「チャットボットの導入を検討しているけれど、導入後どのような効果が得られるのか知りたい」「チャットボットの導入効果の測定方法を知りたい」
そのようなお悩みを抱えている企業担当者の方は多いのではないでしょうか。チャットボットの効果を最大限に引き出すためには、導入後も定期的に使用状況を分析して、質問と回答の内容をメンテナンスする必要があります。
そこで本記事では、チャットボットを導入することで得られる効果と効果測定の方法について解説します。チャットボット導入の成功事例なども紹介しているのでぜひ最後までご覧ください。
また弊社サンソウシステムズでは月額1万円から導入できるチャットボットツール「さっとFAQ」をご提供しています。Excelを使用して会話データを作成でき、お問い合わせページや社内ヘルプデスクなどにも活用が可能です。
今なら30日間のトライアルも実施中なので「まずは使って試してみたい」という方は、ぜひこの機会に導入をご検討ください。
チャットボットとは
チャットボットとは「チャット(会話)」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、チャットを自動でおこなうプログラムのことを指します。
「チャット」はインターネットを活用した、リアルタイムコミュニケーションのことで、主にテキストを双方向でやり取りする仕組み。「ボット」はロボットの略で、人間に代わって一定のタスクや処理を自動化するためのプログラムのことです。
最近は業種問わず多くの企業がチャットボットを取り入れており、WEBサイトのトップページの下部に出てくる小さなチャットの窓口が出てくるのを目にする機会も多いでしょう。
チャットボットの特徴
チャットボットは「シナリオ型」と「AI搭載型」の2種類が存在しています。シナリオ型はカスタマーサポート業務を代行させるのに向いているシステムです。あらかじめ設定しておいたシナリオに沿ったルール通りの動きしかできないデメリットがありますが、導入費用やランニングコストがAI搭載型と比べて安く、データベースが用意されていれば簡単に構築できます。
一方、AI搭載型はECサイトにおける接客や予約代行サービスなどに利用されることの多いシステムです。回答精度を上げるために導入当初から大量のデータが必要となる手間がかかりますが、シナリオ型と比較して複雑な質問にも柔軟に回答できます。使用されればされるほど、AIが学習を深めていき、より適切な回答を提示しやすくなるため、幅広い質問に無人で対応できるメリットがあります。
チャットボットのメリット
チャットボットにはさまざまなメリットがありますが、代表的なものは下記の通りです。
- 人的なコストを削減できる
- 24時間365日時間に関係なく顧客対応が可能になる
- 電話などの待ち時間短縮による顧客満足度の向上が期待できる
- 外部システム連携で業務を効率化できる
24時間365日、待ち時間なく自動で顧客対応ができるチャットボットですが、外部のシステムと連携させることで、その真価をさらに発揮します。すでにユーザーの多いLINEや社内のチャットツールと連携させれば、利用者もより気軽に問い合わせができるようになるでしょう。
また社内の在庫管理システムや人事管理システムと連携させれば、チャットボットを通じて在庫数の確認や勤怠入力もできるようになり、管理部門の負担軽減も期待できます。さらに問い合わせ業務だけでなく、マニュアルやナレッジなどの情報を社内で確認したい場合にもチャットボットは有用です。

チャットボットの種類
チャットボットは、主にWEBサイトやECサイトに来訪したユーザー向けの問い合わせ対応に用いられます。その他にも、マーケティングを支援してCVRの向上に貢献する、社内向けチャットとして社員向けに使用するなどの方法があります。
またチャットボットは、大きく2種類存在します。
- シナリオ型
- AI型
お問い合わせ対応だけでなく、担当者の業務を手助けしてくれる点も大きな特徴です。また、業務効率の向上やコスト削減など導入のメリットが多くあり、注目を集めています。

シナリオ型
まずはじめにシナリオ型とは、画面上の選択肢から該当する問い合わせ内容を選択していく形式のチャットボットです。シナリオ型は、「ユーザーが質問してきそうな内容」と「その質問への回答」を事前に登録しておくことで、ユーザーの疑問を解決することができます。
