棚卸や入出庫管理などの効率化に活躍する在庫管理アプリ。作業効率の改善を目的に導入を検討しているけれど、どの在庫管理アプリを選んだら良いか、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
在庫管理アプリに限らず、新しいシステムの導入にはコストがかかるため、慎重に選ぶ必要があります。もちろん中には無料の在庫管理アプリもあるため、無料・有料どちらを選ぶのかも検討の材料です。
本記事では、在庫管理アプリ選定のポイントとおすすめの在庫管理アプリを無料・有料別に紹介します。導入時の注意点についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
『i-Reporter』は、在庫管理表を電子化し効率化できる現場帳票システムです。導入実績No.1(富士キメラ総研2023年8月8日発刊)を誇り、在庫管理業務にかかるペーパーレス化を実現できます。
また、弊社サンソウシステムズでは、i-Reporterの設計・導入から運用までを伴走サポートします。
ぜひ、在庫管理業務の課題を一緒に整理し解決しましょう。
導入実績3,500社以上
目次
在庫管理アプリとは

在庫管理アプリとは、スマートフォンやタブレットを利用して入出庫・在庫管理ができるアプリです。
従来のハンディ―ターミナルを導入しなくても、スマートフォンなどのカメラでバーコードやQRコードを読み取り、在庫管理や検品などをおこなえます。
在庫管理アプリでできること
在庫管理アプリの主な機能は、以下の通りです。
物品登録 | 数量や保管場所、画像、商品状態など、管理に必要なデータを登録する。 |
バーコード・QRコード作成 | 商品一つにつき、読み取り用のバーコードやQRコードを生成する。物品登録時に自動で生成されるアプリもある。 |
入出庫記録作成 | バーコードやQRコードをスキャンすることで記録、データの反映を自動でおこなう。 |
在庫確認 | スマートフォンやタブレットから商品の在庫を確認できる。複数人・複数拠点からも確認が可能。 |
発注アラート | 在庫数や期限切れなど、一定の条件を下回った場合に自動アラートで教えてくれる。商品ロスを防止し、適切な在庫数を保持できる。 |
在庫管理システムとの違い
在庫管理アプリは在庫管理システムの中の一つです。
一般的に在庫管理システムを導入する場合、ハードウェアの購入とシステム運用に必要な環境整備が必要です。その分費用がかかりますが、在庫分析やマスター管理など、機能数が幅広い特徴があります。
一方で、在庫管理アプリは必要最低限の機能を低コストで導入可能です。管理範囲が狭かったり、最低限の機能だけあればよかったりする場合は、在庫管理アプリがおすすめです。
在庫管理アプリを選ぶ際のポイント

在庫管理アプリを選ぶ際には、機能や操作性、費用などいくつかのポイントがあります。
自社に合わないアプリを選択すると社内に浸透せず、失敗に終わる可能性も少なくありません。導入に失敗しないためにも、在庫管理アプリを選ぶ際のポイントについて詳しく見ていきましょう。
導入目的を明確にする
在庫管理アプリを導入する前に、「なぜ在庫管理アプリが必要なのか」目的を明確にします。目的が不明確であれば、自社に最適な在庫管理アプリがわからず、導入に失敗する可能性も少なくありません。
例えば、以下のような目的が挙げられます。
- 複数人または複数拠点で在庫管理をしたい
- 社内の備品の在庫を管理したい
- 小売業でPOSレジの導入と一緒に導入したい
- 倉庫管理をしたい
在庫管理アプリにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。そのため上記のように目的が明確になれば、どのような在庫管理アプリを導入すべきか判断できるでしょう。
機能を確認する
在庫管理アプリは、それぞれ搭載している機能が異なります。自社の導入目的を達成するために必要な機能があるかどうかを確認しましょう。
特に確認すべき機能は以下の通りです。
- オフライン利用
- プッシュ通知
- クラウド自動同期
在庫管理アプリは、倉庫内や外出先で利用する場合も少なくありません。そのため、オフラインでも在庫管理ができ、オフラインで編集した情報はインターネット接続時に自動で反映されるアプリがおすすめです。
また在庫アラートや納品の遅延など、重要な情報をプッシュ通知で知らせてくれるアプリも良いでしょう。
目的の達成や在庫管理アプリの円滑な運用には、搭載されている機能の確認が大切です。
操作性を確認する
在庫管理アプリはスマートフォンやタブレットなどでの利用を前提としているため、モバイル端末での操作性が重要です。操作がしにくい端末を導入すると、かえって在庫管理の生産性が低下したり、社内に浸透しなかったりと、見込んでいた効果が得られない可能性があります。
在庫の登録や検索などの操作画面がモバイル端末に最適化されているアプリを選びましょう。また、タップやスワイプなど直感的に操作がおこなえるアプリは、ITが苦手な社員でも抵抗なく利用できます。
在庫管理アプリを導入する際は操作性の優劣を確認し、長期にわたって利用を継続できるか判断しましょう。
導入費用を確認する
導入にかかる費用は在庫管理アプリによって幅広く、使える機能や管理対象の規模などによって変化します。必要な機能が搭載されている在庫管理アプリを見つけたら、その費用を確認しましょう。
在庫管理アプリでは、無料プランなどのスモールスタートできるプランを用意しているものもあります。しかしプランによっては、利用できる機能に制限がある場合が多いため注意が必要です。必要な機能や性能が明確になったら、導入費用と予算と照らし合わせて最適なツールを選びましょう。
【無料】おすすめの在庫管理アプリ

