.co.jp)

「JoyCoMES Re」は、東京ガス株式会社が提供する業務改善に特化した電子帳票システムで、簡単にカスタマイズできる柔軟性が特徴です。現場のニーズに合わせた帳票の作成ができます。

JoyCoMES Reの特徴・主な機能は以下の通りです。

  • Excelベースで操作が簡単
  • 入力補助機能で初心者も安心
  • データ分析機能で業務改善が容易
  • 追加システムとの連携で現場のさまざまなデータ収集が可能

@Tovas

参考:電子帳票配信システム @Tovas|コクヨ株式会社

「@Tovas」は、コクヨ株式会社が提供するサービスで、物流や品質管理に加え、経理や営業など幅広い業務で活用できることが特徴です。公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)認証の「電子取引ソフト法的要件認証」を取得しており、安心して導入できます。

@Tovasの特徴・主な機能は以下の通りです。

  • 100年以上の実績とノウハウで導入・運用をサポート
  • 高度なセキュリティ対策
  • FAX・郵送など取引先に合わせて送信可能
  • 管理業務負担を軽減するシステム

TriFellows

参考:TriFellows | 横河ソリューションサービス株式会社

「TriFellows」は、横河ソリューションサービス株式会社が提供する製造現場の業務改善につなげるツールです。帳票の電子化に加え、トレンドファイルのデータやプロセスデータの瞬時値やスナップショット値を表示できるなど、さまざまな機能が備わっています。

TriFellowsの特徴・主な機能は以下の通りです。

  • 日報の入力で月報・年報を自動再作成
  • データの自動収集でヒューマンエラーを防止
  • 問題発生時のデータ分析で品質管理や安定操業を実現
  • 情報共有機能で引き継ぎがスムーズ

FormPat

参考:電子フォームクラウド FormPat.net|デジタルアシスト株式会社

デジタルアシスト株式会社が提供する「FormPat.net」は、さまざまな業界に対応した汎用性の高い電子帳票ツールです。ユーザーインターフェースが直感的で、誰でも簡単に操作できます。

FormPat.netの特徴・主な機能は以下の通りです。

  • 使い慣れたレイアウトでデータ入力が可能
  • 申請から承認、決裁までのプロセスがスムーズに
  • データの検索が容易
  • PDFへの出力も可能

最適な現場帳票電子化システムの選び方

現場帳票の電子化を成功させるためには、自社の課題やニーズに合ったシステムを選ぶことが不可欠です。本章では、システムを選ぶ際に重要な6つのポイントを解説します。

機能:必要な機能が揃っているか

まず、自社の業務に必要な機能が揃っているかを確認しましょう。具体的には、以下のような機能が挙げられます。

  • 帳票作成機能: 既存の紙帳票を再現できるか、自由にレイアウトをカスタマイズできるか
  • データ入力機能: 手書き入力、音声入力、バーコード読み取りなどさまざまな入力方法に対応しているか
  • データ管理機能: 入力されたデータを安全に保管・管理できるか、検索機能は充実しているか
  • 承認ワークフロー機能: 作成された帳票の承認フローを構築できるか
  • オフライン対応: インターネット環境がない場所でも利用できるか
  • 写真・動画添付機能: 現場の状況を記録するために写真や動画を添付できるか

現場関係者からのヒアリングを通じて、どのような機能が求められているのかを明確にすることも重要です。

操作性:現場担当者が使いやすいか

現場で使用する担当者がストレスなく使える操作性であることも重要なポイントです。これまでの紙の帳票のように直感的に利用できるインターフェースであるかを確認します。また、タブレットやスマートフォンなどさまざまなデバイスに対応しているかなどもチェックしておきましょう。

連携性:既存システムとの連携は可能か

すでに導入している基幹システムやクラウドサービスとの連携が可能かどうかも確認します。複数のシステムと連携することで、データの二重入力の手間を省き、業務効率を向上できます。

セキュリティ:セキュリティ対策は万全か

現場帳票には、機密情報や個人情報が含まれる場合があります。そのため、セキュリティ対策が万全であるかの確認が重要です。具体的には、以下のような点を確認しましょう。

  • アクセス権限の設定: ユーザーごとにアクセスできる情報を制限できるか
  • データ暗号化: データが暗号化されているか
  • 監査ログ: 操作履歴を記録できるか
  • バックアップ体制: データ消失時の復旧体制が整っているか

