昨今、多くの企業でチャットボットの導入が進んでいます。
チャットボットの導入効果を確認する方法はどのような点にあるのでしょうか?
今回の記事では、チャットボットを取り入れたいと考えている企業向けに、チャットボットの導入効果を解説し、効果の検証方法について紹介します。
チャットボットとは
チャットボットとは、質問に自動返信するチャット形式のシステムです。
想定される質問の解答を予め用意しておき、チャット内に質問がくると、用意された解答に沿って自動で返信してくれます。
最近は業種問わず多くの企業がチャットボットを取り入れており、WEBサイトのトップページの下部に出てくる小さなチャットの窓口が出てくるのを目にする機会も多いでしょう。
チャットボットは、主にWEBサイトやECサイトに来訪したユーザー向けの問い合わせ対応に用いられます。その他にも、マーケティングを支援してCVRの向上に貢献する、社内向けチャットとして社員向けに使用するなどの方法があります。
チャットボットは、AIが搭載されているものもあり、お問い合わせ対応だけでなく、担当者の業務を手助けします。業務効率の向上やコスト削減など導入のメリットが多くあり、注目を集めています。
チャットボットの導入効果
チャットボットの導入効果は、様々な場面で実感できます。担当の従業員を手助けをするだけでなく、人間にはできない細やかな分析作業をすることで、売上向上を実現できる場合もあるのです。
ここからはチャットボットの導入で得られる効果について、以下の8つを詳しく紹介していきます。
- 顧客対応時間の拡大
- 工数とコストの削減
- 問い合わせ対応の品質維持
- 顧客の待ち時間削減
- ユーザーの意見を数値で分析できる
- 顧客接点の増加
- WEBサイトのCVR向上
効果1:顧客対応時間の拡大
以前までの問い合わせ対応は、電話やメールなどの有人対応が主流であったため、定休日や深夜の時間帯は対応ができませんでした。しかし、チャットボットを導入すると、24時間365日の顧客対応が可能です。
チャットボットを導入せずに、有人対応で午前10時〜午後18時までを営業時間とした場合と比べて、倍以上の時間に拡大できます。営業日も365日対応可能です。
平日の夜や週末など、人手を割くのが難しい時間にチャットボットが自動返信してくれることで、顧客満足度の向上が期待できます。
週末や祝日にしか時間のない、新たな客層へ対応できるチャンスも生まれるでしょう。
効果2:工数とコストの削減
よくある質問や、簡単な質問をチャットボットに解答させると、担当者の負担を軽減できます。その結果、複雑な質問や、特殊な質問のみを有人で対応して、全体の回答数や解決数を上げていくことが可能です。
今まで人がやっていた業務の一部をチャットボットに変えると、業務の効率化を実現できます。チャットボットと、有人対応を上手く組み合わせて、工数を減らし、人件費のカットもできるでしょう。
効果3:問い合わせ対応の品質維持
有人対応の問い合わせは、人により回答の内容が偏る場合があります。この問題は、問い合わせ対応の品質が低下したり、予期せぬトラブルによりクレームが発生したりするでしょう。
今まで人が行っていた部分をチャットボットに変えるだけで、人の経験や感情、その日のコンディションに左右されずに一定の品質で回答します。
チャットボットと有人対応の組み合わせにより、問い合わせ対応の品質を維持できます。
また、クレーマーなど万が一粗悪なユーザーが居た場合に、チャットボットを介すことで従業員を守ることにも繋がるでしょう。
効果4:顧客の待ち時間削減
有人対応のコールセンターでは一度に対応できる数は限られているため、顧客を長時間待たせてしまう場合もあります。メールの対応も数日の待ち時間を要することがあるでしょう。
待ち時間が長いと、良い対応をしていても満足度が下がる可能性があり、場合によっては返信が遅いとクレームになってしまいます。
チャットボットを用いるとこれらの待ち時間を削減する効果が期待できます。
効果5:顧客接点の増加
チャットボットは、WEBサイトやホームページのトップページに窓口を設置します。ユーザーは、疑問に思った内容をその場ですぐにチャットボットに入力できます。
そのため、電話やメールでの問い合わせと比べてハードルが低くなるのがメリットです。
ユーザーが問い合わせをしやすくなると、問い合わせ件数の増加と共に、顧客との接点が増えて購入につながる可能性も高くなります。特定のサイトへの誘導したり、商品の説明をしたりすることで途中離脱防止にも繋がるでしょう。
効果6:ユーザーの意見を数値で分析できる
前述した通り、チャットボットの使用は電話やメールよりもハードルが低く、顧客の意見を集めやすいメリットがあります。
顧客とチャットボットのやり取りは自動で記録され、蓄積されていくため、データ分析に役立つでしょう。