無料で使えるおすすめの在庫管理アプリを紹介します。まずは試してみたい方や小規模での利用を検討している方におすすめです。
アプリ | 特徴 | 無料プラン・トライアル |
---|---|---|
zaico | 導入実績が豊富で充実サポート | 無料トライアル:31日間 |
ロジクラ | 外部サービスとの連携で在庫管理以外の業務も効率化 | 無料トライアル:14日間 |
クラプロ | 無料プランでも全機能利用が可能 | 無料プラン:あり |
ハウメニ | 操作性に優れ、シンプルでわかりやすいデザイン | 無料プラン:あり |
Tana | 英語対応可・セキュリティの高さが安心 | 無料プラン:あり |
zaico

株式会社ZAICOが提供する「zaico」は、導入企業17万社以上(2024年8月時点)を誇る在庫管理アプリです。
無料トライアル期間を設けており、導入効果がどれほど見込めるか無料で検証できます。無料プランではQRコードの生成や入出庫記録など、基本的な機能の利用が可能です。
また、サポート体制の充実も「zaico」の特徴の一つです。導入サポートやメール・ヘルプセンターによるサポートで、導入から運用まで円滑に進行できます。
出庫処理や棚卸、在庫確認時間など、在庫管理にかかる現場の作業負担を軽減するとともに経営コストを削減できるでしょう。
ロジクラ

株式会社ロジクラが提供する「ロジクラ」は、累計アカウントが36,000社(2024年8月時点)を超える在庫管理アプリです。14日間の無料トライアル期間を設けており、期間中はすべての機能を利用できます。
「ロジクラ」の魅力は外部サービスとの連携のしやすさです。例えば受注管理システムと連携し、入荷のタイミングに商品をスマートフォンでスキャンすれば、ネットショップの在庫に自動的に反映されます。
在庫管理や出荷の工数を大幅に削減し、経営コストの削減に大きく役立つでしょう。
クラプロ

ビズノード株式会社が提供する「クラプロ」は、無料で利用できる在庫管理アプリです。QRコード・バーコードのスキャンや棚卸、在庫アラートなど基本的な機能が利用できます。
入出荷数や入出荷額などのABC分析リポートも確認できるため、経営改善にも役立つでしょう。
無料プランでは、商品やメンバーの数に制限があるものの、すべての機能を利用できます。在庫管理アプリとはどのようなものなのか、お試しで使いたい方におすすめです。
ハウメニ

株式会社スイートスポットが運営する「ハウメニ」は、シンプルなデザインで操作性に優れた在庫管理アプリです。操作画面がシンプルでわかりやすく、ITが苦手な従業員でも利用しやすいでしょう。
入出庫管理や在庫検索などの基本的な機能が利用できます。必要最低限の機能があれば問題なく運用できる場合におすすめの在庫管理アプリです。
Tana

Instoll株式会社が提供する「Tana」は、大学の研究室から生まれた在庫管理アプリです。入出庫管理や棚卸などの基本的な機能が無料で利用できます。
JANコードやQRコードだけでなく11種類のバーコードに対応しており、海外からの商品でもスマートフォンやタブレットで問題なくスキャンが可能です。データはクラウド上に3重でバックアップされるため、複数デバイスからでも安心して利用できます。
お試しで利用したい方や小規模事業の方におすすめの在庫管理アプリです。
【有料】おすすめの在庫管理アプリ