シナリオ型が適しているシーンは、「よくある質問」や「簡単なトラブルへの対応」などが挙げられます。あらかじめ、よくある質問とその回答を作成しておけば、よくある質問への回答が自動化されます。そのため、結果的にサポートセンターなどの業務を削減することができるでしょう。
しかし、AIを搭載しているわけではなく、あくまでも事前に登録した内容以外の質問に回答することはできないため、導入する際は注意が必要です。

AI型
次にAI型とは、ユーザーが入力した質問に対して、AIが最適な回答を用意してユーザーの質問に答えるチャットボットです。AI型は事前に登録した内容だけでなく、自然言語処理などのAIを活用して、より広範囲の問い合わせに対応することができます。
AI型の具体的な仕組みとしては、初期設定の際に膨大なデータをインポートすることで、それを基に機械学習をおこなっていき、回答精度を上げていく仕組みです。例えば、ユーザーの回答履歴を参考に、ユーザーの求めている商品を自動的に提案するなど、接客にチャットボットを活用することも可能です。
最近では、シナリオ型とAI型のハイブリッドで使用している企業も増えています。シナリオ型とAI型のハイブリッドで使用することで、ユーザーは選択肢で疑問を解決できるのと同時に、フリーテキストで聞きたいことをダイレクトに尋ねることが可能です。
しかし、最初に用意したデータの質が悪いと回答精度が上がりづらくなります。また、ユーザーからの質問に正確に答えられるようになるまで一定の学習期間が必要になるため、導入から効果が反映されるまでには多少の時間が必要です。

チャットボットの導入効果
チャットボットの導入効果は、様々な場面で実感できます。担当の従業員を手助けをするだけでなく、人間にはできない細やかな分析作業をすることで、売上向上を実現できる場合もあるのです。
ここからはチャットボットの導入で得られる効果について、詳しく紹介していきます。

業務を効率化できる
単純な質問やよく聞かれる質問には、チャットボットが自動応答するよう設定しておけば、対人対応が必要な問い合わせ件数の削減が可能です。チャットボット導入によって他業務に人員や時間を割けるため、業務の効率化が期待できます。
また社内向けの問い合わせに導入した場合、社内で利用しているビジネスチャットとチャットボットを連携させれば、社員はその場で疑問を解決できるため、回答者だけでなく質問者の業務効率化も可能です。
社内からの質問の中にはマニュアルを見ればわかるものも多く含まれています。問い合わせに対応する担当者の多くは、このような単純な質問への回答にも時間を取られるため、自分たちの仕事が進まないというケースがよくあります。
チャットボットでよくある質問に対応することで、問い合わせ数自体が減り、問い合わせ対応部署の業務効率の向上が期待でき、ひいては業務時間の短縮にも繋がるでしょう。


問い合わせ対応の人的コストを下げられる
チャットボットは、問い合わせ対応の人的コストの削減にも有用です。例えば「よくある質問」にオペレーター2名が対応した場合のコストと、チャットボットを導入した際のコストを試算してみましょう。
【例】オペレーター2名対応の場合の試算
時給:2,000円・1人あたりの対応件数:10件/日・対応時間:10分/件
10件×10分=100分(約1.7時間)
2,000円×1.7時間×20日=68,000円(1人あたり)
68,000円×2人=136,000円
【例】「よくある質問」に月額10万円のチャットボットが対応するの試算
136,000円-100,000円=36,000円のコストカット
実際に担当するオペレーターの数が多ければ多いほどさらにコストカットが期待できます。チャットボットは休日夜間関係なく稼働できることも含めると費用対効果は非常に高いといえるでしょう。
ユーザーのニーズを収集・分析できる
チャットボットはユーザーからの質問を集計することで、ユーザーのニーズを収集・分析し、今後の事業に役立てることも可能です。
チャットボットで集計できるデータには、下記のようなものがあります。
- 合計質問数
- カテゴリ別の内訳
- 問い合わせの多い質問の件数
- 満足度
- 日付による問い合わせ数の推移
ユーザーが疑問に感じていること、不満に感じていることを定量的に把握できるため、チャットボットの回答を最適化できたり、ユーザーの声にならないクレームや不満を理解したりすることができるでしょう。