費用:導入・運用コストは予算内か

導入費用だけでなく、月額利用料やサポート費用など、トータルでかかるコストを把握し予算内に収まるかを確認します。初期費用とランニングコストを比較し、どれだけのコスト削減効果が見込めるのかの評価も重要です。

サポート体制:導入時や運用時のサポートは充実しているか

導入時の設定支援や操作方法のレクチャー、運用時のトラブル対応など、サポート体制が充実しているかを確認しましょう。電話やメールだけでなく、チャットや訪問サポートなど、さまざまなサポート方法があると安心です。

現場帳票の電子化ツール導入後の運用と定着のコツ

A man in work clothes and a woman in a suit outdoors

現場帳票の電子化ツールを導入しただけでは、業務効率化やコスト削減といった効果を最大限に引き出すことはできません。本章では、ツール導入後の運用と定着を成功させるための3つのコツを紹介します。

導入後の定期的な効果測定と改善

電子化ツール導入後は定期的に効果測定をおこない、改善を繰り返すことが重要です。導入前に設定したKPIを基に、効果が出ているかを確認します。効果測定では、以下の項目をチェックすると良いでしょう。

  • 帳票作成時間の短縮率
  • 入力ミスの削減率
  • コスト削減額
  • 業務効率の向上率
  • データ分析の活用状況

効果測定の結果、目標に達していない場合は原因を分析し、改善策を検討します。例えば、ツールの操作方法が難しい場合は、研修内容の見直しや、操作マニュアルの改善をする必要があります。また、現場のニーズに合わない機能がある場合は、ツールの設定を変更し、ベンダーに機能改善を要望することも検討しましょう。

現場からフィードバックの反映

現場担当者からのフィードバックは、ツールをより使いやすく、効果的なものにするために不可欠です。定期的にアンケートを実施しヒアリングをおこない、現場の意見を収集します。フィードバックを反映することで、現場担当者の満足度が向上し、ツールの利用促進につながります。

フィードバックを収集する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 具体的な意見を求める
  • すべての意見や提案に目を通し、真摯に対応する
  • 改善策を実行したら、結果を現場にフィードバックする

継続的な教育・研修の実施

電子化ツールは、導入後も継続的に教育・研修を実施することが重要です。ツールのバージョンアップや機能追加があった場合は、その都度、研修をおこないます。また、新しい担当者が配属された場合も、必ず研修を実施しましょう。

研修内容としては、ツールの基本的な操作方法だけでなく、業務フローにおけるツールの活用方法やデータ分析の基礎知識なども含めることが望ましいです。研修方法は集合研修やオンライン研修、eラーニングなどさまざまな方法があります。現場の状況や予算に合わせて、最適な研修方法を選ぶことが重要です。

現場帳票の電子化を成功させるために必要な機能を決めておきましょう

現場帳票の電子化を成功させるためには、導入前に「どのような機能が重要か」を検討しておくことが不可欠です。企業ごとに業種や業務プロセスが異なるため、現状に合った機能を持つシステムを選ぶことが大切です。さまざまな電子化ツールを比較して自社の必要な機能が搭載されているツールを選びましょう。

最適なツールを選ぶためには、現在の現場帳票の状態を確認して何が必要なのかを洗い出しすることが重要です。

特に、実際に帳票を使用する担当者が使いやすいような直感的な操作性や、現状の現場ツールと記入項目を統一できるようにカスタマイズ性があるツールがおすすめです。

株式会社サンソウシステムズでは、導入社数No.1(富士キメラ総研 2024年8月8日発刊)の現場帳票システム「i-Reporter」の導入を支援する『ちょこっと相談室』という無料のオンライン相談窓口を設けております。

現場帳票のシステム化を検討する際、「時間がなくて調査ができない」「導入しても運用できるか不安」「他社製品と比較してどうなのか」といった課題や不安がつきものです。

そのような企業様も安心してください。コンサルティング実績の多い弊社であれば、課題のヒアリングから業務効率化に向けた、目標設定・試験導入、その後の本導入から運用まで伴走支援いたします。

まず、やるべきことを整理するだけでもメリットになります。

お話を伺いたい方は、無料の『ちょこっと相談室』(Teams:オンライン)で、お気軽にご相談ください。現状課題のヒアリングから丁寧に対応いたします。