管理する在庫数が多い場合や、より作業効率を高めて経営コストを削減したい場合は、有料の在庫管理アプリがおすすめです。自社に最適な在庫管理アプリを見つける参考にしてください。
アプリ | 特徴 | 費用 |
---|---|---|
クラウドトーマスPro | 大規模事業者向け・複数倉庫管理に優れている | 月額150,000円~ |
PigeonCloud | 在庫管理に限らず、他業務の改善も可能 | 月額1,100円/人 |
ConviBASE | 棚卸業務の大幅削減が期待できる | 要問い合わせ |
Oracle NetSuite | 企業の基幹プロセスをすべて改善 | 要問い合わせ |
備品管理クラウド | 会社の備品に特化した在庫管理アプリ | 月額5,000円~ |
WMSics | 属人化せず、効率的な入出庫業務を標準化できる | 要問い合わせ |
クラウドトーマスPro

株式会社関通が提供する「クラウドトーマスPro」は、大規模事業者向けの在庫管理アプリで、複数の倉庫を一括で管理したい場合におすすめです。
カスタマイズ性に優れ、ケース・バラ管理が必要な場合や賞味期限などの管理方法が特殊な場合でも柔軟に対応できます。
また在庫管理だけでなく、歩数を削減するゲートアソートシステムとWMS(倉庫管理システム)を連携することで、広い倉庫でもピッキングなどの作業効率を大きく向上できます。
経営コストの削減や生産性の向上を目的として、在庫管理アプリの導入を検討している場合におすすめです。
PigeonCloud

株式会社ロフタルが提供する「PigeonCloud」は、在庫管理だけでなく顧客情報や問い合わせ、請求などの管理もおこなえる在庫管理アプリです。売上や経費計算、採用などさまざまな業務に活用できます。
在庫管理では在庫数の把握や棚卸、データ分析で活躍します。複数人での同時入力が可能で、大人数での棚卸を効率的に実施できます。
分析リポートではどの商品がどれだけ売れたかの記録が閲覧できるため、売上の傾向を把握し、発注ミスの防止も可能です。
ConviBASE

株式会社コンビベースが提供する「ConviBASE」は、導入実績No.1(日本マーケティングリサーチ機構調べ2023年2月期実績調査)を誇る物品管理システムです。スマートフォンやタブレットで入出庫管理や棚卸機能もあり、在庫管理アプリとしても利用できます。
ConviBASEでは、特に棚卸にかかる時間の大幅な削減が期待できます。従来の「探す」棚卸からスマートフォンでバーコードを「読み取るだけ」の棚卸に変化するため、作業負担の大幅な削減が可能です。
またオプション機能が豊富にあるため、必要な機能を組み合わせて自社に最適な在庫管理アプリとして利用できます。
Oracle NetSuite

日本オラクル株式会社が提供する「Oracle NetSuite」は、38,000社が導入するクラウドERPシステムです。ERPとは、人事や物流、販売など、企業の基幹となる業務を統合し、業務の効率化と情報の一元管理を図るシステムです。
iOSやAndroidに対応しているため、スマートフォンやタブレットで在庫管理ができます。
在庫管理だけでなく、会計や顧客、コンプライアンス管理などさまざまな業務を効率化できます。在庫管理の効率化に限らず、基幹プロセス全体の改善や効率化をしたい企業におすすめのシステムです。
備品管理クラウド

アストロラボ株式会社が提供する「備品管理クラウド」は、企業の備品をまとめて管理できる在庫管理アプリです。在庫数に限らず、購入時期や稟議書、現在の利用状況などもまとめて記録できます。
すべて備品を管理できるため無駄な再購入を防止するだけでなく、普段使わずに眠っている備品の発見にもつながります。
備品の登録はスマートフォンでバーコードを撮影するだけで簡単に登録が可能です。
会社にある備品を最大限に活用できる在庫管理アプリと言えます。
WMSics

株式会社アイ・シー・エスが提供する「WMSics」は、正確な在庫状況の見える化と効率的な入出庫作業のシステム化を実現できる在庫管理システムです。
「WMSics」で管理している商品の在庫はすべてリアルタイムで反映されるため、正確な在庫状況を把握できます。
また、倉庫の棚に割り当てたバーコードやRFIDと連携することで、空いているスペースの可視化が可能です。これにより入出庫作業を効率化するだけでなく、棚の入れ替えや新しい商品の入庫の際も円滑に処理できるでしょう。
在庫管理アプリを導入するメリット