またチャットボットの使用データは自動で蓄積されるため、問い合わせキーワードをデータベース化することで何がよく検索されているかを分析できます。ユーザーの隠れたニーズや要望を発掘し、今後の商品やサービス展開に活かせるでしょう。
さらに社内向けにチャットボットを使用すれば、社内に存在する問題点の洗い出しや、ナレッジベースの構築にも活用できます。
顧客満足度の向上につなげられる
特にECサイトは休日や夜間にアクセスするユーザーも多いため、早朝深夜・休日などの顧客問い合わせ対応が課題であることと言えます。チャットボットは24時間365日顧客対応ができるため、営業機会の損失を減少させ、売上につなげられます。
従来であれば営業機会を増やすためには人員を増やす必要がありましたが、チャットボットを利用すれば、人を増やさずに顧客接点を増やせるのです。
また、チャットボットを導入することでユーザー側にも下記のようなメリットが期待でき、顧客満足度の向上につなげられるでしょう。
- 電話の待ち時間が削減される
- 電話やメールより気軽に質問できる
- 対応の品質が一定のためストレスなく利用できる
チャットボットによってオペレーターの負担も軽減でき、複雑な質問の対応に集中できるようになるため、対人応対品質の向上も期待できます。問い合わせ対応全体のクオリティーを向上させることで、顧客満足度をさらに上げられるでしょう。
顧客接点を増やすことができる
チャットボットは、WEBサイトやホームページのトップページに窓口を設置することが多くあります。ユーザーは、疑問に思った内容をその場ですぐにチャットボットに入力できます。
そのため、電話やメールでの問い合わせと比べて、行動のハードルが低くなる点がメリットです。
ユーザーが問い合わせをしやすくなると、問い合わせ件数の増加と共に、顧客との接点が増えて購入に繋がる可能性も高くなります。
特定のサイトへ誘導したり、商品の説明をしたりすることで途中離脱の防止にも繋がるでしょう。
問い合わせのハードルを下げられる
ユーザーは疑問点や不安な点があっても、電話でわざわざ問い合わせるのは心理的ハードルが高いと思ってしまいます。チャットボットはより気軽に質問できるツールであるため、電話やメールで問い合わせるほどではない些細な疑問も質問しやすいと感じるでしょう。
また、電話が苦手なユーザーや営業時間内に電話をかけられないほど多忙なユーザーは、問い合わせ自体が面倒だと感じます。せっかく時間を作り、勇気を出して電話をしたとしても、電話が混み合っていてなかなか繋がらないケースも少なくありません。結局電話が繋がらないと面倒に感じ、問い合わせ自体をやめてしまう可能性もあるでしょう。
人間が相手だと問い合わせ自体をためらってしまうユーザーが一定数いるため、チャットボットの導入は、問い合わせのハードルを下げるためにも有用といえます。

問い合わせの回答を統一できる
チャットボットは事前に組んだプログラムによって回答を導き出しているため、ユーザーからの問い合わせに対する回答を統一できます。事前に研修をしていたとしても、オペレーターの対応では対応する人によって回答内容がばらつく可能性があります。回答がばらつくと想定外のトラブルやクレームにつながることも。
チャットボットに「よくある質問」などの簡単な質問対応を任せれば、回答内容が統一できるのはもちろん、人は複雑な質問対応に集中できます。注意しておくべき問い合わせ内容も絞れるため、オペレーターの対応負担も軽減できるでしょう。
簡単な質問はチャットボット、複雑な質問はオペレーターが対応するというように分業をおこなうことで、これまでオペレーターにかかっていた負担を軽減しながら、チャットボットでは対応できない問い合わせをカバーすることが可能になります。
Webサイトの集客や収益(CVR)の改善につなげられる
チャットボットは高品質な顧客体験をユーザーに提供することが可能です。チャットボットはすぐに問題を解決できるため、ユーザーの離脱を防げます。
またチャットボットは離脱の防止だけでなく、ユーザーの取りこぼしを回避し、商品購入やサービス申し込みといった次のアクションに繋げることも可能です。離脱率平均50〜80%と言われているフォーム入力も、チャットボットを導入すれば離脱を減らすことができ、CVRの改善が期待できるでしょう。
従来の入力フォームは入力項目が多く、ユーザーはいつ入力が終わるのかわからないというストレスがありました。例え入力を終えて送信ボタンを押したとしても、間違いがあったらまた最初からやり直しすることになり、余計にストレスを与えてしまうことも。