何を疑問に思っている顧客が多いのか、何を不満に思っているのか数値化して把握でき、サービスや品質の改善に効果的です。
チャットボットの導入効果を確認する方法(指標となるKPI)
これまで、チャットボットの効果について紹介しました。次の項では、これらの効果を確認するKPIについて紹介します。
KPIは、重要業績評価指数を指し、組織が目標を達成するためにプロセスを評価する基準です。重要なKPIを確認することで、チャットボットの導入効果を数値で確認できます。
この項では、チャットボットの導入効果を確認できる方法を、以下6つのKPIに分けて紹介します。
- 方法1:CV(コンバージョン)の確認
- 方法2:起動数・利用開始率を確認
- 方法3:回答数と解決数を分析
- 方法4:有人対応の件数・時間
- 方法5:サイトへの移行数
- 方法6:チャットボットの満足度
1つずつ詳しく見ていきましょう。
方法1:CV(コンバージョン)率の確認
CV(コンバージョン)とは、WEBサイト・ECサイトで最終的に獲得できた成果を指します。CV(コンバージョン)には様々のものがあり、例は以下の通りです。
- 商品やサービスの問い合わせ
- 商品やサービスに関する資料ダウンロード
- 商品のサンプル購入
- プロモーション動画の再生
チャットボット導入前と導入後の、CV率を比較するとわかりやすい比較になります。
方法2:起動数・利用開始率を確認
チャットボットの起動数とチャットボットの利用開始率を確認することでも導入効果を確認できます。
起動数は、サイトに訪れたユーザーの中でどのくらいの人がチャットボットを起動したかです。利用率が低いときには、何らかの不具合が出ている可能性があるため確認してみましょう。
利用開始率は、サイトにチャットボットが表示されたあとにユーザーが利用を開始した数です。チャットボットは、表示させるタイミングや表示させる位置により利用開始率が変化します。
そのため、ユーザーが見つけやすく、使いやすい位置とタイミングで表示させることが大切です。
他にも、利用開始率は最初に表示するメッセージに左右されます。ユーザーが質問しやすいメッセージに変えて様子を見てみましょう。
方法3:回答数と解決数を分析
チャットボット導入前と導入後の問い合わせ件数も確認してみましょう。チャットボットには問い合わせ件数を減らすメリットもあり、問い合わせ件数が少なくなっている場合、導入効果が出ていると言えます。
次に、問い合わせ件数に対する回答数と解決数も確認します。チャットボットの回答がユーザーの質問に合っていないときに、ユーザーの満足度は低下してしまいます。
回答数が少ない場合はシナリオの設定や登録データの見直しが必要です。
解決数は、チャットボットがユーザーの質問や疑問を解決できた数値です。チャットの最後に「解決できましたか?」や「今回の回答は役立ちましたか?」などの文言を設定すると解決数を測れます。
方法4:有人対応の件数・時間
チャットボットの導入は有人対応の件数を減らし、担当者の負担を減らすメリットがあると紹介しました。
この項目について確認するためには、チャットボット導入前と導入後で有人対応をした件数と時間を確認しましょう。有人対応の件数と時間が減っていれば、チャットボット導入の効果が得られていると判断できます。
方法5:サイト(LP)への移行数
商品やサービスの紹介をしているサイト(LP=ランディングページ)は、誘導できた数が重要なCV(コンバージョン)です。その中で、チャットボットがサイトに誘導した数がどのくらいあるのかを確認すると、導入効果を測定できます。
チャットボットがスムーズにユーザーを誘導し、サイトへの遷移率を上げることは、問い合わせ対応の観点からだけでなく、マーケティングの観点からでも有効な手段となりえます。
方法6:チャットボットの満足度
最後に、回答率とは別にチャットボットの満足度を集計して導入の効果を測定する方法もあります。
満足度は質問の解決数だけでなく、わかりやすさや親しみやすさ、使いやすさなども関係します。それらを集計してよりよい設定に改善していくと、満足度の高いチャットボットを作れます。
チャットボットの効果を知り、課題解決の糸口に。
今回の記事では、チャットボットの導入効果や効果の確認方法について解説しました。
チャットボットの導入は、コスト削減や担当者の負担を軽減するなど、サイトの運営側に多くのメリットがあります。また運営面だけでなく、サイトに訪れたユーザー視点においても、待ち時間を減らせる・簡単に疑問を解決できるなどのメリットがあります。
チャットボットの効果やその確認方法を理解し、導入効果を測定していくことで、十分に効果を実感できるでしょう。
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