在庫管理アプリには在庫管理を最適化する役割があり、会社や従業員にとって多くのメリットをもたらします。在庫管理アプリ導入の費用対効果を高めるためにも、導入メリットについて見ていきましょう。
過剰在庫や在庫切れの防止
在庫管理アプリでは、販売や仕入れ状況から需要予測が立てられるため、過剰在庫を減少できます。
また、在庫管理で在庫の増減を常に監視できることから、在庫切れを未然に防止できます。中にはアラート機能によって、在庫が一定の数を下回った場合に通知がくるよう設定できるアプリもあり、在庫切れ防止に役立つでしょう。
ヒューマンエラーの防止
在庫管理をExcelやスプレッドシートでおこなっている場合、入力ミスなどのヒューマンエラーが起こりやすいデメリットがあります。加えて、棚卸の際に実際の在庫と在庫管理表の数が合わず、何度も数え直すこともあるでしょう。
在庫管理アプリでは商品の入出庫を自動で記録できるため、入力ミスを修正したり、確認作業をしたりする時間を短縮できます。
ヒューマンエラーを未然に防ぎ、生産時間を増やせられれば、残業時間の削減や従業員の満足度向上につながるでしょう。
低コストで利用が可能
在庫管理アプリは、モバイル端末にアプリをインストールするだけで利用が可能です。
利用するプランや機能などによってコストは変化しますが、それほど大きな環境整備を必要としないため、比較的低コストで導入できます。
導入コストが少ない上、導入後は作業を大きく効率化できる可能性があるためコストパフォーマンスに優れ、高い費用対効果が期待できるでしょう。
結果的に労働環境の改善や会社の利益向上にもつながります。
誰でも簡単に利用が可能
在庫管理アプリは普段使い慣れたスマートフォンやタブレットを使用するため、直感的に操作できる点が大きなメリットです。ITシステムや最新技術などに苦手意識がある従業員でも簡単に操作できます。
また、モバイル端末は持ち運びが簡単でスピーディな在庫管理ができます。誰でも簡単に、在庫管理作業を効率的に実施できるでしょう。
どこにいても在庫状況の確認が可能
在庫管理アプリはクラウド上で利用でき、インターネット環境さえあれば場所や時間を問わず在庫状況の確認ができます。
例えば商談先で在庫状況について問われた際、全商品の在庫状況を把握することは難しいため、回答するのは至難の業です。在庫管理アプリであればすぐに確認できるため、商談先のニーズに応えられる可能性が高まります。
需要の高い商品は外出先でもその場で確保しておけるため、クライアントへの対応力も高められるでしょう。
在庫管理アプリのデメリット・注意点

在庫管理アプリを導入する際には、いくつかのポイントに注意が必要です。導入目的を達成できなかったりトラブルに発展したりする可能性もあるため、在庫管理アプリのデメリットをあらかじめ押さえておきましょう。
無料で利用できる機能に制限がある
在庫管理アプリを導入する際、多くの場合は無料トライアルや無料プランから利用を開始します。しかし無料プランでは、登録できる商品数や利用できる機能に制限があるため、注意が必要です。
また、開発やローカライズが必要になるアプリなど、在庫管理アプリとして単体では不十分なアプリも存在します。コスト面だけを見て導入した結果、バグが生じたり使いにくかったりすることも少なくありません。これらは、かえって作業効率の低下や従業員のストレスにつながる可能性もあるため、在庫管理アプリを選ぶ際は機能性や操作性も含めて総合的に判断しましょう。
在庫管理アプリを導入する際は無料プランだけでなく、有料プランへの変更も視野に入れておくことが大切です。
導入・定着に時間がかかる
在庫管理アプリに限らず、新しいシステムやツールの導入には時間がかかります。導入して運用を開始するまでに、マニュアル整備や研修などの準備が必要です。
運用開始後も、社内に浸透して定着するまでに一定の期間がかかります。使い慣れないうちは作業効率も上がりにくいため、導入効果が出るには、ある程度の時間がかかることを理解しておきましょう。
情報漏洩のリスクがある
在庫管理アプリはスマートフォンやタブレットで手軽に利用できる反面、アクセスが容易であるため情報漏洩のリスクが潜んでいます。
例えば複数人で共有する場合は、誤送信によって情報が漏洩する可能性があります。また、営業や商談などで現場からスマートフォンやタブレットを持ち出す場合にも注意が必要です。スマートフォンの置き忘れによって、関係者以外から不正にアクセスされるケースもあります。
勤務時間外の利用や持ち出しを禁止するなど、マニュアルなどでルールを設けることが大切です。
在庫管理を効率化して生産性を高めよう

在庫管理アプリ選びでは、自社の課題解決や導入目的の達成が見込めるかが重要です。そのためには、機能や操作性、予算に見合ったコストなどに着目して慎重に選定しましょう。
コストをなるべくかけたくない場合は、在庫管理アプリではなく在庫管理表の活用もおすすめです。しかし、紙を使う場合は印刷コストがかかったり、入力ミスが生じたりと不便に感じることも少なくありません。
『i-Reporter』は在庫管理表を電子化し効率化できる現場帳票システムです。
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