チャットボットなら1つの項目に対して1送信なので、間違いがあった時点で指摘が可能です。会話形式なので目の前の質問に集中でき、ユーザーがストレスを感じにくいメリットもあります。

チャットボットの効果を最大限に引き出すコツ
チャットボットは導入したらすぐに効果が出るものではありません。運用をしながら調整や改善をしていくことで効果を最大限に引き出せるのです。
ここでは、チャットボットの効果を最大限に引き出すためのコツをお伝えします。
導入の目的を明確にする
用途や目的に合う適切なチャットボットを選択しないと、負担を軽減させるために導入したチャットボットが、かえって負担になってしまったという事態に陥る可能性もゼロではありません。自社に合うチャットボットを選定するためには導入の目的を明確にする必要があります。企業でチャットボットを導入する主な目的には以下のようなものが挙げられます。
- コストを削減する
- 顧客対応を改善する
- 顧客接点を増やす
- サイトへの誘導や商材説明のフォローをおこなう
「シナリオ型」「AI搭載型」には、それぞれ得手不得手があるため、導入前に目的を明確にしてからチャットボットの選定をおこなわないと、思ったような効果が得られないでしょう。目的を細かく設定して、それに合ったツールを導入することで、運用後の効果を最大限に引き出せると言えます。
自社に適したチャットボットを選択する
チャットボット導入前に自社の目的達成に必要なFAQ数を確認し、できるだけたくさんの情報を集めて、現実的なFAQ数を正確に見積もることが成功の鍵と言えるでしょう。
「FAQの数があまり多くない」「問い合わせの内容が定型である」といった場合は、シナリオ型が適しています。一方「問い合わせの内容が複雑である」「不特定多数の人が問い合わせをする」など、表現に差異が出る可能性がある場合はAI搭載型が最適です。
また、一般的にチャットボットの活用と相性の良い課題は、以下のようなものが挙げられます。
- 社内問い合わせの対応負担軽減
- ユーザーからの問い合わせに対する対応負担の軽減
- Webサイト/LPのCVR向上
- 潜在顧客の育成
- 既存顧客のロイヤリティ向上
上記の課題例を参考に、自社の課題とチャットボットで実現したいことを明確にして、最適なチャットボットを選択しましょう。
管理者を明確にする
チャットボットへの理解が不足していたり、監視役となる適任者がおらず、運用時のメンテナンスができなかったりすると、チャットボットを導入しても失敗に終わります。チャットボットのメンテナンスやチューニングには手間がかかるため、社内で管理をするなら専任の管理者を置きましょう。
管理者の選定はチャットボットのサービス体制と照らし合わせて、自社で必要とされるスキルを確認し、適任者を検討する必要があります。また、個人ではなく複数人で構成した専任チームを用意して体制を整えておくと、管理者への負担を軽減することができ、より運用がしやすくなります。
チャットボット管理に適任者がいないなどの理由で人員を配置できない場合は、チャットボットの運用や分析を外部に依頼することが必要です。その際には、自社に合った委託先を十分に検討しなくてはなりません。また、運用代行にも、ランニングコストがかかるという点も理解しておきましょう。
ユーザーのメリットを明確にする
ユーザーは、「チャットボットは質問したことに何でも答えてくれる便利なツールである」と期待しています。そのためチャットボットからすぐに納得のいく回答が得られないと、大きなストレスを感じます。結局自分で調べる羽目になり、かえってユーザーの負荷が増え、マイナスな感情を抱く機会になりかねません。
またよくある回答方法として、質問内容に相当する既存ページのURLを提示する方法がありますが、ユーザーは結局ページを自分で確認しなくてはならないため、「チャットボットが役に立たない」「問題が解決しない」と判断される要因になるとも言えるでしょう。
チャットボットを利用するユーザーは、チャットボット内で問題が解決することを期待しています。このことを念頭に置き、チャットボットの運用をおこなう必要があります。
質問内容を明確にする
チャットボットを始めるにはシナリオ型、AI搭載型共にユーザーが打ち込む「問い」に対する「答え」である、Q&Aやシナリオが事前に必要となります。またチャットボットの効果を最大限に引き出すためには、「ユーザーが質問しそうな内容」を明確に把握しましょう。
質問内容を明確にするためには、チャットボット導入時に既存の問い合わせ対応ログなどから「よくある質問」を洗い出して内訳を確認します。質問と回答を考えられる限り、ありとあらゆるパターンで複数作成し、導入後定期的に見直しをおこなって改善を繰り返していくことで、精度の高いチャットボットを作っていくことができます。
Q&Aやシナリオがしっかりと準備されていないと、ユーザーの質問に対して的確な返答ができず、チャットボットがうまく機能しなくなってしまいます。
定期的にメンテナンスをおこなう
チャットボットは、メンテナンスをおこなうことで回答精度が上がります。そのためチャットボットは導入前はもちろん、導入後も定期的なメンテナンスやチューニングが不可欠です。
メンテナンスやチューニングを怠ると、回答精度が落ちてクレームにつながったり、チャットボットが利用されなくなったりする可能性もあるでしょう。効果的に運用を続けるためには、定期的にメンテナンスが必要です。既存の問い合わせや質問データを十分に分析して、正しい分岐の道筋ができるように設計をすることが非常に重要と言えるでしょう。
これらはチャットボット導入時に全ておこなえるものではありません。導入後、運用をしながら少しずつ直していくことでよりユーザーに満足してもらえるシステムの構築ができるのです。
チャットボットの効果測定の方法とは
チャットボットの導入後は、導入効果を測定・検証しましょう。ユーザーの問い合わせに適切に回答できていたかを定期的に確認し、よりスムーズかつ正しい回答ができるよう改善し続けることが重要です。
効果測定の基本的な進め方は下記の通りです。
- 検証する期間、KPI指標、測定方法を選定する
- 適切な目標値を設定する
- データを収集、測定する
- チャットボット導入前後や前回測定分データとの比較検証をする
- 改善・悪化した箇所とその要因を特定後、改善策を検討する
定性的な評価だけでなく複数の指標で定量的・客観的に効果を測定しましょう。またチャットボットの効果を測定する際の指標は、下記のようなものが挙げられます。これらのデータを検証していくとよいでしょう。
- 有人対応の問い合わせ件数・時間
- チャットボットの起動回数・対応件数
- チャットボットの回答率・解決率
- チャットボットからサイトへの遷移数
- CVR(コンバージョン率)
- ユーザーの満足度
自社のチャットボットの目的に合った指標を絞り、複数回にわたって効果を測定し、分析を続けることが重要です。チャットボットの効果測定について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

チャットボットの効果がわかる事例
続いて、チャットボットの効果がわかる様々な事例を見ていきましょう。
チャットボットは、業界や業種を問わず、またあらゆる課題解決に向けて有効なツールであることが分かります。
【ユーザーサポート】導入半年で問い合わせ数2割削減|株式会社テンダ
(引用:Dojoユーザーサポートサイト)
株式会社テンダは「ホワイトカラーの業務効率化」を目指し、製品・サービスの開発をおこなうIT系企業です。数あるビジネスプロダクトは自社開発製品のため、製造販売からサービスなどのアフターフォローまで全て自社で展開しています。
今までは製品ごとにヘルプデスクを設置していましたが、製品やサービスの増加に伴い、問い合わせに対応する人員の不足が課題でした。
ユーザーサポートサイト内にチャットボット「さっとFAQ」を設置して質問の一部を対応させるようにしたところ、導入後半年でお問い合わせ全体の約2割をチャットボットに対応させることに成功。
休日夜間を問わず稼働できるチャットボットの働きにより、ユーザー満足度を向上させるだけでなく、社内の業務効率の改善に役立ちました。
参照:さっとFAQ:株式会社テンダ 様 導入後半年で2割のお問合せを削減
【新卒採用】就活生採用ページでの活用|昭和鉄工株式会社
(引用:昭和鉄工株式会社 公式サイト)
昭和鉄工株式会社は、ボイラーやヒーターなどの熱源・給湯製品や空調製品を製造販売している企業です。昭和鉄工株式会社では元々社内でチャットボットを活用する案がありましたが、社内システムへの導入に先駆けて新卒採用サイトに導入をしました。
オリジナルキャラクターの「フーサ」との会話ができるチャットボット「さっとFAQ」を設置したところ、公開後初月で1,000以上の質疑応答に自動対応し、業務の効率化を実現しています。
就職活動をする学生にとって、疑問点を企業の採用担当者に質問するのは心理的ハードルの高い行為です。チャットボットを導入したことにより気軽に質問をぶつけることができるだけでなく、歴史のある会社でありながら最新技術を使っている点を就活生にアピールすることにも役立ちました。
今後は営業と設計チームをつなぐ社内ヘルプデスクとしてチャットボットを活用する予定です。
参照:さっとFAQ:昭和鉄工株式会社様 新卒採用サイトにチャットボットを導入
東急ハンズ
(引用:東急ハンズ)
多彩な商品が溢れる東急ハンズでは、チャットボットを導入後、数週間で回答率が99%以上となった実績があります。
東急ハンズは、アプリユーザーからの問い合わせが増えたことを受け、チャットボットの活用を始めました。会員限定クーポンやキャンペーンなどについて、1か月で1600件も問い合わせがありましたが、チャットボットを導入したところ約400件にまで激減しています。前年と比べ半分以上の削減率で、業務効率化に大きく繋がりました。
参照:SupportChatbot:導入直後からお問い合わせ数が50%以上削減!労力のかかっていた仮パスワード発行業務も大幅に効率化!
【公共サービス】お忘れ物チャットサービス|JR西日本
JR西日本では、忘れ物の問い合わせをチャットでおこなえます。従来であれば忘れ物の問い合わせは、受付時間内に電話でしか問い合わせができませんでしたが、チャットから問い合わせられるようになったことで、気がついたときにいつでも問い合わせが可能になりました。
また問い合わせ方法も非常にシンプルで、いくつかの選択肢から適切な項目を選ぶだけで問い合わせできます。忘れ物の品名や時間、場所など具体的な内容を選択して進めていくと、最終的にオペレーターにつながり、忘れ物が届いていないか回答してくれる仕組みです。
オペレーターにつながるまで電話をかけ続けなくてはいけないユーザーのストレスを軽減できるだけでなく、チャットボットを通じて忘れ物の特徴をあらかじめ回答することで、情報の間違えもなくなり、オペレーターの負担軽減にも役立っています。
ヤマト運輸
(引用:ヤマト運輸)
ヤマト運輸では、LINE上のチャットボットで日本全国の顧客を対象に、自動チャットサービスの提供を開始しました。
配送状況の確認や集荷の申し込み、受取日時や場所の変更、再配達の連絡などの問い合わせや手続きがLINEのチャットひとつで完結します。また、選択肢から選ぶだけでなく、フリーワード検索にも対応しているため、チャットボットの導入前と比べると、ユーザーにとっての利便性が大きく向上したと言えるでしょう。
参照:お客さまの声からの改善事例-ヤマト運輸:チャットボットによるご依頼やお問い合わせを、日本全国どこでもご利用いただけるようにしました。

チャットボットを効果的に導入する5つのポイント
次に、チャットボットを効果的に導入するポイントについて見ていきましょう。
ただ導入・運用するのではなく、目的意識やより効果的な運用方法を理解しておけば、チャットボットをさらに有効に活用できます。
チャットボットを導入する目的を明確にする
チャットボットを導入する際は、目的を明確にしておくことが大切です。目的を明確にしないままチャットボットを導入すると、「業務負担を軽減させたかったのに、むしろ負担が増えてしまった」というような事態に陥る可能性があります。
あらかじめ、コストの削減、顧客満足度の向上、CVRの改善といった自社の課題の特定と、「チャットボットでその課題が解決できるか?」をよく検討してみてください。その上で「シナリオ型」、「AI型」のどちらが適切か考えてみましょう。
ユーザー視点でチャットボットの導入を考える
チャットボットを導入する際は、「ユーザーにとってチャットボットがどんなメリットを持つのか?」といったユーザー視点で考えることがポイントです。
主に考えられるユーザーのメリットは、以下のような例が挙げられます。
- 24時間問い合わせができること
- 電話対応やメール対応をしなくてもよい
- 電話やメールに比べて気軽に問い合わせができる
このようにユーザーのメリットを事前に把握した上で、チャットボットを導入しましょう。
チャットボットの貢献度を把握する
チャットボットの貢献度を把握しておくことも大切です。
例えば、「CVRの改善」を目的としてチャットボットを導入した場合、「チャットボット経由のCV数」に注目します。チャットボットから「資料請求」や「申込み」などのアクションにどれだけ遷移したのかを知ることで、チャットボットの貢献度を把握することができます。
運用後は、このような目的に則した数値を定期的に分析しながら、チャットボットの効果や貢献度を検証しましょう。
チャットボットの運用者を決める
チャットボットを導入する際は、事前にチャットボットの運用担当者を決めるようにしましょう。チャットボットの効果を最大化させるためには、チャットボットのシナリオ作りや、チューニング、日々の情報の更新が欠かせません。
回答精度が低いままチャットボットを放置しておくと、ユーザーからクレームを受ける可能性も少なからずあるでしょう。そのため、チャットボットを導入する際は、運用担当者を決め、チャットボットのPDCAを回せる体制を構築しておく必要があります。
有人オペレーターの用意しておく
チャットボットが高性能とはいえ、チャットボットだけでは解決できない質問は必ず存在します。チャットボットでは解決できない質問を、解決まで持っていくために必要なのが「有人オペレーター」です。
簡単な質問はチャットボットに任せて、その他の複雑な質問に関しては、「電話でオペレーターが対応する」、「チャット内で有人対応する」など、有人対応ができる仕組みを構築しておく必要があります。
チャットボットと有人対応を併用して対応をおこなうことで、より幅広い質問に適切なリソースで回答できるようになります。
チャットボットを導入する際の3つの注意点
最後に、チャットボットを導入する際の注意点について見ていきましょう。
導入前に注意点を理解しておくことで、導入後に「思った効果が得られなかった」「想定外のトラブルが発生した」という事態をある程度避けられるでしょう。
チャットボットの導入コスト・ランニングコストが発生する
チャットボットを導入・運用するには、相応の導入コストやランニングコスト、人の手間が発生することを事前に把握しておきましょう。
例えばシナリオ型の場合、チャットボットを導入すると同時にシナリオも構築する必要があります。またAI型の場合だと、FAQなどを整理し、膨大なデータを学習させなければなりません。
さらにチャットボットを導入後、回答精度を向上させるために、日々チューニングをおこなう必要があります。これだけの作業をおこなうには、専任の担当者が必要になるため、人材確保のためのコストが発生するケースも考えられます。
チャットボットを導入した際の費用対効果を吟味し、自社にとってマイナスにならないように導入・運用しましょう。

チャットボットを導入するまでには多少の時間がかかる
チャットボットは導入までに多少の時間を要します。
シナリオの作成やFAQの整理、人材確保など、諸々の作業に時間をとられることになります。特にAI型は、機能が複雑なものも多いため、導入するまでに半年以上の期間を必要とする場合もあります。
そのためチャットボットを導入する際は、導入までの期間も最低限把握しておきましょう。
定期的にチャットボットのチューニングが必要
チャットボットの導入時には、定期的にチャットボットのチューニングをおこなう必要があることも理解しておきましょう。
チャットボットはインプットされていない情報に対応することが難しいため、回答精度を上げる意味でも、常に情報の更新や、チューニングをおこなう必要があります。

チャットボットの効果を理解して課題解決の糸口に!
今回の記事では、チャットボットの導入効果や効果の確認方法について解説しました。
チャットボットの導入は、コスト削減や担当者の負担を軽減するなど、サイトの運営側に多くのメリットがあります。また、運営面だけでなく、サイトに訪れたユーザー視点においても、待ち時間を減らせる・簡単に疑問を解決できるなどのメリットがあります。
チャットボットの効果やその確認方法を理解し、導入効果を測定していくことで、十分に効果を実感できるでしょう。
弊社サンソウシステムズが提供するチャットボット「さっとFAQ」では、会話履歴から利用状況を簡単にチェックすることが可能です。徹底的に無駄を省き、高いコストパフォーマンスを実現しました。
月額1万円の低価格から利用可能、30日間の無料トライアルもご用意しましたので、「まずは使ってみたい」という方はぜひこの機会に導入をご検討ください。